| 【発明の名称】 |
リニアモータ式自動扉の衝突判定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】水野 光政
【氏名】斎藤 潤
【氏名】堀 宏展
【氏名】▲濱▼本 惠章
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| 【要約】 |
【課題】速度測定器などの追加装置を用いずに衝突判定を短時間で行う。
【解決手段】扉6の位置を検出する位置センサブロック3と、位置センサブロック3の出力から扉6の移動速度を算出して扉6の移動速度を目標速度と略一致させるように制御する制御部43と、扉6の衝突判定のための種々の閾値等を記憶する記憶部45とを備える。扉6が障害物に衝突した場合には扉6の移動速度Vが急激に低下することから、扉6の移動速度Vが目標速度の加速時、減速時並びに等速時にそれぞれ対応した所定の閾値を越えたか否かで扉6の衝突の有無を判定することができる。そのために加速時計による加速度の測定や速度測定器を用いた加速度の算出が不要となり、加速時計や速度測定器等の追加装置を用いずに衝突判定を短時間で行うことができ、しかも、衝突による扉6の跳ね返りがなくても衝突判定を行うことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 位置センサにより鴨居に対する扉の位置を検出し、検出した位置の変化量から扉の移動距離を算出し、算出された移動距離及び移動に要した時間から扉の移動速度を計算し、扉の位置と移動速度に基づいて扉を移動させるリニアモータの出力を制御して扉の移動速度を目標速度に略一致させながら扉を開閉する自動扉の扉が障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定方法において、扉の移動速度が、目標速度の加速時、減速時並びに等速時にそれぞれ対応した所定の閾値を越えたか否かで扉の衝突を判定することを特徴とするリニアモータ式自動扉の衝突判定方法。 【請求項2】 衝突判定用到達速度閾値と、衝突判定用到達速度閾値よりも低い値の衝突判定速度閾値とを予め設定し、扉の移動速度が衝突判定用到達速度閾値に到達した後に衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定することを特徴とする請求項1記載のリニアモータ式自動扉の衝突判定方法。 【請求項3】 目標速度の加速時及び等速時において、互いに異なる複数の衝突判定用到達速度閾値及び衝突判定速度閾値をそれぞれ設定し、扉の移動速度が何れかの衝突判定用到達速度閾値に到達した後に当該衝突判定用到達速度閾値に対応した衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定することを特徴とする請求項2記載のリニアモータ式自動扉の衝突判定方法。 【請求項4】 目標速度の加速時において、加速中における扉の移動速度から当該移動速度よりも低い値の衝突判定速度閾値を順次算出し、扉の移動速度が各移動速度に対応して算出された衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定することを特徴とする請求項1記載のリニアモータ式自動扉の衝突判定方法。 【請求項5】 扉を停止状態から始動した直後において、始動時点から所定の判定時間が経過するまでの間に扉の移動速度が所定の始動判定速度閾値を越えなければ扉が障害物に衝突した判定することを特徴とする請求項3又は4記載のリニアモータ式自動扉の衝突判定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータを駆動源として扉を開閉する自動扉に関し、扉が障害物に衝突したか否かを判定するリニアモータ式自動扉の衝突判定方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図3は本発明者らが既に提案しているリニアモータ式自動扉の全体構成を示しており、引き戸式の扉6の上部に永久磁石21を具備する可動子2を取り付け、外枠5の一部を構成して扉6の上部を保持する鴨居51に、可動子2と対向するように固定子1を設けている。また、鴨居51には後述する制御回路ブロック4が配設されている。なお、外枠5は鴨居51を上枠とし、鴨居51の両端部に設けられて縦枠となる方立52と、鴨居51と対向するように建物の床面に設置されて下枠となる敷居53とで構成される。