| 【発明の名称】 |
建具枠材および建具 |
| 【発明者】 |
【氏名】水上 修一
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| 【要約】 |
【課題】管理が容易でかつ材質、性能のばらつきを少なくできるとともに、木質感を向上できてコストも低減できる建具枠材を提供すること。
【解決手段】建具枠材である上下枠61〜64を、金属製の室外部材61A〜64Aと、合成樹脂に対する木粉の混合割合が30重量%以上であり、アイゾット衝撃値が2.0KJ/m2以上の合成木材からなる室内部材61B〜64Bとで構成する。室内部材を合成木材で構成しているので、天然木に比べて管理の煩雑さや、材質、性能のばらつき、寸法変化、形状変化が少なくなる。木粉の混合割合が30重量%以上と多いため、木質感や触感を向上でき、天然木に近い質感にできる。アイゾット衝撃値が2.0KJ/m2以上であるため、加工性を確保しつつ、欠け発生を防止でき、建具枠材の室内部材を押出成形で製造できて加工工数を削減でき、製造コストも低減できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建具を構成する建具枠材であって、室外部材と、合成樹脂に対する木粉の混合割合が30重量%以上であり、かつアイゾット衝撃値が2.0KJ/m2以上の合成木材からなる室内部材とで構成されていることを特徴とする建具枠材。 【請求項2】 前記合成木材は、熱可塑性樹脂に対して木粉を30〜70重量%混入した材料を押出成形することで製造されていることを特徴とする請求項1に記載の建具枠材。 【請求項3】 前記木粉は、粒径が10〜300メッシュであることを特徴とする請求項2に記載の建具枠材。 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系樹脂からなり、かつその配合割合が30〜50重量%であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の建具枠材。 【請求項5】 前記室外部材は、金属製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建具枠材。 【請求項6】 前記室外部材は、合成樹脂製又は金属材および合成樹脂材が組み合わされた複合材製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建具枠材。 【請求項7】 前記室外部材の室外面に、合成木材又は合成樹脂からなる室外側カバー材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の建具枠材。 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の建具枠材からなる上框、下框および左右の竪框を四周框組みして面材を組み込んで形成された障子を備えていることを特徴とする建具。 【請求項9】 上框、下框および左右の竪框を四周框組みして面材を組み込んで形成された障子を備えた建具であって、前記各框のうちの少なくとも室内に露出する框が請求項1〜7のいずれかに記載の建具枠材で構成されていることを特徴とする建具。 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載の建具枠材からなる上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みした枠を備えていることを特徴とする建具。 【請求項11】 上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みした枠を備えた建具であって、前記各枠のうちの少なくとも室内に露出する枠が請求項1〜7のいずれかに記載の建具枠材で構成されていることを特徴とする建具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建具枠材および建具に係り、特に引き違い窓、辷り出し窓等の各種サッシ窓の窓枠や障子、ドアのドア枠等を構成する建具枠材や、これらの建具に関する。 【0002】 【背景技術】近年の建物においては、快適な生活空間を形成し、かつ冷暖房に使用するエネルギーを減少させて省エネルギー化をはかるために、外壁や建具等における断熱性能が重視されている。特に、新断熱基準や次世代省エネルギー基準等が策定されていることもあり、従来であれば、断熱サッシや断熱ドアを利用していなかった地域においても、断熱サッシ等を採用する建物が増えてきている。 【0003】ところで、断熱サッシの一つに、天然木の質感と、アルミの持つ耐久、耐候性を兼ね備えたサッシとして、枠や障子の室外側をアルミ形材で構成し、室内側を天然木やそれらの集成材で構成したアルミ木複合サッシがある。この複合サッシは、室内側からは天然木の持つ質感や美観、触感等を楽しめる一方で、室外側がアルミ製のためにメンテナンス性、耐久性を向上できるという特色を有する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、室内側を天然木や集成材とした場合には、木を用いた場合の課題が発生するという問題があった。すなわち、木は、水に対して弱く、カビや腐朽が発生する虞があるという問題がある。このため、木を用いた建具枠材や建具は、腐朽などを防止するために塗装などのメンテナンスが必要で管理が困難であるという問題があった。さらに、天然物である木自身のばらつきによる外観の不揃いや塗装仕上げのばらつき等の材質、性能のばらつきが存在する点や、反りや歪み等の形状変化や寸法変化が発生するという問題もあった。また、天然木を必要な断面形状にするには、切削加工などが必要であって加工工数が多く、かつ塗装仕上げなどの工程も必要となるため、製造コストが高いという問題もあった。 【0005】一方、近年、このような天然木の問題点を解決するために、樹脂に木粉を混合して天然の木の木目に近い模様を表面に有する木粉入り樹脂材を用いてサッシの室内側を構成したものも開発されている。 