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【発明の名称】 蒸気弁
【発明者】 【氏名】二宮 修

【氏名】濱口 博幸

【要約】 【課題】弁棒案内片と弁棒との隙間への異物粒子の流入防止に改良を加えた蒸気弁を提供する。

【解決手段】本発明に係る蒸気弁は、弁ケーシング50内に設けたディスク50aを駆動する弁棒63と、上記弁ケーシング50に設けた蒸気供給口51に高圧蒸気タービン48からの抽気蒸気を供給して上記弁棒63に噴出させる蒸気供給系統47とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蒸気発生器から蒸気タービンに供給する蒸気を通断させる弁体を駆動する弁棒に異物粒子の流入を防止する異物粒子流入防止手段を設けたことを特徴とする蒸気弁。
【請求項2】 弁ケーシング内に設けたディスクを揺動自在に支持する支持軸と、この支持軸に油筒からの駆動力を回転力に変えて与える弁棒と、上記弁ケーシングに設けた蒸気供給口に高圧蒸気タービンからの蒸気を供給して上記弁棒に噴出させる蒸気供給系統とを備えたことを特徴とする蒸気弁。
【請求項3】 蒸気供給口に高圧蒸気タービンから供給する蒸気は、高圧蒸気タービンの中間段落から抽気した抽気蒸気であることを特徴とする請求項2記載の蒸気弁。
【請求項4】 蒸気供給口は、弁棒案内片からガイドブッシュまで弁棒の軸方向に沿って延びる蒸気通路に接続させたことを特徴とする請求項2記載の蒸気弁。
【請求項5】 蒸気通路はチャンバを備えたことを特徴とする請求項4記載の蒸気弁。
【請求項6】 弁ケーシング内に設けたストレーナに主蒸気副弁を組み込んだ主蒸気主弁と、上記主蒸気副弁および主蒸気主弁に油筒からの駆動力を与える弁棒と、上記弁ケーシングに設けた主蒸気供給口にボイラからの主蒸気を供給して上記弁棒に噴出させる主蒸気供給系統とを備えたことを特徴とする蒸気弁。
【請求項7】 弁ケーシングと弁スタンドとに挿通する弁棒の端部に接続する副弁を組み込んだ主弁と、この主弁を摺動させ、かつバランス室を区画するガイドスリーブと、このガイドスリーブから上記弁スタンドの蒸気供給口に延び、上記ガイドスリーブと上記主弁との隙間に蒸気を供給する蒸気通路と、上記蒸気供給口に接続する蒸気供給系統とを備えたことを特徴とする蒸気弁。
【請求項8】 蒸気供給系統は、ボイラの出口に接続させたことを特徴とする請求項6または7記載の蒸気弁。
【請求項9】 蒸気供給系統は、ストレーナを備えたことを特徴とする請求項6または7記載の蒸気弁。
【請求項10】 弁ケーシング内に設けたストレーナに収容する弁体と、この弁体に油筒からの駆動力を与える弁棒と、この弁棒が摺動する弁棒ブッシュを包囲する弁棒案内片と、上記弁体に一体製作され、弁体の弁開時に上記弁棒案内片を包囲するスカート部とを備えたことを特徴とする蒸気弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービンプラントに適用する蒸気弁に係り、特に弁棒摺動部への酸化スケール等の異物粒子の流入防止に改良を加えた蒸気弁に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービンプラントでは、図6に示すように、発電機1からより多くの負荷(出力)を発生させるため、タービン軸2に高圧蒸気タービン3、中圧蒸気タービン4および低圧蒸気タービン5を軸直結させた、いわゆる3ケーシングの軸流形式のものが多い。
【0003】この3ケーシング、軸流形式の蒸気タービンプラントは、各蒸気タービン3,4,5内にタービンノズルとタービン動翼を組み合せたタービン段落(図示せず)をタービン軸2の軸方向に向って備え、ボイラ6から発生した蒸気を高圧蒸気タービン3のタービン段落で膨張仕事をさせ、膨張仕事を終えて温度・圧力の低くなった蒸気をボイラ6の再熱器7で再熱させ、その再熱蒸気を中圧蒸気タービン4を経て低圧蒸気タービン5に供給し、それぞれの蒸気タービン4,5のタービン段落で膨張仕事をさせて発電機1を駆動し、膨張仕事を終えた蒸気を復水器8で凝縮させて復水・給水にし、その復水・給水をボイラ6に再び戻す構成になっている。
