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【発明の名称】 自動車用排気消音装置
【発明者】 【氏名】佐々木 哲

【氏名】前田 和茂

【氏名】福原 正臣

【氏名】新田 誠一

【要約】 【課題】テールチューブを支持するためマフラ内部のバッフルに形成する支持穴を、加工が容易であって、この支持穴周辺の強度を確保できる円形とすることにより、この支持穴とテールチューブとの気密性を確保する。

【解決手段】インレットチューブ200からマフラ100内部の第1容積室103に導びかれた排気ガスが流入する第1流路203と、容積室103の排気ガスがパスチューブ201,202を介して接続された第3容積室105から流入する第2流路204とに仕切板206にて区画されたテールチューブ205をマフラ100内部に具える自動車用排気消音装置において、テールチューブ205は、第3容積室105からマフラ100内部を貫通し、容積室105内における第1流路203および第2流路204の先端部203e,204eが同一長さとなる断面を有する。第1流路203は、その先端部203eが容積室105に対してキャップ207で封鎖されると共に、その側面には容積室103と連通するための開口部203pが設けられ、また、第2流路204の先端部204eは容積室105に対して開口している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インレットチューブからマフラ内部の第1容積室に導びかれたエンジンからの排気ガスが流入する第1流路と、前記第1容積室の排気ガスがパスチューブを介して接続された他の容積室のうちで最も下流位置の容積室から流入する第2流路とに仕切板にて区画されたテールチューブを前記マフラ内部に具える自動車用排気消音装置において、前記テールチューブは、前記最下流位置容積室からマフラ内部を貫通し、該最下流位置容積室内における前記第1流路および前記第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有し、前記第1流路は、その先端部が前記最下流位置容積室に対して封鎖されると共に、その側面には前記第1容積室と連通するための開口部が設けられ、また、前記第2流路の先端部は、前記最下流位置容積室に対して開口していることを特徴とする自動車用排気消音装置。
【請求項2】 前記テールチューブにおける第1流路の先端部は、キャップによって封鎖されることを特徴とする請求項1記載の自動車用排気消音装置。
【請求項3】 前記テールチューブにおける第1流路の先端部は、つぶし加工によって封鎖されることを特徴とする請求項1記載の自動車用排気消音装置。
【請求項4】 前記つぶし加工は、チューブ表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工であることを特徴とする請求項3記載の自動車用排気消音装置。
【請求項5】 前記開口部は、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自動車用排気消音装置。
【請求項6】 インレットチューブからマフラ内部の第1容積室に導びかれたエンジンからの排気ガスが流入する第1流路と、前記第1容積室の排気ガスがパスチューブを介して接続された他の容積室のうちで最も下流位置の容積室から流入する第2流路とに仕切板にて区画されたテールチューブを前記マフラ内部に具える自動車用排気消音装置において、前記テールチューブは、前記第1容積室からマフラ内部を貫通し、該第1容積室内における前記第1流路および前記第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有し、前記第1流路の先端部は、前記第1容積室に対して開口し、また、前記第2流路は、その先端部が前記第1容積室に対して封鎖されると共に、その側面には前記最下流位置容積室と連通するための開口部が設けられていることを特徴とする自動車用排気消音装置。
【請求項7】 前記テールチューブにおける前記第2流路の先端部は、キャップによって封鎖されることを特徴とする請求項6記載の自動車用排気消音装置。
【請求項8】 前記テールチューブにおける前記第2流路の先端部は、つぶし加工によって封鎖されることを特徴とする請求項6記載の自動車用排気消音装置。
【請求項9】 前記つぶし加工は、チューブ表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工であることを特徴とする請求項8記載の自動車用排気消音装置。