而して、扉6は鴨居51と敷居53により長手方向に移動可能なように略保持され、鴨居51と2つの方立52と敷居53に四方を囲まれた範囲内で移動可能となる。 【0003】ここで、扉6を移動させるリニアモータは、図4に示すように、コイル11及び鉄心12からなり進行方向に沿って複数個配列された電磁石、各電磁石を磁気的に結合する固定子ヨーク13で構成される固定子1と、進行方向に沿って複数の磁極が交互に異極となるように電磁石と対向して配設された永久磁石21、永久磁石21の磁極22同士を磁気的に結合する可動子ヨーク23で構成される可動子2と、固定子1に対する可動子2の相対的な位置を検出する複数の位置センサ31を具備した位置センサブロック3と、永久磁石21との相互作用により可動子2を移動させる推力を生じさせるように位置センサブロック3により検出した可動子2の位置に応じたタイミングで各コイル11への通電を制御する制御回路ブロック4とを備えている。 【0004】固定子ヨーク13は軟磁性材料により可動子2の移動方向に沿った長尺形状に形成され、電磁石を固着するための複数の穴(図示せず)が一定間隔で列設されている。また、コイル11は合成樹脂等の絶縁性材料により形成されたコイルボビン14の周囲に巻回されており、このコイルボビン14の中央部に設けた円筒形の貫通穴に鉄心12を挿着することで電磁石が構成されている。そして、このように構成された複数個の電磁石を、固定子ヨーク13に設けた上記穴に鉄心12の一端側に突設した突起を嵌合し、かしめ等の適宜の方法で固着することによって固定子1が構成してある。なお、コイル11の相数は3相としてあり、これらのコイル11をY結線し、2相ずつ通電する方式を採用している。 【0005】可動子2を構成する永久磁石21は移動方向において複数の磁極22が交互に異極になるように設けられており、隣接する磁極22の間の距離(間隔)は一定(=L[mm])となっている。この可動子2は1つの磁性体に複数の磁極22ができるように着磁して形成するか、複数個の永久磁石を可動子ヨーク23に取り付けることによって形成される。なお、複数個の永久磁石を可動子ヨーク23に取り付けた構造においては、各永久磁石がそれぞれ1つの磁極を構成する。 【0006】ここで、固定子1において隣接する一対の電磁石間の距離(間隔)を一定(=5L/3[mm])として配列してあり、さらに可動子2の長さと移動距離に応じた一定間隔毎に、電磁石の間隔を上記一定距離5L/3よりも永久磁石21の磁極22の2極分(=2L)だけ広くした空間が設けてあって、この空間に位置センサブロック3が配置される(図4参照)。 【0007】位置センサブロック3は、プリント基板32上に位置センサ31を3個配置してなり、絶縁材料製のスペーサ33を介して固定子ヨーク13にネジ止め等により固着されている。位置センサ31として、磁極22が切り替わる時点でホール素子のアナログ出力がハイレベルとローレベルに切り替えるようにした回路をホール素子に一体化したホールICを用いている。この位置センサブロック3はスペーサ33を介して固定子ヨーク13にネジ止め等により固着されており、スペーサ33によって鉄心12とほぼ同じ高さに配置されている。 【0008】一方、制御回路ブロック40は、図5に示すように直流電源から成る電源部41と、例えば逆起防止用ダイオードDが逆並列に接続された6つのスイッチ素子Qのブリッジ回路で構成されコイル11の各相(U相、V相、W相の3相)を切り換える出力部42と、出力部42の各スイッチ素子Qをスイッチング制御する制御部43と、制御部43に対して扉6の移動を開始させるための起動信号を出力する起動スイッチ44と、後述する衝突判定用の閾値等を記憶するための不揮発性メモリ(EEPROM)からなる記憶部45とを備えている。また、制御部43は、例えばCPUを主構成要素とし、起動スイッチ44が閉成されてCPUの入力ポートに起動信号が入力されると、位置センサ31からの位置検出信号を入力し、所定のプログラムに基づいて出力部42のスイッチ素子Qを順次オンオフする。この制御回路ブロック40により、固定子1の3相のコイル11の内の2つの相のコイル11に常時電流を流すことにより、永久磁石21を有する可動子2との間で可動子2の長手方向に沿って移動する進行磁界を発生し、この進行磁界によって永久磁石21との間で大略直線的な長手方向に向けて移動し得る推力を得ることができる。 