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【発明の名称】 開閉装置の通信システム及び伝送装置
【発明者】 【氏名】菊谷 一夫

【氏名】高井 邦治

【要約】 【課題】仕様の異なる非開閉体側通信装置と開閉体側通信装置の間に互換性を付与する。

【解決手段】開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置との間の通信を中継する伝送装置であって、前記開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置の間の少なくとも一方向について、通信信号を受信する受信手段と、少なくとも当該一方向について、通信信号を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置との間の通信を中継する伝送装置であって、前記開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置の間の少なくとも一方向について、通信信号を受信する受信手段と、少なくとも当該一方向について、通信信号を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする伝送装置。
【請求項2】 請求項1の伝送装置において、前記送信手段は、前記受信手段が前記非開閉体側通信装置から受信した通信信号を、少なくとも情報内容の伝達性を保持しつつ仕様変換して、前記開閉体側通信装置に対応した通信信号を生成し、および/または、前記受信手段が前記開閉体側通信装置から受信した通信信号を、少なくとも情報内容の伝達性を保持しつつ仕様変換して、前記非開閉体側通信装置に対応した通信信号を生成する変換処理手段を備えることを特徴とする伝送装置。
【請求項3】 請求項2の伝送装置において、前記仕様変換元である通信信号の仕様および仕様変換先である通信信号の仕様のうち、少なくともいずれか一方を複数とすることを特徴とする伝送装置。
【請求項4】 請求項2の伝送装置において、前記変換処理手段は、前記通信信号の周波数を目的周波数に変換する周波数変換部、前記通信信号の変調方式を目的変調方式に変換する変調方式変換部、前記通信信号のフォーマットを目的フォーマットに変換するフォーマット変換部のうち、いずれかの変換部を備えていることを特徴とする伝送装置。
【請求項5】 請求項2の伝送装置において、前記非開閉体側通信装置は、単一の電波工学的仕様および論理的仕様を持つ通信信号を通信する通信機能しか装備しておらず、なおかつ、前記開閉体側通信装置は、単一の電波工学的仕様および論理的仕様を持つ通信信号を通信する通信機能しか装備していないことを特徴とする伝送装置。
【請求項6】 請求項2の伝送装置において、前記仕様変換の対象となる仕様項目のうち、一部の仕様項目は、前記非開閉体側通信装置と当該非開閉体側通信装置に対応した開閉体側通信装置との間の通信を改善することを目的として設定された目的仕様項目であり、その他の仕様項目は、当該目的仕様項目の設定に追従して設定された追従仕様項目であることを特徴とする伝送装置。
【請求項7】 請求項2の伝送装置において、前記変換処理手段は、前記通信信号の情報内容の伝達性を保持するためにコード変換を実行するコード変換部を備えたことを特徴とする伝送装置。
【請求項8】 請求項2の伝送装置において、前記変換処理手段は、前記通信信号を受信して増幅処理を施すことで、前記仕様変換を実行する増幅処理部を備えたことを特徴とする伝送装置。
【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの伝送装置と、開閉体側通信装置と、非開閉体側通信装置とを備え、前記通信信号として無線信号を用いる開閉装置の通信システムであって、前記伝送装置の通信信号が到達する到達領域内には、1又は複数の前記開閉体側通信装置が設置されていることを特徴とする開閉装置の通信システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は開閉装置の通信システムに関し、例えば、シャッター、ドア、窓、オーバーヘッドドア、門扉、ゲート(駐車場などのゲート)、ロールスクリーン(例えば遮光幕)、ブラインド、オーニング装置等の遠隔操作システム(リモコンシステム)などに適用し得るものである。
【0002】また、本発明は、かかる通信システムの構成要素としての伝送装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】開閉体の開閉をリモコン送信機を用いて無線通信により指示できるようにした開閉装置も多く提案されている。例えば、ガレージ用シャッターにおいては、ユーザが車両から降りることなくシャッターの開閉を実行できることが便利であり、無線リモコンシステムが適用されることも多い。