【0006】しかしながら、サッシに用いられる木粉入り樹脂材は、加工成形性などを考慮して、通常、合成樹脂に対して木粉を10〜20重量%混入して得られたものを用いていた。このような樹脂は、表面が木目調にはなるが、樹脂成分が多いために、質感や美観、触感等は、天然木よりも樹脂に近いものであり、天然木の代わりにすることは難しかった。 【0007】本発明の目的は、管理が容易でかつ材質、性能のばらつきを少なくできるとともに、木質感を向上できてコストも低減できる建具枠材および建具を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、建具を構成する建具枠材であって、室外部材と、合成樹脂に対する木粉の混合割合が30重量%以上であり、かつアイゾット衝撃値が2.0KJ/m2以上の合成木材からなる室内部材とで構成されていることを特徴とするものである。ここで、合成木材は、熱可塑性樹脂等の合成樹脂と、木粉とを混合溶融して成形されたものである。また、木粉とは、木材を粉砕して得られるものに限らず、椰子殻、コーヒーかす、古紙、廃材などのセルロース系材料を粉砕等で粉状にしたものを含むものである。 【0009】このような建具枠材は、室内部材を、合成木材により構成しているので、天然木を利用した場合のような、メンテナンス等の管理の煩雑さや、材質、性能のばらつきや、寸法変化、形状変化を無くすことができる。その上、木粉の混合割合が30重量%以上と、従来の木粉入り樹脂に比べて多いため、木質感や触感を向上でき、天然木に近い質感を得ることができる。さらに、合成木材として、アイゾット衝撃値を2.0KJ/m2以上のものを用いているので、サッシなどの建具枠材の室内部材として必要となる加工性を確保しつつ、表面に欠け等が生じることを防止でき、断面が中空薄型の建具枠材の室内部材を押出成形によって製造できるため、加工工数を削減でき、製造コストも低減できる。 【0010】この際、前記合成木材は、熱可塑性樹脂に対して木粉を30〜70重量%混入した材料を押出成形することで製造されていることが好ましい。木粉の混合割合が30重量%以下になると木質感に乏しくなる。また、木粉が70重量%以上になると樹脂分が少なくなりすぎて成形性が低下し、かつアイゾット衝撃値も2.0KJ/m2以上を維持することが困難になる。これに対し、木粉の混合割合を30〜70重量%にすれば、十分な木質感が得られ、かつ成形加工性にも優れているとともに、アイゾット衝撃値も2.0KJ/m2以上を確保でき、建具枠材として十分な品質、性能を得ることができる。 【0011】また、前記木粉は、粒径を10〜300メッシュにすることが好ましい。この際、粒径が10〜100メッシュにすることが、より好ましい。粒径が10メッシュ以下の大きな径の木粉を用いると、樹脂と木粉との均一な混合が難しくなり、木質感や性能のばらつきが生じやすくなるとともに、木粉が大きいために木粉自体が割れたり、成形品の表面から剥がれて、成形品の表面に欠けが発生しやすくなる。一方、粒径が300メッシュ以上の小さな径の木粉を用いると、アイゾット衝撃値が低くなり、2.0KJ/m2以上を確保することが難しくなるとともに、木質感が落ち、樹脂に近くなってしまう。 【0012】これに対し、木粉の粒径を10〜300メッシュにすれば、十分な木質感が得られ、かつ成形加工性にも優れているとともに、アイゾット衝撃値も2.0KJ/m2以上を確保でき、建具枠材として十分な品質、性能を得ることができる。なお、粒径を10〜100メッシュにすると、アイゾット衝撃値を2.0KJ/m2以上に容易にかつ確実に維持することができる。 【0013】さらに、前記熱可塑性樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からなり、かつその配合割合が30〜50重量%であることが好ましい。オレフィン系樹脂を用いれば、成形加工性や性能を確保しつつ、比較的安価に提供できる。また、この樹脂の配合割合を30〜50重量%つまり木粉を70〜50重量%とすれば、より木質感が高まり、天然木と遜色のない質感を得ることができる。 【0014】なお、前記室外部材は金属製であることが好ましい。室外部材をアルミなどの金属製とすれば、建具枠材のメンテナンス性や耐久性を向上できる。また、室外部材は、合成樹脂製又は金属材および合成樹脂材が組み合わされた複合材製のいずれかで構成されていてもよい。ここで、金属材および合成樹脂材が組み合わされた複合材としては、室外側の金属材と室内側の金属材とを合成樹脂で連結した断熱形材や、室外側の金属材と室内側の合成樹脂材とを組み合わせた金属樹脂複合材や、室外側の合成樹脂材と室内側の金属材とを組み合わせた樹脂金属複合材等が利用できる。また、室外部材の室外面に合成樹脂材が露出する場合には、合成樹脂材を被覆して耐久性等を向上させるためのアルミなどの金属カバーを取り付けてもよい。 【0015】また、前記室外部材の室外面に、合成木材又は合成樹脂からなる室外側カバー材が取り付けられていてもよい。このような室外側カバー材を取り付ければ、特に、室外部材の室外面に金属材が露出する場合に、その金属材を合成樹脂や合成木で被覆できるので、色調の自由度が高まり、外観や断熱性能を向上することができる。 【0016】また、本発明の建具は、上記に記載の建具枠材からなる上框、下框および左右の竪框を四周框組みして面材を組み込んで形成された障子を備えていることを特徴とするものである。さらに、本発明の建具は、上框、下框および左右の竪框を四周框組みして面材を組み込んで形成された障子を備えた建具であって、前記各框のうちの少なくとも室内に露出する框が上記建具枠材で構成されているものでもよい。 【0017】また、本発明の建具は、上記に記載の建具枠材からなる上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みした枠を備えているものでもよい。