【0004】また、蒸気タービンプラントには、用途に応じて大小口径の異なる弁装置が多数設けられている。これらの弁装置の中、特にボイラ6と高圧蒸気タービン3と中間部分に設けた主蒸気止め弁9、高圧蒸気タービン3の入口前に設けた蒸気加減弁10、再熱器7と中圧蒸気タービン4との中間部分に設けた再熱蒸気止め弁11およびインタセプト弁12は、圧力16.6MPaまたは24.1MPa、温度538℃または566℃の蒸気を多量に扱う関係上、超大形の弁構造になっている。
【0005】主蒸気止め弁9は、主としてON−OFFタイプであり、起動運転時、主弁に組み込んだ副弁(ともに図示せず)を開口させて蒸気量を制御するとともに、負荷遮断等の緊急時、調速機13からの指令により主弁および副弁を全閉させる構造になっている。
【0006】蒸気加減弁10は、負荷(出力)の需要に応じて複数の弁体のうち、幾つかを開口させて流量制御を行わせるとともに、負荷遮断等の緊急時、非常調速機14からの指令により弁体を全て全閉させる構造になっている。
【0007】再熱蒸気止め弁11およびインタセプト弁12は、ともにON−OFFタイプであり、負荷遮断等の緊急時、調速機13および非常調速機14のうち、いずれか一方からの指令により主蒸気止め弁9や蒸気加減弁10に先行させて弁体を全閉させ、再熱器7からの再熱蒸気を遮断させ、タービン軸2の暴走を防止させるようになっている。
【0008】なお、本実施形態では、緊急時、不測の事態を予想して主蒸気止め弁9、蒸気加減弁10、再熱蒸気止め弁11およびインタセプト弁12のそれぞれを少なくとも2つ以上にして並列配置しているが、以後、主蒸気止め弁9、蒸気加減弁10、再熱蒸気弁11およびインタセプト弁12を一括して蒸気弁と記す。
【0009】ところで、蒸気弁のうち、再熱蒸気止め弁11とインタセプト弁12との具体的な構造を今少し詳しく説明する。
【0010】図7は、再熱蒸気止め弁11を示す正面断面図である。
【0011】再熱蒸気止め弁11は、弁ケーシング15内に収容した板状のディスク16をアーム17を介して支持し、軸受フランジ18に軸装した支持軸19と、この支持軸19に連結片20を介して接続する弁棒21とを備えた構成になっている。
【0012】また、再熱蒸気止め弁11は、弁棒21を摺動させる弁棒摺動部としての弁棒ブッシュ22を包囲する弁棒案内片23を備えるとともに、弁棒21を駆動する油筒24を弁底蓋25を介して弁棒21の端部に接続する。
【0013】このような構造を備えた再熱蒸気止め弁11は、油筒24の駆動力で弁棒21を移動させ、その移動力で支持軸19を矢印Eの方向に回転させ、その回転力でディスク16を開閉(スイング)させ、蒸気を通流・遮断させるようになっている。なお、図中では、ディスク16は全閉状態になっているが、蒸気を流すとき、ディスク16は紙面の裏側に向ってスイングさせる。
【0014】一方、負荷遮断等の緊急事態が発生した場合、再熱蒸気止め弁11は、図6で示した非常調速度機14からの指令により油筒24の圧力油が引き抜かれ、これに伴って弁棒21を移動させ、弁棒21の移動により支持軸19を矢印Eの方向に回転させ、その回転力でディスク16を図示の位置にスイングさせ、急速に全閉させる。
【0015】図8はインタセプト弁12を示す側面断面図である。
【0016】インタセプト弁12は、弁ケーシング26内に設けたストレーナ27に収容するインタセプト副弁28を組み込んだインタセプト主弁29を備えるとともに、インタセプト副弁28に接続する弁棒30を備えた構成になっている。
【0017】また、インタセプト弁12は、弁棒30を摺動させる弁棒摺動部としての弁棒ブッシュ31を包囲する弁棒案内片32を備えるとともに、弁棒30を駆動する油筒33を弁底蓋34を介して弁棒30の端部に接続する。
【0018】また、インタセプト弁12は、インタセプト主弁29の内部を空間のバランス室35として形成するとともに、その外側にシールリング36を装着し、弁天蓋37に固設したバランス室スリーブ38にインタセプト主弁29を摺動させる構成になっている。
【0019】このような構成を備えたインタセプト弁12は、図8で示すように、インタセプト主弁29を弁座39に当接させた全閉状態から全開させる際、まず、油筒33を駆動して弁棒30を移動させ、弁棒30の駆動力でインタセプト副弁28を移動させ、インタセプト主弁29に形成した通路40を開口させる。
【0020】このとき、弁ケーシング26の入口41からストレーナ27の流入口42を介してバランス室35に流入していた蒸気は、通路40を介して出口43から中圧蒸気タービンに供給され、中圧蒸気タービンへの熱衝撃を緩和させる。
