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【発明の名称】 防音断熱パネル
【発明者】 【氏名】藤新 成信

【要約】 【課題】一枚のパネルを簡単にウィンドウガラス等のウィンドウパネルに振動しないように取り付けて、防音効果及び断熱効果を向上させる。

【解決手段】ウィンドウパネルWとの間に空間を形成するアクリル板製のパネル本体1と、空間を密閉する塩化ビニル製のフレーム2と、脱着可能な吸盤3により構成され、ウィンドウパネルWの取付面に押圧し、吸盤3によって吸着させると、フレーム2の当接部2bがウィンドウパネルWに密着し、パネル本体1、フレーム2、及びウィンドウパネルWによって囲まれる空間が密閉状態となる。これにより、パネル本体1とウィンドウパネルWの二重窓構造を形成することとなり、ウィンドウパネルWの防音効果及び断熱効果を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウィンドウパネルに取り付ける防音断熱パネルであって、前記ウィンドウパネルとの間に空間を形成するパネル本体と、前記空間を密閉するフレームを備えた防音断熱パネル。
【請求項2】 前記パネル本体またはフレームが、防振材料により形成された請求項1記載の防音断熱パネル。
【請求項3】 前記フレームが、前記パネル本体の周囲の面に嵌合可能に形成された請求項1または2記載の防音断熱パネル。
【請求項4】 前記パネル本体の前記空間を形成する側の面に、前記ウィンドウパネルと吸着させる吸着部材を備えた請求項1から3のいずれかに記載の防音断熱パネル。
【請求項5】 前記吸着部材が、前記ウィンドウパネルに脱着自在な吸盤であることを特徴とする請求項4記載の防音断熱パネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両や建造物のウィンドウガラス等のウィンドウパネルにおいて防音効果及び断熱効果を向上させるための防音断熱パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建造物等において、防音効果及び断熱効果を向上させた二重サッシが用いられることが多くなっている。この二重サッシは二枚のウィンドウガラスの間に空間を設けて貼り合わせたものであり、この空間が密閉されることで防音効果及び断熱効果を得るものである。
【0003】しかしながら、このような二重サッシは既製品であってメーカーにおいて工場で製作されているため、既存の建築物等において用いる場合は、既存のサッシを取り外して交換する作業が必要となる。すなわち、サッシの交換工事が必要となるため、工期がかかり工事費用もかさんでしまう。
【0004】そこで、従来より後付け可能な二重窓が開発されており、例えば、特開平8−40067号公報及び特開平8−165868号公報において開示されている二重窓構造がある。
【0005】特開平8−40067号公報に記載のサンシェードパネル接着による二重窓構造は、ウィンドウガラスとサンシェードパネルとからなる二重窓において、サンシェードパネルの四周に縁部を形成し、さらにこの縁部に形成したフランジ部を介して両面接着テープによりウィンドウガラスに接着するものである。
【0006】一方、特開平8−165868号公報に記載の二重窓構造は、特開平8−40067号公報に記載のものと同様な構造のサンシェードパネルを両面接着テープ及び取付金具、あるいは面ファスナーや吸盤などを用いて窓ガラスに取り付けるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの公報に記載されている二重窓構造においては、パネルの外周を折り曲げてフランジ部のような取付部を設けてウィンドウガラスに接着する構造であるため、一枚のパネルから折り曲げ成形するか、取付部を設けて一体成形しておく必要がある。
【0008】また、そのようにして成形したパネルを単に両面接着テープや取付金具等を用いてウィンドウガラスに接着する構造のため、このパネルのウィンドウガラスへの取付状態による振動の防音性への影響については言及されていない。
【0009】そこで本発明は、一枚のパネルを簡単にウィンドウガラス等のウィンドウパネルに振動しないように取り付けて、防音効果及び断熱効果を向上させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の防音断熱パネルは、ウィンドウパネルに取り付ける防音断熱パネルであって、ウィンドウパネルとの間に空間を形成するパネル本体と、空間を密閉するフレームを備えたものである。これにより、パネル本体は1枚のパネルによって形成することが可能となり、このパネル本体とフレームによって密閉される空間によって二重窓構造とすることができ、防音効果及び断熱効果を向上させることができる。
【0011】ここで、パネル本体またはフレームは、防振材料により形成されるのが望ましい。例えば、パネル本体としては、アクリル板やポリカーボネート板等の透明で軽量なものを用いることができる。一方、フレームは、防振材料としての塩化ビニル、クロロプレン合成ゴムやネオプレンゴム等の柔らかい材料を用いるのが望ましい。