さらに、本発明の建具は、上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組みした枠を備えた建具であって、前記各枠のうちの少なくとも室内に露出する枠が上記建具枠材で構成されているものでもよい。 【0018】このような建具を用いれば、サッシ窓の窓枠や障子、ドアのドア枠やドア本体等の各建具の室内面における木質感や触感を向上でき、天然木に近い質感を得ることができる上、合成木材として、アイゾット衝撃値を2.0KJ/m2以上のものを用いているので、サッシなどの建具枠材の室内部材として必要となる加工性を確保しつつ、表面に欠け等が生じることを防止でき、中空薄型等に押出成形される建具枠材の室内部材としての利用が可能となる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を見やすくするために、窓枠や障子等の主要な構成部材には断面を示すハッチングを省略して記載している。 【0020】図1,2には、本発明の第1実施形態の建具(サッシ窓)である引違い窓1が示されている。本実施形態の引違い窓1は、図1に示すように、下枠に断熱部材が設けられたアルミ形材断熱窓枠2と、各框がアルミ材と樹脂製断熱性部材との複合材で構成されたアルミ樹脂複合障子6とを組み合わせて引違い窓1が構成されている。 【0021】アルミ形材断熱窓枠2は、上枠11、下枠12と左右両端の縦枠13とを四角枠状に接合して形成されている。上枠11および左右両端の縦枠13は、それぞれ非鉄金属であるアルミ製の形材で構成されている。 【0022】下枠12は、アルミ製の室外部材12A、室内部材12Bと、これらの各部材をそれぞれ連結するウレタン樹脂等で形成された断熱部材12Cとで構成されたものである。なお、下枠12としては、合成樹脂製の帯板状の断熱部材を各部材12A,12B間にそれぞれ1枚以上配置し、かしめて連結して構成したものを用いてもよい。 【0023】これらの上枠11、下枠12、縦枠13には、各枠11,12,13が取り付けられるまぐさ7、窓台8、柱9の室外面に当接する取付片が形成されている。そして、これらの取付片を釘やビスによってまぐさ7、窓台8、柱9に取り付けることで、アルミ形材断熱窓枠2は建物躯体側に取り付けられている。なお、本実施形態では、下枠12の窓台8からの突出寸法が大きいため、L字状の支持プレートを例えば下枠12の左右2カ所などに設けて下枠12を支持してもよい。また、上枠11、下枠12、縦枠13と建物外壁との間には、適宜、バックアップ材26および充填材27が充填されてシールされている。 【0024】上枠11の下面には、外レール16が垂設され、この外レール16の室内側つまり窓枠2の開口内周面には断熱性を有する樹脂等で形成された断熱性カバー71が取り付けられている。上枠11は、まぐさ7の室外面部分までしか設けられていないが、断熱性カバー71は額縁81まで延長されており、上枠11の室内側露出面部を被覆している。なお、本発明において露出面部とは、窓枠2の開口内周面においてアルミ樹脂複合障子6を閉めた際に室内側に露出する部分(見えがかり部)を意味する。 【0025】また、上枠11には、内レール17用の部材が配置されている。この内レール17は、断熱性カバー71を介してまぐさ7にねじ込まれたビス等で断熱性カバー71に取り付けられている。これにより、内レール17部分は室内側に露出するが、断熱性カバー71が介在されていることで上枠11からの熱の伝達が抑えられている。 【0026】一方、下枠12の前記室外部材12Aの上面には、外、内の各下レール18,19が立設されている。また、上枠11の室外側および下枠12の室外部材12Aには網戸レール20がそれぞれ設けられている【0027】アルミ形材断熱窓枠2内に配置されるアルミ樹脂複合障子6は、室外側に配置されて外レール16,18でガイドされる外障子6Aと、室内側に配置されて内レール17,19でガイドされる内障子6Bとを備えている。このため、前記断熱部材12Cは、内障子6Bの室内側に沿って配置されている。 【0028】外障子6Aは、上框61と、下框63と、竪框65と、外召合せ框(竪框)67とを四角枠状に組んで構成されている。また、内障子6Bは、上框62と、下框64と、竪框66と、内召合せ框(竪框)68とを四角枠状に組んで構成されている。そして、各框61〜68の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。 【0029】各框61,62,64〜66,68は、室外部材61A,62A,64A〜66A,68Aと、室内部材61B,62B,64B〜66B,68Bとを接合して構成されている。ここで、室外部材61A,62A,64A〜66A,68Aは、アルミ形材で構成されている。また、下框63は、室外部材63Aと2つの室内部材63B,63Cとで構成されている。このうち、下側に配置される室内部材63Cは、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂のみで形成されている。さらに、外召合せ框(竪框)67もアルミ形材で構成されている。 【0030】また、室外部材63A,64Aの室内側上端片、つまり室内部材63B,64Bに接合される部分(ガラス開口部)は、室内側から室外側に向かって下る方向に傾斜する傾斜面63E,64Eとされている。 【0031】一方、各室内部材61B〜66B,68Bは、押出成形により成形された合成木材により構成されている。具体的には、木材を粉砕してふるいにより選択された100メッシュ以上200メッシュ以下の木粉100重量部と、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン100重量部とを混合し、さらにこれらの相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレン重量1部を混入し、溶融混合した後、押出成形により成形した。この合成木材のアイゾット衝撃値は2.5KJ/m2であった。この際、軽量化および剛性を向上させるため、各室内部材61B〜66B,68Bには中空部を設けている。