【0021】中圧蒸気タービンが予め定められた負荷(出力)になると、インタセプト弁12は、油筒33の駆動力を増加させ、弁棒30の移動に伴ってインタセプト副弁28とともにインタセプト主弁29も移動させ、インタセプト主弁29を全開させる。
【0022】一方、負荷遮断等の緊急事態が発生した場合、インタセプト弁12は、図6で示した調速機13からの指令により油筒33の圧力油が引き抜かれ、これに伴って弁棒30を移動させ、弁棒30の移動によりインタセプト副弁28およびインタセプト主弁29を急速に全閉させる。
【0023】このように、蒸気弁は、不測の事態が発生したとき、弁体をより早く閉鎖させ、ボイラ6や再熱器7から供給される蒸気をカットし、タービン軸2の暴走を確実に防止していた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図7で示した再熱蒸気止め弁11や図8で示したインタセプト弁12等の蒸気弁は、主として負荷遮断等の緊急時、より早く弁体を閉鎖させ、流入する蒸気をカットし、タービン軸2の暴走を防止するためのものであり、運転中、弁体を全開状態に維持させている。このため、蒸気弁は、図9の(A)に示すように、弁棒21,30に傾斜状の辺に形成した弁棒バックシート44を備えるとともに、弁棒案内片23,32に弁棒バックシート44の形状に対応させたブッシュバックシート45を設け、弁体の全開中、ブッシュバックシート45に弁棒バックシート44を当接させ、蒸気の漏れを防止している。
【0025】しかし、蒸気弁には、ボイラ6の過熱器や再熱器7等から剥離した酸化スケール等の固形状の異物粒子Pが蒸気の流れとともに流入してくる。このため、蒸気弁に流入した異物粒子Pは、弁棒21,30と弁棒案内片23,32との隙間CLからブッシュバックシート45に集り、やがて図9の(B)に示すように、弁体の開閉テストの際、ブッシュバックシート45から弁棒バックシート44に移動し、遂に図9の(C)に示すように、ブッシュバックシート45と弁棒バックシート44との間に噛み込む。
【0026】異物粒子Pが噛み込むと、蒸気弁は、ブッシュバックシート45と弁棒バックシート44との隙間から蒸気漏れを発生させるとともに、弁棒21,30にカジリを与え、やがて緊急時、弁棒21,30を駆動させて弁体をより早く閉鎖させようとしても、弁棒21,30をスティックさせる等の問題があった。
【0027】本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、弁棒案内片と弁棒との隙間への異物粒子の流入を防止し、弁棒を確実にして安定状態で作動させる蒸気弁を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、蒸気発生器から蒸気タービンに供給する蒸気を通断させる弁体を駆動する弁棒に異物粒子の流入を防止する異物粒子流入防止手段を設けた蒸気弁である。
【0029】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、弁ケーシング内に設けたディスクを揺動自在に支持する支持軸と、この支持軸に油筒からの駆動力を回転力に変えて与える弁棒と、上記弁ケーシングに設けた蒸気供給口に高圧蒸気タービンからの蒸気を供給して上記弁棒に噴出させる蒸気供給系統とを備えたものである。
【0030】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、蒸気供給口に高圧蒸気タービンから供給する蒸気は、高圧蒸気タービンの中間段落から抽気した抽気蒸気であることを特徴とするものである。
【0031】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、蒸気供給口は、弁棒案内片からガイドブッシュまで弁棒の軸方向に沿って延びる蒸気通路に接続させたものである。
【0032】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、蒸気通路はチャンバを備えたものである。
【0033】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、弁ケーシング内に設けたストレーナに主蒸気副弁を組み込んだ主蒸気主弁と、上記主蒸気副弁および主蒸気主弁に油筒からの駆動力を与える弁棒と、上記弁ケーシングに設けた主蒸気供給口にボイラからの主蒸気を供給して上記弁棒に噴出させる主蒸気供給系統とを備えたものである。
