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【発明の名称】 作業機のパワーユニットの冷却装置
【発明者】 【氏名】岩崎 章夫

【氏名】石井 基寛

【要約】 【課題】ラジエータ12に対してオイルクーラ13が開閉式に設置される作業機のパワーユニットにおいて、ラジエータ13の洗浄が容易となるものを提供する。

【解決手段】車体3上に、エンジン10と、該エンジン10により回転されるファン11とを搭載すると共に、該ファン11の前方にラジエータ12とオイルクーラ13とをこの順に搭載する。オイルクーラ13をラジエータの一側部側を中心として横開き式に開閉自在に取付ける。ラジエータ12の下方に位置する車体の底板17部分に開口部18または開口部18とその蓋19を設ける。洗浄におよる塵埃が開口部18を通して地面に落下させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車体上に、エンジンと、該エンジンにより回転されるファンとを搭載すると共に、該ファンの前方にラジエータとオイルクーラとをこの順に搭載してなる作業機のパワーユニットの冷却装置において、前記オイルクーラをラジエータの一側部側を中心として横開き式に開閉自在に取付け、前記ラジエータの下方に位置する車体の底板部分に開口部または開口部とその蓋を設けたことを特徴とする作業機のパワーユニットの冷却装置。
【請求項2】請求項1において、前記オイルクーラの開き角を、該オイルクーラが車体の外周フレームに当接するまでの範囲以内となるように設定したことを特徴とする作業機のパワーユニットの冷却装置。
【請求項3】請求項1または2において、前記オイルクーラの外面にキャブの空調装置のコンデンサを搭載したことを特徴とする作業機のパワーユニットの冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走式作業機のパワーユニットにおけるラジエータやオイルクーラ等の冷却装置に係わり、特に廃棄物処理作業、解体作業、スクラップ処理作業等のように塵埃が発生しやすい作業に用いる作業機に好適なパワーユニットの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自走式作業機には車体上にエンジンとこれにより駆動される油圧ポンプを含む油圧式パワーユニットが搭載される。エンジンにはその冷却水を冷却するためのラジエータが付設され、また、ラジエータに並べて油圧ポンプにより吐出される作動油の温度上昇を防ぐためのオイルクーラが設置され、該オイルクーラおよびラジエータはエンジンの出力軸に設けられたファンにより吸い込まれる空気により、熱交換用配管中に流れる冷却水や作動油を冷却する。
【0003】前記ラジエータの熱交換用配管は格子状に配設されるが、前記塵埃の発生しやすい作業を行う場合、ガラス繊維等の塵埃がこの格子の隙間に詰まり、冷却空気の流動を阻害するため、冷却効果が低下し、エンジン停止を起こすことがある。このため、このようなラジエータの配管における目詰まりを防ぐために圧搾空気の噴出やスチームジェットによりラジエータを洗浄する必要がある。
【0004】ラジエータの外側にはオイルクーラが併設されるので、ラジエータを洗浄する際には、その洗浄が容易に行われるように、オイルクーラをラジエータに対して開閉自在に取付けることが行われる。このようにオイルクーラを開閉自在にした例として、実開平5−8247号、実開平5−27237号、実開平8−289号、特開平10−220232号公報に開示されたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記ラジエータの洗浄の際には、洗浄によりラジエータから塵埃が車体の底板上に落下し、塵埃の排出が困難であるという問題点がある。
【0006】また、車体フレームの周囲には外周フレームが設けられると共に、キャブからの後方の視界を良好とするために、パワーユニットは極力低い姿勢で車体上に搭載することが求められる。一方、前記ラジエータ洗浄における底板上に溜まる塵埃の除去を容易化するため、オイルクーラの開き角を大きくして底板上の塵埃の車体外側への移動を容易化しようとすると、前記車体の外周フレームを越えてオイルクーラを外側に開く必要があるため、オイルクーラを浮かせて設置する必要がある。しかし前記キャブからの後方視界の関係から、オイルクーラの最上部の高さは制限をうけるから、前記開き角を大きくとろうとすると、オイルクーラの高さ寸法を小型化することが避けられず、熱交換機能が損なわれるという問題点がある。