【0009】ところで、位置センサブロック3は本来コイル11の各相を切り替えるタイミングを検出するためのものであって、図6(a)〜(c)に示すようにU,V,Wの各相に対応した3個の位置センサ31から出力されるパルス状の信号を検出信号として出力している。而して、各位置センサ31の検出信号のパターンがL/3[mm]毎に切り替わるため、制御部43においては何れかの相の検出信号の立ち上がりに同期して立ち上がるとともに何れかの相の検出信号の立ち下がりに同期して立ち下がるようなパルス信号を作成して位置検出信号としている(図6(d)参照)。すなわち、永久磁石21の隣接する磁極22の間隔は一定(=L[mm])であるから、上記位置検出信号のパルス数をカウントすることにより基準位置(例えば、扉6の全開位置又は全閉位置)からの移動距離として扉6の位置を知ることができる。但し、何れの位置センサ31の検出信号も変化しない範囲では扉6の移動を知ることができないから、位置検出の精度はL/3[mm]となる。 【0010】また、起動スイッチ44は扉6を動作させるためのトリガ信号(起動信号)を出力するスイッチで、人が操作する押釦スイッチやワイヤレスリモコン、あるいは検知エリア内の人の存非を検知して上記起動信号(検知信号)を出力する人体検知センサ等の種々の構成が可能である。 【0011】ところで、固定子1において位置センサブロック3に隣接する電磁石以外は、隣接する各一対の電磁石の間隔を一定として配列してあり、また、可動子2の磁極22の間隔も一定としてある。可動子2の磁極22の1極分の長さがL[mm]であり、電磁石を一定ピッチで配置してある部位における電磁石間の距離は、5L/3になるように構成してある。また、位置センサブロック3における隣接した位置センサ31同士の間隔を2L/3としてある。 【0012】図4におけるU,V,Wの記号は各電磁石(コイル11)の相(励磁相)を示している。ここで、マイナス(−)が付加されている相のコイル11は、マイナスが付加されていない同相のコイル11と巻線方向が逆向きになっていることを意味している。例えば、Uに対応するコイル11に上から見て右回りに通電されるときは、−Uに対応するコイル11には左回りに通電される。つまり、コイル11の巻方向を同じ向きにしておけば、図示例ではコイル11をU,−V、W、−U、V、−Wの順で配列してあり、これらのコイル11を2相ずつ順次通電することにより、U,V→V,W→W,U→U,Vというように循環的に通電する。また、それぞれのコイル11はY結線されていることから、マイナスが付加されていないもの同士またはマイナスが付加されているもの同士の2相は逆向きに通電される。例えば、図4においてU,Wが励磁されるときに、Uに対応するコイル11とWに対応するコイル11とは逆向きに通電される。言い換えると、固定子1において隣接している2個ずつのコイル11が同時に同じ向きに通電され、通電されている2個のコイル11の組の左右に隣接しているコイル11には通電されず、通電されないコイル11を挟んで左右両側のコイル11の組は互いに逆向きに通電されることになる。 【0013】ここで、制御部43の速度制御について簡単に説明する。例えば、記憶部45には図7に示すように加速時、等速時、減速時等における移動速度の目標値(目標速度)が予め記憶させてあり、制御部43では、実際の扉6の移動速度が記憶部45から読み出した目標速度に略一致するように出力部42の各スイッチ素子Qのデューティ比を可変している。具体的には制御部43のCPUから与えられるデューティ指令値に応じてスイッチ素子Qのデューティ比が決定される。すなわち、制御部43のCPUは位置検出信号のパルス幅t[秒]を計測し、このパルス幅tと位置検出信号のパターンの切り替わりピッチL/3[mm]からL/(3t)[mm/秒]として扉6の移動速度を算出し、算出した移動速度と目標速度との差(偏差)を求め、例えば、今回までのサンプリングで求めた偏差に対してそれぞれの偏差の値に応じた制御ゲイン(一般的なPI制御における比例ゲイン)を乗算した値を加算して得た新たなデューティ指令値に応じてスイッチ素子Qのデューティ比を可変することにより、偏差を減少させて扉6の移動速度を目標速度に略一致させるように制御している。なお、各偏差に応じた制御ゲインは予め記憶部45に記憶させてある。 