【0034】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、弁ケーシングと弁スタンドとに挿通する弁棒の端部に接続する副弁を組み込んだ主弁と、この主弁を摺動させ、かつバランス室を区画するガイドスリーブと、このガイドスリーブから上記弁スタンドの蒸気供給口に延び、上記ガイドスリーブと上記主弁との隙間に蒸気を供給する蒸気通路と、上記蒸気供給口に接続する蒸気供給系統とを備えたものである。
【0035】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、蒸気供給系統は、ボイラの出口に接続させたものである。
【0036】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、蒸気供給系統は、ストレーナを備えたものである。
【0037】また、本発明に係る蒸気弁は、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、弁ケーシング内に設けたストレーナに収容する弁体と、この弁体に油筒からの駆動力を与える弁棒と、この弁棒が摺動する弁棒ブッシュを包囲する弁棒案内片と、上記弁体に一体製作され、弁体の弁開時に上記弁棒案内片を包囲するスカート部とを備えたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る蒸気弁の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。なお、本発明に係る蒸気弁は、主蒸気止め弁、蒸気加減弁、再熱蒸気止め弁およびインタセプト弁等の大口径の弁を主として適用対象としている。
【0039】図1は、本発明に係る蒸気弁の第1実施形態を示す概略系統図である。
【0040】本実施形態に係る蒸気弁は、再熱蒸気止め弁46を適用対象とし、この再熱蒸気止め弁46のディスク50aを揺動自在に支持する支持軸50bと、この支持軸50bに駆動力を与える弁棒63に蒸気を供給して異物粒子の流入を確実に防止させる蒸気供給系統47を設けたものである。
【0041】この蒸気供給系統47は、その一端を高圧蒸気タービン48の中間段落に設けた抽気口49に接続し、その他端を再熱蒸気止め弁46の弁ケーシング50に設けた蒸気供給口51に接続する。
【0042】また、蒸気供給系統47は、元弁52、再熱蒸気止め弁46の万一の不作動に備えて待機させている別の再熱蒸気止め弁に蒸気を供給する分岐系統53、オリフィス54、止め弁55a,55bを備えるとともに、その上流側に抽気電動弁56を介装させて給水加熱器(図示せず)に抽気蒸気を供給する抽気系統57と、その下流側にドレン弁58やドレントラップ59等を介装させて復水器(図示せず)にドレンを供給するドレン系統60とを備えている。
【0043】一方、再熱蒸気止め弁46の弁ケーシング50に設けた蒸気供給口51は、図2に示すように、中間部分にチャンバ61を形成するとともに、弁棒案内片62に設けられ、弁棒63と平行に沿って延びる蒸気通路64に接続している。
【0044】また、この蒸気通路64は、弁棒案内片62と弁棒63との間に設けられ、弁棒摺動部として形成するガイドブッシュ65を横断して弁棒63まで延びる構成になっている。なお、符号66は、弁棒ブッシュであり、符号67は、弁ケーシング50と油筒(図示せず)とを区画する弁底蓋である。
【0045】このような構成を備えた蒸気供給系統47において、高圧蒸気タービン48の抽気口49から抽気された比較的異物粒子の少ない抽気蒸気は、元弁52、オリフィス54、止め弁55a,55b、再熱蒸気止め弁46の蒸気供給口51、蒸気通路64を介して弁棒63に供給され、ここからガイドブッシュ65を経て弁ケーシング50内の弁室68に噴出される。
【0046】このように、本実施形態は、高圧蒸気タービン48の中間段落に設けた抽気口49からの抽気蒸気を蒸気供給系統47および弁棒案内片62に設けた蒸気通路64を介して弁棒63に噴出させるので、弁室68から弁棒63とガイドチューブ65との隙間に流入する異物粒子を排除して弁棒バックシート69への堆積を防止することができ、弁棒63を確実にして安定状態で作動させることができる。
