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【発明の名称】 推進管の継手構造
【発明者】 【氏名】中島 孝泰

【氏名】藤原 耕一

【要約】 【課題】推進管におけるスピゴット、鋼製カラーの長さを変えることなく、高圧が作用する管路においても十分に止水効果を確保することができる継手構造を備えた推進管を提供することにある。

【解決手段】軸方向の一側にスピゴット2が、他側に鋼製カラー3を突出形成した推進管Aであって、スピゴット2の外周面にゴム輪取付溝7、7’を形成した金属製の補強枠4を一体的に固着し、その補強枠における先端寄りのゴム輪取付溝7に止水用丸ゴム輪5を嵌合配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸方向の一側にスピゴットが、他側に鋼製カラーを突出形成した推進管であって、スピゴットの外周面にゴム輪取付溝を形成した金属製の補強枠を一体的に固着し、その補強枠における先端寄りのゴム輪取付溝に止水用丸ゴム輪を嵌合配置したことを特徴とする推進管の継手構造。
【請求項2】 上記補強枠に装着した止水用丸ゴムより軸方向内側位置に、前記止水用丸ゴム輪の二次偏平を防止する偏平防止ゴム輪を配置した請求項1記載の推進管の継手構造。
【請求項3】 上記スピゴットの前端面が、前記補強枠に連結した鋼板で覆われている請求項1又は2記載の推進管の継手構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地中に埋設する推進管の継手構造に関し、更に詳しくは高圧(例えば、0.2MPa〜0.7MPa)が作用する管路を構築するのに使用する推進管の継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、地中に埋設される下水道管等の継手は、例えば、2K(キロ)管は内圧2kgf/cm2≒0.2MPaの水圧に耐えるよう設定され、継手となるスピゴットの外周には襞付きのゴム輪が取り付けられて止水性を確保するように構成されている。
【0003】又、ヒューム管でその継手部(スピゴット)に丸ゴム輪を用いて止水性を計ったものがあるが、そのものは図3に示すように、ヒューム管11相互の接続において継手部12に取り付けられた丸ゴム輪13がスピゴットの外周面上を転がり(ローリング)、スピゴットの後端寄り(接続する相手ヒューム管における鋼製カラー14の先端寄り)に移動されて停止し、止水効果を発揮するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した比較的内圧が低い管路を構成するヒューム管に使用されている襞付きのゴム輪は、その襞部分が相手方の鋼製カラー内面に効果的に密着して止水するが、0.2MPa〜0.7MPaの高圧が作用する管路においては止水効果を維持できない。尚、止水効果を確保する為に襞付きのゴム輪を3個乃至4個取り付けることも考えられるが、その場合は該ゴム輪を取り付けるスピゴットの長さ、及びそのスピゴットを受ける鋼製カラーの突出長さを変更しなければならず、別途成形型枠の製作が必要となるなど、問題点が多い。
【0005】又、スピゴットに丸ゴム輪を装着したものは、その丸ゴム輪のローリングにより管の接続が行なわれる為、接続完了時点における丸ゴム輪の位置は、図3に示すように、スピゴット12の後端寄り、言い換えると相手ヒューム管の鋼製カラー14の先端寄りに位置する。従って、地震やその他の地殻変動等で接続管相互に曲げや引き抜き方向の外力が作用した場合、図4に示すように、曲げの外側では丸ゴム輪13と鋼製カラー14との密着状態が解除され、漏水が発生するといった問題点を有する。
【0006】本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みて成されたもので、その課題とするところは、推進管におけるスピゴット、鋼製カラーの長さを変えることなく、高圧が作用する管路においても十分に止水効果を確保することができる継手構造を備えた推進管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に本発明が講じた技術的手段は、軸方向の一側にスピゴットを、他側に鋼製カラーを突出形成した推進管において、スピゴットの外周面にゴム輪取付溝を形成した金属製の補強枠を一体的に固着し、その補強枠における先端寄りのゴム輪取付溝に止水用丸ゴム輪を嵌合配置した構成を特徴とする。スピゴットの外周面に固着する補強枠は、外周面のみを覆うリング形状に限らず、スピゴットの前端面を覆う鋼板(ドーナツ状の面板)を一体に連結したものでもよい。
【0008】又、上記補強枠には止水用丸ゴム輪より軸方向内側位置(スピゴットの後端寄り)に、前記止水用丸ゴム輪の二次偏平を防止する偏平防止ゴム輪を配置してもよい。尚、補強枠の溝に装着する止水用丸ゴム輪は、直径の約1/4が潰し代となり、その状態で止水効果が発揮されるよう設定する。また、上記止水用丸ゴム輪が装着されるゴム輪取付溝を区画する凸条は、補強枠を構成する金属板に角鋼材を溶接などによって固着して形成しても、或いは補強枠を構成する金属板に切削加工を施して構成するなど、何れでもよい。スピゴットの外周に固着する補強枠は金属板でコンクリート材とは異質であるため、両者の接合面に完全な密着は望めず、それにより接合面に止水材(膨潤ゴム)を埋設するとよい。更に、補強枠にはアンカーをだしてコンクリートとの一体化を計ってもよい。
