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【発明の名称】 開き戸装置
【発明者】 【氏名】福島 亮

【要約】 【課題】開き戸の回動中心部を開き戸から突出した位置に設けることなく開き戸の大きな開き角度を確保でき、外枠組みの加工、製作の容易化も達成できる開き戸装置を提供すること。

【解決手段】外枠組み2の内側の開口部3に配置される開き戸4の回動中心部O1を、開き戸4の厚さ方向中央部O2から開き側の表面4Cに近い偏芯した位置に設け、また、外枠組み2を形成する縦枠8の第1面8Cと対面する開き戸4の端面4Bと、縦枠8の第2面8Dと対面する開き戸4の閉じ側の表面4Aに跨る切欠部15を開き戸4に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外枠組みと、この外枠組みの内側に形成される開口部に開閉自在に配置された開き戸とを有する開き戸装置において、前記外枠組みを形成する複数の枠部材のうち、前記開き戸の回動中心部側の端面と対向する枠部材が、この端面と対面する第1面と、前記開き戸の閉じ側の表面と対面する第2面とを備えているとともに、前記開き戸の回動中心部側の端面の近傍の開き戸内側に設けられた開き戸回動中心部が、この開き戸の厚さ方向中央部から開き戸の開き側の表面側へ偏芯し、かつ、前記第1面と対面する前記端面と、前記第2面と対面する前記閉じ側の表面とに跨る切欠部が前記開き戸に形成されていることを特徴とする開き戸装置。
【請求項2】 請求項1に記載の開き戸装置において、前記切欠部の全体が、前記端面における前記開き側の角部が前記開き戸回動中心部を中心に回動したときに描く円弧上又はその内側に位置して形成されていることを特徴とする開き戸装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の開き戸装置において、前記第2面には凹部が形成され、この凹部には、前記開き戸が閉じられたときにこの開き戸の前記閉じ側の表面と前記切欠部のうちの少なくとも一方に接触する気密部材が配置されていることを特徴とする開き戸装置。
【請求項4】 請求項3に記載の開き戸装置において、前記気密部材は前記凹部に収納された本体部と、この本体部から板状に延びるリップ部とを有し、閉じられているときにおける前記開き戸の閉じ側の表面に接触するこのリップ部は、前記本体部との接続部である基端部を中心に揺動自在であることを特徴とする開き戸装置。
【請求項5】 請求項3又は4に記載の開き戸装置において、前記気密部材は、閉じ位置から開き始めた後の前記開き戸と非接触となるとともに、開き限界角度に達する前の前記開き戸に再接触することを特徴とする開き戸装置。
【請求項6】 請求項5に記載の開き戸装置において、前記気密部材が開き戸に再接触するときにおける前記開き戸の閉じ位置からの開き角度は、略90度であることを特徴とする開き戸装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外枠組みの内側に形成された開口部に開き戸が配置された開き戸装置に係り、例えば、外壁に設置される玄関ドア等の室外ドアや、間仕切り壁等の室内壁に設置される室内ドア等に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】図7及び図8は、集合住宅のための玄関ドアとなっている従来の開き戸装置を示す。
【0003】図7の開き戸装置71は、枠部材である縦枠72を含んで形成されている外枠組み73と、この外枠組み73の内側に形成されている開口部に開閉自在に配置された開き戸74とを含んで構成されている。開き戸74は縦枠72にヒンジ75を介して結合され、開き戸74をヒンジ75の回動中心部75Aを中心に回動させることにより、開き戸74は上記開口部を開閉する。