【0007】また、近年においては、オペレータの作業環境を良好にするため、キャブに空調装置を設置することが行われるが、その空調装置用のコンデンサはパワーユニットとは別に設置されており、そのコンデンサ用のファンもコンデンサに付帯して設置する必要があるため、コンデンサおよびパワーユニット以外のファンを設置するための多くのスペースが車体上に必要になるという問題点がある。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑み、ラジエータに対してオイルクーラが開閉式に設置される作業機のパワーユニットにおいて、ラジエータの洗浄が容易となるものを提供することを目的とする。
【0009】また本発明は、オイルクーラの開き角を大きくすることなく、すなわちオイルクーラの機能を低下させた構成とすることなくラジエータの洗浄が容易となる構成の作業機のパワーユニットの冷却装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明は、キャブの空調装置のコンデンサを含めた設置スペースを小さくすることができる構成の作業機のパワーユニットの冷却装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の作業機のパワーユニットの冷却装置は、車体上に、エンジンと、該エンジンにより回転されるファンとを搭載すると共に、該ファンの前方にラジエータとオイルクーラとをこの順に搭載してなる作業機のパワーユニットの冷却装置において、前記オイルクーラをラジエータの一側部を中心として横開き式に開閉自在に取付け、前記ラジエータの下方に位置する車体部分に開口部または開口部とその蓋を設けたことを特徴とする。
【0012】このように、車体の底板に開口部を設ければ、オイルクーラを開いてスチームジェットや空気ジェット等によりラジエータの洗浄を行う場合、洗浄により落下する塵埃が底板に溜まることがなくなるため、洗浄が容易となる。
【0013】請求項2の作業機のパワーユニットの冷却装置は、請求項1において、前記オイルクーラの開き角が、該オイルクーラが車体の外周フレームに当接するまでの範囲以内となるように設定したことを特徴とする。
【0014】このように、オイルクーラの開き角をオイルクーラが車体の外周フレームに当接するまでの範囲以内に制限しても、前記のように底板にラジエータ洗浄による塵埃が溜まることがないため、塵埃をオイルクーラの下面の底板上を通して外に排出する必要がなくなり、ラジエータの洗浄が容易となる。
【0015】請求項3の作業機のパワーユニットの冷却装置は、請求項1または2において、前記オイルクーラの外面に空調装置のコンデンサを搭載したことを特徴とする。
【0016】このように、オイルクーラにコンデンサを搭載すれば、コンデンサ用の別設のファンが不要になる上、設置スペースも狭くてすむ。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明による作業機の一実施の形態を示す側面図である。1は作業機の履帯式走行体、2は該走行体1上に設置された旋回装置、3は該旋回装置2上に設置された旋回体である。旋回体3上には、キャブ4、パワーユニット5、カウンタウエイト6が設置され、かつ作業用フロント7が取付けられる。8はパワーユニット5の側面のドアである。作業用フロント7に取付ける作業具9としては、図示のような掘削用バケット以外に、電磁石を有するリフティングマグネット、ホーク、クラムシェルバケット、グラブ等が用いられる。キャブ4は昇降式に構成される場合もある。また、作業用フロント7に伸縮式アームを用いる場合もある。