また、木粉が混入されていることから、合成樹脂のみで形成されている室内部材63C等よりも厚肉に形成されている。 【0032】そして、これらの室内部材61B〜66B,68Bには溝部が形成され、この溝部に各室外部材61A〜66A,68Aが係合されることで、室外部材61A〜66A,68Aに対する室内部材61B〜66B,68Bの室内外方向の位置が規制されている。また、各室内部材61B〜66B,68Bは、この係合状態で室外部材61A〜66A,68Aにビス等の固定手段により固定されており、室外部材61A〜66A,68Aに対する各室内部材61B〜66B,68Bの長手方向の位置も固定されている。 【0033】なお、内障子6Bの下框64に比べて高さ寸法の大きな下框63においても、2つの室内部材63B,63Cを備えているため、合成木材からなる室内部材63Bと室内部材64Bとは同一形状、寸法の合成木材を利用できる。 【0034】また、各框61〜66,68の室外部材61A〜66A,68Aには、複層ガラス29の室外側を保持するガラス保持辺が形成され、室内部材61B〜66B,68Bには複層ガラス29の室内側を保持するガラス保持辺が形成されている。このため、各障子6A,6Bでは、合成木材からなる室内部材61B〜66B,68Bが室内側に露出し、アルミ製の室外部材61A〜66A,68Aが室内側に露出しないので、断熱性能や防露性能が向上されている。なお、室外部材61A〜66A,68Aの内面には、図示しない断面L字形状の金属製の脱落防止具が設けられ、火災時に各室内部材61B〜66B,68Bが燃えてしまっても、複層ガラス29が外れて室内側に落下しないようになっている。 【0035】各上框61,62には、前記各レール16,17を挟み込む摺動片31が嵌入され、各下框63,64には、前記各レール18,19上を転動する戸車32が回転自在に支持されている。 【0036】窓枠2の下枠12および縦枠13には、上枠11における断熱性カバー71と同様に、各障子6A,6Bを閉めた際に室内側に露出する露出面部を被覆する断熱性カバー72〜76がそれぞれ取り付けられている。 【0037】断熱性カバー72は、下枠12の室内部材12Bの開口内面側、つまり室内側に露出する露出面部を被覆している。断熱性カバー73は、下枠12の内レール19と室内部材12Bとの間に嵌挿され、内レール19の室内側面、断熱部材12Cおよび室内部材12Bの室外側面をそれぞれ被覆している。 【0038】断熱性カバー74は、前記内レール19の室外側に配置されて前記内レール19にビス等で取り付けられている。他の断熱性カバー72,73は下枠12の全長に渡って設けられているのに対し、断熱性カバー74は外障子6Aを閉めた際に外障子6Aが配置される部分、つまり下枠12の全長の約半分の部分に配置されている。そして断熱性カバー74には気密材74Aが室外側に向けて取り付けられ、外障子6Aを閉めた際に外障子6Aの室内面に圧接してシールするように構成されている。 【0039】断熱性カバー75は、一方の縦枠13において内障子6Bの戸先側の竪框66と対向した位置に設けられたガイド片13Dの部分から室内側の部分に配置され、縦枠13を介して柱9にねじ込まれたビス等で縦枠13に取り付けられている。これにより、断熱性カバー75は、縦枠13において内障子6Bを閉めた際に室内側に露出する露出面部を被覆している。 【0040】断熱性カバー76は、他方の縦枠13において外障子6Aの戸先側の竪框65の室内面にほぼ沿った位置から室内側部分に配置され、縦枠13を介して柱9にねじ込まれたビス等で縦枠13に取り付けられている。これにより、断熱性カバー76も、外障子6Aを閉めた際に室内側に露出する露出面部を被覆している。 【0041】このような本実施形態によれば、次のような効果がある。 (1) 障子6A,6Bにおける各框61〜68の各室内部材61B〜66B,68Bとして合成木材を用いたので、天然木と同様に柾目模様を表現できて天然木に近い十分な木質感、触感を得ることができる。また、腐朽やカビが発生しないので、天然木の場合のようにメンテナンス作業も不要にでき、管理も容易にできる。さらに、反りや歪みなどの形状変化や寸法変化を少なくでき、材質、性能のばらつきも無くすことができ、建具枠材の部材として利用しやすい。 【0042】(2) 合成木材として、アイゾット衝撃値を2.0KJ/m2以上のものを用いているので、引違い窓1の建具枠材として用いた場合に必要となる加工性を確保しつつ、表面に欠け等が生じることを防止でき、室内部材61B〜66B,68Bを押出成形することができる。このため、天然木を用いた場合のような切削加工などを不要にできて加工工数を削減でき、かつ予め顔料を混入することで着色できるため、塗装工程も不要にでき、製造コストを低減できる。 【0043】(3) 木粉の熱可塑性樹脂に対する混合割合が50重量%であり、30〜70重量%の範囲に入っているため、十分な木質感が得られるとともに、かつ成形加工性にも優れ、建具枠材として十分な品質、性能を得ることができる。その上、再度溶融することなどで再生可能であり、かつ木粉の割合が比較的多いために焼却することもできて不燃物として廃棄する必要がないため、環境への負担を軽減することができる。 【0044】(4) 木粉の粒径が100〜200メッシュであり、10〜300メッシュの範囲内であるため、十分な木質感が得られ、かつ成形加工性も向上できる。その上、アイゾット衝撃値も容易に2.0KJ/m2以上を確保でき、建具枠材として十分な品質、性能を得ることができる。 【0045】(5) 熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを用い、かつその配合割合が50重量%であるため、成形加工性や性能を確保しつつ、比較的安価に提供できる。 【0046】(6) 下框63においては、上下に分離された2つの室内部材63B、63Cを用いているので、室内部材63Bを下框64の室内部材64Bと共通化でき、部品点数を少なくできてコストを低減できる。