【0004】このようなシャッター用無線リモコンシステムのリモコン送信機では、所定の仕様(すなわち所定の送信周波数、所定の変調方式(例えば、ASK変調信号やFSK変調信号など)、所定の送信フレームフォーマット等)を備えた送信元無線信号を無線送信する。
【0005】一方、リモコン受信機では、シャッター近傍の壁面や、シャッターの収納ボックス前面又は下面に取り付けられた受信アンテナを用い、無線伝送路を介してリモコン送信機からの電波(送信元無線信号)を捕捉する。
【0006】リモコン受信機においては、受信アンテナが捕捉して変換した電気信号に対し、上述した所定の仕様に対応した復調処理や復号処理を施し、リモコン送信機が送信しようとした原送信信号(復調信号)や、情報内容が得られる。
【0007】すなわち、原送信信号を受け取ったリモコン受信機内の受信制御部は、当該原送信信号を解読し、その信号に挿入されている識別情報(以下、IDと略す)に基づいて、原送信信号の送信元であるリモコン送信機が当該リモコン受信機に対して動作指示を発することができるものであることを確認(IDの照合)し、その後、原送信信号に挿入されている情報内容に基づいて、シャッターの動作(開動作、閉動作または停止動作など)を指示する開閉制御信号を形成してシャッター制御に供給する。
【0008】シャッター制御部は、シャッターを動作させるためのモータの動作を制御することで、リモコン送信機の操作者が意図したシャッター動作を実行する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した無線リモコンシステムでは、リモコン送信機が送信する送信元無線信号の仕様とリモコン受信機が行う復調処理や復号処理の仕様とが完全に整合していることが必要である。もしもこれらの仕様に不整合があると、シャッターがまったく動作しなかったり、操作者の意図とは異なる動作(誤動作)が行われる可能性もある。
【0010】通常は、リモコン送信機とリモコン受信機とは一対の対応した製品なのでこのような仕様の不整合が発生することはない。
【0011】しかしながら、例えば、製品として新しい新型のリモコン送信機と旧型のリモコン送信機とでは、上述した仕様が異なり、互換性がないのが普通である。
【0012】一例として、リモコン送信機の送信電力を大きくして旧型よりも遠くまで到達する送信元無線信号を送信可能な新型リモコン送信機を開発しようとしたとする。諸種の電波法規では、送信電力の大きさやその周波数から、ビットパターンに至るまで事細かに規制されているから、この新型リモコン送信機は、送信電力アップという1つの目的を達成するために、送信電力以外の仕様(周波数や変調方式など)も変更せざるを得なくなるのが普通である。
【0013】したがって当該新型リモコン送信機は、通常、前記旧型リモコン送信機に対応した旧型リモコン受信機とは、正常な通信を行うことができない。
【0014】これは多くの不都合をもたらす。
【0015】例えば、旧型リモコン送信機が壊れた場合、ユーザは、リモコン送信機だけを新型に買い換えただけでは足りず、壊れていない旧型リモコン受信機まで、新型に買い換えなければならない。また、この壊れた旧型リモコン送信機が修理可能な場合でも次のような不都合がある。
【0016】すなわち、メーカ側では通常、メンテナンス対応のため例えば数年間程度の在庫対応期間を確保しているが、当該在庫対応期間以後では、その壊れた旧型リモコン送信機は修理することができず、新たに正常な旧型リモコン送信機の提供を受けることもできなくなる可能性が高い。
【0017】以上では、リモコン送信機が壊れた場合について説明したが、リモコン受信機が壊れた場合などでも、事情は同じである。
【0018】一方で、リモコン送信機を扱う場合、できるだけ遠くからシャッターを動作させたいという要請もある。
【0019】しかしながら、前述の電波法規でリモコン送信機の送信電力の最大値は規制されているため、リモコン送信機の操作者がシャッターを動作させることのできる距離には一定の上限があり、その上限以上に遠距離からシャッターを動作させることは困難である。
【0020】なお、メンテナンス等を目的として、当該リモコン送信機を受信専用の機器に置換すること等も考えられるが、その場合にも以上と同等な問題が発生し得る。
【0021】このような課題は、シャッター用だけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉装置のリモコンシステムにも共通している。
【0022】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するために、第1の発明の伝送装置は、開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置との間の通信を中継する伝送装置であって、前記開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置の間の少なくとも一方向について、通信信号を受信する受信手段と、少なくとも当該一方向について、通信信号を送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】また、第2の発明の伝送装置では、請求項1の伝送装置において、前記送信手段は、前記受信手段が前記非開閉体側通信装置から受信した通信信号を、少なくとも情報内容の伝達性を保持しつつ仕様変換して、前記開閉体側通信装置に対応した通信信号を生成し、および/または、前記受信手段が前記開閉体側通信装置から受信した通信信号を、少なくとも情報内容の伝達性を保持しつつ仕様変換して、前記非開閉体側通信装置に対応した通信信号を生成する変換処理手段を備えることを特徴とする。
