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【発明の名称】 ガス圧力エネルギを利用した複合発電システム
【発明者】 【氏名】岡本 敦

【氏名】尾藤 武治

【氏名】森山 喜貴

【氏名】田中 満

【要約】 【課題】蒸気、水と言った用役が不要で、運転及び保守が簡便であり、しかもこれまで未利用であったガス圧力エネルギを回収することにより高い発電出力、発電効率を達成できる複合発電システムを提供すること。

【解決手段】ガスタービン1と、燃料ガスを作動流体とする膨張夕ービン7と、これらのタービンで駆動される発電機4と、ガスタービン1からの排熱を回収し該排熱を用いて膨張タービン7に流入する燃料ガスを加温する排熱回収/ガス加温器12とを備えてなる複合発電システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスタービンと、燃料ガスを作動流体とする膨張夕ービンと、これらのタービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンからの排熱を回収し該排熱を用いて前記膨張タービンに流入する燃料ガスを加温する排熱回収/ガス加温器とを備えてなることを特徴とするガス圧力エネルギを利用した複合発電システム。
【請求項2】 前記排熱回収/ガス加温器が、前記膨張タービンに流入する高圧側燃料ガスを加温するとともに、該膨張タービンから排出される低圧側燃料ガスも加温することを特徴とする、請求項1記載の発電システム。
【請求項3】 前記膨張タービンから排出される低圧側燃料ガスの冷熱を取り込んで前記ガスタービンヘ流入される吸気を冷却する吸気冷却器を備えたことを特徴とする、請求項1または2記載の発電システム。
【請求項4】 前記排熱回収/ガス加温器は前記ガスタービンからの排ガスと前記燃料ガスとのガス同士間で熱交換を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の発電システム。
【請求項5】 前記ガスタービンと前記膨張タービンで共通の発電機を駆動させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の発電システム。
【請求項6】 前記膨張タービンの作動流体として利用する燃料ガスの一部を前記ガスタービンの燃料とすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電システムに関連し、特に、ガスタービン発電と、燃料ガスの減圧設備などでの利用を目的としたガス圧力エネルギ利用の膨張タービン発電とによる複合発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン発電は、汽力発電に比べ大幅な負荷変動や急激な起動・停止などが容易であり、また負荷調整機能にも優れると言う長所を有しながら、単独では発電効率の低さから、我国ではこれまで非常用・電力需要のピーク時用の利用が有ったものの、常用の発電設備としての利用は少なかった。しかし、ガスタービンによる発電の総合発電効率を向上させる手段として、ガスタービンと汽力プラントの複合サイクル発電(コンバインドサイクル発電)が登場し、現在では天然ガス焚事業用発電の主流を占めるに至っている。
【0003】複合サイクル発電方式にはいくつかの種類が有るが、最もシンプルで一般に広く用いられているのは排熱回収式と呼ばれる方式で、図4に示されるように、ガスタービン1の排ガスを排熱回収ボイラ2に導き、排ガスの熱を回収して蒸気を発生させ、この蒸気を利用して蒸気タービン3を駆動し、ガスタービン1と蒸気タービン3とで発電機4を駆動させる技術である。なお、図中、5は蒸気を凝縮させるための復水器である。