その上、水に接触しやすい外障子6Aの下部部分は、合成樹脂製の室内部材63Cが配置されて合成木材製の室内部材63Bを水に接触しにくくでき、材質の劣化をより軽減することができる。 【0047】(7) 下框63,64の室外部材63A,64Aに傾斜面63E,64Eを形成しているので、仮にガスケット30の下面を伝わった水滴が室外部材63A,64A上に落ちても、前記傾斜面63E,64Eによって室外側に流すことができ、室内側つまり室内部材63B,64B側に水滴が流れることを防止でき、防水性能を向上することができる。 【0048】次に、本発明の第2実施形態について図3,4を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、前記各実施形態と同一または相当構成部品には同じ符号等を付し、説明を省略もしくは簡略する。本実施形態は、アルミ形材断熱窓枠102と、オペレータハンドル180によって室外側に開かれるアルミ樹脂複合障子103とを組み合わせた建具である縦辷り出し窓100に本発明を適用したものである。 【0049】アルミ形材断熱窓枠102は、上枠121、下枠122と左右両端の縦枠123とを四角枠状に接合して形成されている。上枠121、下枠122および左右両端の縦枠123は、それぞれアルミ形材で構成されている。 【0050】下枠122の室内側の部分には、オペレータハンドル180が取り付けられる樹脂製のハンドル取付部材140が固定されている。ハンドル取付部材140は、断面略T字状に形成され、下枠122の上面にビス止めされるとともに、その立上り部にオペレータハンドル180がビス等で固定されている。また、ハンドル取付部材140の室外側で、かつ、オペレータハンドル180が取り付けられる部分には、ハンドル取付裏板170が設けられ、ハンドル取付部材140においてオペレータハンドル180が取り付けられる部分を補強している。 【0051】一方、断熱窓枠102内に配置されるアルミ樹脂複合障子103は、上框131、下框132、および左右の竪框133を四周框状に組んで構成されている。そして、各框131〜133の内周面には、複層ガラス135が複層ガスケット136を介して嵌合されている。 【0052】各框131〜133は、それぞれアルミ製の室外部材131A〜133Aと、合成木材で形成された室内部材131B〜133Bとで構成されている。各室内部材131B〜133Bを構成する合成木材は、木材を粉砕してふるいにより選択された100メッシュ以上200メッシュ以下の木粉150重量部と、熱可塑性樹脂としてポリエチレン100重量部とを混合し(すなわち、木粉60重量%、ポリエチレン40重量%)、さらにこれらの相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレン1重量部を混入し、溶融混合した後、押出成形により成形した。この合成木材のアイゾット衝撃値は2.3KJ/m2であった。この際、軽量化および剛性を向上させるため、各室内部材131B〜133Bには中空部を設けている。また、木粉が混入されていることから、合成樹脂のみで形成される場合に比べて厚肉に形成している。 【0053】そして、これらの室内部材131B〜133Bは各框131〜133の室外部材131A〜133Aにビス等の固定手段により固定されている。なお、室外部材131A〜133Aの内面にも、図示しない断面L字形状の金属製の脱落防止具が設けられている。 【0054】このアルミ樹脂複合障子103は、上框131と窓上枠121との間および下框132と窓下枠122との間にそれぞれ配置されて取り付けられたステンレス製の辷り出しアーム(4バーヒンジや6バーヒンジ)145により、窓枠102に対して開閉可能に支持されている。そして、障子103は、オペレータハンドル180により開閉されるとともに、一方の縦枠123に固定されたロックハンドル160によってその開閉をロックできるように構成されている。 【0055】また、上枠121および縦枠123の室内側部分には、室内側露出面部を被覆する合成樹脂製の断熱性カバー125,126が取り付けられている。また、断熱性カバー126には、カバー126を固定するビスを被覆する断熱性カバー127が嵌合されている。さらに、下枠122の室内側部分も、断熱性を有する樹脂製のハンドル取付部材140で被覆されており、これらの断熱性カバー125,126やハンドル取付部材140によって、枠121〜123における断熱性が確保されている。 【0056】このような本実施形態においても、前記第1実施形態の(1)〜(4)と同様の作用効果を奏することができる。さらに、(8) 熱可塑性樹脂であるポリエチレンを用い、かつその配合割合が40重量%であるため、成形加工性や性能を確保しつつ、比較的安価に提供できる。 【0057】次に、本発明の第3実施形態について、図5,6を参照して説明する。本実施形態は、建具であるドア300に本発明を適用したものである。ドア300は、ドア枠301と、ドア本体306とを組み合わせて構成されている。 【0058】ドア枠301は、前記各実施形態と同様に、上枠311、下枠312、縦枠313を枠組みして構成され、柱等の建物躯体にビスなどで固定されている。そして、上枠311、縦枠313は、アルミ形材で構成され、下枠312は、アルミ製の室外部材312Aと、アルミ製の室内部材312Bと、室外部材312Aおよび室内部材312Bを連結するウレタン樹脂製の断熱部材312Cとで構成されている。また、各枠311〜313の室内側露出面には、断熱性カバー321〜323が取り付けられて枠311〜313を被覆している。 【0059】一方、ドア本体306は、上框361、下框362、左右の竪框363および中骨364からなる框枠360と、框枠360内に配置された複層ガラス365とで構成され、縦枠313に対してヒンジ367およびドアクローザ368により、ドア枠301に対して開閉可能に設けられている。 【0060】各框361〜363、中骨364は、それぞれアルミ製の室外部材361A〜364Aと、合成木材からなる室内部材361B〜364Bとを接合して構成されている。