【0047】図3は、本発明に係る蒸気弁の第2実施形態を示す概略系統図である。なお、第1実施形態の構成部分と同一部分には同一符号を付す。
【0048】本実施形態に係る蒸気弁は、主蒸気止め弁70を適用対象とし、主蒸気止め弁70の弁棒71に蒸気を供給して異物粒子の弁棒71の隙間への流入を確実に防止させる主蒸気供給系統72を設けたものである。
【0049】この主蒸気供給系統72は、その一端を蒸気圧力・温度の高いボイラ73の出口73aに接続し、その他端を主蒸気止め弁70の弁ケーシング74に設けた主蒸気供給口75に接続する。
【0050】また、主蒸気供給系統72は、元弁52、ストレーナ76、主蒸気止め弁70の万一の不動作に備えて待機させている別の主蒸気止め弁に蒸気を供給する分岐系統77、オリフィス54、止め弁55a,55bを備えるとともに、その上流側に抽気電動弁56を介装させて給水加熱器(図示せず)に抽気蒸気を供給する抽気系統57と、その下流側にドレン弁58やドレントラップ59等を介装させて復水器(図示せず)にドレンを供給するドレン系統60とを備えている。なお、符号78は、ボイラ73から発生した蒸気を主蒸気止め弁70を介して高圧蒸気タービンに供給する主蒸気管である。
【0051】一方、主蒸気止め弁70は、ボイラ73と高圧蒸気タービンとの中間部分に設けられた蒸気遮断弁である。
【0052】この主蒸気止め弁70は、弁ケーシング74内に設けられたストレーナ79に収容する主蒸気副弁80を組み込んだ主蒸気主弁81と、主蒸気副弁80に接続し、弁棒案内片82を摺動する弁棒71と、弁棒71を駆動する油筒83とを備え、起動当初、油筒83からの駆動力を弁棒71に与えて主蒸気副弁80を開口させ、主蒸気管78から弁ケーシング74の入口74a、ストレーナ79の流入口79aを介して供給された蒸気を弁ケーシング74の出口74b、蒸気加減弁および高圧蒸気タービン(ともに図示せず)に供給し、予め定めた負荷(出力)になると、油筒83の駆動力を増加させ、主蒸気副弁80とともに主蒸気主弁81を弁座84から開口させ、主蒸気管78からの蒸気の全流量を高圧蒸気タービンに流すようになっている。
【0053】このような構成を備えた主蒸気供給系統72および主蒸気止め弁70において、ボイラ73の出口73aから出た高圧・高温の蒸気は、元弁52を通った後、ストレーナ76で異物が除去され、オリフィス54、止め弁55a,55b、主蒸気止め弁70の主蒸気供給口75を介して弁棒案内片82から弁棒71に噴出される。
【0054】したがって、本実施形態では、ボイラ73の出口73aから高圧・高温の蒸気を主蒸気供給系統72、主蒸気供給口75および弁棒案内片82を介して弁棒71に噴出させるので、弁棒71と弁棒案内片82との隙間に流入する異物粒子を排除することができ、弁棒71を確実にして安定状態で作動させることができる。
【0055】図4は、本発明に係る蒸気弁の第3実施形態を示す概略縦断面図である。
【0056】本実施形態に係る蒸気弁は、蒸気加減弁85を適用対象とし、蒸気加減弁85のガイドスリーブ96を摺動する主弁87に蒸気を供給して異物粒子のバランス室95への流入を確実に防止させる蒸気供給系統99を設けたものである。
【0057】蒸気加減弁85は、負荷(出力)の需要に応じて蒸気流量を調整する流量制御弁で、絞り調速運転およびノズル締切調速運転のいずれの運転もできるようにになっている。
【0058】この蒸気加減弁85は、弁スタンド90と弁ケーシング91とに挿通し、弁棒案内片92を摺動する弁棒93と、弁棒93の端部に接続する副弁94を組み込んだ主弁87と、主弁87を摺動させるとともに、バランス室95を区画するガイドスリーブ96と、ガイドスリーブ96から弁スタンド90の蒸気供給口97に延び、ガイドスリーブ96と主弁87との隙間に蒸気を供給する蒸気通路98と蒸気供給口97に接続する蒸気供給系統99とを備えた構成になっている。なお、蒸気供給系統99は、図3で示した主蒸気供給系統72と同一の構成になっているので説明を省略する。
【0059】このような構成を備えた蒸気加減弁85において、起動当初、弁棒93は、駆動部(図示せず)からの駆動力で移動し、副弁94を開口させる。このとき、弁前室100からガイドスリーブ96と主弁87との隙間を介してバランス室95に集められていた蒸気は、副弁94の開口に伴って主弁87に設けた出口101から弁後室102を介して高圧蒸気タービンに供給される。