【0014】ここで、図7に示した移動速度の目標速度を示す曲線(以下、「速度カーブ」という)は、等速時の目標速度V2まで加速し、目標速度V2で一定時間等速動作した後、終端手前で一旦停止するように減速し、終端までの残りの距離を低速で徐行動作する事を示している。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】ところで、移動中の扉6が人や物等の障害物に衝突した場合には安全のために直ちに扉6を停止するか、あるいは閉じている途中で衝突すれば開くというように衝突前の移動方向と逆方向に移動する反転動作(いわゆるセーフティリターン)を行う必要がある。例えば、衝突の際には扉6に移動方向と逆方向の大きな加速度が発生するため、扉6の加速度を測定し、その大きさから衝突を検出することで、衝突を素早く判定し、いち早く反転動作に移行することができる。但し、上記加速度を検出するために加速度計又は速度計を用いず、扉6の位置測定のみから加速度を測定するためには、任意の2点間の通過時間から扉6の移動速度を計算し、その移動速度を2回測定して各移動速度の差分を加速度として用いる方法が一般的に用いられており、この方法では加速度を求めるために最低でも3点の位置測定が必要となる。 【0016】しかしながら、扉6の駆動源としてリニアモータのように位置の検出精度が数mm程度のモータを使用している場合、加速度を測定するためには3点の位置計測を行ってその変化量を測定する必要があるため、加速度変化の測定に数cmの移動距離が必要となり、速度検出器や加速度検出器を使用せずに加速度の大きさから衝突検出を行うことは困難である。例えば、磁極22の1極分の長さLを24[mm]とした場合、扉6の位置の検出精度は24÷3=8[mm]となるため、速度検出には8〜16[mm]、加速度検出には16〜24[mm]の移動距離が必要となる。しかも、衝突判定の精度向上のために位置検出の回数を増やせばさらに扉6の移動距離が必要となるため、加速度による衝突判定では十分な安全性を確保することができない。 【0017】したがって、従来のリニアモータ式自動扉では、特開平4−319191号公報に記載されているように速度検出器及び速度検出器の出力の微分器を用いて加速度を算出して衝突検出に用いる方法や、特開平10−25965号公報に記載されているように、扉が障害物に衝突した際に跳ね返って逆方向に動くことを位置検出により検出して衝突と判定する方法が用いられていた。しかし、これらの方法では加速度を検出するために別の装置が必要であるか、あるいは加速度を判定に使用しない場合は衝突時に扉が跳ね返らねば判定することができず、衝突判定までに時間がかかるなど、安全面で問題があった。 【0018】本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、加速度の変化を測定するのに長い距離と時間を必要とする位置検出精度の粗いリニアモータを使用したリニアモータ式自動扉において、速度測定器などの追加装置を用いずに衝突判定を短時間で行えるリニアモータ式自動扉の衝突判定方法を提供することにある。 【0019】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記目的を達成するために、位置センサにより鴨居に対する扉の位置を検出し、検出した位置の変化量から扉の移動距離を算出し、算出された移動距離及び移動に要した時間から扉の移動速度を計算し、扉の位置と移動速度に基づいて扉を移動させるリニアモータの出力を制御して扉の移動速度を目標速度に略一致させながら扉を開閉する自動扉の扉が障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定方法において、扉の移動速度が、目標速度の加速時、減速時並びに等速時にそれぞれ対応した所定の閾値を越えたか否かで扉の衝突を判定することを特徴とし、扉が障害物に衝突した場合には扉の移動速度が急激に低下することから、扉の移動速度が所定の閾値を越えたか否かで衝突の有無を判定することができる。そのため、加速時計による加速度の測定や速度測定器を用いた加速度の算出が不要となり、加速時計や速度測定器等の追加装置を用いずに衝突判定を短時間で行うことができる。 