この合成木材は、前記第1,2実施形態で用いられた合成木材と同様の材質のものを押出成形することで製造され、各室外部材361A〜364Aにビスや接着剤等の固定手段を用いて固定されている。 【0061】このような本実施形態においても、前記各実施形態の(1)〜(5),(8)と同様な作用効果を奏することができる。 【0062】次に、本発明の第4実施形態について、図7,8を参照して説明する。本実施形態は、窓枠402の室外部材と、障子406の室外部材とを第1実施形態のようなアルミ製ではなく、合成樹脂製にした引違い窓400である。 【0063】窓枠402は、上枠411、下枠412と左右両端の縦枠413とを四角枠状に接合して形成されている。各枠411〜413は、それぞれ合成樹脂製の室外部材411A〜413Aと、合成木材製の室内部材411B〜413Bとで構成されている。各室外部材411A〜413Aは、断面形状および寸法が同一とされた合成樹脂の押出成形品により構成されている。なお、合成樹脂材としては、各種の熱可塑性樹脂等が利用でき、さらに木粉を30重量%未満混入した木粉入り樹脂を利用してもよい。 【0064】下枠412の上面には、アルミなどの金属製の押出形材で構成された外レール418、内レール419が固定されている。上枠411の下面には、外レール部材416が取り付けられている。 【0065】窓枠402内に配置される障子406は、室外側に配置された外障子406Aと、室内側に配置された内障子406Bとを備えている。 【0066】外障子406Aは、上框461と、下框463と、竪框465と、外召合せ框(竪框)467とを四角枠状に組んで構成されている。また、内障子406Bは、上框462と、下框464と、竪框466と、内召合せ框(竪框)468とを四角枠状に組んで構成されている。 【0067】各框461〜468は、室外部材461A〜468Aと、室内部材461B〜468Bとを接合して構成されている。ここで、各室外部材461A〜468Aは、断面形状および寸法が同一とされた合成樹脂の押出成形品により構成されている。なお、合成樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂等が利用でき、さらに木粉を30重量%未満混入した木粉入り樹脂を利用してもよい。 【0068】一方、各室内部材461B〜468Bは、押出成形により成形された合成木材により構成されている。この合成木材は、前記第1,2実施形態で用いられた合成木材と同様の材質のものを押出成形することで製造され、各室外部材461A〜468Aに金属製ブラケット430やビス等の固定手段を用いて固定されている。なお、内召合せ框468の室内部材468Bを除く各室内部材461B〜467Bは、断面形状および寸法が同一とされている。 【0069】そして、障子406では、これらの室外部材461A〜468Aおよび室内部材461B〜468Bにより、ガスケット30を介して複層ガラス29を保持している。 【0070】窓枠402の室外部材411A〜413Aの内周面には、各障子406A,406B間に突出された仕切部411D〜413Dと、障子406Bの室内側に突出されたガイド部411E〜413Eとが形成されている。そして、内障子406Bは、上框462側が前記仕切部411Dおよびガイド部411Eで挟持されてガイドされ、下框464側は戸車32を介して内レール419でガイドされている。また、外障子406Aは外レール部材416でガイドされ、下框463側は戸車32を介して外レール418でガイドされている。 【0071】前記仕切部411D〜413Dには、外障子406Aの室内面および内障子406Bの室外面に当接するシール材431が取り付けられ、室内外の気密性を確保している。 【0072】このような本実施形態においても、前記各実施形態の(1)〜(5),(8)と同様な作用効果を奏することができる。 (9) さらに、各枠411〜413の室外部材411A〜413Aや、各框461〜468の室外部材461A〜468Aを合成樹脂で形成しているので、これらの室外部材をアルミ形材で構成した場合に比べて断熱性能を著しく向上できる。 【0073】(10)また、障子406および窓枠402の室外露出部が合成樹脂製となるため、各室外部材を顔料等を適宜混入した合成樹脂等で成形することで、自由に着色することもできるし、木粉を混入することで木質調のものにすることもできる。従って、ユーザーの希望する外観にでき、意匠性を向上できる。 【0074】次に、本発明の第5実施形態について、図9,10を参照して説明する。本実施形態は、主に、障子506の框が、合成木材+金属(又は樹脂)+合成木材の3層構造とされている点を特徴とする引違い窓500である。 【0075】引違い窓500の窓枠502は、上枠511、下枠512と左右両端の縦枠513とを四角枠状に接合して形成されている。各枠511〜513は、それぞれアルミ製の室外部材511A〜513A、室内部材511B〜513Bと、これらの各部材をそれぞれ連結するウレタン樹脂等で形成された断熱部材511C〜513Cとで構成されたアルミ断熱形材で形成されている。 【0076】上枠511の下面には、第1実施形態と同様に、外レール16、断熱性カバー71、内レール17、網戸レール20が設けられている。また、下枠512の上面にも、第1実施形態と同様に、外レール18、内レール19、網戸レール20が立設され、気密材74A付きの断熱性カバー74や下枠512の室内側露出面を被覆する断熱性カバー72,73が取り付けられている。さらに、縦枠513にも、第1実施形態と同様に、断熱性カバー75,76が取り付けられている。 【0077】窓枠502内に配置される障子506は、室外側に配置された外障子506Aと、室内側に配置された内障子506Bとを備えている。 【0078】外障子506Aは、上框561と、下框563と、竪框565と、外召合せ框(竪框)567とを四角枠状に組んで構成されている。また、内障子506Bは、上框562と、下框564と、竪框566と、内召合せ框(竪框)568とを四角枠状に組んで構成されている。