【0060】高圧蒸気タービンの負荷が予め定められた値になると、弁棒93は、副弁94とともに主弁87を弁座103から移動させる。その際、弁前室100の蒸気は、弁座103、弁後室102を介してその全流量が高圧蒸気タービンに供給される。
【0061】一方、副弁94の開口に伴って蒸気供給系統99は、ボイラ73からの高圧・高温の蒸気を蒸気通路98を介して主弁87に噴出し、弁前室100から主弁87とガイドスリーブ96との隙間に流入する異物粒子を排除する。
【0062】このように、本実施形態は、ガイドスリーブ96から弁スタンド90の蒸気供給口97に延びる蒸気通路98を設け、蒸気供給系統99からの蒸気を主弁87に噴出させるので、主弁87とガイドスリーブ96との隙間に流入する異物粒子を排除することができ、弁棒93を確実にして安定状態で作動させることができる。
【0063】図5は、本発明に係る蒸気弁の第4実施形態を示す概略縦断面図である。なお、図5は、左半分は弁全開状態を、また、右半分は弁全閉状態をそれぞれ示している。
【0064】本実施形態に係る蒸気弁は、インタセプト弁104を適用対象とし、このインタセプト弁104の弁体105にスカート部106で弁棒107と弁棒案内片108との隙間への異物粒子の流入を防止させたものである。
【0065】インタセプト弁104は、負荷遮断等の緊急時、再熱器からの再熱蒸気の中圧蒸気タービンへの供給をより早く遮断してタービン軸の暴走を防止するON−OFF弁である。
【0066】このインタセプト弁104は、弁ケーシング109内に設けたストレーナ110に収容する弁体105を備えるとともに、この弁体105に一体的に製作するスカート部106を設ける一方、弁体105に接続する弁棒107を備えた構成になっている。
【0067】また、インタセプト弁104は、弁棒107を摺動させる弁棒摺動部としての弁棒ブッシュ111を包囲する弁棒案内片108を備えるとともに、弁棒107を駆動する油筒112を弁底蓋112aを介して弁棒107の端部に接続する。
【0068】また、インタセプト弁104は、弁体105の内部を空間のバランス室113を形成するとともに、その外側にシールリング114を装着し、弁天蓋115に固設したバランス室スリーブ116に弁体105を摺動させる構成になっている。
【0069】このような構成を備えたインタセプト弁104は、図示の右半分で示すように、弁体105を弁座117に当接させた全閉状態から全開させる際、まず、油筒112を駆動して弁棒107を移動させ、弁棒107の駆動力で弁体105を移動させ、図示の左半分で示すように、弁体105を弁座117から開放して全開させる。
【0070】このとき、弁ケーシング109の入口118からストレーナ110の流入口119を介して弁前室120に流入していた蒸気は、弁座117を介して弁後室121を経て中圧蒸気タービン(図示せず)に供給される。
【0071】その際、蒸気に含まれる異物粒子は、弁前室120から弁座117を介して弁後室121に流れるが、弁体105に設けたスカート部106に沿って流れるので、弁棒107と弁棒案内片108との隙間への流入が防止される。
【0072】このように、本実施形態は、弁体105にスカート部106を設け、このスカート部106に沿って異物粒子を流すので、弁棒107と弁棒案内片108との隙間に流入する異物粒子を排除することができ、弁棒107を確実にして安定状態で作動させることができる。
【0073】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明に係る蒸気弁は、運転中、蒸気に含まれる酸化スケール等の異物粒子が弁棒の隙間に流入することを防止する異物粒子流入防止手段を設けたので、弁棒を確実にして安定状態で作動させることができ、負荷遮断等の緊急時でも弁体をより早く確実に閉鎖させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年5月22日(2000.5.22)
【代理人】 【識別番号】100078765
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久 (外1名)
【公開番号】 特開2001−329803(P2001−329803A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−150073(P2000−150073)