| 【発明の名称】 |
内燃機関の冷却装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉原 昭
【氏名】神保 岳史
【氏名】大沼 光彦
【氏名】濱田 隼人
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| 【要約】 |
【課題】高水温時に流路断面積を比較的大きく確保でき、冷却性能を向上させることができる内燃機関の冷却装置を提供することにある。
【解決手段】冷却水通路に並列に配設され互いに異なる開弁温度を有する低水温制御弁14と高水温制御弁15を備え、該両水温制御弁の各々が内燃機関冷却後の冷却水の通路を常時ラジエータ5に連通するラジエータ側通路4、12、13或いは該ラジエータ側通路をバイパスするバイパス通路11、8、9に切換える内燃機関の冷却装置において、高水温制御弁15は該低水温制御弁14よりもバイパス通路11の上流側に接続され、高水温制御弁15のバイパス通路11との接続部よりも下流側で、且つ低水温制御弁14に至るバイパス通路を含む通路内に設けられた切換弁16と、切換弁16を内燃機関の運転状態に応じて切換えるコントローラ17とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】冷却水通路に並列に配設され互いに異なる開弁温度を有する低水温制御弁と高水温制御弁を備え、該両水温制御弁の各々が内燃機関冷却後の冷却水の通路を常時ラジエータに連通するラジエータ側通路、或いは該ラジエータ側通路をバイパスするバイパス通路に切換える内燃機関の冷却装置において、上記高水温制御弁は該低水温制御弁よりも該バイパス通路の上流側に接続され、該高水温制御弁のバイパス通路との接続部よりも下流側で、且つ低水温制御弁に至るバイパス通路を含む通路内に設けられた切換弁と、上記切換弁を内燃機関の運転状態に応じて切換える制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の冷却装置、特に、冷却水循環路中の冷却水の流動を上下2つの設定温度に基づき制御するよう2つの水温制御弁を設けた内燃機関の冷却装置に関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の冷却装置はエンジン本体の冷却水を放熱器側に循環させて冷却し、エンジンの温度上昇を防止している。この冷却装置は過度な温度上昇を抑えてエンジン出力を適正に保持する機能や、エンジン構成部材の耐熱性を上回る温度上昇を抑えてエンジンの信頼性を保持する機能や、エンジン補機であるヒータの熱源としての機能や、触媒を活性温度に保って排ガス性能を保持する機能を発揮できる。特に、エンジンは高温より低温運転時の方が充填効率を改善され、軸トルクや軸出力が大きくなることが知られており、その一例を図9(a)、(b)に示した。ここでサーモスタット設定温度が85℃(符号Δの線)より82℃(符号○の線)で運転された場合に軸トルクTや軸出力Peが大きいことが示されている。しかも、サーモスタット設定温度が85℃より82℃で運転された場合において、燃費改善率が高回転域e1(図9(b)参照)で改善され、低回転域e0ではエンジンフリクションの影響が高まり低下することが示されている。このように、内燃機関の冷却装置は複数の制御温度を設定されることが多く、その上限値はエンジン出力特性に基づき、下限はヒータ特性に基づき設定されるのが一般的である。 【0003】例えば、特開平3−23310号公報に開示の冷却装置は、エンジンとラジエータとを結ぶ冷却水出口通路の途中に並列状に低温側サーモバルブと高温側サーモバルブを配備し、両弁の閉鎖時にはエンジン出口側冷却水をバイパス路よりウォータポンプの吸込み通路に戻し、開弁時にはエンジン出口側冷却水をラジエータ側に導く。しかも、低温側サーモバルブのラジエータ側出口近傍に流路を開閉する切り換え制御弁を設け、これにより、低温側サーモバルブと高温側サーモバルブを選択的に駆動させ、高低2つの制御温度で冷却水のラジエータへの循環を切り換え制御している。 