【0004】一方、燃料ガスを経済的に効率よく輸送する為に、都市ガス・天然ガスなどの燃料ガスは、高圧力で輸送パイプラインに送出されている。この高圧力の燃料ガスは、ガスの需要地近辺で、需要先で要求される圧力にまで減圧される。従来、この減圧操作はガバナーステーション(減圧設備)の減圧弁で行うことが一般的であった。この燃料ガスの減圧工程を膨張タービンを用いて圧力エネルギを電力として回収する発電(以後、ガス圧力回収発電と呼ぶ)に全部または一部を利用することは、これまで未利用であった圧力エネルギを有効に活用でき有用である。高圧の燃料ガスを作動流体として膨脹タービンに供給するガス圧力回収発電は、従来LNG(液化天然ガス)基地を中心として実施されている。この発電設備では、図5に示すように、ポンプで昇圧されたLNGを気化器6によって気化させ、そのガスを膨張タービン7で減圧膨張させることにより発電機4を駆動して発電を行い、ガスは減圧膨脹の際に温度低下しているので更にガス加温器8によってガス温度を所定の温度まで昇温させた上で、燃料ガスを需要先に供給する。LNG基地は一般に沿岸に立地されており、気化器6やガス加温器8における温熱源として、大量の海水を使用することが多い。
【0005】上記のような燃料ガス減圧時のガス圧力回収発電の他の例として、地域冷暖房施設や事業用発電施設が、都市ガスのガバナーステーションに近接する場合に、その立地条件を活かして、ガスエンジンやガスタービンによる主発電とは別にガス圧力回収発電を行っているものが有る。図6がそのシステム例で、ガスタービン複合サイクル発電(右側部)と、都市ガスの減圧時の圧力エネルギを利用して膨脹タービン7を動かし、その力で発電機9を駆動するガス圧力回収発電(左側部)とを組み合わせたものである。プレヒータ10で都市ガスを加温してから膨脹タービン7に供給し、膨脹タービン7から排出される都市ガスの温度を所定の温度として、需要先に供給する。都市ガスの加温にはガスタービン複合サイクル発電からの排ガスの排熱を回収する排熱ボイラ2から供給される低圧蒸気が利用されている。なお、図中、11は蒸気を凝縮させるための復水器である。この他、都市ガスのガバナーステーションでの膨脹タービンを利用した発電に言及するものとして、特開平7−217800号がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電力需給の根本は現在、その高い発電効率と経済性ゆえに大規模発電所によって支えられている。これら大容量の火力・原子力発電所は、立地上の制約等の理由で、電力需要の大きな都市や工業地帯から遥かに離れた地域に建設され、延々と遠距離送電されることが多く、送電の過程で多くのエネルギーを失うと同時に、エネルギー保安上も問題が多い。また、こういった遠隔地にある大規模発電所は、更なる熱効率向上を目指して、発電に伴う排熱を回収し、熱供給をはかっても、熱電併給を行うには熱需要があまり期待できない。このような状況下で、電力需要地に近接する中・小規模の分散型発電設備の開発は、ベースロード対応としての大規模発電所を補完するために重要である。しかし、例えば沿岸以外の地域に設けた分散型発電設備では、水や蒸気と言った用役を外部から入手困難な場合も多く、また大規模設備のような十分な要員も期待できないことから、簡便で外部からの取水などを要しない独立した設備が必要となる。加えて、高い発電効率が求められる。
【0007】また、前述したように、通常のガスタービン発電では、ガスタービン(プレイトンサイクル)と蒸気タービン(ランキンサイクル)を組み合せた複合熱機関とし、作動温度域を高温から低温まで広げることにより、総合発電効率を現在の火力発電システムのなかで最も高いレベルにまで向上させている。ガスタービンは、中間冷却器付きのような特殊な例を除くと、通常、冷却水は不要であるが、複合サイクル発電を構成した場合は、蒸気タービンの復水器用に大量の冷却水が必要となる。復水用に、冷却塔や空冷コンデンサの使用も原理的には可能であるが、設置スペースに広大なものが必要になり現実的ではない。さらに、外部からのボイラ用の給水が必要であり、また外部への温排水も発生する。従って、従来の複合サイクル発電では、そのための広い敷地が必要となる他、原動機自体の運転管理に加えて、ボイラの運転制御や水処理(復水・給水処理と、ボイラ水処理)が必要になり、運転・保守が単独のガスタービン発電に比べて複雑となり、多くの要員が必要である。