【0024】さらに、第3の発明にかかる開閉装置の通信システムでは、請求項1〜8のいずれかの伝送装置と、開閉体側通信装置と、非開閉体側通信装置とを備え、前記通信信号として無線信号を用いる開閉装置の通信システムであって、前記伝送装置の通信信号が到達する到達領域内には、1又は複数の前記開閉体側通信装置が設置されていることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】(A)実施形態以下、本発明にかかる開閉装置の通信システム及び伝送装置を、ガレージ用シャッターの無線リモコンシステムおよび無線伝送装置に適用した場合を例に、実施形態について説明する。
【0026】第1〜第3の実施形態に共通する特徴は、仕様変換機能を備えた無線伝送装置を介在させることにより、仕様の異なるリモコン送信機と受信機の間に互換性を付与することである。
【0027】(A−1)第1の実施形態の構成および各部の動作ガレージ用シャッターの無線リモコンシステム30の全体構成を図7に示す。
【0028】図7において、当該無線リモコンシステム30は、第2次開発型送信機31と、第3次開発型送信機32と、無線伝送装置(中継局)10と、第2次開発型受信機33と、第3次開発型受信機34とを備えている。
【0029】ここで、第2次開発型は2番目に開発された製品を示し、第3次開発型は3番目に開発された製品を示すものとする。したがって、第3次開発型に比べると第2次開発型送信機31は旧型のリモコン送信機で、第2次開発型受信機33は旧型のリモコン受信機である。これら第2次開発型送信機31と第2次開発型受信機33とは、無線信号(送信元無線送信信号)SL1に関する上述した所定の仕様(すなわち所定の送信周波数、所定の変調方式(例えば、ASK変調信号やFSK変調信号など)、所定の送信フレームフォーマット等)が完全に整合している。
【0030】同様に、前記第2次開発型に比べると第3次開発型送信機32は新型のリモコン送信機で、第3次開発型受信機34は新型のリモコン受信機である。これら第3次開発型送信機32と第3次開発型受信機34とは、無線信号(送信元無線送信信号)SL2に関する上述した所定の仕様が完全に整合している。
【0031】しかしながら無線信号SL1とSL2の間では、所定の仕様が整合していない。一例として無線信号の周波数が、SL1では300MHz程度(例えば315MHz)であるのに対し、SL2では400MHz程度(例えば426MHz)であるものとする。
【0032】なお、図7における受信機33,34のそれぞれは、単一の通信機器である必要はない。ここでは、図2に示すように、2種類、4(P=4)機の通信機器であるものとする。
【0033】すなわち、受信機33Aと33Bはともに旧型の第2次開発型受信機であり、受信機34Aと34Bはともに新型の第3次開発型受信機である。
【0034】このうち受信機33AはガレージG1に設置され、受信機34AはガレージG2に設置され、受信機34BはガレージG3に設置され、受信機33BはガレージGP(P=4)に設置されている。
【0035】図2に示した円形(大きさは、例えば半径100m程度)のエリアE1は、無線伝送装置10が、第2次開発型送信機31および第3次開発型送信機32の送信した無線信号SL1、SL2の双方を、有効に受信することができる地理的領域(受信エリア)を示す。この受信エリアE1の形状から明らかなように、無線伝送装置10のアンテナユニットは、少なくとも水平面内でほぼ無指向性の受信パターンを持っているものとする。無線信号SL1やSL2がどの方向から到来するか特定できない使用状況や、アンテナユニットの構成を簡単にし、無線伝送装置10の設置作業を簡単にしたい場合などには、このように無指向性パターンを採用するのが有利である。
【0036】しかしながら必要な場合には、特定の方向にだけ鋭いアンテナ受信利得を持った指向性パターンを採用することも可能である。無線信号SL1やSL2がどの方向から到来するか予め特定できる使用状況や、妨害電波の発生源の方向が特定できる場合などには、指向性パターンを採用した方が有利なことも考えられる。この場合、SL1やSL2の到来方向には鋭く突出したパターンで大きなアンテナ利得を獲得し、妨害電波の到来方向に対しては極めて小さなアンテナ利得しか持たないように設定することになる。