【0004】特開平10−89071号公報に開示の冷却装置は、エンジンとラジエータとを結ぶ冷却水出口通路の途中に高温側及び低温側サーモバルブを配備し、高温側サーモバルブの感温流路より分岐路を延ばしその下流側に切り換え制御弁を隔てて低温側サーモバルブを配し、これにより、高低2つの制御温度で冷却水のラジエータへの循環を切り換えている。なお、ヒータ取り出し口を高温側サーモバルブの感温流路より引き出すように形成している。 【0005】特開平7−91251号公報に開示の冷却装置は、図10(a)乃至(c)に示すように、ラジエータ100に連通するラジエータ側通路101からの冷却水とバイパス路102通過後の冷却水とを高低2つの開弁温度で作動する2つのサーモバルブ103、104に各一対の分岐路105a,105b、106a,106bを介して導き、各分岐路の冷却水をウォータポンプ107側の吸込み通路108へ選択的に流動させる切り換えをしている。しかも、分岐路105bと分岐路106aに設けた2つの切換制御弁109、110の切り換えにより2つのサーモバルブ103、104を選択的に使用している。ここで、暖気時(a)には切換制御弁109を閉じると共に切換制御弁110を開いて分岐路106a,106bを開き、低負荷時(b)には切換制御弁109を閉じると共に切換制御弁110を開いて分岐路105aを開き,高負荷時(c)には切換制御弁109を開くと共に切換制御弁110を閉じて分岐路105bを開き、高水温時にも高負荷時(c)と同様に分岐路105bを開く切り換えモードを採っている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平3−23310号公報に開示の内燃機関の冷却装置は、低温側及び高温側サーモバルブが仕切られてなく夫々の感温流路が曖昧となり、感温性が悪く、温度制御が不安定となり易い上、両バルブのバイパス路の流路断面積を大小調整して低温側サーモバルブへの流入を優先させる必要があり構造が複雑化する。特開平10−89071号公報に開示の内燃機関の冷却装置は、たとえ、制御弁用のアクチュエータが開放してもヒータ取り出し口に流入する冷却水は高温側の感温流路を通過するのみであり,低温側サーモバルブの感温流路が閉塞されているため低温側サーモバルブ開かず、同弁の開閉作動の応答性が悪い。 【0007】特開平7−91251号公報に開示の内燃機関の冷却装置は、図10(a)乃至(c)に示すように、常に、2つの切換制御弁109、110の内のいずれか一方が各分岐路105、106及びそれに連通する一方のサーモバルブ103、104の流路を遮断している。このため、ラジエータ側通路101を流動する冷却水の流量を十分に確保したい高水温時(c)の切り換えモードにある場合に流路断面積が比較的狭く、ラジエータを循環する冷却水流量を十分確保できず、冷却性能が低いという問題があり、しかも、2つの切換制御弁109,110を必要とし、構造の複雑化を招くという問題もある。 【0008】本発明は上述の課題を考察し、高水温時に流路断面積を比較的大きく確保でき、冷却性能を向上させることができ、構造の簡素化をも図れる内燃機関の冷却装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、冷却水通路に並列に配設され互いに異なる開弁温度を有する低水温制御弁と高水温制御弁を備え、該両水温制御弁の各々が内燃機関冷却後の冷却水の通路を常時ラジエータに連通するラジエータ側通路、或いは該ラジエータ側通路をバイパスするバイパス通路に切換える内燃機関の冷却装置において、上記高水温制御弁は該低水温制御弁よりも該バイパス通路の上流側に接続され、該高水温制御弁のバイパス通路との接続部よりも下流側で、且つ低水温制御弁に至るバイパス通路を含む通路内に設けられた切換弁と、上記切換弁を内燃機関の運転状態に応じて切換える制御手段