| 【発明の名称】 |
弁の電磁駆動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 敏恵
【氏名】吉澤 敏行
【氏名】関谷 睦生
【氏名】松本 達也
【氏名】上田 雅俊
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| 【要約】 |
【課題】従来の弁の電磁駆動装置は、可動鉄心とこれに対向する電磁コイル鉄心の端面はともに平面であったので、同じ素材を用いて、吸引力を増すために磁束を増やそうとすると外径を大きくする以外になく、同じ大きさのままで吸引力を大きくするという事は困難であった。
【解決手段】弁軸5aの延長線の周囲に、互いに背面どうしをスペーサ81を介して対向配置した第1、第2の電磁石112、114を設ける。第1、第2の電磁石112、114はそれぞれ外筒12a、14aと内筒12b,14bを持ち、内筒と外筒の間に開口部12c,14cを有する。この開口部に対向して互いに連結軸19で連結された円板状の可動鉄心16、18を配置する。連結軸19を支持する軸受部材11を第1、第2の電磁石112、114を貫通して固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関の吸気弁または排気弁の弁軸またはその延長線の周囲に配置するとともに、前記吸気弁または排気弁に近い側の軸方向端部に第1の開口部を有する第1鉄心と、この第1鉄心に巻回されたコイルとを含む第1の電磁石、前記第1の電磁石の背面に、所定の距離を隔てて同軸上に配置され、前記吸気弁又は排気弁から遠い側の軸方向端部に第2の開口部を有する第2鉄心と、この第2鉄心に巻回されたコイルとを含む第2の電磁石、前記弁軸と揺動可能に連結され前記第1の開口部に対向配置された板状の第1の可動鉄心、前記第1の可動鉄心と連結軸を介して一体的に接続され前記第2の開口部に対向配置された板状の第2の可動鉄心、前記第1、第2の電磁石のいずれにも給電されないとき、前記第1、第2の可動鉄心を前記第1、第2の開口部から、それぞれ等距離に保持する保持手段を備えたことを特徴とする弁の電磁駆動装置。 【請求項2】 第1鉄心と第2鉄心を貫通して、少なくとも前記第1,第2の鉄心のいずれか一方に固定され、連結軸を摺動可能に支持する軸受け部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項3】 軸受け部材は非磁性体で構成されたことを特徴とする請求項2に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項4】 連結軸は非磁性体で構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項5】 第1の電磁石と第2の電磁石との間に非磁性体からなるスペーサを挿入したことを特徴とする請求項1に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項6】 弁軸と第1の可動鉄心とを、揺動可能に連結する軸受を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項7】 軸受は、弁軸と第1の可動鉄心の一方に構成した半円部を介して互いに接触させたものであることを特徴とする請求項6に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項8】 第1の電磁石および第2の電磁石の少なくとも一方の鉄心は、弁軸の延長線の周りに同軸に配置され、片端が磁気的に結合されて他端に開口部を構成する内筒と外筒で構成され、前記内筒又は外筒の少なくとも一方の端面に弁軸に対して傾斜した面を備えたことを特徴とする請求項1に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項9】 第1の可動鉄心又は第2の可動鉄心は、第1の電磁石又は第2の電磁石の内筒の内側に挿入される突起部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項10】 