【0020】請求項2の発明は、請求項1の発明において、衝突判定用到達速度閾値と、衝突判定用到達速度閾値よりも低い値の衝突判定速度閾値とを予め設定し、扉の移動速度が衝突判定用到達速度閾値に到達した後に衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定することを特徴とし、障害物に衝突した扉が停止する前にも衝突判定を行うことができる。 【0021】請求項3の発明は、請求項2の発明において、目標速度の加速時及び等速時において、互いに異なる複数の衝突判定用到達速度閾値及び衝突判定速度閾値をそれぞれ設定し、扉の移動速度が何れかの衝突判定用到達速度閾値に到達した後に当該衝突判定用到達速度閾値に対応した衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定することを特徴とし、移動中の到達速度に応じて衝突判定速度閾値を切り替えることにより、加速中にも移動速度の比較のみによる衝突判定を行うことができる。 【0022】請求項4の発明は、請求項1の発明において、目標速度の加速時において、加速中における扉の移動速度から当該移動速度よりも低い値の衝突判定速度閾値を順次算出し、扉の移動速度が各移動速度に対応して算出された衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定することを特徴とし、扉の加速中の衝突判定を段階的に区切った場合と比較して衝突判定をより素早く行うことができる。 【0023】請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、扉を停止状態から始動した直後において、始動時点から所定の判定時間が経過するまでの間に扉の移動速度が所定の始動判定速度閾値を越えなければ扉が障害物に衝突した判定することを特徴とし、扉を停止状態から始動した直後においても衝突判定が行える。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の衝突判定方法を実施形態により詳細に説明する。但し、本発明に係る衝突判定方法を実現するリニアモータ式自動扉は、従来技術で説明した本発明者らが提案済みのものと同一の構成を有しているので、その構成については同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。 【0025】従来例でも説明したように制御回路ブロック4の記憶部45には、図1に示すように加速時、等速時、減速時等における目標速度を示す速度カーブが予め記憶させてあり、制御部43では、実際の扉6の移動速度が記憶部45から読み出した目標速度の速度カーブに略一致するように出力部42の各スイッチ素子Qのデューティ比を可変している。ここで、扉6の移動速度Vは位置検出信号のパルス幅t[秒]と位置検出信号のパターンの切り替わりピッチL/3[mm]からV=L/(3t)[mm/秒]として算出される。但し、低速度に対応するためにパルス幅tに上限値tmaxを設けておき、パルス幅tが上限値tmaxを越える場合には移動速度Vをゼロとする。従って、扉6が停止状態から移動を開始するときには、最初の位置検出信号のパルスでは移動速度Vの計算はできないため、移動速度V0を0[mm/秒]とする。その後、扉6がさらに移動して位置検出信号が得られたときに移動速度Vが算出される。 【0026】ここで本実施形態では、図1に示すように等速時の目標速度V2(衝突判定用到達速度閾値)よりも低い衝突判定速度閾値V2’と、この衝突判定速度閾値V2’よりも低い値であって、停止状態から扉6を始動した場合における加速時の始動判定速度閾値V1(衝突判定用到達速度閾値)と、始動判定速度閾値V1よりも低い衝突判定速度閾値V1’とが予め記憶部45に設定してある。 【0027】次に、図1及び図2のフローチャートを参照して、扉6の始動から減速(ブレーキ処理)までの間における扉6の衝突判定方法を説明する。制御部43は起動スイッチ44が閉成されて起動信号が入力されると、位置センサ31からの位置検出信号を入力するとともにCPUの内蔵タイマにより時間tを計時し(ステップ1)、所定のプログラムに基づいて出力部42のスイッチ素子Qを順次オンオフすることで扉6を移動させる。そして、制御部43は扉6を停止状態から始動した直後において始動時点から所定の判定時間t1が経過するまでの間に扉6の移動速度Vが始動判定速度閾値V1を越えるか否かを監視しており(ステップ2及びステップ3)、判定時間t1内に移動速度Vが始動判定速度閾値V1を越えれば正常に扉6が始動したものと判断して始動直後の動作判定処理を終了し、第2段階として加速中の衝突判定処理に移行する。