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【発明の名称】 防水部材および防水方法
【発明者】 【氏名】林 真行

【氏名】金沢 光明

【氏名】平崎 優矢

【要約】 【課題】サッシ周りの防水を図る。

【解決手段】防水部材2は、略直角を形成して折れ曲がる2片である倣い片2a、2aと、倣い片のいずれの片とも略直角を形成しており、かつ、倣い片の略直角の鈍角部分にのみ形成され、倣い片との境界で前記倣い片と接している1片である押え片2bとで構成される防水部材を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】建物の開口部の周縁に取付けるサッシのコーナー部に取付ける防水部材であって、前記防水部材は、平板状部材に略直角状の切欠き部が設けられており、JISK7215タイプAデュロメータ硬さで90以下であることを特徴とする防水部材。
【請求項2】建物の開口部の周縁に取付けるサッシのコーナー部に取付ける防水部材であって、前記防水部材は、平板に略直角状の切欠き部を設けた押え片と、該押え片の該切欠き部を形成する2辺のそれぞれの辺から押え片と略直角をなして同一方向に立設される2片である倣い片とで構成され、前記それぞれの片と片とは水密状で接していることを特徴とする防水部材。
【請求項3】前記倣い片および/または前記押え片にはシーリング材が配設されている請求項2に記載の防水部材。
【請求項4】請求項1、2または3に記載の防水部材を使用して防水処理を行う防水方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、住宅用の建物外壁の開口部に装着されるサッシ周りの防水構造に関し、特にサッシのコーナー部における防水構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に示されるように、建物外壁の窓の開口部20にはサッシ4が取付けられる。サッシ4は、開口部2の4辺の各側面に沿って枠面を形成する、サッシ上枠4a、サッシ下枠4b、左枠および右枠であるサッシ縦枠4cよりなるサッシ本体と、このサッシ本体の周囲に設けた、躯体側に固定するためのサッシ取付片4d(図8参照)とで構成される。サッシの取付けは、サッシ取付片4dを開口部2の周縁の左右の柱6や上下枠材に釘等で固定することでなされる。このようにしてサッシ4を開口部2の周縁に固定した後、躯体の外側に複数の下地材(胴縁等)8を固定し、下地材8の外側に外壁材(サイディング材)7が取付けられ外壁工事が完了する。
【0003】また、建物内を外部から熱的に遮断して室内の空調条件(温度、湿度)を最適に保つため、躯体と外壁材(サイディング材)との間に断熱材を設けることも多い。このような住宅建築において、断熱材が湿気を吸収せず、室内外の温度差による結露を防止し、かつ排水性等も良好にして、断熱材や木材の劣化を防止するために、断熱材と外壁材との間に通気空間(図8における符号5)を設けて空気を流通させる通気工法による住宅構造が近年用いられている。
【0004】このような建物の窓枠を構成するサッシは、外壁材との間の気密性および水密性を保つためにその周辺部をシールする必要がある。図8は、一般的なサッシ取付け構造の縦枠部の断面図を示す。一般的なサッシ取付け構造においては、現場でサッシ4および外壁材7を装着した後に、外壁材7とサッシ4との隙間部分および外壁材7同士の継ぎ目部分(図示せず)にバックアップ材16と不定形タイプのシーリング材11によるシール工事が行われていた。
【0005】また、施工不良による漏水があった場合に備えて、外壁材の裏面での防水を図るべく、外壁材7と柱6等の躯体との間の全面に防水シート14を張って対処している。その際、サッシ4と防水シート14との間からも漏水がないように、サッシ取付片4dと防水シート14とに防水テープ17を貼着させる等して建物内部への漏水の防止を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にアルミニウムの押出し成形材を組合わせて製作されるサッシには、組合せられる部材間に隙間を生じる。一般的には、図4で示されるように、サッシのコーナー部に隙間が生じる。同図のサッシ4は、上枠部材4f、と縦枠部材4gとの継ぎ目に隙間4eを生じている。
【0007】このような隙間から、建物内部への漏水を生じることが多く、各種の方法で対処しているが、いまだに完全には解決しきれていない。たとえば、図5に示されるように防水テープ17を、隙間4eを塞ぐようにしてサッシ取付片4dに施工する方法があるが、わずかの隙間から建物内部への漏水を生じることがある。
【0008】また、図6に示されるように、防水シート14をサッシ取付片4dの全体を覆うように布設する方法があるが、同様に、わずかの隙間から建物内部への漏水を生じることがある。また、図7に示されるように、隙間4eを塞ぐように不定形性のシーリング材11を施工する方法があるが、施工の手間、硬化に時間がかかる等の事情があり実用的ではない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり、建物の開口部の周縁に取付けるサッシのコーナー部に取付ける防水部材であって、前記防水部材は、平板状部材に略直角状の切欠き部が設けられており、JIS K7215タイプAデュロメータ硬さで90以下であることを特徴とする防水部材を提供する。この防水部材は、施工の手間が簡単であり、かつサッシの隙間に対応して変形するので、サッシの隙間を簡易にシールでき、屋内への漏水に対しての有効な対策となる。