【0018】図2は前記パワーユニット5の上カバーを開いて内部の一部の機器配置を示す平面図、図3は図2のE-E断面図である。図2、図3において、10はエンジン、11はエンジン10により駆動されるファン、12はエンジン10の冷却水を冷却するラジエータ、13はオイルクーラである。ラジエータ12は旋回体フレーム3a上に固定された前後のフレーム3b、3cにボルト、ナットにより固定される。前記オイルクーラ13はラジエータ12の一側面部または図示のようにラジエータ12を固定するフレーム3bに設けた枢着部14を中心として横開き式に開閉自在に取付けられる。オイルクーラ13の自由端は、蝶ボルト15等のより前記フレーム3c(またはラジエータ12)に固定される。
【0019】16はオイルクーラ13の外面に搭載したコンデンサであり、キャブ4に設置する空調装置(図示せず)の冷媒を冷却空気により液化するものである。前記ラジエータ12、オイルクーラ13、コンデンサ16はいずれもそれぞれ冷却水、作動油、冷媒を通す熱交換用配管を有し、これらの配管を前記流体が通る間に前記ファン11により外部から吸い込まれる空気によって各流体が熱を奪われて冷却されるものである。
【0020】旋回体3の底板17のラジエータ12の下方に相当する部分には、ラジエータ12を洗浄する際に塵埃を地面に落とすための開口部18が設けられている。19は該開口部18を塞ぐ蓋であり、その一方を枢着部20により底板17に結合し、他端を蝶ボルト21等の固定具により固定する。
【0021】本実施の形態において、ラジエータ12をエアジェットまたはスチームジェットにより洗浄する場合は、図2に示すようにパワーユニット5の側面のドア8を開き、かつ図3に示すようにパワーユニット5の上面の蓋22を開く。また、図2に示すように蝶ボルト15を外してオイルクーラ13を二点鎖線のように開く。さらに、図3に示すように蝶ボルト21を外して底板17の開口部18を塞いでいる蓋19を二点鎖線に示すように開く。このように、底板17の開口部18を開いて洗浄を行えば、洗浄により落下する塵埃を地面に落下させることができ、洗浄が容易となる。
【0022】また、図2に示すように、オイルクーラ13の開き角θを、旋回体の外周フレーム3dにオイルクーラ13の先端が位置する範囲内に制限しても、前記のように底板17にラジエータ12の洗浄による塵埃が溜まることがないため、塵埃をオイルクーラ13の下面の底板17上を通して外に排出する必要がなくなり、ラジエータ12の洗浄が容易となる。また、開口部18はオイルクーラ13やコンデンサ16の洗浄の際の塵埃や洗浄水の落下口ともなり、これらの洗浄も容易となる。
【0023】また、オイルクーラ13の外面にキャブ4内に設置する空調装置のコンデンサ16を搭載し、ファン11により冷媒の凝縮が行われるように構成しているので、コンデンサ16用の別設のファンが不要になる上、設置スペースも狭くてすむ。
【0024】本発明を実施する場合、前記開口部18を塞ぐ蓋19は必ずしも必要ではない。また、本発明は、車体(旋回体に相当)が旋回しない作業機にも適用することができる。
【0025】
【発明の効果】請求項1によれば、車体の底板にラジエータ洗浄用の開口部を設けたので、オイルクーラを開いてスチームジェットや空気ジェット等によりラジエータの洗浄を行う場合、洗浄により落下する塵埃が底板に溜まることがなくなるため、洗浄が容易となる。
【0026】請求項2によれば、オイルクーラの開き角が、該オイルクーラが車体フレーム外周の立上縁に当接するまでの範囲以内となるように設定したものであり、このように構成しても、前記のように底板にラジエータ洗浄による塵埃が溜まることがないため、塵埃をオイルクーラの下面の底板上を通して外に排出する必要がなくなり、ラジエータの洗浄が容易となる。従って、オイルクーラの開き角を大きくするためにオイルクーラの上下幅を小さくしたり、周囲のフレームに搭載部品を除去する必要がなく、機器配置が容易となる。
【0027】請求項3によれば、オイルクーラにコンデンサを搭載したので、コンデンサ用の別設のファンが不要になる上、設置スペースも狭くてすむ。
【出願人】 【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100081569
【弁理士】
【氏名又は名称】若田 勝一
【公開番号】 特開2001−342834(P2001−342834A)
【公開日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【出願番号】 特願2000−162492(P2000−162492)