【請求項10】 前記開口部は、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の自動車用排気消音装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インレットチューブからマフラ内部の第1容積室に導びかれたエンジンからの排気ガスが流入する第1流路と、前記第1容積室の排気ガスがパスチューブを介して接続された他の容積室のうちで最も下流位置の容積室から流入する第2流路とに仕切板にて区画されたテールチューブを前記マフラ内部に具える自動車用排気消音装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車用排気消音装置としては、例えば、特願平10−352370号公報に示されるものがある。こうした装置は、低回転時における排気騒音の低減および、エンジン高回転時における排気騒音の低減、並びに、排気損失の低減の両立を目的として、排気ガスの圧力に応じてマフラ内に設けた複数の流路を使用して排気する装置である。
【0003】図7は、自動車用排気消音装置の従来技術を示す断面図である。マフラ10は、その内部に、2つのバッフル11,12で区画された第1容積室13、第2容積室14、第3容積室15を有する。マフラ10は、インレットチューブ20から第1容積室13に導びかれたエンジン(図示せず)からの排気ガスが流入する第1流路23と、第1容積室13の排気ガスがパスチューブ21,22を介して接続された他の容積室14,15のうちで最も下流位置の第3容積室15から流入する第2流路24とに区画されたテールチューブ25を内部に具える。
【0004】テールチューブ25を構成する第1流路23および第2流路24はそれぞれ、図8に示す如くの半月形状の断面を有する。図7に示す如く、第1流路23は第1容積室13を外部に連通させるため、その先端部23eが1つのバッフル12のみを貫通して支持される一方、第2流路24は、第3容積室15を外部に連通させるため、その先端部24eが2つのバッフル11,12を貫通して支持される。この場合、テールチューブ25をバッフル11,12で支持するためには、バッフル11,12にバーリング加工を施して、テールチューブ25を構成する第1流路23および第2流路24の形状に対応する支持穴を成形する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第2流路24を貫通させるためにバッフル11に対して半月形状のバーリング穴を成形しようとする場合、半月形状の底辺両端部は鋭角となるために亀裂が生じたり、バーリング穴を正確な半月形状に成形することが困難なため、バーリング穴とテールチューブ25、この場合、第2流路24との気密性を確保しにくい、という問題があった。
【0006】つまり、請求項1および6に係る第1および第6発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、テールチューブを支持するためバッフルに形成する支持穴を、加工が容易であって、この支持穴周辺の強度を確保できる円形とすることにより、この支持穴とテールチューブとの気密性を確保することを目的とする。
【0007】また、請求項2および7に係る第2および第6発明は、テールチューブの先端部を確実に封鎖することを目的とする。
【0008】さらに、請求項3,4および請求項8,9に係る第3,4発明および第8,9発明は、新たな部品を追加することなく、テールチューブの先端部を確実に封鎖することを目的とする。
【0009】加えて、請求項5および10に係る第5および第10発明は、安価で簡単な手段によって、エンジンからの排気ガスをテールチューブの途中に存在する容積室から、このテールチューブを構成する一方の流路に流入させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る第1発明である自動車用排気消音装置は、インレットチューブからマフラ内部の第1容積室に導びかれたエンジンからの排気ガスが流入する第1流路と、前記第1容積室の排気ガスがパスチューブを介して接続された他の容積室のうちで最も下流位置の容積室から流入する第2流路とに仕切板にて区画されたテールチューブを前記マフラ内部に具える自動車用排気消音装置において、前記テールチューブは、前記最下流位置容積室からマフラ内部を貫通し、該最下流位置容積室内における前記第1流路および前記第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有し、前記第1流路は、その先端部が前記最下流位置容積室に対して封鎖されると共に、その側面には前記第1容積室と連通するための開口部が設けられ、また、前記第2流路の先端部は、前記最下流位置容積室に対して開口していることを特徴とするものである。