【0008】一方、高圧の燃料ガスを作動流体として膨脹タービンに供給するガス圧力回収発電を、燃料ガスの供給パイプラインの減圧設備に設けることが、これまで未利用であった圧力エネルギの有効利用に有用である。ガスの需要地に近接した上記の減圧設備は、一般に電力の需要地にも近いと考えられ、ここに発電設備を設置することは送電効率の面でも望ましい。
【0009】ところが、燃料ガス輸送時におけるガス圧力回収発電は、前述した一部の設置例等を除いて実用化例は少ない。普及を阻む技術的問題点の一つに、温熱源の確保の問題が有る。すなわち、減圧弁でのガスの減圧過程は近似的に等エンタルピー膨張であるのに対し、膨張タービンでのそれは等エントロピー変化に近い。この膨張過程でガスが発電機に対し仕事を行うことにより、膨張タービンからの排出燃料ガス温度は著しく低下する。燃料ガス導管の場合、ガス温度が0℃以下になると、導管や周辺施設の凍結・凍土の問題が発生する為、ガス温度が0℃を下回らないようにする必要がある。また、ガス温度の低下が大きい場合には、ガス成分の一部が凝縮してしまうこともある上、天然ガス中に一定量以上の水分を含む場合には、ハイドレートを生成して導管や計器の閉塞を引き起こす危険性もある。このため、膨張タービンによる減圧工程の上流側、下流側のいずれか、あるいはその両方にガス加温器が必要となる。従って、海水、温水、蒸気といった温熱源が設備内にあるか、それらを容易に供給でき、利用できる場合以外には、ガス圧力回収発電システムの実用化が困難であった。
【0010】本発明は、従来の複合サイクル発電およびガス圧力回収発電を、分散型発電設備として利用する際の上述した問題点を解決する為になされたものであり、特に、燃料ガスの減圧設備の一部もしくは全部として使用されることを前提として、蒸気、水と言った用役が不要で、運転、保守が簡便であり、しかもこれまで未利用であったエネルギを回収することにより高い発電出力、発電効率を達成できるガス圧力エネルギを利用した複合発電システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発電システムは、ガスタービンと、燃料ガスを作動流体とする膨張夕ービンと、これらのタービンで駆動される発電機と、前記ガスタービンからの排熱を回収し該排熱を用いて前記膨張タービンに流入する燃料ガスを加温する排熱回収/ガス加温器とを備えたものである。また、前記排熱回収/ガス加温器が、前記膨張タービンに流入する高圧側燃料ガスを加温するとともに、該膨張タービンから排出される低圧側燃料ガスも加温するようにしたものである。更に、前記膨張タービンから排出される低圧側燃料ガスの冷熱を取り込んで前記ガスタービンヘ流入される吸気を冷却する吸気冷却器を備えたものである。
【0012】また、前記排熱回収/ガス加温器は前記ガスタービンからの排ガスと前記燃料ガスとのガス同士間で熱交換を行うようにしたものである。また、前記ガスタービンと前記膨張タービンで共通の発電機を駆動させるようにしたものである。更に、前記膨張タービンの作動流体として利用する燃料ガスの一部を前記ガスタービンの燃料としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.ガスタービンの排熱は、その殆どが排気ガス熱として排出されるので、ガスタービン発電の熱効率を向上させる為には、排ガスの排熱回収をいかに効率的に行うかが重要となる。従来のガスタービンと蒸気タービンを組み合せた複合サイクル発電に見られるように、一般的な排熱回収の方法は、排熱ボイラで蒸気を発生させる方法であるが、水の入手できない場所ではこの方法は利用できず、熱効率は著しく低くとどまってしまう。本実施の形態では、排熱回収/ガス加温器においてガスタービンの排ガスと膨張タービンに流入する燃料ガスとの間で熱交換を行い、ガスタービン発電の熱効率を複合サイクル発電の場合と同程度以上に向上させるとともに、回収した熱を膨張タービン発電に必要なガス加温に利用するものである。その際、膨張タービンから排出される燃料ガスの温度が下流側に悪影響を及ぼさない温度(一般には0℃以上)になる様、排熱回収/ガス加温器において、膨張タービンに流入する燃料ガスが所定の温度まで昇温される。