内筒の内側に挿入される突起部は、その長さが、前記第1、第2の内筒と前記第1、第2の可動鉄心との対向面積が、前記第1、第2の外筒と前記第1、第2の可動鉄心との対向面積にほぼ等しくなる長さに構成されたことを特徴とする請求項9に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項11】 内筒の軸方向長さは外筒の軸方向長さよりも短い長さに構成され、かつ、前記内筒の外周側でコイルの内周面に沿う樹脂製ガイドを備えたことを特徴とする請求項8に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項12】 突起部の弁軸に直交する断面の面積は、外筒の弁軸に直交する面での断面積にほぼ等しくなるように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項13】 内筒と外筒の端部はコイルの軸方向長さよりも長く、この端部に対向する可動鉄心には前記内筒と外筒の間に挿入される嵌合突起が設けられたことを特徴とする請求項8に記載の弁の電磁駆動装置。 【請求項14】 嵌合突起にはダンパーが装着されていることを特徴とする請求項13に記載の弁の電磁駆動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関の吸・排気弁を電磁駆動により開閉する、弁の電磁駆動装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の吸・排気弁は一般にはクランクシャフトから駆動されるカムシャフトによって機械的に開閉制御されていたが、近年、燃費向上や有害排ガス低減の目的で、弁の開閉タイミングを様々にコントロールすることが要求されるようになり、よりタイミングの調整が行いやすい電磁駆動によつて弁を開閉制御するものが種々提案されている。 【0003】例えば、図8は特開平7−324609号公報に開示されたものと類似の構成の弁の電磁駆動装置の断面を示し、9はこの内燃機関のシリンダヘッド、100はシリンダヘッド9に設けられた吸・排気ポート、5は吸・排気ポート100に設けられた開閉弁(以下単に弁という場合もある)で駆動軸(以下弁軸5aと言う)を備えている。10はシリンダヘッド9に設けられ開閉弁5の弁軸5aが貫通した摺動軸受、6は開閉弁5の弁軸5aの他端に設けられた円板状の可動鉄心である。1は開閉弁5の弁軸5aを取り巻くように巻回された第1のコイル、2は開閉弁5の弁軸5aが貫通するように、かつ、前記第1のコイル1を包み込むように設けられた二重円筒状の第1のコイル鉄心である。3は開閉弁5の弁軸5aを取り巻くように巻回された第2のコイル、4は開閉弁5の弁軸5aが貫通するように、かつ、第2のコイル3を包み込むように二重の円筒状に設けられた第2のコイル鉄心である。第1のコイル鉄心2は外筒2aと内筒2bとを有し、第2のコイル鉄心4は外筒4aと内筒4bとを有している。101は第1、第2のコイル鉄心2、4を収納するケース、102はケースの頭部である。7は可動鉄心6と摺動軸受部材10との間に装荷された第1スプリング、8は可動鉄心6とケースの頭部102との間に装荷された第2スプリングである。 【0004】次に動作について説明する。弁軸5aに連結固定された円板状可動鉄心6は、第1,第2コイルのいずれにも通電されていないとき、第1コイル鉄心2と、第2コイル鉄心4との間の軸方向ギャップのほぼ中間に位置するよう、可動鉄心6の下側の第1スプリング7と、上側の第2スプリング8とによって丁度バランスするように保持されている。 【0005】これにより、この電磁駆動装置への非通電時、即ち、第1コイル1、第2コイル3の何れにも電流が供給されていない状態では、可動鉄心6は第1コイル鉄心2と第2コイル鉄心4のそれぞれの端部のほぼ中間位置に保持され、開閉弁5は半開の状態に保持される。 【0006】駆動力を発生する磁束についての説明のため図9に磁束の発生状態を示す。図中φは第1コイル鉄心2と可動鉄心6との間の磁束、φ’は第2コイル鉄心4と可動鉄心6との間の磁束、φeは第1コイル鉄心2の内筒と外筒間の漏洩磁束、φ’eは第1コイル鉄心2の内筒と外筒間の漏洩磁束である。 