そして、各框561〜568の内周面には、複層ガラス29がガスケット30を介して嵌合されている。 【0079】各框561〜566,568は、複層ガラス29の室外側保持片が形成された室外部材561A〜566A,568Aと、室内側保持片が形成された室内部材561B〜566B,568Bと、室外部材561A〜566A,568Aの室外面を被覆するカバー部材561D〜566Dとの3層構造とされている。なお、下框563,564では、室内部材563B,564Bの下側に、合成樹脂製の第2の室内部材563C,564Cが取り付けられている。また、外召合せ框567は、複層ガラス29を保持する本体567Aと、本体567Aの室外面および側面を被覆するカバー部材567Dとの2層構造とされている。 【0080】ここで、室内部材561B〜566B,568Bと、カバー部材561D〜568Dとは、前記各実施形態で用いられた合成木材と同様の材質のものを押出成形することで製造され、室外部材561A〜566A,568Aおよび本体567Aに係合、ビス、接着剤等の固定手段を用いて固定されている。また、室内部材561B〜566Bは、断面形状および寸法が同一とされている。一方、室外部材561A〜566A,568Aおよび本体567Aは、アルミの押出形材で構成されている。なお、これらの各部材561A〜568Aを合成樹脂(木粉入り樹脂も含む)で構成してもよい。 【0081】このような本実施形態においても、前記各実施形態の(1)〜(8)と同様な作用効果を奏することができる。 (11)さらに、各框561〜568のアルミ製の室外部材561A〜566A,568Aや本体567Aの室外面を合成木材製のカバー部材561D〜568Dで被覆しているので、障子506の室外面を室内面と同様に、木目調にでき、意匠性を向上できる。特に、店舗、別荘等のように、外壁を木や木質調に形成している場合に、サッシ窓部分も同様の木目調にでき、統一された外観にできて意匠を向上できる。その上、合成木は顔料を混入して成形することで、自由に着色できるため、障子506の内外面をユーザーの希望する色調に容易に設定でき、この点でも意匠性を向上できる。 (12)また、金属製の室外部材561A〜566A,568Aや本体567Aが直接外気に触れないため、障子506の断熱性能を向上できる。 【0082】なお、本発明は、前述の各実施形態に限定されない。例えば、本発明の建具枠材としては、前記各実施形態のような障子やドア本体の框材に限らず、窓枠やドア枠の枠材に適用してもよい。例えば、前記各実施形態において、窓枠に取り付けられた断熱性カバーを合成木材で構成してもよいし、アルミで一体成形された上枠、下枠、縦枠や、アルミ形材断熱枠で構成された下枠を、アルミなどの非鉄金属製の室外部材と、合成木材で構成された室内部材とで構成してもよい。すなわち、図11,12に示す縦辷り出し窓600のように、窓枠602において、上枠621および左右の縦枠623を、アルミ製の室外部材621A、623Aと、合成木材製の室内部材621B、623Bとで構成してもよい。この際、障子603の各框131〜133の室内部材131B〜133Bを木製にすれば、窓枠602の室内面との統一感が得られ、縦辷り出し窓600の内観を木質調にして向上できる。さらに、第4実施形態のように、窓枠402の枠材および障子406の框材の両方に、本発明の建具枠材を用いてもよい。 【0083】さらに、本発明の建具枠材としては、前記各実施形態のような、「金属(アルミ)+合成木材(第1〜3実施形態)」、「合成樹脂+合成木材(第4実施形態)」、「合成木材+金属(又は樹脂)+合成木材(第5実施形態)」の構造に限らない。例えば、第1実施形態の下枠12のような、断熱形材(金属+合成樹脂+金属)と合成木材を組み合わせたものや、「金属(アルミ)カバー+合成樹脂+合成木材」、「金属(アルミ)カバー+合成樹脂+金属+合成木材」、「合成樹脂カバー+金属+合成木材」等の構造を有するものでもよく、要するに、一部に合成木材が設けられた建具枠材であればよい。なお、合成樹脂を金属カバーで被覆すれば、樹脂が直接外部に露出することが無くなり、耐候性に劣る合成樹脂を用いた場合でもその劣化を防止できる利点がある。 【0084】さらに、このような建具枠材を用いた建具としては、前記各実施形態の引違い窓1,400,500、縦辷り出し窓100,600、ドア300に限らず、例えば、これら以外の横辷り出し窓、内開き窓、外開き窓、片引き窓、上げ下げ窓、FIX窓、出窓等の各種サッシ窓や、玄関、勝手口、浴室等の各種出入り口に設けられるドアや引き戸に適用してもよい。さらに、建具としては、室内に設けられる障子や襖などに適用してもよい。特に、第5実施形態のように、両面に合成木材が配置されたものを用いれば、障子506の各框の両面を木目調にできるため、特に室内建具に適したものにできる。 【0085】さらに、本発明の建具枠材を窓枠の枠材や、障子の框材として用いる場合に、窓枠や障子のすべての室内面に合成木材製の室内部材が設けられるように構成する必要はない。例えば、図1,2の引違い窓1における外召合せ框67のように、障子6を閉めた際に室内側に露出しない部分には、必ずしも合成木材を配置しなくてもよい。要するに、合成木材は、意匠性の向上という機能も備えているため、枠材や框材のうち、少なくとも室内側に露出する枠材や框材の室内部分に設ければよい。 【0086】また、合成木材を有する本発明の建具枠材を枠組みする場合には、各建具枠材の合成木材の接合面を接合方向に対して斜めに形成することが好ましい。すなわち、図13,14に示すように、竪框65と下框63とを接合する場合に、竪框65の室内部材65Bにおける接合面91と、下框63の室内部材63Bにおける接合面92とを、各框63,65の接合方向に直交する直交面90に対して角度θ1となるように傾斜させることが好ましい。このように接合面91,92を傾斜面とすれば、各框63,65をビス98等で接合する際に、各框63,65が捻れたり、ずれたりすることがなく、かつ各接合面91,92間の隙間を無くしたり、目立ちにくくすることができる。