【0014】一般に他の原動機に比べ、ガスタービンの排ガス温度は約500℃程度と高く、一方、膨張タービンに流入する燃料ガスの温度はほぼ大気温であり、温度差が大きいため、排ガスと燃料ガスとの直接熱交換であっても、従来の複合サイクル発電の場合と同程度以上の効率的な排熱回収が可能である。すなわち、複合サイクル発電の場合の排熱ボイラ出口での排ガス温度は、通常、ボイラの運転圧力での飽和蒸気温度によって決まり、更なる熱回収率向上の為に多重圧ボイラや節炭器を用いた場合でも、排熱回収後の排熱ボイラ出口での排ガス温度は、通常150〜100℃程度である。一方、膨脹タービンに流入する燃料ガスの温度はほぼ大気温であり、排ガスとの温度差が大きいため、排熱回収/ガス加温器出口での排ガス温度を、複合サイクル発電と同程度の150〜100℃、あるいは100℃以下に設定した場合には、より多くの熱回収ができるので、ガスタービン発電の熱効率を向上させることができる。
【0015】図1は、本発明の実施の形態1に係るガスタービン発電とガス圧力回収発電の複合発電システムの構成図である。圧縮機と燃焼器とタービンから構成されるガスタービン1において、ガスタービン用燃料ガスは圧縮機で加圧された空気と燃焼器で混合されて燃焼し、タービン内で燃焼ガスが膨張する際に動力を発生させ、発電機4を駆動する。そして、ガスタービン1のタービンを出た高温の排ガスは、排熱回収/ガス加温器12に導入され燃料ガスと熱交換され、減温された後、大気中に排出される。一方、膨張タービン7側では、都市ガスなどの高圧の燃料ガスが排熱回収/ガス加温器12に導入され、それが排ガスとの熱交換より昇温された後、作動流体として膨張タービン7に入る。膨張タービン7は、燃料ガスが断熱膨張する際に動力を発生させ、発電機4を駆動する。そして、膨張タービン7を出た燃料ガスは、低圧の燃料ガスとして需要先に供給される。
【0016】実施例1.次に、実施の形態1の発電システムの具体例を実施例1として紹介する。膨張タービン作動用燃料ガスの種類、圧力・温度条件は下記の通りとする。
燃料ガス種別:都市ガス13A 高圧側燃料ガス 圧力:40kg/cm2 G,温度:24℃ 低圧側燃料ガス 圧力: 6kg/cm2 G,温度: 5℃出力定格1000kwクラスのガスタービン1と、上記都市ガスを作動流体とした膨張タービン7と、排熱回収/ガス加温器12を用いて図1のシステムを構成し、排熱回収/ガス加温器12出口での排ガス温度が100℃になる様に設定して運転した時の、都市ガス使用量と出力を、ガスタービン発電単独システムの場合と比較してその結果を下記に示す。なお、発電効率は、ガスタービンで消費される燃料ガスの低位発熱量に対する発生電力量の比である。
【0017】
実施例1のシステム ガスタービン発電単独 ガスタービン燃料消費量 402Nm3 /h 402Nm3 /h 作動流体の流量 74,900Nm3 /h 0Nm3 /h 発電機出力 4149kw 1003kw 発電効率 89.4% 21.6%【0018】このように、都市ガスを作動流体とする膨張タービン発電と、ガスタービン発電とを組み合わせ、排熱回収/ガス加温器12で回収したガスタービン1からの排ガス熱を利用し、膨張タービン7に流入する都市ガスを加温することにより、ガスタービン発電の熱効率の向上と、都市ガスの圧力エネルギの効率的な回収を、蒸気や水といった用役なしで同時に達成できる。なお、実施例1で、排熱回収/ガス加温器12を出て膨脹タービン7に入る都市ガスの温度は約97℃に昇温される。