【0007】第1コイル1に通電した際、コイル電流により第1コイル鉄心2とこれに対面する可動鉄心6の間に発生する磁束φにより、両者間に磁気吸引力が作用し、可動鉄心6は第1コイル1の側に吸引され、第1スプリング7の付勢力に抗して図の下方に動作することで開閉弁5の開度を増し、所定時間後に開弁状態となる。 【0008】第2コイル3に通電した際、コイル電流により第2コイル鉄心4とこれに対面する可動鉄心6間に発生する磁束φ’により、両者間に磁気吸引力が作用し、可動鉄心6は第2コイル3の側に吸引され、第2スプリング8の付勢力に抗して図の上方に動作することで開閉弁5の開度を減少させ、所定時間後に閉弁状態となる。 【0009】このような電磁駆動装置は内燃機関の上部に設置されて弁を駆動するという目的から、より小型でありながらより強い駆動力を要求されるので、同じ電流でも出来る限り大きい駆動力を発生できるようにする必要がある。そのためには有効磁束を増加させる必要があるが、有効磁束φは鉄心端面から垂直方向に発生する性質があるため、電磁力による吸引力は第1コイル鉄心2と可動鉄心6との対抗面、または第2コイル鉄心4と可動鉄心6との対抗面の表面積に左右される。しかし、この表面積を増加させるには両者の対抗面が可動鉄心6の軸心に対して直角に配置された従来構造では、鉄心(可動鉄心6、第1、第2コイル鉄心2、4)の外径を増加させる以外に方法がなく、そのような方法では電磁駆動装置が大型化してしまうという問題があった。 【0010】一方、小型化するために従来の構造のまま寸法比例的に小型化したと仮定すると、第1コイル鉄心2および第2コイル鉄心4の肉厚と径が小さくなるから、端面面積が減少し、有効磁束φ、φ’が減少して駆動力が低下してしまう。 【0011】また、外筒端面の面積と内筒端面の面積とを、ほぼ等しくしようとすると、内筒の厚みを外筒のそれよりも厚くしなければならず(外筒の径が内筒より大きいから)、全体として大きくなってしまう。 【0012】また、図10は弁軸5aの傾きにより生じる問題について説明するための説明図である。図に示すように、弁軸5aは摺動軸受10がいかに高精度に製作されていても、多少なりとも傾くことは避けられない。傾いた場合、可動鉄心6も傾いているから、例えば図のように可動鉄心6が第1のコイル鉄心2の側に吸引される場合を例に説明すると、外筒2aと可動鉄心6との間の距離Bが、内筒2bと可動鉄心6との間の距離Cよりも小さくなる結果、外筒2a側の吸引力がより強くなり、傾きが助長される方向に力が働く。このため弁軸5aと摺動軸受け10との間の摩擦が大きくなってスムースな動きが出来なくなるという問題があった。また、可動鉄心が弁軸に固着され、かつ、その位置が修道軸受けの位置からかなり離れているため、特に摺動軸受けの磨耗に伴って弁軸のガタが増加した場合、可動鉄心がケースに接触するなどして、弁の動きがスムースでなくなる。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】従来の弁電磁駆動装置は、以上のように構成されているので、駆動力を高めようとすると大型化してしまうという問題があった。また、小型化しようとすると駆動力が低下するため、ほとんど小型化出来ないという問題点があった。また、内筒の厚みを外筒より厚くしなければならず小型化が難しいという問題があった。 【0014】また、弁軸が傾いた場合、この傾きが電磁駆動力により更に助長されるため、スムースに動かなくなる力が働いてしまうという問題があった。また、可動鉄心が弁軸に固着され、かつ、その位置が修道軸受けの位置からかなり離れているため、特に摺動軸受けの磨耗に伴って弁軸のガタが増加した場合、可動鉄心がケースに接触するなどして、弁の動きがスムースでなくなるという問題があった。 【0015】この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、駆動力を低下させずにより小型化された電磁駆動装置を得ることを目的とする。また、同じ大きさで、より駆動力を増大した電磁駆動装置を得ることを目的とする。