| 【発明の名称】 |
複層ガラス |
| 【発明者】 |
【氏名】榎本 貴伸
【氏名】本田 哲
【氏名】正影 道裕
【氏名】南雲 健司
【氏名】上田 秀亜樹
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| 【要約】 |
【課題】複層ガラス本体に対する保持部材の仮止めを叶えながら、保持部材内に水が溜まり難いようにする。
【解決手段】複数の板ガラス5を厚み方向に間隔をあけて並列した状態に一体化してある複層ガラス本体6を設け、複層ガラス本体6の縁部を嵌め込み自在で、複層ガラス保持枠1と複層ガラス本体6との間に介在させて複層ガラス本体6を複層ガラス保持枠1に保持自在な保持部材7を、複層ガラス本体6の縁部を覆う状態に設けてある複層ガラスにおいて、複数の板ガラス5の内の一枚のみを、保持部材7に接着してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の板ガラスを厚み方向に間隔をあけて並列した状態に一体化してある複層ガラス本体を設け、前記複層ガラス本体の縁部を嵌め込み自在で、複層ガラス保持枠と前記複層ガラス本体との間に介在させて前記複層ガラス本体を前記複層ガラス保持枠に保持自在な軟質保持部材を、前記複層ガラス本体の縁部を覆う状態に設けてある複層ガラスであって、前記複数の板ガラスの内の一枚のみを、前記軟質保持部材に接着してある複層ガラス。 【請求項2】 前記軟質保持部材と接着してある板ガラスは、前記複層ガラス本体の設置状態における最室外側の板ガラスである請求項1に記載の複層ガラス。 【請求項3】 前記軟質保持部材と接着してある板ガラスは、前記複層ガラス本体の設置状態における最室内側の板ガラスである請求項1に記載の複層ガラス。 【請求項4】 前記軟質保持部材と板ガラスとの接着は、止水性を有する接着材で実施してある請求項1〜3の何れか一項に記載の複層ガラス。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数の板ガラスを厚み方向に間隔をあけて並列した状態に一体化してある複層ガラス本体を設け、前記複層ガラス本体の縁部を嵌め込み自在で、複層ガラス保持枠と前記複層ガラス本体との間に介在させて前記複層ガラス本体を前記複層ガラス保持枠に保持自在な軟質保持部材を、前記複層ガラス本体の縁部を覆う状態に設けてある複層ガラスに関する。 【0002】 【従来の技術】前記軟質保持部材は、図9に示すように、断面形状が「U」字形状の長尺体で、複層ガラス保持枠と複層ガラス本体との間に介在させるため、「U」字形状の底部分に雨水や結露水等の水が浸入することがあり、その水を排除するために、複数の水抜き穴11を前記底部分の長手方向に間隔をあけて設けて構成してあり、前記底部分に、複層ガラス本体6外周縁部が嵌まる状態に軟質保持部材7を設置して使用されるのが一般的な使用形態である。従来、この種の複層ガラスとしては、複層ガラス本体の縁部に軟質保持部材をただ嵌めただけのものがあるが、これは、複層ガラス本体に対する前記軟質保持部材の挟持力に依存されるので、一般的には、軟質保持部材が外れやすいという問題点があり、この問題を解決するものとして、図9に示すように、複層ガラス本体6の端面と軟質保持部材7とを、接着剤、又は、両面テープ等の接着材12で接着仮止めしてあるものがあった。従って、接着部分は、各板ガラス5、及び、各板ガラス間の外周部を密閉するシール材S2にわたって接着材12を設け、複層ガラス本体6の全幅を前記軟質保持部材7の底部分に接着するものであった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来の複層ガラスによれば、前記接着材は、複層ガラス本体の全幅にわたっているから、軟質保持部材の前記底部分に水が浸入した場合、前記水抜き穴を前記接着材が覆って塞ぐこととなり、水の排出を阻害する危険性があった。その結果、前記底部分に溜まった水分によって、カビが発生したり軟質保持部材やシール部の劣化が進んだりし易くなるという問題点があった。 