【0004】図8の開き戸装置81も、枠部材である縦枠82を含んで形成されている外枠組み83と、この外枠組み83の内側に形成されている開口部に開閉自在に配置された開き戸84とを含んで構成されている。開き戸84は、回動中心部側の端面すなわち吊り元側の端面84Aの近傍の開き戸内側において、外枠組み83の図示しない上枠、下枠に設けた回動中心軸85で吊り下げ支持され、開き戸84の厚さ方向中央部に配置されたこの回動中心軸85を中心に開き戸84を回動させることにより、上記開口部が開閉される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7の従来例によると、ヒンジ75の回動中心部75Aが開き戸74の外側にあるため、開き戸74の開き角度を大きくすることができるが、ヒンジ75が開き戸74及び縦枠72から突出した状態になっているため、開き戸装置71の周囲に玄関や開き戸装置71、さらには建物等に関係した部材、付設物を配置することは困難であった。
【0006】また、図8の従来例では、開き戸84の回動中心軸85は開き戸84の厚さ内に存在するため図7の従来例のような問題は生じないが、その一方で開き戸84の開き角度が小さくなってしまい、また、この開き角度を大きくしながら開き戸84と縦枠82との間の指詰め防止を図ろうとすると、開き戸84の回動中心部側の端面84Aと対面する縦枠82の面82Aの端部に、縦枠82の一部品として突枠86を配置しなければならない。この突枠86の先端は鋭角の角度となるため、板金の折り曲げ加工で突枠86を製造する際、板金を直角に折り曲げた後、この板金をセットし直して再度折り曲げ加工を行わなければならず、このため、外枠組み83に関する加工、製作が面倒になるという問題があった。さらに、図示のように開き戸84の端面84Aを曲面とした場合には、開き戸84を構成する部材の加工、製作も面倒になるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、開き戸の回動中心部を開き戸から突出した位置に設けることなく開き戸の大きな開き角度を確保でき、また、外枠組みの加工、製作を容易化できるようになる開き戸装置を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る開き戸装置は、外枠組みと、この外枠組みの内側に形成される開口部に開閉自在に配置された開き戸とを有する開き戸装置において、前記外枠組みを形成する複数の枠部材のうち、前記開き戸の回動中心部側の端面と対向する枠部材が、この端面と対面する第1面と、前記開き戸の閉じ側の表面と対面する第2面とを備えているとともに、前記開き戸の回動中心部側の端面の近傍の開き戸内側に設けられた開き戸回動中心部が、この開き戸の厚さ方向中央部から開き戸の開き側の表面側へ偏芯し、かつ、前記第1面と対面する前記端面と、前記第2面と対面する前記閉じ側の表面とに跨る切欠部が前記開き戸に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】この開き戸装置によると、開き戸の回動中心部は開き戸の厚さ方向中央部から開き戸の開き側の表面側へ偏芯しているため、その分だけ開き戸の開き角度を大きくできる。また、開き戸の回動中心部側の端面と、この端面と対面する前記枠部材の第1端面との間の距離を、開き戸回動中心部を偏芯させない場合よりも小さくできるため、これらの間の指詰め防止用の部材を製造する必要がなくなり、このため、外枠組みに関する加工、製作の容易化を図ることができるようになる。
【0010】さらに、開き戸には、前記枠部材の第1面と対面する端面と、第2面と対面する閉じ側の表面とに跨る切欠部が形成されているため、開き戸を開き操作したときに、開き戸が枠部材の第2面と干渉するのをなくすことができ、開き戸を所定角度まで開くことができるようになる。
【0011】また、本発明に係る開き戸装置において、開き戸の前記端面と前記切欠部とを直線形状又は略直線形状で形成した場合には、開き戸を構成する部材の加工、製作を容易化できるという効果を得られる。
【0012】開き戸に前述した切欠部を設ける場合に、前記回動中心部を中心に開き戸が回動したときに開き戸が前記枠部材の第2面と干渉しない限りにおいて、この切欠部の全体又は一部が、開き戸の前記端面における開き側の角部が前記回動中心部を中心に回動したときに描く円弧の外側に位置して形成されていてもよいが、切欠部の全体が、前記開き戸の端面における開き側の角部が前記回動中心部を中心に回動したときに描く円弧上又はその内側に位置して形成されているようにすることが好ましい。