【0011】請求項2に係る第2発明である自動車用排気消音装置は、第1発明において、前記最下流位置容積室内における第1流路の先端部は、キャップによって封鎖されることを特徴とするものである。
【0012】請求項3に係る第3発明である自動車用排気消音装置は、第1発明において、前記最下流位置容積室内における第1流路の先端部は、つぶし加工によって封鎖されることを特徴とするものである。
【0013】請求項4に係る第4発明である自動車用排気消音装置は、第3発明において、前記つぶし加工は、チューブ表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工であることを特徴とするものである。
【0014】請求項5に係る第5発明である自動車用排気消音装置は、第1乃至第4発明のいずれか一発明において、前記開口部は、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であることを特徴とするものである。
【0015】請求項6に係る第6発明である自動車用排気消音装置は、インレットチューブからマフラ内部の第1容積室に導びかれたエンジンからの排気ガスが流入する第1流路と、前記第1容積室の排気ガスがパスチューブを介して接続された他の容積室のうちで最も下流位置の容積室から流入する第2流路とに仕切板にて区画されたテールチューブを前記マフラ内部に具える自動車用排気消音装置において、前記テールチューブは、前記第1容積室からマフラ内部を貫通し、該第1容積室内における前記第1流路および前記第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有し、前記第1流路の先端部は、前記第1容積室に対して開口し、また、前記第2流路は、その先端部が前記第1容積室に対して封鎖されると共に、その側面には前記最下流位置容積室と連通するための開口部が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】請求項7に係る第7発明である自動車用排気消音装置は、第6発明において、前記最下流位置容積室内における前記第2流路の先端部は、キャップによって封鎖されることを特徴とするものである。
【0017】請求項8に係る第8発明である自動車用排気消音装置は、第6発明において、前記最下流位置容積室内における前記第2流路の先端部は、つぶし加工によって封鎖されることを特徴とするものである。
【0018】請求項9に係る第9発明である自動車用排気消音装置は、第8発明において、前記つぶし加工は、チューブ表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工であることを特徴とするものである。
【0019】請求項10に係る第10発明である自動車用排気消音装置は、第6発明乃至第9発明のいずれか一発明において、前記開口部は、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】第1発明による自動車用排気消音装置において、前記テールチューブは、前記第1容積室にパスチューブを介して接続された他の容積室のうちで最も下流位置の容積室からマフラ内部を貫通し、該最下流位置容積室内における前記第1流路および第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有し、前記第1流路は、その先端部が前記最下流位置容積室に対して封鎖されると共に、その側面には前記第1容積室と連通するための開口部が設けられ、また、前記第2流路の先端部は、前記最下流位置容積室に対して開口している。
【0021】このため、インレットチューブからマフラ内部の前記第1容積室に導かれたエンジンからの排気ガスが前記第1容積室と連通する前記第1流路の側面に設けた開口部から流入し、マフラ外部に排出される。さらに、排気ガスの圧力が高まると、前記第1容積室の排気ガスは前記パスチューブを介して接続された前記最下流位置容積室に流入し、この最下流位置容積室に対して開口している前記第2流路の先端部から、マフラ外部に排出される。
【0022】この場合、前記テールチューブは、前記第1流路および前記第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有するから、テールチューブを支持するためバッフルに形成される支持穴の形状を円形にすることができるため、この支持穴加工が比較的簡単に済み、加工の際も、上記支持穴の周辺に亀裂が生じにくい。
【0023】従って、第1発明によれば、テールチューブを支持するためバッフルに形成した支持穴が、加工が容易であって、この支持穴周辺の強度を確保できる円形となるから、この支持穴とテールチューブとの気密性を確保することができる。
