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【発明の名称】 玄関サッシの密封装置
【発明者】 【氏名】田嶋 郁雄

【氏名】坂田 英樹

【要約】 【課題】閉鎖時の召合せ框の下端とサッシ下枠との間及び召合せ部に高い密封性が確保され、召合せ部の外観体裁の悪化が防止されるようにする。

【解決手段】引戸閉鎖時の召合せ框の下方における下枠のレール間の上面に、各引戸の閉鎖時移動方向に上り傾斜するスロープを両側に、両スロープの間に両スロープの頂に連続する水平な頂面を有するガイド板を取付け、レールに弾力的に密着する気密片と前記ガイド板のスロープ及び頂面に乗り上げる突起とを下面に有する塞ぎ材を召合せ框の下端に取付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 引戸が閉鎖位置にある時の召合せ框の下方における下枠のレール間の上面に、各引戸の閉鎖時移動方向に上り傾斜するスロープを両側に、両スロープの間に両スロープの頂に連続する水平な頂面を有するガイド板を取付けるとともに、前記レールに弾力的に密着する気密片と、前記ガイド板のスロープ及び頂面に乗り上げる突起とを下面に有する塞ぎ材を前記召合せ框の下端に取付けてなる玄関サッシの密封装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風除室に設けた玄関サッシの密封装置、とくに引戸を引違い式に建て付けた玄関サッシの密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】風雪の多い寒冷地では、帰宅時に玄関から直ちに屋内に入る前に、衣服や帽子などに付着した雪や雨を払い除けるための風除室が玄関に設けられる例が少なくない。風除室は、本屋に設けられた内玄関から屋外側に突設されて外玄関となり、これに玄関サッシが取付けられる。従って、玄関サッシには低温の風雪雨が強く吹き付けるので、非寒冷地とは比較にならない程の高い密封性が要求される。
【0003】玄関ドアは、その要求に充分に応えることは容易であるが、引違い戸を建付ける従来の玄関サッシには、種々の問題がある。これについて、図7及び図8を参照して説明する。図7は従来の玄関サッシの縦断面図、図8は同じく横断面図である。引違い戸4,5は、閉鎖時は上框61 ,62 及び縦框131 ,132 がサッシ上枠8のレール溝91 ,92 及びサッシ縦枠10,11の凹溝にモヘアなど121 ,122 を介して嵌合され、また、両召合わせ框181 ,182 の間はクレセント錠(図示省略)の引き込みに伴うモヘア191 ,192 の密着により、さらに、下框141 ,142 にはフィン状の気密部材151 ,152 がサッシ下枠16のレール171 ,172 方向に突設されてその気密部材がレールに弾力的に押圧されているので、引戸の上框61 ,62 とサッシの上枠8との間及び引戸の縦框131 ,132 とサッシ縦枠10,11との間、引戸の召合せ框181 ,182 同志の間、及び引戸の下框141 ,142 とサッシ下枠16との間には相当程度の密封性が確保される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的に、引戸は上下框の長手方向両端部を縦框及び召合せ框の対向面の上下端部に当接した形態で結合した框組みを用いているため、縦框と召合せ框の下端部には、従来は、何等の密封手段が備えられていない。従って、内外引戸の召合せ框の下端部とサッシ下枠との間に、屋外から屋内まで貫通する隙間が形成されることとなり、この隙間が従来の玄関サッシの密封性を低くする原因となっていた。そのため、その隙間に浸入した雨水又は雪解け水が凍結して、引戸の開閉が不可能になる事態がしばしば起こっていた。また、風除室は、建物躯体に突設されることから、強度が比較的小さいため、台風時などの風圧や豪雪時の荷重などによって、風除室の表玄関のサッシ枠は内玄関サッシよりも歪みが生じ易いところがあり、そのため、閉鎖時の引違い戸の召合せ框の位置が内外完全一致にはならず、多少のずれが生じて、クレセント錠の施錠が困難になったり、召合せ部の外観体裁が見苦しくなったり、さらには、召合せ部の密封性が低下するなどの問題があった。