とを備えたことを特徴とするこのように、高水温制御弁のバイパス通路との接続部より低水温制御弁に至るバイパス通路を含む通路内にのみ切換弁を設け、低水温制御弁と高水温制御弁に至る各ラジエータ側通路は常時ラジエータに連通させたので、高水温時に同切換弁を開作動した場合、高水温制御弁と低水温制御弁の両ラジエータ側通路を開放でき、同部での流路面積を十分に拡大でき、ラジエータ側を流動する冷却水の流量を十分に確保し、冷却性能を向上させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1、図2には内燃機関の冷却装置1を示した。この内燃機関の冷却装置1はエンジン2の冷却水循環系の要部を成し、ウォータジャケット3と、そのウォータジャケット3の出口301に連通しラジエータ5を備えたラジエータ側通路4と、ウォータジャケット3の入口302に設けられるウォータポンプ6と、同ポンプの吸込み通路7と、ラジエータ側通路4より分岐しラジエータ5を迂回して冷却水を流すバイパス通路11と、ラジエータ側通路4の一部を成すと共にラジエータ5の下流で、常時ラジエータ5側に連通状態にある第1、第2のラジエータ側分岐路12、13と、バイパス通路11の一部を成すと共に下流側で分岐して冷却水を流す第1、第2のバイパス側分岐路8、9と、吸込み通路7に連通する低感温流路r1に配備される低水温制御弁14と、吸込み通路7に連通する高感温流路r2に配備される高水温制御弁15と、第1のバイパス側分岐路8に設けた切換弁16と、切換弁16をエンジン2の運転状態に応じて切り換える制御手段としてのコントローラ17とを備える。ここで、高水温制御弁15は低水温制御弁14よりもバイパス通路11の上流側に接続される。 【0011】なお、ウォータジャケット3の出口301に連通する拡径部401はヒータ18へ連通するヒータパイプ19が連結される。ウォータポンプ6は図示しないベルト式回転伝達系を介してエンジン回転力を受け、エンジン駆動時に吸込み通路7の冷却水をウォータジャケット3に循環させた上で出口301より流出させている。ラジエータ5はラジエータ側通路4を流動する冷却水を空気冷却し、図示しない放熱用の電動ファンを駆動して冷却効率を向上できる。ヒータ18はヒータパイプ19からの冷却水を放熱器181及び戻しパイプ22を経て吸込み通路7に戻し、車内暖房を行っている。 【0012】ラジエータ側通路4の下流部には第1、第2のラジエータ側分岐路12、13が分岐して連結され、その内の第1ラジエータ側分岐路12は低水温制御弁14に、第2ラジエータ側分岐路13は高水温制御弁15に連結する。さらに、バイパス通路11の下流部には第1、第2のバイパス側分岐路8、9が分岐して連結され、その内の第1バイパス側分岐路8は低水温制御弁14に、第2バイパス側分岐路9は高水温制御弁15に流入口を連結する。低水温制御弁14及び高水温制御弁15はそれぞれ、ワックスペレットからなる感温部a1、a2を低高の各感温流路r1,r2の中央部に対向配備する。 【0013】ここで、低水温制御弁14は、冷却水が設定された低温側開弁温度を下回る間は感温部a1及び図示しない戻しバネが働き、第1バイパス側分岐路8を開き第1ラジエータ側分岐路12を閉じる基準位置P1(図2(a)参照)に弁体b1を切り換え保持し、逆に、冷却水が設定された低温側開弁温度を上回ると、第1バイパス側分岐路8を閉じ第1ラジエータ側分岐路12を開く切換位置P2(図2(c)参照)に弁体b1を切り換え保持する。高水温制御弁15は、冷却水が設定された高温側開弁温度を下回る間は感温部a2及び図示しない戻しバネが働き、バイパス側分岐路の他方9を開き第1ラジエータ側分岐路13を閉じる基準位置P1(図2(a)参照)に弁体b2を切り換え保持し、逆に、冷却水が設定された高温側開弁温度を上回ると、バイパス側分岐路の他方9を閉じ第1ラジエータ側分岐路13を開く切換位置P2(図2(b)参照)に弁体b2を切り換え保持する。