【0024】また、第2発明である自動車用排気消音装置は、上記第1発明において、前記テールチューブにおける第1流路の先端部が、キャップによって封鎖されることから、前記第1流路の先端部を確実に封鎖することができる。
【0025】さらに、第3発明である自動車用排気消音装置は、上記第1発明において、前記テールチューブにおける第1流路の先端部が、つぶし加工によって封鎖されることから、前記第1流路の先端部を封鎖するために新たな部品を追加することなく、前記第1流路の先端部を確実に封鎖することができる。
【0026】加えて、第4発明である自動車用排気消音装置は、上記第3発明において、前記つぶし加工は、チューブ表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工であるから、既存のクリンプ加工装置を用いることができ、前記第1流路の先端部を確実に封鎖するための加工が容易で安価に済む。
【0027】さらに加えて、第5発明である自動車用排気消音装置は、上記第1乃至第4発明のいずれか一発明において、前記開口部は、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であるから、安価で簡単な加工でエンジンからの排気ガスをテールチューブの途中に存在する第1容積室から直接、このテールチューブを構成する第1流路に流入させることができる。
【0028】第6発明による自動車用排気消音装置において、前記テールチューブは、前記第1容積室からマフラ内部を貫通し、該第1容積室内における前記第1流路および第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有し、前記第1流路の先端部は、前記第1容積室に対して開口し、また、前記第2流路は、その先端部が前記第1容積室に対して封鎖されると共に、その側面には前記最下流位置容積室と連通するための開口部が設けられている。
【0029】このため、インレットチューブからマフラ内部の前記第1容積室に導かれたエンジンからの排気ガスが前記第1容積室に対して開口している前記第1流路の先端部に流入し、マフラ外部に排出される。さらに、排気ガスの圧力が高まると、前記第1容積室の排気ガスは前記パスチューブを介して接続された前記最下流位置容積室に流入し、該最下流位置容積室と連通する前記第2流路の側面に設けた開口部から、マフラ外部に排出される。
【0030】この場合、前記テールチューブは、前記第1流路および前記第2流路の先端部が同一長さとなる断面を有するから、テールチューブを支持するためバッフルに形成される支持穴の形状を円形にすることができるため、この支持穴加工が比較的簡単に済み、加工の際も、上記支持穴の周辺に亀裂が生じにくい。
【0031】従って、第6発明によれば、テールチューブを支持するためバッフルに形成した支持穴が、加工が容易であって、この支持穴周辺の強度を確保できる円形となるから、この支持穴とテールチューブとの気密性を確保することができる。
【0032】また、第7発明である自動車用排気消音装置は、上記第6発明において、前記テールチューブにおける第2流路の先端部が、キャップによって封鎖されることから、前記第2流路の先端部を確実に封鎖することができる。
【0033】さらに、第8発明である自動車用排気消音装置は、上記第6発明において、前記テールチューブにおける第2流路の先端部が、つぶし加工によって封鎖されることから、前記第2流路の先端部を封鎖するために新たな部品を追加することなく、部品点数の削減に伴う軽量化を図ることができる。
【0034】加えて、第9発明である自動車用排気消音装置は、上記第8発明において、前記つぶし加工は、チューブ表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工であるから、既存のクリンプ加工装置を用いることができ、前記第2流路の先端部を確実に封鎖するための加工が容易で安価に済む。
【0035】さらに加えて、第10発明である自動車用排気消音装置は、上記第6乃至第9発明のいずれか一発明において、前記開口部は、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であるから、安価で簡単な加工でエンジンからの排気ガスをテールチューブの途中に存在する前記最下流位置容積室から直接、このテールチューブを構成する第2流路に流入させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0037】図1は、本発明である自動車用排気消音装置の第1実施形態を示した断面図であり、また、図2は、図1のA−A断面図である。