【0013】後者のようにすると、開き戸の閉じ側の表面と枠部材の第2面との間の距離を前者の場合よりも短くすることが可能になるため、これらの間での指詰め防止を達成できるようになる。
【0014】また、枠部材の第2面に凹部を形成し、この凹部に、開き戸が閉じられたときにこの開き戸の閉じ側の表面と前記切欠部のうちの少なくとも一方に接触する気密部材を配置することが好ましい。
【0015】このようにすると、開き戸で閉じられたときにおける前記開口部の気密性を気密部材によって確保できるようになる。
【0016】この気密部材は任意な形状のものでよく、例えば、前記凹部に収納された本体部と、この本体部から板状に延びるリップ部とを有し、閉じられているときにおける開き戸の閉じ側の表面に接触するこのリップ部が、本体部との接続部である基端部を中心に揺動自在となったものでもよく、また、断面四角形であって、前記凹部に殆どの部分が収納され、凹部から突出した一部が開き戸の閉じ側の表面に接触するものでもよい。
【0017】しかし、気密部材を前者のものとした場合には、リップ部が基端部を中心に揺動することにより開き戸との良好な接触性が得られ、気密部材による高度の気密性を確保できるようになるため、前者の気密部材を採用することが好ましい。
【0018】この気密部材は、ゴムや軟質合成樹脂等による軟質材料で形成されているものでもよく、硬質合成樹脂等の硬質材料で形成されているものでもよく、これらの複合材料からなるものでもよい。
【0019】また、以上のように閉じられたときにおける開き戸に接触する気密部材を前記枠部材の第2面に設ける場合には、この気密部材を、閉じ位置から開き始めた後の開き戸と非接触となるとともに、開き限界角度に達する前の開き戸に再接触するものとしてもよい。
【0020】このようにすると、開き限界角度に達する前の開き戸が気密部材に再接触するため、この再接触で開き戸の開き速度にブレーキがかかることになり、開き限界角度まで高速で開き戸が開くのを防止できる。
【0021】このように開き戸が気密部材に再接触する開き戸の開き角度は、開き限界角度等との関係に基づき任意に設定できるが、その一例は、開き戸の閉じ位置から略90度とすることである。
【0022】これによると、前記開口部を人が通る等するために必要な略90度の角度まで開き戸をブレーキをかけずに開き作動させることができ、開き戸装置の使い勝手を良好とすることができる。
【0023】以上の本発明に係る開き戸装置において、開き戸の前記回動中心部は、前記外枠組みを形成するために前記枠部材と角度をなして配置される上枠、下枠等の枠部材に設けられた軸によるものでもよく、また、開き戸の前記端面と対向する前記枠部材に取り付けたブラケットの先端のピンによるものでもよく、開き戸装置の構造、用途等に応じて任意に決めることができる。
【0024】また、本発明に係る開き戸装置は、建物の外壁に設置される玄関ドアや勝手口ドア等の室外ドアにも適用でき、また、居室同士や居室と収納室、さらには居室と廊下を仕切る仕切り壁等の室内壁に設置される室内ドアにも適用できる。
【0025】また、開き戸及び外枠組みは金属製でもよく、木製でもよく、合成樹脂製でもよく、これらの複合材料からなるものでもよい。
【0026】さらに、開き戸の開閉するための回動方向は左右方向でもよく、上下方向でもよく、水平方向、垂直方向に対して傾斜した方向でもよい。
【0027】また、本発明は、開き戸の個数が1個の開き戸装置は勿論のこと、観音開きすする2個の開き戸を備えた開き戸装置にも適用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る開き戸装置1の全体を示す正面図で、この開き戸装置1は、集合住宅用玄関ドアのためのものである。