また、弁軸の傾きがあっても助長されるような力が働かない電磁駆動装置を得ることを目的とする。また、摺動軸受けの磨耗に伴って弁軸のガタが増加しても、弁の動きがスムースに保たれる電磁駆動装置を得ることを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】この発明による弁の電磁駆動装置は、内燃機関の吸気弁または排気弁の弁軸またはその延長線の周囲に配置するとともに、吸気弁または排気弁に近い側の軸方向端部に第1の開口部を有する第1鉄心と、この第1鉄心に巻回されたコイルとを含む第1の電磁石、第1の電磁石の背面に、所定の距離を隔てて同軸上に配置され、吸気弁又は排気弁から遠い側の軸方向端部に第2の開口部を有する第2鉄心と、この第2鉄心に巻回されたコイルとを含む第2の電磁石、弁軸と揺動可能に連結され第1の開口部に対向配置された板状の第1の可動鉄心、第1の可動鉄心と連結軸を介して一体的に接続され第2の開口部に対向配置された板状の第2の可動鉄心、第1、第2の電磁石のいずれにも給電されないとき、第1、第2の可動鉄心を第1、第2の開口部から、それぞれ等距離に保持する保持手段を備えたものである。 【0017】また、第1鉄心と第2鉄心を貫通して、少なくとも第1,第2の鉄心のいずれか一方に固定され、連結軸を摺動可能に支持する軸受け部材を備えたものである。 【0018】また、軸受け部材は非磁性体で構成されたものである。 【0019】また、連結軸は非磁性体で構成されたものである。 【0020】また、第1の電磁石と第2の電磁石との間に非磁性体からなるスペーサを挿入したものである。 【0021】また、弁軸と第1の可動鉄心とを、揺動可能に連結する軸受を備えたものである。 【0022】また、軸受は、弁軸と第1の可動鉄心の一方に構成した半円部を介して互いに接触させたものである。 【0023】また、第1の電磁石および第2の電磁石の少なくとも一方の鉄心は、弁軸の延長線の周りに同軸に配置され片端が磁気的に結合され他端に開口部を構成する内筒と外筒で構成され、内筒又は外筒の少なくとも一方の端面に弁軸に対して傾斜した面を備えたものである。 【0024】また、第1の可動鉄心又は第2の可動鉄心は、第1の電磁石又は第2の電磁石の内筒の内側に挿入される突起部を備えたものである。 【0025】また、内筒の内側に挿入される突起部は、その長さが、第1、第2の内筒と第1、第2の可動鉄心との対向面積が、第1、第2の外筒と第1、第2の可動鉄心との対向面積にほぼ等しくなる長さに構成されたものである。 【0026】また、内筒の軸方向長さは外筒の軸方向長さよりも短い長さに構成され、かつ、内筒の外周側でコイルの内周面に沿う樹脂製ガイドを備えたものである。 【0027】また、突起部の弁軸に直交する断面の面積は、外筒の弁軸に直交する面での断面積にほぼ等しくなるように構成されたものである。 【0028】また、内筒と外筒の端部はコイルの軸方向長さよりも長く、この端部に対向する可動鉄心には内筒と外筒の間に挿入される嵌合突起が設けられているものである。 【0029】また、嵌合突起にはダンパーが装着されているものである。 【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の形態1による弁の電磁駆動装置の構造断面図を図1に示す。図において従来と同じ又は相当部分には同符号を付してその詳細な説明を省略する。12は弁軸5aまたはその延長線の周囲に配置され、第1の外筒12aと第1の内筒12b(これらは図に向かって上方で磁気回路的に接続され、下方に開口部を構成している)で構成された第1の鉄心、1は開閉弁5の弁軸5aまたはその延長線の周囲に第1の鉄心12に巻回された第1のコイルであり、第1の鉄心12と第1のコイル1は第1の電磁石112を構成している。 【0030】14は弁軸5aまたはその延長線の周囲に、第1の電磁石とのあいだに非磁性体のスペーサ81を介して(所定の距離を隔てて)対象に配置され、第2の外筒14aと第2の内筒14b(これらは図に向かって下方で磁気回路的に接続され、上方に開口部を構成している)で構成された第2の鉄心、3は開閉弁5の弁軸5aの延長線を取り巻くように第2の鉄心14に巻回された第2のコイルであり、第2の鉄心14と第2のコイル3は第2の電磁石114を構成している。