特に、図14に示すように、各合成木材の室内部材63B,65Bを合じゃくり構造で接合する場合のように、一方の室内部材65Bにおいてガラス29を保持する保持片部95を厚さL1、幅W1とした際に、他方の室内部材63Bに厚さL1,幅W1の凹部96を形成すれば、各框63,65をビス98等で接合するだけで、各室内部材63B,65Bを確実に位置合わせでき、室内部材63B,65Bの室内面を面一にすることができて意匠を向上できる。 【0087】また、前記第1実施形態では、下框63,64の室外部材63A,64Aに傾斜面63E,64Eを形成していたが、さらに図15に示すように、傾斜面63E,64Eの上端側に立ち上がり部63F,64Fを形成してもよい。このような立ち上がり部63F,64Fが設けられていれば、水滴が室内部材63B,64B側に流入することをより確実に防止することができ、防水性能をより向上することができる。 【0088】さらに、各窓枠や障子の断熱部材(合成木材や合成樹脂材)以外の部分はアルミやステンレス等の各種金属で形成されていればよく、具体的な材質は設置する建物周りの環境等に応じて適宜選択すればよい。 【0089】また、前記各障子やドア本体には、複層ガラスを配置していたが、単板ガラスを配置してもよく、これらも断熱性能などを考慮して設定すればよい。 【0090】さらに、合成木材の材質としても、前記各実施形態のものに限らない。例えば、木粉としては、木材を粉砕して得られるものに限らず、椰子殻、コーヒーかす、古紙、廃材などのセルロース系材料を粉砕等で粉状にしたものでもよい。さらに、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンまたはポリエチレンに限らず、塩化ビニル樹脂等でもよい。 【0091】さらに、これら木粉および樹脂の配合割合は、その材質や要求する性能、外観などに応じて適宜設定すればよいが、特に、熱可塑性樹脂は70〜30重量%であり、木粉は30〜70重量%であることが好ましい。また、木粉の粒径も、その木粉の材質や要求する性能、外観などに応じて適宜設定すればよいが、特に、10〜300メッシュ、より好ましくは10〜100メッシュの範囲のものであることが好ましい。 【0092】さらに、合成木材は、通常所定の形状に押出成形することで製造されるが、例えば、最終的な断面形状に近い形や矩形等の形で押出成形し、切削加工機等で成形品の表面を削ったりすることで、所定の断面形状に形成してもよい。このように、押出成形後に表面を削ったりして加工すると、表面を加工することで利用される天然木の表面状態により一層近づき、天然木により一層近い質感にすることができる。 【0093】また、前記各実施形態において枠に取り付けられた断熱性カバー71〜76,125〜127,321〜323や、ハンドル取付部材140の材質としては、各種樹脂材が利用できるが、特に木粉を混入して木質感を出した木粉入り樹脂材を用いれば、合成木材を利用した障子との意匠の統一性が得られ、意匠性に優れた建具を提供することができる。 【0094】 【実施例】次に、本発明の効果を確認するために行った実験例につき説明する。この実験例は、建具枠材の室内部材として用いられる合成木材の組成と性能に関して評価したものである。具体的には、合成木材における木粉と熱可塑性樹脂(ポリプロピレンまたはポリエチレン)との配合割合や、木粉粒径等を変えて、アイゾット衝撃値、表面の欠け発生の有無、木質感、外観不揃いの有無、成形加工性について評価した。この実験結果を以下の表1に示す。 【0095】 【表1】
【0096】表1から分かるように、比較例1のように木粉の混合割合が70重量%を越えると、樹脂分が少なくなって押出成形が難しくなり、成形加工性が低下した。また、比較例2のように木粉の割合が30重量%未満になると、木質感が低下して樹脂に近い品質になった。 【0097】また、比較例3,4のように、木粉の粒径が300メッシュを越えると、木粉が小さすぎて木質感が低下し、樹脂に近い質感になった。さらに、比較例4のように、アイゾット衝撃値が2.0KJ/m2以下に低下して表面に欠けが発生する場合もあった。さらに、比較例5,6のように、木粉の粒径が10メッシュ未満になると、樹脂と木粉との均一な混合が難しくなり、外観が不揃いになった。また、木粉が大きいために、木粉自体が割れたり、成形品表面に露出した木粉が成形加工時等に剥がれたりして、表面欠けが発生し易くなり、かつ成形加工性も低くなった。 【0098】これに対し、実験例1〜9のように、木粉の重量%が30〜70重量%であり、木粉の粒径が10〜300メッシュの範囲であれば、アイゾット衝撃値が2.0KJ/m2以上となって表面欠けが発生せず、外観の不揃いも無くなり、かつ木質感や成形加工性も高めることができ、本発明の効果が確認できた。 【0099】 【発明の効果】このような本発明の建具枠材および建具によれば、管理が容易でかつ材質、性能のばらつきを少なくできるとともに、木質感を向上できてコストも低減できるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390005267 【氏名又は名称】ワイケイケイアーキテクチュラルプロダクツ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月11日(2000.10.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079083 【弁理士】 【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−182434(P2001−182434A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−311154(P2000−311154) |
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