第1バイパス側分岐路8に設けた切換弁16は電磁弁であり、オン時に第1バイパス側分岐路8を開き、オフ時に同分岐路8を閉じる。 【0014】ここで、図5乃至図8には低水温制御弁14と高水温制御弁15及び切換弁16をアッセンブリ化した冷却水切り換えユニット30を示した。この冷却水切り換えユニット30はサーモケース31とその開口を閉鎖するインレットフィッチング32とで収容枠を形成する。冷却水切り換えユニット30の内部には低水温制御弁14及び高水温制御弁15を平行に収容する低高の各感温流路r1,r2と、同各感温流路r1,r2に共に連通し、同各感温流路r1,r2間のほぼ中央に配設された吸込み通路7の上流部(図6、図7参照)と、ラジエータ側通路4の下流端及びそれに常時連通する第1、第2のラジエータ側分岐路12、13と、各感温流路r1,r2に垂直に配設されたバイパス通路11の下流端及びそれに連通する第1、第2のバイパス側分岐路8、9(図7、図8参照)と、拡径部401に連通する拡径部延出部33と、拡径部延出部33に連通するヒータホース取付け部34と、低高の各感温流路r1,r2のエアを上方の拡径部延出部33に逃がすと共に中心線CLに対称に配置されるエア抜き穴35、36(図5、図6参照)と、切換弁16の取付け部37とを形成されている。 【0015】取付け部37は第1バイパス側分岐路8の下流端開口の周縁に形成され、切換弁16の弁体161が接離する弁座gと、同弁座gと第1バイパス側分岐路8を隔てて対設され切換弁16の弁取付け枠162が螺着されるねじ穴hとを備える。なお、ここでの切換弁16はヒータ付きのペレット弁、負圧作動弁、電磁弁等であり、非付勢時にバネ163の弾性力で弁体161を弁座gに押圧し、付勢時にバネ163の弾性力に抗して弁体161を弁座gより離脱させるように構成される。 【0016】このような冷却水切り換えユニット30は低水温制御弁14と高水温制御弁15及び切換弁16をアッセンブリ化したので、エンジン2の冷却水循環系への装着作業を簡素化できる。しかも、感温流路r1,r2、吸込み通路7、拡径部延出部33、バイパス側分岐路8、9、エア抜き穴35、36を中心線CLに対称配置したことにより、低水温制御弁14と高水温制御弁15を同じ環境下に保持することができ、切換弁16の開閉により冷却水の流れがほぼ変化しないので良好な水温制御が可能となる。 【0017】切換弁16が接続されたコントローラ17はその入力回路に、エンジンの冷却水温度TEを拡径部40で検出する水温センサ24と、図示しないスロットル弁の開度θs情報を出力するスロットル開度センサ25と、外気温度Ta情報を入力する外気温センサ26と、ヒータオン/オフ信号を入力するヒータスイッチ27と、モード切り換えスイッチ28とを備え、これらの入力情報に応じて、負荷切り換えモード、或いは外気温切り換えモードのいずれかで切換弁16を切り換え制御する。 【0018】ここでのコントローラ17の冷却水温切り換え制御を図1乃至図3を参照して説明する。運転者によりモード切り換えスイッチ28が負荷切り換えモードに切り換えられると、コントローラ17は図3の弁切り換えマップm1を参照し切換弁16を制御する。ここで、冷却水温度TEが暖気判定値Aとしての(76,5℃±α)(例えば許容誤差範囲として2℃が設定される)を下回るか判断し、下回る間は暖気域A1と判断し、切換弁16をオフして閉じる。このとき、図2(a)に示すように、低水温制御弁14及び高水温制御弁15は低水温のため基準位置P1に保持され、第2バイパス側分岐路9を開く。これにより、暖気運転が促進され、触媒を早期に活性温度に保って排ガス性能を改善し、ヒータ18を早期に熱源として適正に作動できる。 【0019】次に、冷却水温度TEが暖気判定値Aとしての(76,5℃±α)を上回り、高水温判定値Bとしての(85℃+α)(例えば許容誤差範囲として2℃が設定される)を下回る運転域であると、現在の負荷情報としてのスロットル開度θsが呼び出され、この値が高負荷判定値Cとしての1/2開度を上回るか否か判断され、下回ると低負荷域A2,上回ると高負荷域A3と判断される。