【0037】なお、無指向性パターンを採用した本実施形態においても、現実の受信エリアは建造物の反射や妨害電波などの影響を受けるためにこのような円形にはならないのが普通であると考えられるが、ここでは、説明の簡単のために円形の受信エリアを想定する。
【0038】受信エリアE1内に存在する受信機(33Aなど)の数は、ここで示した4機より少なくてもよく、多くてもよい。また図示のようにほぼ一列に並んでいる必要もなく、受信エリアE1内でさえあれば、どこに位置していてもかまわない。
【0039】また、ここでは平面的なエリアを示しているが、受信機間(例えば受信機33Aと34Aのあいだ)または受信機と送信機のあいだ(例えば受信機33Aと送信機31のあいだ)に高低差が存在していてもよく、その意味で、受信エリアE1は、ほぼ球形の受信空間であってもよい。
【0040】さらに本実施形態では、無線伝送装置10が受信機(33Aなど)に受信させるために無線送信した無線信号(SL1など)が、当該受信機に有効に受信される送信エリアも当該受信エリアE1に一致しているものとする。したがってエリアE1は送信エリアでもある。
【0041】もちろん、必要ならば無線伝送装置10の送信エリアの大きさと受信エリアの大きさを相違させることも可能である。
【0042】本実施形態おいて、無線伝送装置10は、受信機33A、33B、34A、34Bのユーザが共用するものであるので、無線伝送装置10の設置場所を選定するにあたっては、すべての受信機ができるだけ受信エリアE1の中心近くに位置するように配慮する必要がある。妨害電波などの条件は時間経過とともに変動するため、当該エリアE1も、小さくなったり変形したりする可能性があるからである。
【0043】また、当該設置は、必要に応じて、地表面などに直接設置してもよく、図11に示すようにシャッターの収納ボックス60に取り付けることで行ってもよい。シャッター収納ボックス60に取り付けた場合には、グランド61よりも3m程度高い位置に配置されることになる。一例として、無線伝送装置10はビス等で固定するようにしてもよい。
【0044】さらに、当該無線伝送装置10に対する電力供給は、どのような形態で行ってもかまわないが、一例として、家庭用のAC100ボルトコンセントから行うことができるようにすると、簡単で、なおかつ経済的である。
【0045】また、一般的に、当該無線伝送装置10は、できるだけ多くのユーザで共用したほうが、ハードウエアの使用効率、経済性などの観点で有利であると考えられるので、それが可能な設置場所を選定するのがよい。
【0046】なお、第2次開発型送信機31よりも送信電力の大きい第3次開発型送信機32は、この受信エリアE1の外からでも無線信号SL2を無線伝送装置10まで送達することが可能であるが、ここでは、簡単のために、送信電力の当該相違はないものとする。
【0047】本実施形態の無線伝送装置10の内部構成を図1に示す。
【0048】(A−1−1)無線伝送装置の内部構成図1において、無線伝送装置10は、無線受信部11と、第1変換処理部12と、第2変換処理部13と、第1無線送信部14と、第2無線送信部15とを備えている。
【0049】このうち無線受信部11は、受信用のアンテナユニットやフィルタ手段、必要なRF(高周波)増幅手段などを備え、受信した無線信号SL1またはSL2を、中間信号BS1またはBS2に変換する部分である。中間信号BS1は無線信号SL1に対応し、中間信号BS2は無線信号SL2に対応するものとする。
【0050】無線信号受信部11から出力された中間信号BS1、BS2はともに、第1変換処理部12と、第2変換処理部13の双方に供給される。
【0051】ここで、第1変換処理部12は、中間信号BS1を中間信号BS2に変換する部分であり、第2変換処理部13は、中間信号BS2を中間信号BS1に変換する部分である。
【0052】第1変換処理部12と第2変換処理部13とは、後述するように、実質的に同じ内部構成を備えているものであってよい。
【0053】第1変換処理部12は、中間信号BS1を中間信号BS2に変換する部分であるので、中間信号BS2の供給を受けた場合、当該BS2をBS1として処理してしまうと予期せぬ中間信号BS2を出力してしまう可能性がある(例えば情報内容が論理的に破壊され、受信機側における可読性を喪失する可能性がある)ので、BS1の供給を受けた場合にだけ動作し、BS2の供給を受けた場合には動作しない動作停止機能を装備する必要がある。
【0054】さらに、この動作停止機能により、不必要な変換処理によって当該無線伝送装置10から無線送信された無線信号(例えばSL2から変換されたSL1)が、無線伝送装置10を介することなく直接的に受信機(例えば33B)に受信される無線信号(送信機31Xが送信したSL1)に対する妨害電波(干渉波)となってしまうことを防止することができる。
【0055】同様のことは第2変換処理部13についても当てはまるから、第2変換処理部13は、BS2の供給を受けた場合にだけ動作し、BS1の供給を受けた場合には動作しない動作停止機能を装備する必要がある。