【0029】開き戸装置1は、外枠組み2と、この外枠組み2の内側に形成された出入口としての開口部3と、この開口部3に開閉自在に配置された開き戸4とからなる。外枠組み2は、上枠5と、下枠6と、左右の縦枠7,8とからなる。上枠5と下枠6には、開き戸4における左右のうちの右側の端部の近くの上下部に挿入された回動中心軸9が設けられ、把持部材10を握って開き戸4を開閉操作すると、開き戸4はこの回動中心軸9を中心に回動する。
【0030】図2は、一部を破断して示した図1のS2−S2線断面図である。左側の縦枠7における室外側表面7Aから室内側表面7Bまでの間は、階段状に連続形成されている第1面7C、第2面7D、第3面7E、第4面7F、第5面7Gとなっており、これらの面のうち、互いに隣接する面同士は直角又は略直角をなしている。また、閉じられているときの開き戸4の閉じ側の表面4A(室内側の表面)と平行又は略平行になって対面する第4面7Fには凹部11が形成されている。この凹部11には気密部材12が配置され、この気密部材12は、凹部11に収納された本体部12Aと、本体部12Aから板状に延びるリップ部12Bとからなる。
【0031】また、右側の縦枠8、すなわち、開き戸4における回動中心軸9側の端面4Bと対向する縦枠8における室外側表面8Aから室内側表面8Bとの間も、階段状に連続形成された第1面8C、第2面8D、第3面8Eとなっており、これらの面のうち、互いに隣接する面同士も直角又は略直角をなしている。また、閉じられているときの開き戸4の閉じ側の表面4Aと平行又は略平行になって対面する第2面8Dには凹部13が形成されている。この凹部13にも気密部材14が配置され、この気密部材14は、凹部13に収納された本体部14Aと、本体部14Aから板状に延びるリップ部14Bとからなる。
【0032】気密部材12,14は可撓性を有する軟質合成樹脂で形成されているとともに、開き戸4の全高に亘る長さを有しており、開き戸4が閉じられているときに、それぞれの気密部材12,14のリップ部12B、14Bは、図2で示されているように、開き戸4に接触する。また、図1で示した上枠5と下枠6にも、閉じられているときの開き戸4に接触する気密部材が配置されており、このため、開き戸4が開閉自在に配置された前記開口部3が開き戸4で閉鎖されたとき、この開口部3の気密性が開き戸4とそれぞれの気密部材とで確保されるようになっている。
【0033】図2で示されているとおり、開き戸4の回動中心軸9は開き戸4の厚さ方向中心部O2から開き戸4の開き側の表面4Cに近づいた位置に配置されており、このため、開き戸4における前記端面4Bの近傍の開き戸内側に存在する開き戸回動中心部O1は、厚さ方向中央部O2から表面4C側に偏芯している。
【0034】また、開き戸4の回動中心部O1側の端面4Bは、開き側の表面4Cと直角又は略直角をなしており、開き戸4が閉じているときにおけるこの端面4Bは、縦枠8の第1面8Cと平行又は略平行になって対面している。開き戸4はこのように構成されているので、開き戸4の製作が容易となり、また、端面4Bと縦枠8の第1面8Cとの間の気密性を良好とすることができる。
【0035】また、開き戸1の端面4Bは閉じ側の表面4Aとも直角又は略直角をなしており、開き戸4には、この端面4Bと閉じ側の表面4Aとに跨る切欠部15が形成され、縦枠8における第1面8Cと第2面8Dとの直角又は略直角をなす交差部に対向しているこの切欠部15は、端面4Bと表面4Aとの間を直線的又は略直線的に延びるものになっているとともに、開き戸4の全高に亘るものとなっている。開き戸4が閉じているとき、前記気密部材14のリップ部14Bは、図2で示されているように、表面4Aと切欠部15とに接触している。
【0036】図3のA,B,Cは、開き戸4が回動中心部O1を中心に図2の閉じ位置から開き始めたときの各位置をその順序で示したものである。Aは、開き戸4が閉じ位置から少し開いた位置に達したときであり、このときには、開き戸4は気密部材14のリップ部14Bから離れている。Bは、開き戸4が略90度の開き角度に達したときであり、このときには、図2で示している開き戸4の端面4Bにおける開き側の角部4D(開き戸4における回動中心部O1側の端面4Bと開き側の表面4Cとの交差部)が、気密部材14のリップ部14Bに接触している。すなわち、開き戸4は気密部材14に再接触している。Cは、開き戸4が開き限界角度に近づいたときであり、このときの開き戸4は気密部材14から離れている。