【0012】パネル本体またはフレームがこのような防振材料により形成されることによって、パネル本体及びフレームをウィンドウパネルに取り付けた際、その取付状態によって振動が発生するような場合であっても、パネル本体またはフレームによりその振動を吸収することができ、防音効果を向上させることができる。
【0013】また、フレームは、パネル本体の周囲の面に嵌合可能に形成されるのが望ましい。これにより、パネル本体とウィンドウパネルとの間に形成される密閉された空間はパネル本体のサイズに対して最大となり、パネル本体のサイズを最大限に生かして防音効果及び断熱効果を向上させることができる。さらに、フレームが劣化して防音効果及び断熱効果が減少したときにこのフレームのみを交換することが可能となる。
【0014】ところで、パネル本体の空間を形成する側の面に、ウィンドウパネルと吸着させる吸着部材を備えるのが望ましい。この吸着部材により、ウィンドウパネルにパネル本体を押圧するだけでパネル本体を吸着させて固定することが可能となり、容易に二重窓構造を形成することができる。
【0015】また、吸着部材は、ウィンドウパネルに脱着自在な吸盤であることが望ましい。この吸盤によってパネル本体をウィンドウパネルに取り付けておけば、取り外すことが容易にでき、パネル本体やウィンドウパネルの清掃作業が容易にできるようになる。また、パネル本体そのものの交換もできる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態における防音断熱パネルの断面構成図、図2は図1の防音断熱パネルを空間形成面側からみた斜視図、図3は図1の防音断熱パネルの正面図、図4は図1の防音断熱パネルをウィンドウパネルに取り付けた状態における断面構成図である。
【0017】図に示すように、本発明の実施の形態における防音断熱パネルは、1枚のアクリル板製の四角形状のパネル本体1と、防振材料としての塩化ビニル製のフレーム2と、吸着部材としての脱着可能な吸盤3により構成されている。
【0018】フレーム2はパネル本体1の周囲の面1aに嵌合可能なように凹部2aを備え、パネル本体1の周囲の面1aの四面全体に取り付けられている。この凹部2aによって、フレーム2はパネル本体1から自在に脱着することが可能となり、パネル本体1はそのままでフレーム2のみを交換することが可能である。
【0019】また、フレーム2はウィンドウパネルW(図4参照)に当接して押圧することによりウィンドウパネルWと密着する当接部2bを備えている。この当接部2bの高さAは後述する空間4の幅Bよりも大きくしており、この高さAを変化させることによってフレーム2とウィンドウパネルWの密着の強さを調節することが可能である。
【0020】吸盤3はパネル本体1の空間形成面1bに接着されており、この吸盤3によって、ウィンドウパネルWにパネル本体1を押圧するだけでパネル本体1がウィンドウパネルWに吸着されるため、パネル本体1を固定することが可能となる。また、吸盤3はウィンドウパネルWから容易に取り外すもことができるため、防音断熱パネルをウィンドウパネルWから脱着可能となる。
【0021】このような構成において、図4に示すように、防音断熱パネルを既設のウィンドウパネルWに取り付ける。取り付ける際は、ウィンドウパネルWの取付面上のゴミや汚れなどを除去しておく。そして、防音断熱パネルをウィンドウパネルWの取付面に押圧し、吸盤3によって吸着させる。
【0022】このとき、フレーム2の当接部2bがウィンドウパネルWに密着するため、パネル本体1、フレーム2、及びウィンドウパネルWによって囲まれた幅Bの空間4が密閉状態となる。すなわち、パネル本体1とウィンドウパネルWの二重窓構造を形成することとなり、ウィンドウパネルWの防音効果及び断熱効果を向上させることができる。
【0023】なお、本実施形態における防音断熱パネルをウィンドウパネルWに取り付けた状態において、密閉された空間4内には空気が満たされているが、この空間4内の空気を吸い出して真空に近い状態にすることも可能である。空間4内の空気を吸い出しておけば、空間4内の圧力が外気圧よりも小さくなり、防音断熱パネルとウィンドウパネルWとがより強く吸着される。その結果、フレーム2とウィンドウパネルWとがより強く密着することになり、フレーム2とウィンドウパネルWとの間の振動が抑えられ、防音効果を高めることが可能となる。あるいは、空間4内に透明な樹脂等を充填し、この充填した樹脂によって、防音効果や断熱効果を向上させることも可能である。
【0024】また、フレーム2は、パネル本体1の周囲の面1aに取り付けられているため、パネル本体2とウィンドウパネルWとの間に形成される空間4はパネル本体1のサイズに対して最大となり、パネル本体1のサイズを最大限に生かして防音効果及び断熱効果を向上させることができる。
【0025】さらに、このフレーム2は防振材料を使用しているため、フレーム2をウィンドウパネルWに取り付けたときの状態によって振動が発生するような場合であっても、フレーム2によりその振動を吸収することができ、防音効果を向上させている。
【0026】また、このように1枚のパネル本体1にウィンドウパネルWと密着するフレーム2を取り付けた構造とすることにより、簡単に二重窓構造を形成することが可能となる。さらに、このような構造の防音断熱パネルは、1枚のパネルを任意の形状に切り出してフレーム2を取り付けるだけで製作可能であり、製造コストを下げることができる。また、多様な形状の防音断熱パネルを簡単に製作することも可能である。