【0038】マフラ100は、その内部に、2つのバッフル101,102で区画された第1容積室103、第2容積室104、第3容積室105を有する。マフラ100は、インレットチューブ200から第1容積室103に導かれたエンジン(図示せず)からの排気ガスが流入する第1流路203と、第1容積室103の排気ガスがパスチューブ201,202を介して接続された第2容積室104、第3容積室105のうちで最も下流位置の第3容積室105から流入する第2流路204とに仕切板206にて区画されたテールチューブ205を内部に具える。
【0039】マフラ100の中心に位置する第1容積室103は、パスチューブ201を介して第2容積室104に接続され、この第2容積室104は、パスチューブ202を介して第3容積室105に接続される。パスチューブ202の第3容積室105側端部には、ばね(図示せず)等の付勢力によって第3容積室105側を閉鎖する開閉バルブ202Vが設けられ、この開閉バルブ202Vは、パスチューブ202内の排気ガスが所定圧を越えると、図1に示す如く、上記付勢力に抗して第3容積室105側を開放する。
【0040】テールチューブ205は、バッフル101,102に形成された支持穴101p,102pによって支持され、この支持穴101p,102pは、例えば、バーリング加工による抜き打ちで形成される。また、テールチューブ205は、第3容積室105からマフラ100内部を貫通し、テールチューブ205を構成する第1流路203および第2流路204はそれぞれ、仕切板206によって図2に示す如くの半月形状の断面を有するが、テールチューブ205としては、第3容積室105内における第1流路203および第2流路204の先端部203e,204eは同一長さの断面となる。
【0041】第1流路203は、第3容積室105内の先端部203eが、キャップ207によって第3容積室105に対して封鎖されると共に、その側面には第1容積室103と連通するための開口部203pが設けられ、第1容積室103を外部に連通させる。
【0042】この場合、第1流路203は、キャップ207によって第3容積室105に対して封鎖されるから、第1流路203の先端部203eを確実に封鎖することができる。また、第1流路203の側面に設けた開口部203pは、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であることが好ましい。この場合、安価で簡単な加工でエンジンからの排気ガスをテールチューブ205の途中に存在する第1容積室103から直接、このテールチューブ205を構成する第1流路203に流入させることができる。
【0043】第2流路204は、第3容積室105内の先端部204eが第3容積室105に対して開口し、第3容積室105を外部に連通させる。
【0044】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0045】エンジンなどの内燃機関からの排出ガスは、インレットチューブ200から第1容積室103に導かれる。第1容積室103の排気ガスは始め、第1容積室103に連通する第1流路203の側面に設けた開口部203pから流入し、排出ガスは第1流路203からのみマフラ100の外部、つまり、大気に排出される。この場合、第1容積室103に対する第1流路203の拡張比が確保されるため、排気ガス流量が少ないエンジン低回転域での主成分である低周波数域の排気音を十分に消音することができる。
【0046】排気ガスの圧力が高まると、パスチューブ201から第2容積室104に流入した排気ガスの圧力が開閉バルブ202Vの付勢力に抗して第3容積室105側を開放し、排気ガスは第1流路203に加えて、第3容積室105に対して開口している第2流路204の先端部204eに流入し、第2流路204からもマフラ100の外部、つまり、大気に排出される。この場合、排気ガス流量が多いエンジン中・高回転域での排気損失並びに気流騒音を大幅に低減することができる。
【0047】本実施形態の場合、テールチューブ205は、第1流路203および第2流路204の先端部203e,204eが同一長さとなる断面を有するから、テールチューブ205を支持するためバッフル101,102に形成されるバーリング穴101p,102pの形状を円形にすることができるため、このバーリング穴101p,102pの加工が比較的簡単に済み、加工の際も、バーリング穴101p,102pの周辺に亀裂を生じにくい。
【0048】従って、本実施形態によれば、テールチューブ205を支持するためバッフル101,102に形成したバーリング穴101p,102pは、加工が容易であって、これらバーリング穴101p,102p周辺の強度を確保できる円形となるから、これらバーリング穴101p,102pとテールチューブ205との気密性を確保することができる。