【0037】図2のDは、開き戸4の上記角部4Dが回動中心部O1を中心に回動したときに描く円弧である。前記切欠部15の全体は、この円弧Dの内側に配置されて形成されている。
【0038】以上の本実施形態によると、開き戸4の回動中心部O1は、開き戸4の厚さ方向中央部O2から開き側の表面4Cへ偏芯しているため、図8で示した従来例よりも図7で示した従来例に近い構造となり、回動中心部O1の偏芯量分だけ、開き戸4の開き角度を大きくできる。
【0039】また、開き戸4の回動中心部O1は、開き戸4の厚さ方向中央部O2から開き側の表面4Cへ偏芯しているため、開き戸4の回動中心部の位置を厚さ方向中央部O2とした場合よりも、回動中心部から角部4Dまでの距離を短くできる。このため、開き戸4の回動中心部の位置を厚さ方向中央部O2としたときよりも円弧Dの半径は小さくなり、この結果、縦枠8の第1面8Cを開き戸4側へ近づけても、開き戸4が回動中心部O1を中心に回動したときに角部4Dが第1面8Cと干渉しない。これにより、開き戸4の端面4Bと縦枠8の第1面8Cとの間隔を小さくでき、図8で示した突枠86のような加工、製作が面倒な指詰め防止用の部材を外枠組み2に設ける必要がないため、外枠組み2の加工、製作を容易化できる。
【0040】さらに、開き戸4には、端面4Bと閉じ側の表面4Aとに跨る切欠部15が形成されているため、開き戸4が回動中心部O1を中心に回動したときに、開き戸4が縦枠8の第2面8Dと干渉することはなく、開き戸4の所定の開き角度を確保できる。
【0041】特に、この切欠部15の全体は、開き戸4の角部4Dが回動中心部O1を中心に回動したときに描く円弧Dの内側に位置しているため、切欠部15の全体又は一部が円弧Dの外側に位置している場合よりも、縦枠8の第2面8Dを開き戸4に近づけることができる。この結果、この第2面8Dと開き戸4の閉じ側の表面4Aとの間の指詰め防止のための部材を外枠組み2に設ける必要もなくなり、一層外枠組み2の加工、製作を容易化できる。
【0042】また、縦枠8の第2面8Dに配置された気密部材14は、本体部14Aから板状に延びるリップ部14Bを有するもので、開き戸4に接触するこのリップ部14Bは本体部14Aとの接続部である基端部を中心に揺動自在となっているため、この揺動により、リップ部14Bは閉じられたときの開き戸4に良好に接触し、前記開口部3の気密性を高度に維持できる。
【0043】また、閉じ位置にあった開き戸4が開き始めると、リップ部14Bは開き戸4と非接触となるが、図3で示したように、開き戸4が開き限界角度に達する前にリップ部14Bは開き戸4に再接触するため、この再接触によるブレーキ作用により、開き限界角度に達する前に開き戸4の開き速度を低下させることができ、高速で開き戸4が開き限界角度まで到達するのを防止できる。
【0044】さらに、リップ部14Bが開き戸4に再接触するのは、開き戸4が閉じ位置から略90度の開き角度になったときであり、この略90度の開き角度は、開き戸4で開閉される前記開口部3を人が通るなどするのに必要かつ適正な角度であって、この角度までは開き戸4を円滑に開き作動させることができるため、本実施形態に係る開き戸装置1の使い勝手を良好とすることができる。
【0045】図4〜図6は、開き戸4の厚さ方向中央部O2から開き側の表面4C側へと偏芯して設けられた回動中心部O1を、開き戸4の角部4Eを通る二等分線Eに対して各種の位置に配置した場合を示している。これらの図において、開き戸4、縦枠8の形状、構造は図2、図3で説明したものと同じである。角部4Eは、切欠部15が形成されていないとしたときの開き戸4における端面4Bの閉じ側の角部であり、二等分線Eは、開き戸4の端面4Bと閉じ側の表面4Aとに対してそれぞれ45度又は略45度の角度をなす線である。図4〜図6では、図2、図3で示した気密部材14は省略している。