【0019】実施の形態2.図2は、本発明の実施の形態2に係るガスタービン発電とガス圧力回収発電の複合発電システムの構成図である。これは、排熱回収/ガス加温器を含む膨張タービン側の作動流体である燃料ガスの流路構成を除いて図1のシステム構成と同じである。すなわち、膨張タービン7に導入する高圧の燃料ガスと膨張タービン7から出る低圧の燃料ガスとの両方を、排熱回収/ガス加温器12のそれぞれ前段部と後段部で昇温するようにしている。
【0020】排熱回収/ガス加温器12出口での排ガス温度を下げるほど熱回収を多くでき熱効率は向上するが、そのためには排熱回収熱交換器部分の伝熱面積が大きくなり、設備費がかさむ。しかし、この実施の形態2のように、排熱回収/ガス加温器12の前段部で膨張タービン7入口側の高圧の燃料ガスを、排熱回収/ガス加温器12の後段部で膨張タービン7出口側の低圧の燃料ガスを加温する構成とすることにより、熱交換の効率を向上させることができる。すなわち、膨張タービン7の入口側ガス温度を実施の形態1に比べて低く設定すると、その分膨張タービン7の出口側のガス温度は実施の形態1に比べてより低温になるため、排熱回収/ガス加温器12での排ガスとの温度差が大きいため、排熱回収効率が向上し、より小さな伝熱面積で効果的な熱効率を得ることが可能となる。
【0021】なお、実際には、排熱回収/ガス加温器12出口での排ガス温度の下限は、伝熱管の腐食問題によって規制される。一般の都市ガスのように、硫黄分を含まない燃料ガスの場合は、硫酸腐食の問題は発生しないが、排ガス中のCO2 と水分による炭酸腐食には注意が必要である。この事から、伝熱管に比較的低温のガスを通す場合には、伝熱管外面温度を水露点以上に保つか、低温部伝熱管に耐腐食性材料を使うなどの配慮が必要である。ただし、ガスタービンは大量の冷却空気を必要とするがゆえに空気過剰率が高く、そのため排ガスの水露点は他の原動機に比べかなり低いという特徴があり、伝熱管外面温度を水露点以上に保つことは容易である。
【0022】実施例2.実施例1と同じガスタービン、膨張タービン、および発電機、同じ種類および同じ入口/出口の圧力・温度条件の燃料ガスを使い、さらに、排熱回収/ガス冷却器12を利用して、図2に示す発電システムを実施例2として構成し、実施例1と同じ発電機出力を得、排熱回収/ガス加温器12出口での排ガス温度が実施例1と同じ100℃になるように設定した。この場合に、排熱回収/ガス加温器12から出て膨張タービン7に入る高圧側燃料ガスの温度は約70℃、また、膨張タービン7から出て排熱回収/ガス加温器12に入る低圧側燃料ガスの温度は約−19℃となり、実施例1の場合に比べてより低温になる。従って、排熱回収/ガス加温器12の排熱回収効率が向上するため、排熱回収/ガス加温器12の熱交換器の伝熱面積は、実施例1のそれに比較して約11%低減でき、排熱回収/ガス加温器12を小さくして、設備費を低減できる。
【0023】実施の形態3.図3は、本発明の実施の形態3に係るガスタービン発電とガス圧力回収発電との複合発電システムの構成図である。これは、膨張タービン7から出る低圧側燃料ガスを、一旦、吸気冷却器13に導入してガスタービン1に供給する空気と熱交換を行なわせ、ガスタービン1に供給する空気の温度を下げるとともに、燃料ガスは吸気冷却器13で昇温された後、需要先に供給されるようにした点を除いて図1のシステム構成と同じである。
【0024】ガスタービン1は、その最大出力が吸入する空気温度に左右されると言う特性を持っており、吸入温度が高いと最大出力が低下してしまう。しかし、このように、膨張タービン7出口側の低温の燃料ガスを吸気冷却器13に導入し、これによりガスタービン1の吸気温度を低くすることで、大気温度の高い夏場の昼間など大出力が要求される場合にも、ガスタービン1の出力を維持して電力供給の低下を防ぐことが可能となる。次に、この実施例を説明する。