【0027】この防音断熱パネルは、吸着部材としてウィンドウパネルWに脱着自在な吸盤3によって取り付けており、パネル本体1やウィンドウパネルWの清掃作業の際は簡単に取り外すことができる。
【0028】なお、本実施形態においては、吸着部材として脱着自在な吸盤3によってパネル本体1をウィンドウパネルWに取り付ける構造としているが、その他の吸着性のある部材を用いることも可能である。
【0029】また、このような吸着部材を用いずに、フレーム2をウィンドウパネルWに両面接着テープや面ファスナー等を用いて接着することもできる。このとき、防音断熱パネルを取り外すことがないのであれば、接着剤を用いて接着しておくこともできる。
【0030】一方、フレーム2はパネル本体1の周囲の面1aに嵌合可能な凹部2aを設けて脱着可能としているが、このような凹部2aを設けることなくパネル本体の周囲の面1aに接着剤や両面接着テープなどを用いて固定しておくこともできる。
【0031】また、本実施形態における防音断熱パネルをウィンドウパネルWに取り付けた際、図4に示すように、防音断熱パネルの高さがウィンドウパネルWのフレームFから飛び出さないようにフレーム2の高さを調節するのが望ましい。これにより、本実施形態における防音断熱パネルをスライド式の開閉窓に適用した場合でも、その開閉に支障をきたすことがなく、防音断熱パネルのウィンドウパネルWへの取り付けが容易となる。
【0032】また、フレーム2をパネル本体1の周囲の面1aに取り付けずに、図5に示すように、パネル本体1の空間形成面1b上にフレーム5を形成して、ウィンドウパネルW、パネル本体1、及びフレーム5によって密閉された空間4を形成することもできる。このフレーム5の断面形状は、図5に示すような四角形や台形、あるいは円形や楕円形などとすることもでき、フレーム5とウィンドウパネルWが密着するような形状とすればよい。
【0033】ところで、吸盤3等の吸着部材の取付位置及び取付箇所は、図に示したように、パネル本体1の空間形成面1b上のフレーム2の内側の四隅に1個ずつ設けているが、この取付位置及び取付箇所に限らず、中心部に1個だけ設ける構成としたり、別の位置に複数個設ける構成とすることもできる。
【0034】あるいは、図6に示すように、吸盤3等の吸着部材をフレーム5よりも外側に設けて、密閉された空間4の外部でウィンドウパネルWと吸着させる構成とすることもできる。もちろん、この場合においても密閉された空間4内にさらに吸盤3を設けておくこともできる。
【0035】
【発明の効果】本発明により、以下の効果を奏することができる。
【0036】(1)ウィンドウパネルとの間に空間を形成するパネル本体と、空間を密閉するフレームを備えることにより、パネル本体は1枚のパネルによって簡単に形成することが可能となり、このパネル本体とフレームによって密閉される空間によって二重窓構造とすることができ、防音効果及び断熱効果を向上させることができる。また、このような構造の防音断熱パネルは、1枚のパネルを切り出してフレームを取り付けるだけで製作可能であり、製造コストを下げることができる。さらに、パネルを任意形状に切り出すことにより多様な形状の防音断熱パネルを簡単に製作することが可能であり、デザイン性を向上させることも可能となる。
【0037】(2)パネル本体またはフレームが防振材料により形成されることにより、パネル本体及びフレームをウィンドウパネルに取り付けた際、その取付状態によって振動が発生するような場合であっても、パネル本体またはフレームによりその振動を吸収することができ、防音効果を向上させることができる。
【0038】(3)フレームが、パネル本体の周囲の面に嵌合可能に形成されることにより、パネル本体とウインドウパネルとの間に形成される密閉された空間はパネル本体のサイズに対して最大となり、パネル本体のサイズを最大限に生かして防音効果及び断熱効果を向上させることができる。さらに、フレームが劣化して防音効果及び断熱効果が減少したときにこのフレームのみを交換することが可能となり、リサイクル性が向上して環境に対する影響を少なくすることが可能となる。
【0039】(4)パネル本体の空間を形成する側の面に、ウィンドウパネルと吸着させる吸着部材を備えることにより、ウィンドウパネルにパネル本体を押圧するだけでパネル本体を固定することが可能となり、容易に二重窓構造を形成することができる。したがって、取付作業に特別な技術を必要とせず、一般の人でも容易に防音断熱パネルをウィンドウパネルに取り付けることができる。
【0040】(5)吸着部材は、ウィンドウパネルに脱着自在な吸盤であることにより、取り外すことが容易にでき、パネル本体やウィンドウパネルの清掃作業が容易にできるようになる。また、パネル本体そのものの交換もできる。
【出願人】 【識別番号】597087099
【氏名又は名称】日章工業株式会社
【出願日】 平成11年12月10日(1999.12.10)
【代理人】 【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
【公開番号】 特開2001−164843(P2001−164843A)
【公開日】 平成13年6月19日(2001.6.19)
【出願番号】 特願平11−352414