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【発明の名称】 直列4気筒エンジンの排気装置
【発明者】 【氏名】波多野 八州治

【要約】 【課題】本発明は直列4気筒エンジンの排気装置に関し、製造が容易でコストが安く構造の簡単な直列4気筒エンジンの排気装置を提供することを目的とする。

【解決手段】直列4気筒エンジンの排気ポートに接続される分岐管27,29,31,33を有する排気マニホールド17と、これに接続するフロントチューブ19からなる排気装置15で、排気マニホールド17を、プレス加工した一対の半割れ外筒21,23を最中合わせして形成され、エンジンの排気ポートに接続される分岐管27,29,31,33を有する外筒25と、外筒25内に配置され、2,3番排気ポートに接続される外筒25の分岐管29,31内周に排ガス導入口を溶接した内筒27で構成すると共に、フロントチューブ19の上流部を、外筒25に接続する外管53と内筒27に接続する内管55の二重管構造とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに装着され、当該エンジンの各排気ポートに接続される4つの分岐管(27,29,31,33)を有する排気マニホールド(17)と、当該排気マニホールド(17)に接続されるフロントチューブ(19)とからなる直列4気筒エンジンの排気装置(15)であって、上記排気マニホールド(17)を、金属板をプレス成形した一対の半割れ外筒(21,23)を最中合わせして形成され、エンジンの各排気ポートに接続される4つの分岐管(27,29,31,33)を有する外筒(25)と、当該外筒(25)内に配置され、2番及び3番排気ポートに接続される外筒(25)の分岐管(29,31)の内周に排ガス導入口を全周溶接した内筒(26)とで構成して、1番及び4番の排気ポートから排出された排ガスが外筒(25)内を流下し、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスが内筒(26)内を流下する二重管構造とすると共に、上記フロントチューブ(19)の上流部を外管(53)と内管(55)とからなる二重管構造として、当該外管(53)に上記外筒(25)を接続し、フロントチューブ(19)の内管(55)に上記内筒(26)を接続したことを特徴とする直列4気筒エンジンの排気装置。
【請求項2】 内筒(26)は、金属板をプレス成形した一対の半割れ内筒(41,43)からなることを特徴とする請求項1記載の直列4気筒エンジンの排気装置。
【請求項3】 内筒は、金属製パイプからなることを特徴とする請求項1記載の直列4気筒エンジンの排気装置。
【請求項4】 1番及び4番の排気ポートから排出された排ガスの外筒(25)内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離と、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスの内筒(26)内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離は、夫々、略等長とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の直列4気筒エンジンの排気装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直列4気筒エンジンの排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両排気系には、エンジンから放出される排ガスを1本に纏めて下流側に送る排気マニホールドがエンジンのシリンダヘッドに装着されているが、実開平2−61123号公報に開示されるように、昨今、複数本の金属製パイプを用いた排気マニホールド(パイプエキゾーストマニホールド)が多くの車両に装備されている。
【0003】図4は直列4気筒エンジンに装着されるこの種の排気マニホールドを示し、図中、1〜4は三次元的な曲げ加工が施された金属製のパイプで、各パイプ1〜4の上流側は夫々ヘッドフランジ5に接続されており、当該ヘッドフランジ5をシリンダヘッドにボルト締めして各パイプ1〜4がエンジンの排気ポートと連通するようになっている。
【0004】そして、各パイプ1〜4は、可及的に等長であることが背圧対策上好ましいため、極力等長になるように設計されている。また、各パイプ1〜4の下流側は集合管6に接続され、そして、当該集合管6にフランジ7,8を介してフロントチューブ9が接続されているが、図5に示すように、昨今、フロントチューブ9の上流部に1枚の板材からなる隔壁10を溶接して排ガス流路を2分割し、1,4番の排気ポートに接続されたパイプ1,4をフロントチューブ9の一方の排ガス流路9aに開口すると共に、2,3番の排気ポートに接続されたパイプ2,3を他方の排ガス流路9bに開口することで、排気干渉を防止した排気装置11が知られており、エンジンの排気量にもよるが、一般にシリンダヘッドから700〜800mmのフロントチューブ9内に排ガスの集合部を設けることが、背圧対策の点からも好ましいとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記排気マニホールド13とフロントチューブ9からなる従来の排気装置11では、パイプ1〜4を狭小な空間で極力等長になるように設計するため、パイプ1〜4に三次元的な複雑な加工を施して排気マニホールド13を製造している。この結果、この加工の複雑化に伴い製造コストが高くなってしまう欠点が指摘されている。