以上に説明した第1の電磁石112と第2の電磁石114が互いにその背面側を対向させた構造は、他の実施の形態でも使用するが、説明の重複を避けるため、以下、電磁石の背面連結と呼ぶ。101は第1の電磁石114、第2の電磁石112、弁軸5aなどを収納するケースである。 【0031】16は開閉弁5の弁軸5aの端に軸受82を介して連結され、第1の電磁石12の開口部12cの端面に平行な板状の第1の可動鉄心、7は可動鉄心16とケース101との間に装荷された第1スプリングである。18は第2の可動鉄心で、第2の電磁石114の開口部14cの端面に平行な板状で、非磁性体で構成した連結軸19を介して第1の可動鉄心16と連結されている。8は第2の可動鉄心18とケース101との間に装荷された第2スプリングである。連結軸19は第1、第2の鉄心12、14の中心を貫通して固定された非磁性体の軸受け部材11によって、摺動可能に支持されている。第1の可動鉄心16と第2の可動鉄心18とは、第1コイル1にも第2コイル3にも電流が流れていないとき、第1の鉄心12との軸方向の距離と第2の鉄心14との間の軸方向の距離が互いにほぼ等しくなるよう、第1スプリング7と、第2スプリング8及び後述する第3スプリング5dの強さが調整されている。第1スプリング7と、第2スプリング8はこの発明に言う保持手段である。 【0032】次に、動作について図により説明する。図1の第1の可動鉄心16と第2の可動鉄心18とは互いに連結軸19で連結された状態のまま、ケース101の内部を図に向かって上下に移動することができる。軸受82の詳細断面を図2に示す。軸受82は、第1の可動鉄心16の側に設けた窪み16a(窪み16aの底部は半径R1の半円形断面)と、この窪み16aに挿入される弁軸5aの先端に形成された半径R2の半円形部5bとで構成される。ここで R1>R2 である。即ち、弁軸5aは窪み16aの中で、ある角度範囲内で自由に傾斜したり揺動したりすることができる。 【0033】図1に於いて、弁軸5aはその中間に固定したスプリング受け板5cを有し、このスプリング受け板5cとシリンダヘッド9との間に挿入した第3スプリング5dにより、常に図の上方に押しつけられている。したがって、弁軸5aが第1の鉄心16の軸受82から外れてしまう(窪み16aから飛び出す)ということはない。 【0034】第1の電磁石112に通電されると、第1の鉄心16が上方に引きつけられて弁5が閉じる。第2の電磁石114に通電されると、第2の鉄心18が下方に引きつけられて弁5が第3スプリング5dの力に抗して開かれる。弁軸5aと第1の可動鉄心16とが機械的に固着されておらず、軸受82により、ある角度の範囲内で自由に折れ曲がる揺動可能な構造を備え、また、第1,第2の可動鉄心16,18はその連結軸が軸受部材11によって支えられているので、摺動軸受10が磨耗して弁軸5aが傾いても第1、第2の可動鉄心に無用の力が働くことがなく、動きが固くなるということはない。また、軸受け部材11の位置と第1、第2の可動鉄心との位置が極めて近いので、第1、第2の可動鉄心16、18が傾いて動きが悪くなるということがない。 そればかりか、軸受82により弁軸5aの先端の位置が決まるので弁軸5aそのものの動きもスムースとなる。 【0035】第1、第2の可動鉄心16、18は、その中央部に、内筒12b,14bの内側に挿入される突起部85を持ち、これによって内筒と可動鉄心との接触対向面積と、外筒と可動鉄心との接触対向面積とがほぼ等しくなるように構成されている。こうすることで内筒12b,14bの厚みが薄くても磁路抵抗が低くなり、最大の駆動力を引き出すことができる。図1に於いてスペーサ81は非磁性体の板と説明したが、その機能は第1、第2の電磁石112、114が電磁力によって互いにくっつくことがないように、それぞれの電磁石の位置を確定することであるので、例えば、ケース101の内側にケース101の壁を突出させ、スペースそのものは空隙としてもよい。