【0010】また、本発明は、建物の開口部の周縁に取付けるサッシのコーナー部に取付ける防水部材であって、前記防水部材は、平板に略直角状の切欠き部を設けた押え片と、該押え片の該切欠き部を形成する2辺のそれぞれの辺から押え片と略直角をなして同一方向に立設される2片である倣い片とで構成され、前記それぞれの片と片とは水密状で接していることを特徴とする防水部材を提供する。この防水部材は、施工の手間が簡単であり、かつサッシ枠およびサッシ取付片の両方と係合するので、サッシの隙間を完璧にシールでき、屋内への漏水に対し充分な対策となる。
【0011】本発明において、前記倣い片および/または前記押え片にはシーリング材が配設されていることが好ましい。倣い片および/または押え片の、サッシに面する部分にあらかじめシーリング材が配設されてあれば、より完璧なシーリング性能が得られ、また、施工の手間も簡単である。また、本発明は、前記の防水部材を使用して防水処理を行う防水方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の防水部材の斜視図である。防水部材2は、サッシのコーナー部において、サッシ形状に倣う形状で構成される。すなわち、略直角を形成して折れ曲がる2片である倣い片2a、2aはそれぞれサッシ上枠4aおよびサッシ縦枠4cと係合する。また、押え片2bはサッシ取付片4dと係合する。このような構成であれば、サッシの隙間4eの漏水を生じさせる箇所を物理的に塞ぐことができるので、漏水への充分な対処となる。
【0013】防水部材2の材質は特に限定はなく、耐水性の部材であれば目的を果たせるが、加工性等の点では、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂材、アルミニウム等のような金属材等が使用できる。防水部材2のサイズ、板厚も用途に応じて適宜採用できる。
【0014】また、防水部材2の形状は、図2に示されるものに限られず、図3に示される形状のものであってもよい。すなわち、倣い片の2片が略直角を形成しており、かつ倣い片の2片2a、2aと押え片2bとが略直角を形成しており、3つの片の接する部分が漏水しないようになっていれば、その他の部分の形状等は限定されない。
【0015】さらに、簡易な防水を図るのであれば倣い片2aがない構成の防水部材31であってもよい。すなわち、図10に示されるような、平板に略直角状の切欠き部を設けた構成であり、かつJIS K7215タイプAデュロメータ硬さで90以下のものである。図10に示される防水部材31において、(a)は図2の防水部材2の押え片2bに相当し、(b)は図3の防水部材2の押え片2bに相当する。
【0016】アルミニウムの押出し成形材を組合わせて製作されるサッシでは、一般的には、サッシ枠同士(図4では4aと4c)の隙間よりもサッシ取付片同士(図4では4dと4d)の隙間の方が大きい。したがって、簡易な防水を図るのみで十分な場合には防水部材31の使用で足りる。このような防水部材31はコストが低廉で、かつ、施工が簡易である利点がある。
【0017】このような防水部材31に使用できる材料としては、ブチルゴム、クロロプレンゴム等のゴム材が例示されるが、これらに限定されない。なお、防水部材31においても、片面にあらかじめシーリング材が配設されていることが好ましい。このような構成であれば、より高いシーリング性能が得られ、また、施工の手間も簡単である。
【0018】倣い片および/または押え片の、サッシ4に面する部分にあらかじめシーリング材を配設する場合のシーリング材は、たとえばブチルゴム等のゴム材が使用できる。
【0019】図1は、本発明の防水部材をサッシに取付けた状態の要部斜視図である。サッシの隙間4eの、特に漏水を生じさせる箇所である、サッシ枠(同図では、サッシ上枠4a)とサッシ取付片4dとの境界部近傍が防水部材2により覆われており、充分な防水構造となっている。
【0020】
【発明の効果】本発明の防水部材により、サッシの隙間をシールでき、屋内への漏水が防止できる。また、施工も簡単である。また、倣い片および/または押え片の、サッシに面する部分にあらかじめシーリング材が配設されてあれば、より優れたシーリング性能が得られる。また、この場合でも、施工が簡単である。
【出願人】 【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
【出願日】 平成12年6月7日(2000.6.7)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−336355(P2001−336355A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−170769(P2000−170769)