【0025】実施例3,実施例4.実施例1と同じガスタービン、膨張夕ービン、および発電機を用い、ガスタービン1の吸気温度が35℃の場合の図1のシステムを実施例3とし、一方、図3のように吸気冷却器13を加えて、ガスタービン1の吸気温度を17℃にした場合のシステムを実施例4として、これらのシステムの燃料ガス使用量と最大出力とを比較した。なお、膨張タービン作動用燃料ガスの条件は下記の通りとする。
燃料ガス種別:都市ガス13A 高圧側燃料ガス 圧力:40kg/cm2 G,温度:35℃ 低圧側燃料ガス 圧力: 6kg/cm2 G,温度: 5℃また、膨張タービン7へ流入する燃料ガス流量は実施例3と実施例4で同一とした。この結果、下記に示すように吸気冷却を行った実施例4(図3のシステム)の発電の方が、発電機の最大出力は4.3%向上した。
【0026】
実施例3のシステム 実施例4のシステム ガスタービン吸気温度 35℃ 17℃ ガスタービン燃料消費量 377Nm3 /h 419Nm3 /h 発電機出力 4026kw 4199kw【0027】上記実施例4で、排熱回収/ガス加温器12から出て膨張タービン7に入る燃料ガスの温度は約93℃、排熱回収/ガス加温器12出口での排ガスの温度は180℃、膨張タービン7を出て吸気冷却器13に入る燃料ガスの温度は約1℃と想定したが、需要側での温度が例えば1℃程度でよいとすれば、膨張タービン7に入る燃料ガスの温度、および膨張タービン7から出て吸気冷却器13に入る燃料ガスの温度をさらに引き下げることも可能になり、更に発電機の最大出力を向上できる。
【0028】以上、本発明の具体例を詳細に説明してきたが、ガスタービン発電機と膨張タービン発電機の組み合わせには、各々のタービンが別々の発電機を駆動する場合と、各々のタービンが共通の1台の発電機を駆動する一軸型との2種類がある。上記各実施の形態では一軸型を示したが、本発明は別々の発電機を駆動する方式も利用可能である。ただし、一軸型にした場合は、発電機が共通の1台となり設備の設置スペースが少なくて済む上、大型の発電機を駆動するため発電機効率が高くなると言う特徴を持つ。さらに一軸型の場合は、ガスタービン起動時に膨張タービンを起動機として利用できる為、ガスタービンの起動装置が不要になるという特徴もある。また、上記各実施の形態において、膨張タービン7を複数個設置し、それらの入出力流路が直列となるように、多段に構成して、より発電効率を上げることもできる。さらに、各タービンと発電機の間には必要に応じて減速機が設置される。
【0029】また、上記各実施の形態で、排熱回収/ガス加温器はガス同士の熱交換を行うものとしたが、排熱回収器とガス加温器を別々にして、その間で液体の熱媒を循環させる間接熱交換も可能である。その場合には、ガス同士の熱交換に比べ熱交換器の総括伝熱係数は大きくとれるが、別々の熱交換器が必要となるため、設備が大型化する。
【0030】さらに、本発明において、膨張タービンを作動するための燃料ガスは、都市ガス、天然ガス(LNGを気化させたものを含む)が使用できる。その際、ガスタービンで使われる燃料として、膨張タービン用作動流体である燃料ガスの一部を取り込んで使用するのが好都合である。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、ガスタービン発電機、排熱回収/ガス加温器、および膨張タービン発電機とで複合発電システムを構成し、ガスタービン発電での排熱を回収しそれを膨張タービン作動流体の加温に利用するようにしたので、蒸気や水と言った燃料ガス以外の用役が不要で、システムの運転・保守が簡便となり、しかもこれまで未利用であったガス圧力エネルギを回収することにより高い発電出力・発電効率を達成できる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2001−241304(P2001−241304A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−52897(P2000−52897)