【0005】なお、玄関サッシには、一般的に屋内側に網戸25を建て付ける。このため、従来の玄関サッシは、上枠8と下枠16に網戸保持部24a,24bを屋内方向に延長するばかりでなく、縦枠10,11にも網戸保持部24c,24dを屋内方向に延長させている。そのため、玄関サッシのとくに出入り口の外周の見込み寸法が大きくなり、元来狭隘に作られる風除室の正面に用いるサッシが仰々しく見えるという問題があった。さらに、下枠の網戸保持部は溝状に形成され、その底面は平坦で、ほぼ中央にレールが突出しているため、下枠の網戸保持部に入り込んだ雨水や雪溶け水あるいは堅く押し込まれた雪などの排除が容易にできないという問題もあった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、閉鎖時においては、召合せ框の下端とサッシ下枠との間及び召合せ部に高い密封性が確保され、かつ、召合せ部の外観体裁の悪化が防止されるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明に係る玄関サッシの密封装置は、上記の課題を解決するため、第一の要件として、引戸が閉鎖位置にある時の召合せ框の下方における下枠のレール間の上面に、各引戸の閉鎖時移動方向に上り傾斜するスロープを両側に、両スロープの間に両スロープの頂に連続する水平な頂面を有するガイド板を取付けたこと、第二の要件として、前記レールに弾力的に密着する気密片と、前記ガイド板のスロープ及び頂面に乗り上げる突起とを下面に有する塞ぎ材を前記召合せ框の下端に取付けたことを特徴としている。上記構成により、引戸を閉鎖すると、閉鎖位置到達直前に召合せ框の塞ぎ材の突起がガイド板のスロープに案内されて閉鎖位置到達時には突起がガイド板の頂面に乗り上げ、両召合せ框がサッシ下枠の上面から等しい高さにおいて内外位置が完全に合致される。従って、召合わせ部に高い密封性が確保されるとともに、召合せ部の外観が悪化することがない。また、塞ぎ材の気密片がサッシ下枠のレールに弾力的に密着するので、召合せ框の下端とサッシ下枠との間にも高い密封性が確保される。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は玄関サッシを設けた風除室の斜視図、図2はその玄関サッシの縦断面図、図3は同じく横断面図、図4はガイド板とその取り付け状態を説明する分解斜視図、図5は図2の要部の拡大図、図6は塞ぎ材とその取付け構造を示す分解斜視図である。図7及び図8に示された従来技術と同一又は相当する部材には同一符号を用いる。
【0009】風除室1の正面に取付けられた玄関サッシ2は、上部に欄間3を有し、その欄間の下側に引違い戸4,5を建て付けてある。欄間3は、ガラス板3aが嵌め殺しにより取付けられていて、完全な密封性を有している。そして、各引戸4,5は、上框61 ,62 に取付けられたモヘヤ71 ,72 がサッシ上枠(無目)8のレール溝91 ,92 の内壁に当接して、サッシ縦枠10,11の凹溝10a,11aに取付けてあるモヘア121 ,122 が閉鎖時の縦框131 ,132 に当接して、また、下框141 ,142 に取付けてあるフィン状の気密部材151 ,152 がサッシ下枠16のレール1711 ,172 に密着し、さらに、召合せ框181 ,182 の互いに対向する面に取付けられたモヘア191 ,192 が互いに他の召合せ框182 ,181 に当接することにより、引戸の上框61 ,62 とサッシ上枠8の間、引戸の縦框131 ,132 とサッシ縦枠10,11との間、引戸の下框141 ,142 とサッシ下枠16との間にそれぞれ密封性が確保されるようにしてある。以上の構成は、従来の玄関サッシと同一である。
【0010】本発明においては、図4及び図5に示すように、サッシ下枠16の上面のレール171 ,172 間の、閉鎖状態の引戸の召合せ框181 ,182 の下方となる位置に、ガイド板20が固着手段、一例としてねじ21により取付けてある。このガイド板20は、所要の強度、耐衝撃性及び耐摩耗性を備えるため、矩形の薄いスチール板を屈曲加工して形成されていたものを使用することが好ましい。しかし、材質はとくに限定されない。そして、引戸4,5の移動方向に沿って両側に、それぞれの引戸の閉鎖時移動方向に上り傾斜するスロープ20aを有し、両スロープの間に、各スロープの頂に連続し、水平に伸びる頂面20bを有している。
【0011】また、本発明においては、図5及び図6に示すように、両召合せ框18(181 ,182 )の下端に、塞ぎ材22(221 ,222 )が嵌合され、召合せ框18(181 ,182 )の側面からねじ込まれるねじ23で固定されている。塞ぎ材22は、図6に明示されているように、上半部はほぼ角筒状に成形され、下半部は断面下方開口コ字形に形成されていて、内外両側壁22a,22bは、塞ぎ材の上端から下端まで一枚状に連続している。そして、内外両側壁の下半部の内側面には水平に延長し、かつ、互いに対向する方向に突出するフィン状の気密片22cが複数段設けられている。さらに、内外両側壁の下端面の長手方向ほぼ中央に下方に僅かに突出する突起22dが設けられている。