【0006】また、フロントチューブ9の上流部に1枚の板材からなる隔壁10を溶接するに当たり、溶接時のズレ対策として図5に示すように断面略Z字状または図示しないが断面S字状の板材が使用されているが、斯かる板材は強度が偏るため、フロントチューブ9の曲げ加工時に縦方向に力がかかると、隔壁10が座屈してしまう虞があった。
【0007】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、従来に比し製造が容易でコストも安く、構造の簡単な直列4気筒エンジンの排気装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するため、請求項1に係る発明は、直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに装着され、当該エンジンの各排気ポートに接続される4つの分岐管を有する排気マニホールドと、当該排気マニホールドに接続されるフロントチューブとからなる直列4気筒エンジンの排気装置であって、上記排気マニホールドを、金属板をプレス成形した一対の半割れ外筒を最中合わせして形成され、エンジンの各排気ポートに接続される4つの分岐管を有する外筒と、当該外筒内に配置され、2番及び3番排気ポートに接続される外筒の分岐管内周に排ガス導入口を全周溶接した内筒とで構成して、1番及び4番の排気ポートから排出された排ガスが外筒内を流下し、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスが内筒内を流下する二重管構造とすると共に、上記フロントチューブの上流部を外管と内管とからなる二重管構造とし、当該外管に上記外筒を接続し、フロントチューブの内管に上記内筒を接続したことを特徴とする。
【0009】そして、請求項2に係る発明は、請求項1記載の直列4気筒エンジンの排気装置に於て、内筒は、金属板をプレス成形した一対の半割れ内筒からなることを特徴とし、請求項3に係る発明は、請求項1記載の直列4気筒エンジンの排気装置に於て、内筒は、金属製パイプからなることを特徴としている。また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の直列4気筒エンジンの排気装置に於て、1番及び4番の排気ポートから排出された排ガスの外筒内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離と、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスの内筒内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離は、夫々、略等長とされていることを特徴としている。
【0010】(作用)各請求項に係る排気装置によれば、エンジンの駆動に伴い、1番及び4番の排気ポートから順次排出された排ガスが、夫々、分岐管から外筒内に流入して、内筒との間に形成された間隙で合流し乍ら外筒,フロントチューブの外管を流下し、また、2番及び3番の排気ポートから順次排出された排ガスが夫々内筒内で合流し乍ら、フロントチューブの内管を流下する。
【0011】そして、内管の下流側端部から外管内に流出された排ガスが、外管内を流下してきた排ガスと集合して下流側の触媒コンバータや消音器へと流下していくこととなる。また、請求項4に係る排気装置によれば、1番及び4番の排気ポートから排出された排ガスの外筒内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離と、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスの内筒内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離が略等長とされているため、排気干渉が防止されることとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1乃至図3は請求項1,請求項2及び請求項4の一実施形態に係る排気装置を示し、図4に示す従来例と同様、本実施形態に係る排気装置15も、直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに装着される排気マニホールド17と、当該排気マニホールド17に接続されるフロントチューブ19とで構成されている。
【0013】而して、図示するように排気マニホールド17は、金属板をプレス成形した上下一対の半割れ外筒21,23を最中合わせして形成された外筒25と、当該外筒25内に組み込まれた内筒26とで構成されており、外筒25は、エンジンの各排気ポートと連通する断面円形状の4つの分岐管27,29,31,33が、断面楕円形状の外筒本体35と一体的に形成された左右対称な構造となっている。