【0009】上記手段によれば、スピゴットの外周面に固着した補強枠のゴム輪取付溝に装着した止水用丸ゴム輪は、当初セットされた位置、即ちスピゴットの先端寄りに留まって止水作用を行う為、仮に接続管相互が抜ける方向に移動するようなことがあっても、高圧に対しても十分止水効果が確保される。又、この止水用丸ゴム輪より軸方向内側(スピゴットの後端寄り)に偏平防止ゴム輪を配置した場合は、地震や地殻変動等で管路に外力が作用し、接続部が屈曲したり、軸心が径方向にずれるなどして、前記止水用丸ゴム輪の一部が更に押し潰され(二次偏平という)るのを防止すると共に、仮に押し潰された場合でも偏平防止ゴム輪の弾発力で初期状態に復帰させ、止水用丸ゴム輪が過大な偏平状態になるのを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。図1は、推進管Aを接続した状態を示し、その推進管Aは、コンクリートで構成されたヒューム管1からなり、そのヒューム管1の軸方向一側に該ヒューム管1の外径より小径なスピゴット2が、他側には鋼製カラー3が形成されており、前記スピゴット2部分には止水及び抜け防止の機能を発揮する継手Bが設けられている。
【0011】上記スピゴット2に設ける継手Bは、該スピゴット2の外周面及び前端面を覆う金属板で形成した補強枠4と、この補強枠4の外周面に装着した止水用丸ゴム輪5及びその止水用丸ゴム輪4の二次偏平を防止する偏平防止ゴム輪6で構成されている。
【0012】補強枠4は、スピゴット2の外周面を覆う円筒部4aと、スピゴット2の前端面を覆う前面環状部4bとで構成され、その前面環状部4bの外径を円筒部4aの内径と略同径に形成して円筒部4aの一側端内周に溶接などで一体的に固着されて構成されている。又、この補強枠4の外周面にはゴム輪取付溝7、7’が形成され、スピゴット2の先端寄りのゴム輪取付溝7に止水用丸ゴム輪5が、スピゴット2の後端寄りのゴム輪取付溝7’に偏平防止ゴム輪6が嵌合装着されている。
【0013】上記補強枠4における止水用丸ゴム輪5が装着されるゴム輪取付溝7は、円筒部4aの外周面に2本の角鋼材8を所定間隔をおいて環状に溶接して形成されている。尚、角鋼材8の溶接は円筒部4aの外周平坦面に接合して直接行ってもよいが、図示するように円筒部4aの外周面に角鋼材8を巻き付ける位置決め用の溝を形成し、その溝に角鋼材8を嵌めて溶接してもよい。そうした場合は、ゴム輪取付溝7の溝幅を一定に形成することができる。又、偏平防止ゴム輪6が装着されるゴム輪取付溝7’は、円筒部4aの外周面に位置決め用の比較的浅い溝を切欠して形成されている。
【0014】更に、スピゴット2の外周面に対する補強枠4の固着は、ヒューム管1との接合面に、膨潤ゴムからなる埋め込み用止水材9を介在し、且つ補強枠4の内面にアンカー10を取り付けて、ヒューム管1との強固な一体化が計られている。尚、ヒューム管1と補強枠4との間の止水を行う埋め込み用止水材9の設置、及び補強枠4の一体化を計るアンカー10の取付は、ヒューム管1のスピゴット2と反対側に固着する鋼製カラー3の固着においても同様に施工する。
【0015】止水用丸ゴム輪5は、断面が円形のゴム輪で、ゴム輪の直径の約1/4〜1/5が潰し代となり、その状態で止水効果が発揮されるよう設定する。又、偏平防止ゴム輪6は前記止水用丸ゴム輪5が継手部の曲げ、管相互の軸心のずれ等により鋼製カラー3で押し潰される二次偏平(直径線上の反対側は解放)を抑えるもので、外周面に襞が形成された弾発力に富んだゴム輪を使用する。図中、15は推進管Aを軸方向に順次接続する時、管相互間に装着するクッション材である。
【0016】上記の構成により、推進管Aの鋼製カラー3の内面に滑材を塗布して後続の推進管Aのスピゴット2に嵌合すると、図1に示すように止水用丸ゴム輪5はゴム輪取付溝7’に装着された位置に留まったまま、該止水用丸ゴム輪5の外周面上を鋼製カラー3がスライドして接続される。
【0017】そして、接続完了後に外力が作用して管の継手部に仮に曲がりが生じても、図2に示すように曲げの外側において鋼製カラー3と止水用丸ゴム輪5との密着は保持される。それは、スピゴットの後端寄りに配置した偏平防止ゴム輪6が、前記曲げにおいて鋼製カラー3によって止水用丸ゴム輪5を必要以上に押し潰すのを抑えるとともに、接続された推進管相互を当初の接続された状態に戻すように働く為である。
【0018】又、接続された推進管相互が相対的に離脱する方向に移動することがあっても、止水用丸ゴム輪5はスピゴット2の先端寄り、即ち、接続部の奥部に位置する為、止水効果が損なわれることはない。更に、上記スピゴット2の前端面も鋼板で覆った場合は、該スピゴットを補強でき、推進工法の推力に十分耐え得る継手を構成できる。
【0019】
【発明の効果】本発明の推進管の継手構造は請求項1記載の構成により、推進管相互を接続した場合、止水用丸ゴム輪は当初セットされたスピゴット先端寄りのゴム輪取付溝に保持され、止水効果を確実に発揮することができる。又、請求項2に記載の構成により、偏平防止ゴム輪が前記止水用丸ゴム輪が必要以上に押し潰されるのを抑え、管相互の接続状態を接続当初の状態を維持するように作用する。これにより、高圧が作用する管路を構成する推進管の継手として十分満足し得る継手を提供できる。更に、請求項3に記載の構成により、スピゴットを補強でき、推進工法の挙動に耐え得る継手を備えた推進管を提供できる。
【出願人】 【識別番号】390021197
【氏名又は名称】テイヒュー株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外3名)
【公開番号】 特開2001−342795(P2001−342795A)
【公開日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【出願番号】 特願2000−162761(P2000−162761)