低負荷域A2ではフリクションロスを低減すべくエンジン温度を高める必要がある。このため高水温制御弁15を使用すべく切換弁16をオフして閉じる。このとき、図2(b)に示すように、高水温制御弁15はその感温部a2が高温側開弁温度(85℃に設定)で作動し、切換位置P2に切り換え作動し、第1ラジエータ側分岐路13を開く。この際、ウォータジャケット3よりラジエータ5を経て来る冷却水は高水温制御弁15の高感温流路r2を通過し吸込み通路7に戻り循環する。これにより冷却水は高感温流路r2付近において高温側開弁温度(85℃)近傍に保持されて循環する。 【0020】一方、高負荷域A3では吸気温度の低減を図り充填効率を上げて軸トルク及び軸出力を向上させるべくエンジン温度を下げる必要がある。このため、低水温制御弁14を使用すべく、切換弁16をオンして開く。このとき、図2(c)に示すように、低水温制御弁14はその感温部a1が低温側開弁温度(76,5℃に設定)で作動し、切換位置P2に切り換え作動し、第1ラジエータ側分岐路12を開く。この際、ウォータジャケット3よりラジエータ5を経て来る冷却水は低水温制御弁14の低感温流路r1を通過し吸込み通路7に戻り循環する。これにより冷却水は低感温流路r1付近において低温側開弁温度(76,5℃)近傍に保持されて循環する。 【0021】なお、このような低負荷域A2及び高負荷域A3はスロットル開度θsが高負荷判定値Cとしての1/2開度をしきい値としているが、ここでは、ハンチングを防止するため、図3(b)に示すようにスロットル開度θs上昇時のしきい値をθs2(=θs+β)に、スロットル開度θs下降時のしきい値をθs1(=θs−β)に設定し、ヒステリシスを設けることが望ましい。なお、ここでの補正値βは実験的に適宜設定される。 【0022】次に、冷却水温度TEが高水温判定値Bとしての(85℃±α)(例えば許容誤差範囲として2℃が設定される)を上回る高水温域A4であることを判断すると、切換弁16をオンして開く。このとき、図2(d)に示すように、第1、第2のラジエータ側分岐路12、13は常時ラジエータ5側に連通状態にあるし、低水温制御弁14及び高水温制御弁15は高水温のため共に切換位置P2に保持され、ラジエータ側通路4に続く第1、第2の両ラジエータ側分岐路12、13を開き、流路面積を十分に拡大し、ラジエータ5側を流動する冷却水の流量を十分に確保し、冷却性能を向上させることができる。このとき、コントローラ17は水温センサ24より高水温情報を受取り、図示しない電動ファンを駆動させ、ラジエータ5の放熱作用を促進させることとなる。このため、エンジン2が過度に温度上昇することを防止でき、エンジン出力を適正に保持し、エンジン構成部材の耐熱性を上回る温度上昇を抑え、エンジンの信頼性を保持できる。 【0023】次に、モード切り換えスイッチ28が外気温切り換えモードに切り換えられると、コントローラ17は図4の弁切り換えマップm2を参照し切換弁16を制御する。ここで、冷却水温度TEが暖気判定値A(76,5℃±α)を下回る間は弁切り換えマップm1の暖気域A1と同じ暖気域B1と判断し、切換弁16をオフして閉じる。このとき、図2(a)に示すように、低水温制御弁14及び高水温制御弁15は基準位置P1に保持され、バイパス側分岐路9を開き、暖気運転が促進される。 【0024】次に、冷却水温度TEが暖気判定値A(76,5℃±α)を上回り、高水温判定値B(85℃±α)を下回る運転域であると、現在の外気温度Ta情報を外気温センサ26より取り込み、外気温度Taが高温判定値Dとしての20℃を上回るか否か判断され、下回ると外気温低域(冬)B2と判断し,上回ると外気温高域(夏)B3と判断される。 【0025】外気温低域(冬)B2ではフリクションロスを低減すべくエンジン温度を高める。このため高水温制御弁15を使用すべく切換弁16をオフして閉じる。