一方、判定時間t1内に移動速度Vが始動判定速度閾値V1を越えなければ、扉6が障害物に衝突したと判定して反転動作等の安全上必要な動作(以下、「衝突後動作」という)を行う(ステップ9)。 【0028】加速中の衝突判定処理において、制御部43は扉6の移動速度Vが始動判定速度閾値V1よりも低い値に設定された衝突判定速度閾値V1’を下回るか否かを監視しており(ステップ4)、移動速度Vが衝突判定速度閾値V1’を下回ることなく等速時の目標速度V2に達すると加速中の衝突判定処理を終了し、第3段階として等速移動中の衝突判定処理に移行する(ステップ5)。一方、移動速度Vが衝突判定速度閾値V1’を下回れば、扉6が障害物に衝突したと判定して衝突後動作を行う(ステップ9)。 【0029】等速動作中の衝突判定処理では、制御部43は扉6の移動速度Vが目標速度(衝突判定用到達速度閾値)V2よりも小さく且つ加速時の衝突判定速度閾値V1’よりは大きい等速動作中の衝突判定速度閾値V2’を下回るか否かを監視するとともに(ステップ6)、扉6がブレーキ開始位置(減速開始位置)に到達したか否かを監視している(ステップ7)。そして、制御部43は扉6が衝突判定速度閾値V2’を下回ることなくブレーキ開始位置に到達すれば、等速移動中の衝突判定処理を終了してブレーキ処理に移行する(ステップ8)。一方、ブレーキ開始位置に到達するまでに移動速度Vが衝突判定速度閾値V2’を下回れば、扉6が障害物に衝突したと判定して衝突後動作を行う(ステップ9)。 【0030】而して、扉6が障害物に衝突した場合には扉6の移動速度Vが急激に低下することから、扉6の移動速度Vが目標速度の加速時、減速時並びに等速時にそれぞれ対応した所定の閾値を越えたか否かで扉6の衝突の有無を判定することができる。そのために加速時計による加速度の測定や速度測定器を用いた加速度の算出が不要となり、加速時計や速度測定器等の追加装置を用いずに衝突判定を短時間で行うことができ、しかも、衝突による扉6の跳ね返りがなくても衝突判定を行うことができる。また、衝突判定用到達速度閾値V1,V2と、衝突判定用到達速度閾値V1,V2よりも低い値の衝突判定速度閾値V1’,V2’とを予め設定し、扉6の移動速度Vが衝突判定用到達速度閾値V1,V2に到達した後に衝突判定速度閾値V1’,V2’を下回れば、扉6が障害物に衝突したと判定するようにしているから、障害物に衝突した扉6が停止する前にも衝突判定を行うことができ、衝突時に反転動作等の安全処置を直ちに行うことができて安全性の向上が図れるという利点がある。 【0031】さらに本実施形態では、目標速度の加速時及び等速移動時において、互いに異なる複数の衝突判定用到達速度閾値V1,V2及び衝突判定速度閾値V1’,V2’をそれぞれ設定し、扉6の移動速度Vが何れかの衝突判定用到達速度閾値V1,V2に到達した後に衝突判定用到達速度閾値V1,V2に対応した衝突判定速度閾値V1’,V2’を下回れば、扉6が障害物に衝突したと判定しているので、移動中の到達速度に応じて衝突判定速度閾値V1’,V2’を切り替えることにより、加速中にも移動速度Vの比較のみによる衝突判定を行うことができるとともに、各段階で適切な衝突判定速度閾値V1’,V2’を設定して衝突により扉6が停止したり跳ね返りが起こる前に衝突判定を行うことができ、安全性の向上が図れるという利点がある。しかも、加速中に到達した移動速度Vによって衝突判定速度閾値V1’,V2’を変更することにより、加速中の低速状態を衝突と誤判定することを防ぐことができるという利点がある。なお、本実施形態では加速中と等速移動中の2段階のみに状態を分割したが、目標速度をさらに多くの段階に設定し、それに対応して衝突判定速度閾値も細かく分けて設定することで、より早く誤動作のない衝突判定を行うことができる。 【0032】また、本実施形態では扉6を停止状態から始動した直後において、始動時点から所定の判定時間t1が経過するまでの間に扉6の移動速度Vが所定の始動判定速度閾値V1を越えなければ、障害物によって扉6の移動が妨げられている、すなわち扉6が障害物に衝突した判定し、扉6を停止状態から始動した直後においても衝突判定が行えるようにしている。 【0033】ところで、加速中における扉6の移動速度Vから移動速度Vよりも低い値の衝突判定速度閾値を順次算出し、扉6の移動速度Vが各移動速度Vに対応して算出された衝突判定速度閾値を下回れば扉6が障害物に衝突したと判定するようにしてもよい。