【0014】そして、各分岐管27,29,31,33の上流側にヘッドフランジ37が溶接され、外筒本体35の下流側にフロントチューブ19の接続用フランジ39が溶接されている。一方、上記内筒26は、同じく金属板をプレス成形した上下一対の左右対称な略Y字形状の半割れ内筒41,43を最中合わせして形成されている。そして、図2に示すように内筒26の上流部に形成された二股管45,47の一方の排ガス導入口が、シリンダヘッドの2番排気ポートと連通する分岐管29の内周に全周溶接され、また、他方の二股管47の排ガス導入口が、シリンダヘッドの3番排気ポートと連通する分岐管31の内周に全周溶接されており、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスが、分岐管29,31及び二股管45,47を経て内筒26から下流側に流下し、そして、1番及び4番の排気ポートから分岐管27,33を介して導入された排ガスが、図3に示すように内筒26と外筒本体35との間に形成された間隙49を介して外筒25内を流下するようになっている。
【0015】そして、排気マニホールド17にフランジを51を介して接続されたフロントチューブ19は、その上流部が外管53と内管55からなる二重管構造とされており、外管53が排気マニホールド17の外筒25に接続され、そして、内管55が排気マニホールド17の内筒26に接続されており、内管55の下流側端部55aから外管53内に流出される排ガスが、外管53内を流下した排ガスと集合するようになっている。そして、エンジンのシリンダヘッドから内管55の下流側端部55aまでの長さは700〜800mmとされている。
【0016】本実施形態に係る排気装置15はこのように構成されているから、エンジンの駆動に伴い、1番及び4番の排気ポートから順次排出された排ガスが、夫々、分岐管27,33から外筒25内に流入して、図3に示すように内筒26との間に形成された間隙49で合流し乍ら外筒25,フロントチューブ19の外管53を流下し、また、2番及び3番の排気ポートから順次排出された排ガスが、夫々、二股管45,47から内筒26内で合流し乍ら、フロントチューブ19の内管55を流下する。そして、内管55の下流側端部55aから外管53内に流出された排ガスが、外管53内を流下してきた排ガスと集合して下流側の触媒コンバータや消音器へと流下していくこととなる。
【0017】そして、従来周知のように4気筒エンジンの点火順序は、■第1シリンダ→第3シリンダ→第4シリンダ→第2シリンダまたは、■第1シリンダ→第2シリンダ→第4シリンダ→第3シリンダの2種類であるが、本実施形態は、夫々左右対称に成形された外筒25と内筒26とが二重管構造をなして排気マニホールド17を構成しているので、従来の排気マニホールドのように、複数の分岐管が極力等長になるようにこれら分岐管を三次元的な複雑な加工を施して配置することなく、1番及び4番の排気ポートから排出された排ガスの外筒25内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離と、2番及び3番の排気ポートから排出された排ガスの内筒26内に於ける合流部までのシリンダヘッドからの距離が、夫々、略等長となり、併せてエンジンのシリンダヘッドから内管55の下流側端部55aまでの長さを700〜800mmに設定することにより、排気干渉がなく、また、背圧対策上好ましいものとなる。
【0018】このように本実施形態に係る排気装置15によっても、図4及び図5に示す従来の排気装置11と同様、排気干渉を防止してエンジン出力の低下を防止することができ、また、エンジンのシリンダヘッドから内管55の下流側端部55aまでの長さを700〜800mmとすることで背圧対策上好ましいものとなるが、本実施形態は、斯かる従来例のように排気マニホールドを形成するに当たり複数本のパイプを三次元的に曲げ加工したり、フロントチューブの上流部に1枚の板材からなる隔壁を溶接する作業が不要となるため、上記従来例に比し製造が容易でコストの安い構造の簡単な排気装置を提供することが可能となった。
【0019】尚、上記実施形態では、排気マニホールド17の内筒26を一対の半割れ内筒41,43を最中合わせして成形したが、図示しない請求項1,請求項3及び請求項4に係る発明の一実施形態のように、内筒を金属製パイプで左右対称に成形して、これを上記実施形態と同様,外筒25内に配置してもよい。而して、斯かる実施形態によっても、上記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように各請求項に係る直列4気筒エンジンの排気装置によれば、従来に比し製造が容易でコストの安い構造の簡単な排気装置を提供することが可能となった。そして、請求項4に係る排気装置によれば、排気干渉を防止してエンジン出力の低下を防止することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
【出願日】 平成11年8月30日(1999.8.30)
【代理人】 【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺 (外1名)
【公開番号】 特開2001−65340(P2001−65340A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−242662