図1では第2可動鉄心18にも窪みがあるが、これは製造上の理由から第1可動鉄心16とおなじものを逆向きに使用したためであり、窪みはあってもなくてもよい。 【0036】実施の形態2.この発明の実施の形態2による弁の電磁駆動装置の構造断面図を図3に示す。図において従来と同じ又は相当部分には同符号を付してその詳細な説明を省略する。32は弁軸5aまたはその延長線の周囲に配置され、軸方向端部に弁軸5aに対して傾斜した面を有する第1の鉄心で、第1の外筒32aと第1の内筒32b(これらは図の上方で磁気回路的に接続され、図の下方に開口部を有している)で構成されている。1は開閉弁5の弁軸5aまたはその延長線の周囲に第1の鉄心32に巻回された第1のコイルであり、第1の鉄心32と第1のコイル1は第1の電磁石112を構成している。34は弁軸5aまたはその延長線の周囲に、第1の電磁石112に対して背面連結されて配置され、図の上方向に開口部を有し、その端部に弁軸5aに対して傾斜した面を有する第2の鉄心で、第2の外筒34aと第2の内筒34b(これらは図の下方向で磁気回路的に接続されている)で構成されている。3は開閉弁5の弁軸5aを取り巻くように第2の鉄心34に巻回された第2のコイルであり、第2の鉄心34と第2のコイル3は第2の電磁石114を構成している。101は上記電磁石や弁軸を収納するケースである。 【0037】36は開閉弁5の弁軸5aの一端と軸受382を介して連結され、第1の電磁石112の傾斜した面に平行な傾斜面を持つ板状の第1の可動鉄心、7は第1の可動鉄心36とケース101との間に装荷された第1スプリングである。軸受382は第1可動鉄心36の下方に固定された半球状の玉382aの下面に弁軸5aの平坦に加工した先端が押しつけられて構成されている。38は連結軸19により第1の可動鉄心36と連結され、第2の電磁石114の傾斜した面に平行な傾斜面を持つ板状の第2の可動鉄心、8は第2の可動鉄心38とケース101との間に装荷された第2スプリングである。第1の可動鉄心36の傾斜面36aは第1鉄心32の傾斜した面に平行するようにしてある。第2の可動鉄心38の傾斜面38aは第2鉄心34の傾斜した面に平行するようにしてある。第1、第2コイル1、3のいずれにも通電されていないとき、第1の可動鉄心36と第1の鉄心32の端面との距離と、第2の可動鉄心38と第2の鉄心34との間の距離とが等しくなるように、第1スプリング7と、第2スプリング8及び第3スプリング5dの調整によって適当な位置に保持されている。第1スプリング7と、第2スプリング8はこの発明に言う保持手段である。 【0038】第1、第2の鉄心32、34と第1、第2の可動鉄心36、38の双方に対向して傾斜した面を設けることにより、実質的な電磁吸引面積を増加し得るため、総磁束φが増加し、駆動力が増加して弁の開閉速度が高くなるという効果が得られる。第1、第2の鉄心32、34の端部の傾斜した面の傾斜角度は、何度であってもそれなりに効果はあるものの、対向する面の面積を大きくできるという点からはできるだけ大きい角度としたほうがよい。しかし、あまり大きくすると第1、第2可動鉄心36、38の対向する面の部分の板厚を十分とることが難しくなるなどの問題があるので、開閉弁5の軸方向に対して45〜60度程度とするのが好ましい。 【0039】図3のものでは、仮に駆動力がもとのままでよいなら駆動力が増加する分だけ、対向面積を減らすことが出来るので、第1、第2可動鉄心36、38や第1、第2の鉄心32、34の外径を小さくすることもできる。 【0040】図3では第1、第2の鉄心32、34の外筒32a,34aと内筒32b,34bの全てに傾斜面を設けたが、それなりの効果の減少を容認するならば、第1または第2の鉄心のいずれか一方だけにするとか、外筒、内筒のいずれか一方だけにするとか、あるいは傾斜した面と傾斜しない面を同時に設けるとか、組み合わせは自由に選択することが出来る。例えば、外筒、内筒の何れか一つの全面または一部と、可動鉄心上のこれに対向する部位に傾斜面を設けるようにしてもよい。外筒の端面の全て又は一部と、可動鉄心上のこれに対向する部位に傾斜面を設け、内筒の端面は直角としてもよい。