【0004】従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、複層ガラス本体に対する軟質保持部材の仮止めを叶えながら、軟質保持部材内に水が溜まり難い複層ガラスを提供するところにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構成は、図2・3・5・7・8に例示するごとく、複数の板ガラス5を厚み方向に間隔をあけて並列した状態に一体化してある複層ガラス本体6を設け、前記複層ガラス本体6の縁部を嵌め込み自在で、複層ガラス保持枠1と前記複層ガラス本体6との間に介在させて前記複層ガラス本体6を前記複層ガラス保持枠1に保持自在な軟質保持部材7を、前記複層ガラス本体6の縁部を覆う状態に設けてある複層ガラスにおいて、前記複数の板ガラス5の内の一枚のみを、前記軟質保持部材7に接着してあるところにある。 【0006】請求項1の発明の特徴構成によれば、前記複数の板ガラスの内の一枚のみを、前記軟質保持部材に接着してあるから、複層ガラス本体への軟質保持部材の仮止め効果を期待できながら、前記軟質保持部材の底部分全域を接着材で覆うことを回避でき、その結果、前記水抜き穴の解放状態を維持することが可能となる。従って、前記底部分に浸入した水を、前記水抜き穴から外部へ排除できる環境を維持することができ、従来のように、溜まった水分によってカビが発生したり、軟質保持部材やシール部が劣化するといったことを防止し易くなる。更には、前記接着材は、複層ガラス本体全幅にわたって使用するのに比べて、より少ない使用量とすることができ、複層ガラスとしての材料コストの低減を図ることが可能となる。 【0007】請求項2の発明の特徴構成は、図2・3・5・8に例示するごとく、前記軟質保持部材7と接着してある板ガラス5は、前記複層ガラス本体6の設置状態における最室外側の板ガラス5Aであるところにある。 【0008】請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、複層ガラス本体を伝わって室外側から軟質保持部材の前記底部分へ浸入する水(例えば、雨水)を、軟質保持部材と板ガラスとの接着部分によって閉め出すことが可能となり、前記底部分への水浸入による前記悪影響を未然に防止し易くなる。 【0009】請求項3の発明の特徴構成は、図7に例示するごとく、前記軟質保持部材7と接着してある板ガラス5は、前記複層ガラス本体6の設置状態における最室内側の板ガラス5Bであるところにある。 【0010】請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、複層ガラス本体を伝わって室内側から軟質保持部材の前記底部分へ浸入する水(例えば、結露水)を、軟質保持部材と板ガラスとの接着部分によって閉め出すことが可能となり、前記底部分への水浸入による前記悪影響を未然に防止し易くなる。 【0011】請求項4の発明の特徴構成は、前記軟質保持部材7と板ガラス5との接着は、止水性を有する接着材12で実施してあるところにある。 【0012】請求項4の発明の特徴構成によれば、請求項1〜3の何れかの発明による作用効果を、より確実に叶えることができるようになる。 【0013】尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。 【0014】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。 【0015】図1・3は、複層ガラス保持枠の一例であるサッシュ1に、本発明に係わる複層ガラスの一例品(以後、単に複層ガラスという)Hを取り付けてある状況を示すものである。 【0016】前記サッシュ1は、アルミニウム製で、上下左右の各辺部分を構成するチャンネル状の枠部材2を、それぞれ組み付けて形成してある。また、前記各枠部材2を組み付けた状態で上下または左右に対向する各枠部材2どうしの対向部分には、前記複層ガラスHの周縁部を嵌め込んで取り付けるための嵌め込み用溝3を各別に形成してある。従って、複層ガラスHをサッシュ1に取り付けるには、複層ガラスHを、その周縁部が前記嵌め込み用溝3に位置するよう嵌め込んだり、又は、周縁部が前記嵌め込み用溝3に位置する状態に各枠部材2を組み付けることによって実施することができる。尚、下辺部の枠部材2には、前記溝3内に、複層ガラスHを載置自在なセッティングブロックBを配置してある。 【0017】前記複層ガラスHは、図2に示すように、四角形の板ガラス5の複数(室外側板ガラス5A,室内側板ガラス5B)をスペーサ4を介して厚み方向に並設して複層ガラス本体6を形成し、前記複層ガラス本体6の周縁部の前記複数の板ガラス5A,5B間に形成された隙間に二次シール材S2を充填し、前記サッシュ1と前記複層ガラス本体6との間に介在した状態で前記複層ガラス本体6を前記サッシュ1に対して弾性的に保持自在な軟質保持部材7を、前記複層ガラス本体6の全周に設けて構成してある(図4参照)。 