【0049】図3は、本発明である自動車用排気消音装置の第2実施形態を示した断面図であり、また、図4は、図3のテールチューブ先端部を示す斜視図である。なお、図1,2と同一部分は、同一符号をもって説明を省略する。
【0050】第2実施形態の基本的な構造は、第1実施形態と同様であって、マフラ100は、その内部に、2つのバッフル101,102で区画された第1容積室103、第2容積室104、第3容積室105を有し、第1流路203と第2流路204とに仕切板206にて区画されたテールチューブ205を内部に具える。
【0051】テールチューブ205も、第1実施形態と同様、バッフル101,102に形成されたバーリング穴101p,102pによって支持され、第3容積室105からマフラ100内部を貫通し、テールチューブ205を構成する第1流路203および第2流路204はそれぞれ、第3容積室105内における第1流路203および第2流路204の先端部203e,204eが同一長さの断面となる。
【0052】エンジンなどの内燃機関からの排出ガスは、インレットチューブ200から第1容積室103に導かれる。第1容積室103の排気ガスは始め、第1容積室103に連通する第1流路203の側面に設けた開口部203pから流入し、排出ガスは第1流路203からのみ大気に排出される。
【0053】排気ガスの圧力が高まると、パスチューブ201から第2容積室104に流入した排気ガスの圧力が開閉バルブ202Vの付勢力に抗して第3容積室105側を開放し、排気ガスは第1流路203に加えて、第3容積室105に対して開口している第2流路204の先端部204eに流入し、第2流路204からも大気に排出される。
【0054】本実施形態では、第1流路203は、第3容積室105内の先端部203eが、つぶし加工によって第3容積室105に対して封鎖されると共に、その側面には第1容積室103と連通するための開口部、即ち、複数孔の集合体によって形成された多孔部203pが設けられ、また、第2流路204は、第3容積室105内の先端部204eが第3容積室105に対して開口し、第1容積室103および第3容積室105を外部に連通させる。
【0055】従って、本発明によれば、第1流路203は、第3容積室105内の先端部203eが、つぶし加工によって第3容積室105に対して封鎖されることから、第1実施形態の作用効果に加え、先端部203eを封鎖するために新たな部品を追加することなく、部品点数の削減に伴う軽量化を図ることができる。特に、上記つぶし加工は、図4に示す如く、チューブ205の表面の抓み上げによりつぶされたクリンプ加工とすれば、既存のクリンプ加工装置を用いることができ、第1流路203の先端部203eを確実に封鎖するための加工が容易で安価に済む。
【0056】図5は、本発明である自動車用排気消音装置の第3実施形態を示した断面図である。なお、図1,2と同一部分は、同一符号をもって説明を省略する。
【0057】マフラ100は、上記実施形態と同様、その内部に、2つのバッフル101,102で区画された第1容積室103、第2容積室104、第3容積室105を有するが、第1および第2実施形態の第1容積室103と第3容積室105とを逆に配置したものである。マフラ100は、第1および第2実施形態と同様、インレットチューブ200から第1容積室103に導かれたエンジン(図示せず)からの排気ガスが流入する第1流路203と、第1容積室103の排気ガスがパスチューブ201,202を介して接続された第2容積室104、第3容積室105のうちで最も下流位置の第3容積室105から流入する第2流路204とに仕切板206にて区画されたテールチューブ205を内部に具える。
【0058】マフラ100の入力側に位置する第1容積室103は、第3容積室105を貫通するパスチューブ201を介して出力側に位置する第2容積室104に接続され、この第2容積室104は、パスチューブ202を介してマフラ100の中央に位置する第3容積室105に接続される。パスチューブ202の第3容積室105側端部には、ばね(図示せず)等の付勢力によって第3容積室105側を閉鎖する開閉バルブ202Vが設けられ、この開閉バルブ202Vは、パスチューブ202内の排気ガスが所定圧を越えると、図5に示す如く、上記付勢力に抗して第3容積室105側を開放する。