このようにすれば、扉6の加速中の衝突判定を段階的に区切る場合に比較して衝突判定速度閾値がより細かく連続的に設定されることになり、衝突判定をより素早く行うことができるとともに、加速中の低速状態における誤判定をさらに減少することができるという利点がある。 【0034】 【発明の効果】請求項1の発明は、位置センサにより鴨居に対する扉の位置を検出し、検出した位置の変化量から扉の移動距離を算出し、算出された移動距離及び移動に要した時間から扉の移動速度を計算し、扉の位置と移動速度に基づいて扉を移動させるリニアモータの出力を制御して扉の移動速度を目標速度に略一致させながら扉を開閉する自動扉の扉が障害物に衝突したか否かを判定する衝突判定方法において、扉の移動速度が、目標速度の加速時、減速時並びに等速時にそれぞれ対応した所定の閾値を越えたか否かで扉の衝突を判定するので、扉が障害物に衝突した場合には扉の移動速度が急激に低下することから、扉の移動速度が所定の閾値を越えたか否かで衝突の有無を判定することができ、そのために加速時計による加速度の測定や速度測定器を用いた加速度の算出が不要となり、加速時計や速度測定器等の追加装置を用いずに衝突判定を短時間で行うことができ、しかも、衝突による扉の跳ね返りがなくても衝突判定を行うことができるという効果がある。 【0035】請求項2の発明は、請求項1の発明において、衝突判定用到達速度閾値と、衝突判定用到達速度閾値よりも低い値の衝突判定速度閾値とを予め設定し、扉の移動速度が衝突判定用到達速度閾値に到達した後に衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定するので、障害物に衝突した扉が停止する前にも衝突判定を行うことができ、衝突時に反転動作等の安全処置を直ちに行うことができて安全性の向上が図れるという効果がある。 【0036】請求項3の発明は、請求項2の発明において、目標速度の加速時及び等速時において、互いに異なる複数の衝突判定用到達速度閾値及び衝突判定速度閾値をそれぞれ設定し、扉の移動速度が何れかの衝突判定用到達速度閾値に到達した後に当該衝突判定用到達速度閾値に対応した衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定するので、移動中の到達速度に応じて衝突判定速度閾値を切り替えることにより、加速中にも移動速度の比較のみによる衝突判定を行うことができるとともに、各段階で適切な衝突判定速度閾値を設定して衝突により扉が停止したり跳ね返りが起こる前に衝突判定を行うことができ、安全性の向上が図れるという効果がある。また、加速中に到達した移動速度によって衝突判定速度閾値を変更することにより、加速中の低速状態を衝突と誤判定することを防ぐことができるという効果がある。 【0037】請求項4の発明は、請求項1の発明において、目標速度の加速時において、加速中における扉の移動速度から当該移動速度よりも低い値の衝突判定速度閾値を順次算出し、扉の移動速度が各移動速度に対応して算出された衝突判定速度閾値を下回れば扉が障害物に衝突したと判定するので、請求項3の発明と比較して衝突判定速度閾値がより細かく連続的に設定されることになり、衝突判定をより素早く行うことができるとともに、加速中の低速状態における誤判定をさらに減少することができるという効果がある。 【0038】請求項5の発明は、請求項3又は4の発明において、扉を停止状態から始動した直後において、始動時点から所定の判定時間が経過するまでの間に扉の移動速度が所定の始動判定速度閾値を越えなければ、扉が障害物に衝突した判定するので、扉を停止状態から始動した直後においても衝突判定が行えるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月9日(2000.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−349142(P2001−349142A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【出願番号】 |
特願2000−173952(P2000−173952) |
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