【0012】塞ぎ材22の召合せ框18に対する取付け位置は、塞ぎ材22を召合せ框18の中空部の下端に嵌合してねじ23により固定した時は、図5に示されているように、突起22dがその召合せ框18の下端面よりも下方に突出するように設定されている。図示の好ましい実施例では、内外の両召合せ框181 ,182 に取付けられる塞ぎ材22が同一形状に形成されている。そのため、管理手間がかからないとともに、互いに反対向きに召合せ框に取付けられても、いずれか一方の突起22dが、二つのレール171 ,172 の間に存在するようになっている。
【0013】上記のように塞ぎ材221 ,222 をそれぞれ取付けた引戸4,5をサッシ枠2に建て付けた時は、召合せ框181 ,182 の気密片22cがサッシ下枠16のレール171 ,172 にその両側面から弾力的に密着する。また、引戸4,5を閉鎖方向に移動すると、各引戸が閉鎖位置に到達する直前に塞ぎ材221 ,222 の突起22dがガイド板20の互いに反対側のスロープ22aに接触しこれに案内されて、引続き頂面22bに滑らかに乗り上げることができ、その頂面に乗り上げた時に引戸が閉鎖位置に到達する。そして、ガイド板20の頂面20bは水平であるので、両引戸の召合せ框181 ,182 は下枠16の上面から完全に等しい高さに維持されるので、内外の召合せ框181 ,182 が所定閉鎖位置において垂直状態で完全に合致する。従って、仮にサッシ枠に歪みが生じているとしても、閉鎖時の召合せ部の外観体裁が悪くなることが防止され、また、閉鎖時の両引戸の召合せ框の下端とサッシ下枠のレールとの間は、塞ぎ材の気密片22cにより密封されるので、サッシ下枠16と引戸4,5の下端との間は、気密部材151 ,152 と気密片22cにより、サッシ下枠の全長に渡って中断されることなく完全に密封されるので、玄関サッシの密封度が格段に高いものとなった。
【0014】さらに、本発明の好ましい実施例では、図2及び図3に示すように、網戸保持部24A,24Bは、サッシ下枠16と上枠8の屋内側にのみ延設され、縦枠には網戸保持部が形成されていない。そして、上枠8の網戸保持部24Aと下枠の網戸保持部24Bの長手方向端部に、各網戸保持部に形成してあるレールに沿って移動される網戸25に当たってこれを止める戸当たり部材26A,26Bをねじで固定してある。271 ,272 は、サッシ下枠16の引戸保持部の上面に固定してある引戸4,5のための戸当たり部材であり、各戸当たり部材とレール171 ,172 の端部の間に排水用切欠281 ,282 が設けてある。下枠16の網戸保持部24bは、網戸レール29を含む屋内側半分が底上げ状態に高い位置に形成され、網戸レール29よりも屋外側半分がなだらかに引戸保持部の底面と同じ面まで低くなるように形成されているので、箒の先端が入り込み易くなったので、下枠16の上面、とくに網戸保持部24Bの上面に雨や雪が入り込んだ場合にこれを下枠の上面に沿って排水用切欠282 ,281 から容易に掃き出すことができる。
【0015】下枠側の網戸用戸当たり部材26Bは、図4に示すように、サッシ下枠16の網戸保持部24Bの長手方向端面に密着させ、ねじ30を下枠16に形成してあるビスホール31にねじ込むことにより取付けてあり、好ましくは、戸当たり部材26Bのサッシ下枠の端面に密着する面に水密性能を良くするためのフィルムを張り付け、又はシール材を塗布してあり、それにより、網戸保持部24Bに入り込んだ雨水又は雪溶け水の漏出を防止するようにしてある。
【0016】上記のようにして、図示の実施例は、縦枠11の見込み寸法が、従来の玄関サッシの網戸保持部がなくなった分だけ小さくなったので、図示の風除室用玄関サッシは看者に一見してスリムな印象を与える。
【0017】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、引戸を閉鎖した時は、両引戸の召合せ框が下枠の上面から完全に等しい高さに維持され、内外の召合せ框が所定閉鎖位置において垂直状態で完全に合致するので、サッシ枠に歪みが生じているとしても、閉鎖時の召合せ部の外観体裁が悪くなることが防止され、また、両引戸の召合せ框の下端とサッシ下枠のレールとの間は塞ぎ材の気密片により密封され、サッシ下枠と引戸の下端との間がサッシ下枠の全長に渡って完全に密封されるので、玄関サッシに高い密封性が得られる。
【出願人】 【識別番号】000191065
【氏名又は名称】新日軽株式会社
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100079201
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 光正
【公開番号】 特開2001−182447(P2001−182447A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−372811