【0018】前記スペーサ4は、角筒部材4aと、その角筒部材4aの内空部に充填された乾燥材4bとを備えて構成してあり、一次シール材S1を介して前記各板ガラス5A,5Bの周縁部に接着してある。前記角筒部材4aには、前記一次シール材S1及びスペーサ4によって密閉された両板ガラス5A,5B間の密閉空間Vに面する部分に、多数の貫通孔4cを設けてあり、前記密閉空間Vの水分を前記乾燥材4bによって吸収し、密閉空間V内での結露防止を図れるように構成してある。尚、前記一次シール材S1は、特に水分を透過し難くするためにブチルゴム製のものを使用してあり、一方、前記二次シール材S2は、接着力の高いシリコン系またはポリサルファイド系のシール材で構成してある。 【0019】前記軟質保持部材(以後、単に保持部材という)7を説明すると、図2・3に示すように、合成樹脂製(例えば、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂のショアA硬度60〜75度程度のもの)の長尺体で、その断面形状を概ね「U」字型に形成してあり、複層ガラス本体6の周縁部を受入自在な凹溝部8を備えると共にサッシュ1に嵌め込み自在に形成してある。詳しくは、凹溝部8の底部分を構成する支持本体7aと、前記凹溝部8に前記複層ガラス本体6を受け入れた状態での前記支持本体7aと前記複層ガラス本体6の表裏面との間に各別に弾性変形自在に介在する一対の保持部7bとを一体的に設けて構成してある。また、前記両保持部7bの内縁には、複層ガラス本体6の表裏面との間の密閉性を向上させるための一対のシール片部14を各別に設けてある。一方、前記両保持部7bの外縁には、前記サッシュ1の嵌め込み用溝3の両縁部に対してそれぞれ係止自在な一対の弾性張出係止部15を各別に設けてある。前記弾性張出係止部15は、前記嵌め込み用溝3の両縁部に対向する対向部15aを、張り出し方向の基端部より張り出し方向先端部が、前記サッシュ1に近接する状態に傾斜させて形成してあり、サッシュ1に馴染み易いように構成してある。 【0020】因みに、前記保持部材7は、複層ガラス本体6に嵌め付ける前には、一本ものの長尺体であり、前記複層ガラス本体6への嵌め付けに際して、図4に示すように、前記複層ガラス本体6の各辺の長さ寸法に対応させた所定位置の支持本体7a部分に、横断方向の切れ目Kを入れ、その切れ目Kを入れた部分で屈曲させながら複層ガラス本体6の周縁部に嵌め付けることで実施される。そして、支持本体7aの幅方向中間部には、水抜き穴(当該実施形態においては丸穴)11を所定間隔で形成してある。また、複層ガラス本体6への保持部材7の固定は、図2・3に示すように、前記各板ガラス5の内の一枚のみを、前記保持部材7に接着して実施してある。具体的には、室外側板ガラス5Aの端面と、保持部材7の支持本体7aとを、両面接着テープ(接着材の一例)12によって接着してあり、例えば、前記室外側板ガラス5Aの端面全周にわたって、前記両面接着テープ12を貼った状態で、その上から、前記保持部材7を被せて接着する方法で取り付けたり、又は、前記保持部材7の凹溝部8の底部分の内、前記室外側板ガラス5Aの端面が接当する部分に、長手方向に沿って両面接着テープ12を貼っておき、その保持部材7を室外側板ガラス5Aの端縁部に被せて接着する方法によって取り付けることができる。因みに、前記両面接着テープ12は、不織布(パルプ、レーヨン、ポバール等)からなるベーステープの両面に、アクリル系粘着材による粘着層を夫々設けて構成してあり、止水性を備えさせてある。また、前記両面接着テープ12の配置は、前記水抜き穴11を閉塞してしまわないように設定してある。 【0021】本実施形態の複層ガラスHによれば、複層ガラス本体6への保持部材7の仮止め効果を期待できながら、前記水抜き穴11の解放状態を維持することができ、凹溝部8の底部分に浸入した水を、前記水抜き穴11から外部へ排除できる環境を維持することが可能となる。従って、前記底部分に水が溜まることを防止し易く、例えば、溜まった水分によってカビが発生したり、保持部材7やシール材S1・S2等が劣化するといったことを防止し易い。