このとき、図2(b)に示すように、高水温制御弁15は高温側開弁温度(85℃)で作動して第1ラジエータ側分岐路13を開く。この際、ラジエータ5を経て来る冷却水は高感温流路r2を通過し吸込み通路7に戻り循環し高水温(85℃)近傍に保持される。一方、外気温高域(夏)B3では充填効率を上げるべくエンジン温度を下げる。このため、低水温制御弁14を使用すべく切換弁16をオンして開く。このとき、図2(c)に示すように、低水温制御弁14はその感温部a1が低温側開弁温度(76,5℃)で作動し、第1ラジエータ側分岐路12を開く。この際、ラジエータ5を経て来る冷却水は低感温流路r1を通過し吸込み通路7に戻り循環し低水温(76,5℃)近傍に保持されて循環する。 【0026】なお、このような外気温低域(冬)B2及び外気温高域(夏)B3は高温判定値D(20℃)をしきい値としているが、ここでは、ハンチングを防止するため、図4(b)に示すように外気温度Ta上昇時のしきい値をTn1(=20℃+δ)に、外気温度Ta下降時のしきい値をTn2(=20℃−δ)に設定し、ヒステリシスを設けることが望ましい。なお、ここでの補正値δは実験的に適宜設定される。次に、外気温度Taが高水温判定値Bとしての(85℃±α)を上回ると、弁切り換えマップm1の高水温域A4と同じ高水温域B4であることより、高水温域A4の場合と同様に、図2(d)に示すように、低水温制御弁14及び高水温制御弁15は共に切換位置P2に保持され、ラジエータ側の冷却水流量を十分胃確保でき冷却性能を向上させることができ、エンジン2が過度に温度上昇することを防止でき、エンジンの信頼性を保持できる。 【0027】なお、ここでは外気温度Ta情報を外気温センサ26より取り込み、外気温度Taが高温判定値D(20℃)を上回るか否かで低水温制御弁14或いは高温切換弁15を選択して使用していた。しかし、これに代えて、コントローラ17がヒータスイッチ27(図1参照)のヒータオン/オフ信号がオンで冬と判定し、高温切換弁15を選択して冷却水温の上昇を図り、ヒータオン/オフ信号がオフで夏と判定し、低水温制御弁14選択して冷却水温の低下を図るという制御を行っても良く、この場合も外気温切り換えモードでの制御の時と同様の作用効果を得られる。 【0028】また、上述においての開弁温度、高負荷判定値、高温判定値は上述に限定されるものではなく、そのエンジンの特性、作動環境等に基づき最適な値を選択することが好ましい。更に、上述のところにおいて、低水温制御弁14はその感温部a1が低温側開弁温度(76、5℃)で作動し、高水温制御弁15はその感温部a2が高温側開弁温度(85℃)で作動するものとしたが、その他の水温値に設定されてもよく、それらの場合も図1の内燃機関の冷却装置1と同様の作用効果が得られる。 【0029】 【発明の効果】以上のように、請求項1の発明では、高水温制御弁のバイパス通路との接続部より低水温制御弁に至るバイパス通路を含む通路内にのみ切換弁を設け、低水温制御弁と高水温制御弁に至る各ラジエータ側通路を常時ラジエータに連通させたので、高水温時に切換弁を開作動した場合、高水温切換制御弁と低水温切換制御弁の両ラジエータ側分岐路を開放でき、同部での冷却水の流路面積を十分に拡大でき、ラジエータ側を流動する冷却水の流量を十分に確保し、冷却性能を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月27日(1999.8.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067873 【弁理士】 【氏名又は名称】樺山 亨 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−65348(P2001−65348A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−241390 |
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