【0059】テールチューブ205は、バッフル101,102に形成された支持穴101p,102pによって支持され、この支持穴101p,102pは、例えば、バーリング加工による抜き打ちで形成される。また、テールチューブ205は、第1容積室103からマフラ100内部を貫通し、テールチューブ205を構成する第1流路203および第2流路204はそれぞれ、仕切板206によって半月形状の断面を有するが、テールチューブ205としては、第1容積室103内における第1流路203および第2流路204の先端部203e,204eは同一長さの断面となる。
【0060】第1流路203は、第1容積室103内の先端部203eが第1容積室103に対して開口し、第1容積室103を外部に連通させる。
【0061】第2流路204は、第3容積室103内の先端部204eがキャップ209によって第1容積室103に対して封鎖されると共に、その側面には第3容積室105と連通するための開口部204pが設けられ、第3容積室105を外部に連通させる。
【0062】この場合、第2流路204は、キャップ209によって第1容積室103に対して封鎖されるから、第2流路204の先端部204eを確実に封鎖することができる。なお、第2流路204は、第3容積室105内の先端部204eが、つぶし加工によって第3容積室105に対して封鎖されることも可能である。この場合、第2実施形態の作用効果と同様、先端部204eを封鎖するために新たな部品を追加することなく、第2流路204の先端部204eを確実に封鎖することができる。特に、上記つぶし加工は、図4に示す如くの前記クリンプ加工とすれば、既存のクリンプ加工装置を用いることができ、第2流路204の先端部204eを確実に封鎖するための加工が容易で安価に済む。
【0063】また、第2流路204の側面に設けた開口部204pは、複数孔の集合体によって形成された多孔形状であることが好ましい。この場合、安価で簡単な加工でエンジンからの排気ガスをテールチューブ205の途中に存在する第3容積室105から直接、このテールチューブ205を構成する第2流路204に流入させることができる。
【0064】ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0065】エンジンなどの内燃機関からの排出ガスは、インレットチューブ200から第1容積室103に導かれる。第1容積室103の排気ガスは始め、第1容積室103に対して開口している第1流路203の先端部203eに流入し、排出ガスは第1流路203からのみマフラ100の外部、つまり、大気に排出される。
【0066】この場合、第1容積室103に対する第1流路203の拡張比が確保されるため、排気ガス流量が少ないエンジン低回転域での主成分である低周波数域の排気音を十分に消音することができ、しかも、第1流路203を第1,2実施形態よりも長く確保することができるため、開閉バルブ202Vが閉鎖される時、低周波音をさらに消音することができる。
【0067】排気ガスの圧力が高まると、パスチューブ201から第2容積室104に流入した排気ガスの圧力が開閉バルブ202Vの付勢力に抗して第3容積室105側を開放し、排気ガスは第1流路203に加えて、第3容積室105に連通する第2流路204の側面に設けた開口部204pに流入し、第2流路204からもマフラ100の外部、つまり、大気に排出される。この場合、排気ガス流量が多いエンジン中・高回転域での排気損失並びに気流騒音を大幅に低減することができる。
【0068】図6は、本発明である自動車用排気消音装置の第4実施形態を示した断面図である。なお、図1,2と同一部分は、同一符号をもって説明を省略する。
【0069】本実施形態は、第1実施形態のテールチューブ205の仕切板206を短く設定し、第1流路203および第2流路204を大気に開口する前の領域205Rで合流させることにより、両者を流れる排気ガスを干渉させるようにしたものである。
【0070】この場合、開閉バルブ202Vが全閉状態から全開状態に至る過程では、第1流路203および第2流路204から吐出される排気音が上記領域Rにおいて逆位相の関係となって互いに干渉し合うため、排気音をさらに低減することができる。なお、この実施形態における仕切板206の形状は、第2または第3実施形態のテールチューブに採用してもよい。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【出願日】 平成12年2月1日(2000.2.1)
【代理人】 【識別番号】100059258
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外2名)
【公開番号】 特開2001−214729(P2001−214729A)
【公開日】 平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願番号】 特願2000−23515(P2000−23515)