内筒の端面の全て又は一部と、可動鉄心上のこれに対向する部位に傾斜面を設け、外筒の端面は直角としてもよい。また、上記は、第1の鉄心32の側又は第2の鉄心34の側のいずれか一方のみに傾斜面を設けるようにしてもよい。なお、軸受382は実施の形態1の図2のような形のものでもよいことは言うまでもない。 【0041】実施の形態3.実施の形態2の鉄心端面の傾斜は外筒と内筒とで逆方向の傾斜としてもよい。このように構成した弁の電磁駆動装置の断面を図4に示す。図の符号は実施の形態2の図3と同じなので説明を省略する。図4では第1可動鉄心36と第2可動鉄心38との外筒32a,34aに対向する傾斜面が図3の場合に比べて逆方向になっている。即ち、図3では可動鉄心の外径側が第1可動鉄心は下方向、第2可動鉄心は上方向に傾斜していたが、図4では可動鉄心の外径側が第1可動鉄心は上方向、第2可動鉄心は下方向に傾斜している。このように構成することで全体としての背の高さを幾分小型化することができる。 【0042】実施の形態4.実施の形態2の図3のものの磁束をさらに増大させる構成を図5に示す。図5に於いて、52aは第1コイル1の下端より所定の長さだけ下方に突き出た第1鉄心の外筒、52bは第1コイル1の下端より所定の長さだけ下方に突き出た第1鉄心の内筒である。また、54aは第2コイル3の上端より所定の長さだけ上方に突き出た第2鉄心の外筒、54bは第2コイル3の上端より所定の長さだけ上方に突き出た第2鉄心の内筒である。 【0043】外筒、内筒がともにコイルの端より所定の長さだけ突き出ているので、コイルの端には内筒と外筒が直接対向する部分(嵌合部という)が構成される。56は第1鉄心の前記嵌合部に嵌合される嵌合突起56aを有する第1可動鉄心、57は第2鉄心の前記嵌合部に嵌合される嵌合突起57aを有する第2可動鉄心である。このような構成により第1鉄心と第1可動鉄心の表面同士が接触している面積も、第2鉄心と第2可動鉄心の表面同士が接触している面積も、ともに大きくなり、磁気駆動力が増大する。なお、嵌合突起56a,58aの高さは、嵌合後に嵌合突起がコイルに接触しない程度とすることは言うまでもない。 【0044】また、図5に於いて、500はダンパーであり、ゴム、フェルトなどのクッション材を嵌合部の少なくとも片方の面に接着し、可動鉄心56,58が鉄心に吸着されるときにこのクッション材が圧縮されることで吸着の衝撃音を和らげるものである。勿論ダンパー500があってもなくても電磁駆動性能に変わりはない。 【0045】実施の形態5.この発明による、実施の形態5の電磁駆動装置の断面の部分拡大図を図6に示す。図示されていない部分及び、以下に特に説明しない部分の構造は、実施の形態1の図1と同じ構造である。図に於いて、62は第1鉄心で、外筒62aと内筒62bを持ち、内筒62bはコイル1の中程で切断されている。631は樹脂製の筒型のボビンからなりコイル1の内側に張りつけられている第1ガイドである。64は第2鉄心で、外筒64aと内筒64bを持ち、内筒64bはコイル3の中程で切断されている。632は樹脂製の筒型のボビンからなりコイル3の内側に沿って(内筒の外周に沿って)張りつけられている第2ガイドである。 【0046】66は第1の可動鉄心で外筒62aの端面に対向する円板部と、突起部85の周囲に円筒型に成形したガイド部66aとを有している。68は第2の可動鉄心で外筒64aの端面に対向する円板部と、弁軸5aの延長線の周囲に円筒型に成形したガイド部68aとを有している。可動鉄心のガイド部66aと68aは、それぞれ第1ガイド631、第2ガイド632の内部に摺動可能に収納される。第1ガイド631、第2ガイド632はいずれも可動鉄心の横方向へのぶれを防止するので、軸受としての機能を持つ、従って図6の場合、図には記載してあるが軸受部材11は必ずしも必要ではない。 【0047】第1ガイド631、第2ガイド632は可動鉄心の案内のみでなく、第1コイル1、第2コイル3を収納し易くする機能も備えている。第1ガイド631,第2ガイド632には、コイルを巻回するために用いられたボビン(巻き枠)そのものを利用してもよい。なお、突起部85の軸に直交する断面の面積は外筒の断面積にほぼ等しくなるようにしている。 