【0046】図4は、回動中心部O1が二等分線Eの上に配置されている場合である。図5は、回動中心部O1が二等分線Eよりも開き側の表面4Cに近い位置に配置されている場合である。図6は、回動中心部O1が二等分線Eよりも閉じ側の表面4Aに近い位置に配置されている場合である。
【0047】開き戸4の角部4Dが回動中心部O1を中心に描く円弧Dから分かるように、図4の場合には、開き戸4の端面4Bから縦枠8の第1面8Cまでの距離を、開き戸4の閉じ側の表面4Aから縦枠8の第2面8Dまでの距離と同じ又は略同じにでき、また、図5の場合には、開き戸4の閉じ側の表面4Aから縦枠8の第2面8Dまでの距離を、開き戸4の端面4Bから縦枠8の第1面8Cまでの距離よりも小さくでき、さらに、図6の場合には、開き戸4の端面4Bから縦枠8の第1面8Cまでの距離を、開き戸4の閉じ側の表面4Aから縦枠8の第2面8Dまでの距離よりも小さくできる。
【0048】このようなことから、本発明を各種の開き戸装置に適用する場合には、開き戸4の端面4Bから縦枠8の第1面8Cまでの距離と、開き戸4の閉じ側の表面4Aから縦枠8の第2面8Dまでの距離との、それぞれの開き戸装置で異なる好ましい関係に基づいて、回動中心部O1の位置を設定すればよい。
【0049】図5によると、開き戸4の閉じ側の表面4Aから縦枠8の第2面8Dまでの距離を、開き戸4の端面4Bから縦枠8の第1面8Cまでの距離よりも小さくできるため、開き戸4を閉じたときの気密性を確保するためには図5を採用することが好ましく、開き戸4の閉じ側の表面4Aから縦枠8の第2面8Dまでの距離を前記気密部材14のリップ部14Bの厚さと同じ又はこれよりも少し小さくすることにより、開き戸4を閉じたときにこのリップ部14Bで前記外枠組み2の開口部3を高度の気密性をもって塞ぐことができるようになる。また、この図5によると、回動中心部O1の位置を、開き戸4の回動時において開き戸4の角部4Dが縦枠8の第2面8Dと干渉しない位置に設定することにより、角部4Dは自ずと縦枠8の第1面8Cにも干渉しなくなり、このため、回動中心部O1の位置設定を容易に行えるようになる。
【0050】なお、図6は、縦枠8の第1面8Cと第2面8Dとが交差する角部8Fを通って第1面8Cと第2面8Dのそれぞれとなす角度が等しい又は略等しい二等分線Fの上に回動中心部O1が存在する場合でもある。この場合に、回動中心部O1からそれぞれ延びて第1面8C、第2面8Dに対し直角をなす線分G,Hを考え、これらの線分G,Hが第1面8C、第2面8Dと交差する箇所を8G、8Hとする。そして、回動中心部O1から箇所8Gまでの距離及び回動中心部O1から箇所8Hまでの距離を、回動中心部O1から角部4Dまでの距離(円弧Dの半径)よりもやや大きい程度とし、これにより、開き戸4を全体的に縦枠8の角部8Fに近づけるようにすることが好ましい。
【0051】これによると、回動中心部O1を中心に開き戸4を回動させたとき、開き戸4における端面4Bとは反対側の端面が描く円弧が縦枠8の角部8Fに近づいた円弧となり、このため、開き戸4を開き側(開き戸装置が集合住宅の外部廊下と室内との間の玄関ドアである場合には、外部廊下側)へ大きく突出させることなく開くことができるようになる。図6は、縦枠8の第1面8Cと第2面8Dとがなす角度が90度になっている場合であるが、この角度が鈍角又は鋭角になっている場合でも同じである。
【0052】
【発明の効果】本発明によると、開き戸の回動中心部を開き戸から突出した位置に設けることなく開き戸の大きな開き角度を確保でき、また、外枠組みの加工、製作を容易化できるという効果を得られる。
【出願人】 【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
【出願日】 平成12年6月7日(2000.6.7)
【代理人】 【識別番号】100095212
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 武 (外1名)
【公開番号】 特開2001−349145(P2001−349145A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−169964(P2000−169964)