更には、前記両面接着テープ12を、複層ガラス本体6の全幅にわたって使用するのに比べて、より少ない使用量とすることができ、複層ガラスHとしての材料コストの低減を図ることが可能となる。そして、複層ガラス本体6を伝わって室外側から保持部材7の前記底部分へ浸入する水(例えば、雨水)を、前記両面接着テープ12によって閉め出すことが可能となり、前記底部分への水浸入による前記悪影響を、より防止し易くなる。 【0022】〔別実施形態〕以下に別実施形態を説明する。 【0023】〈1〉 前記複層ガラス本体は、先の実施形態で説明した二枚の板ガラス5A,5Bを備えた構成に限るものではなく、例えば、三枚以上の板ガラスを備えて構成してあるものであってもよい。また、全部又は一部の板ガラスが、例えば、熱線吸収や紫外線吸収等の機能を備えたものや、熱線反射や紫外線反射等の機能を備えたものや、網入りや強化処理等を施したもので構成してあってもよい。そして、前記接着材を設ける側の板ガラスが、網入りガラス(又は、金属線入りガラス)である場合には、板ガラス端面部を、前記接着材によって覆うことで、網(金属線)の腐食防止を図ることが可能となる。また、複層ガラス本体は、前記密閉空間Vに乾燥空気を封入してあるものに限るものではなく、例えば、前記密閉空間Vを減圧して、より断熱効果を持たせた所謂『真空ガラス』であってもよく、更には、複数の板ガラスそれぞれは、同寸法のものであるもの以外に、図5に示すように、異なった寸法のものを使用して複層ガラス本体を構成してあってもよく、それらを含めて複層ガラス本体という。 〈2〉 前記保持部材7は、先の実施形態で説明したように、長尺一本ものの保持部材を用意して、複層ガラス本体6への取り付けに伴い、前記複層ガラス本体6の各片の長さ寸法に対応させた所定位置で、支持本体7aのみを部分的に切り込み、その部分で屈曲させながら複層ガラス本体6の周縁部に嵌め込むように構成したものに限るものではなく、例えば、図6に示すように、複層ガラス本体6の各辺の長さ寸法に合わせて各別に形成したものを、突き合わせて接着して構成するもものであっもよい。 〈3〉 前記保持部材7は、先の実施例で説明した形状のものに限定されるものではなく、支持本体7a・保持部7bともに、適宜、形状を変更することが可能である。また、保持部材7は、単一の材料で形成するもの以外に、例えば、図8に示すように、底部分を構成する『U』字部分を硬質材料で構成し、複層ガラス保持枠1や複層ガラス本体6に当接する箇所は軟質材料で構成してあってもよい。 〈4〉 前記複層ガラス支持用枠体は、アルミニウム製に限るものではなく、例えば、他の金属や、合成樹脂や、木等で構成してあってもよい。 〈5〉 前記保持部材7と接着してある板ガラス5は、先の実施形態で説明した最室外側の板ガラス5Aに限るものではなく、例えば、図7に示すように、前記複層ガラス本体6の設置状態における最室内側の板ガラス5Bであってもよい。要するに、複数の板ガラス5の内の一枚のみを、前記保持部材7に接着してあればよい。 〈6〉 前記接着材は、先の実施形態で説明した両面接着テープに限るものではなく、前記板ガラス端面部や、保持部材の底部分に塗って使用するタイプのものであってもよく、その成分も、各種合成樹脂接着剤を使用することができ、それらを含めて接着材という。何れの場合も、接着材の設置をオートメーション化できるものを選択すれば、複層ガラスの製造コストを、より低減することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004008 【氏名又は名称】日本板硝子株式会社 【識別番号】391008401 【氏名又は名称】株式会社三ツ星
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| 【出願日】 |
平成12年5月18日(2000.5.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−323740(P2001−323740A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月22日(2001.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−146163(P2000−146163) |
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