【0048】図6では、第1、第2の鉄心の端面は弁軸5aに対して直角であるものを記載しているが、実施の形態2の図3のように、内筒または外筒いずれか一方、または両方の端面を傾斜させて駆動力を増加させることができる。例えば外筒62aと64aの端面を傾斜させたものを図7に示す。第1、第2の可動鉄心66、68の端の部分は外筒の端面の傾斜に合わせて傾斜させる。また、図7では第1、第2の可動鉄心66、68と連結軸19との接合部の突起85の形状を図6のものとは逆に窪ませてあるが、どちらの方法をとってもよい。 【0049】以上の説明に於いて、内燃機関の吸・排気弁を駆動するとして説明したが、この発明の電磁駆動装置は、内燃機関用途に限定されるものではなく、気体圧縮ポンプなど弁を有する各種の機器の弁の駆動に利用でき、更に、配管の途中に用いるいわゆる電磁弁にも利用出来ることは言うまでもない。なお、各実施の形態の説明中で、第1、第2鉄心、第1、第2の可動鉄心は円形であると説明しているが、必ずしも円形である必要はない。 【0050】 【発明の効果】以上のようにこの発明の弁の電磁駆動装置は、背面連結した第1,第2の電磁石の開口部に対向して配置した第1,第2の可動鉄心を互いに連結し、軸受け部材で支持し、弁軸は第1の可動鉄心と軸受で接続したので、弁軸の傾きによって可動鉄心の動きが阻害されることがないと言う効果が得られる。 【0051】また、軸受け部材は鉄心に固定したので構造が単純である。 【0052】また、軸受け部材を非磁性体で構成したので、第1,第2鉄心が磁気的に完全に分離される。 【0053】また、連結軸を非磁性体で構成したので、第1,第2鉄心が磁気的に完全に分離され、また連結軸に磁気力が作用することがない。 【0054】また、第1,第2の電磁石の間に非磁性体からなるスぺーサを挿入したので構造が堅固になる。 【0055】また、弁軸と第1の可動鉄心とを揺動可能な軸受でつないだので、可動鉄心の動きが弁軸の動きによって阻害されることがない。 【0056】また、軸受は半円部を介して接触させているので、ある角度の範囲内で自由に折れ曲がることができる。 【0057】また、第1又は第2鉄心の端面に傾斜した面を設け、これに対向する可動鉄心の面にも同じ傾斜面を設けたので吸着力を増大させることができる。 【0058】また、可動鉄心の側に突起部を設け、これを内筒の内側に挿入するようにしたので、内筒と可動鉄心間の磁路抵抗を減少させることができる。 【0059】また、可動鉄心と内筒との対向面積と、可動鉄心と外筒との対向面積とをほぼ等しくなるようにしたので、最も効率よく吸着力を高めることができる。 【0060】また、内筒の外側に樹脂製のガイドを設けたので、可動鉄心の動きをスムースにすることができる。 【0061】また、可動鉄心の突起部の断面積を外筒の断面積とほぼ等しくしたので、最も効率よく吸着力を高めることができる。 【0062】また、内筒と外筒の端部はコイルの軸方向長さよりも長く、この端部に対向する可動鉄心には前記内筒と外筒の間に挿入される嵌合突起が設けられているので、吸着力を更に高めることができる。 【0063】また、嵌合突起にはダンパーが装着されているので、吸着時の衝撃音を和らげることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年4月10日(2000.4.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073759 【弁理士】 【氏名又は名称】大岩 増雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−289018(P2001−289018A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月19日(2001.10.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−108374(P2000−108374) |
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