【0056】もっとも、このように同一の受信エリアE1またはその周辺で、同時に無線信号SL1やSL2が送信され、なおかつ当該同時送信による干渉が発生する可能性は、確率的に低いと考えられるから、これを無視して構成の簡略化をはかる方針を選択することも可能である。ただし、無線伝送装置10を多数のユーザで共有する場合には、同時送信による干渉の発生頻度や程度は高まるのが普通なので、当該動作停止機能は装備したほうが好ましい。
【0057】第1変換処理部12から中間信号BS2を受け取る第1無線送信部14は、送信用のアンテナユニットやフィルタ手段、必要なRF増幅手段などを備え、当該BS2を、無線信号SL2に変換する部分である。無線信号受信部11が受信し得る無線信号SL2と、ここで第1無線信号送信部14が送信する無線信号SL2とは、周波数や変調方式の点では同一であるが、収容している情報内容が相違し得るのは当然である。
【0058】第1無線送信部14には必ず中間信号BS2が供給されるので、第1無線送信部14から送信されるのは、必ず無線信号SL2であって、無線信号SL1が当該無線送信部14から送信されることはあり得ない。
【0059】同様に、第2変換処理部13から中間信号BS1を受け取る第2無線送信部15は、送信用のアンテナユニットやフィルタ手段などを備え、当該BS1を、無線信号SL1に変換する部分である。
【0060】また、第2無線送信部15には必ず中間信号BS1が供給されるので、第2無線送信部15から送信されるのは、必ず無線信号SL1であって、無線信号SL2が当該無線送信部15から送信されることがあり得ない点なども、同様である。
【0061】第1、第2の無線送信部14,15も、無線受信部11のように、無線信号SL2用とSL1用を統合して1つの構成要素とすることも可能であるが、アンテナ工学的な観点からは、周波数や送信電力が相違すれば、異なるアンテナユニットなどを構成したほうが好ましいと考えられるので、本実施形態では別ユニットとした。
【0062】反対に、無線受信部11を、SL1用とSL2用に、別に設けることも可能であるが、少なくとも受信電力に関しては、送信機31(32)がどれだけ離れた位置から送信してくるかが特定できないために、厳密性よりもコストの低下やハードウエア量の低下を重視して、単一のアンテナユニットなどで構成することとした。
【0063】なお、必要であれば、無線受信部11のアンテナユニットと無線送信部14および/または無線送信部15のアンテナユニットの全部または一部を、共通化することも可能である。
【0064】このような無線伝送装置10は、上述した第1変換処理部12が動作するとともに第2変換処理部13が動作停止しているときには、実質的に、図8(A)に示す状態となり、反対に、第2変換処理部13が動作するとともに第1変換処理部12が動作停止しているときには、実質的に、図8(B)に示す状態となる。
【0065】図8(A)中の第2次開発型受信機能、第3次開発型送信機能のそれぞれには、第1変換処理部12の該当部分が対応し、図8(B)中の第3次開発型受信機能、第2次開発型送信機能のそれぞれには、第2変換処理部13の該当部分が対応すうる。
【0066】また、前記アンテナユニットに関しては、図8に示したように、通常は、内蔵アンテナIA1、IA2によって構成し、送信、受信にあたって、前記エリアE1を大きくしたい場合には、外部アンテナEA1、EA2を装着するような構成とすることもできる。
【0067】このような無線伝送装置10は、受信機33または34と同じ程度のサイズに構成することが可能である。
【0068】次に、第1変換処理部12の内部構成を図6に示す。第2変換処理部13の内部構成もこれと同様である。
【0069】(A−1−2)第1変換処理部の内部構成図6において、第1変換処理部12は、復調部20と、判定部21と、再変調部22と、増幅部23と、復号部24と、再符号化部25とを備えている。
【0070】このうち復調部20は、前記無線受信部11から中間信号BS1またはBS2の供給を受ける部分である。中間信号の供給を受けた復調部20は、目的の中間信号BS1が供給されているものとみなして復調処理を行い、復調信号DSを、復号部24と判定部21に出力する部分である。復調処理は送信機側で行われた変調処理に対応したものでなければ期待通りの結果を得られないので、供給されている中間信号が目的のBS1である場合、復調信号DSは正常なものとなるが、BS2であった場合には非正常なものとなる。
【0071】判定部21は、復調信号DSのこの正常、非正常を検出することで、復調部20に供給されている中間信号が目的のBS1であるか、目的外のBS2等(BS2以外の妨害電波等が混入する可能性もある)であるかを判定し、上述した動作停止機能を実現する部分である。これは、判定部21が行う復調段階の判定処理である。
【0072】復調段階の判定処理によって判定部21が目的のBS1が供給されていると判定した場合だけ、再変調許可信号RAを再変調部22に供給し、目的外の信号が供給されていると判定した場合には再変調許可信号RAを供給しない。
【0073】一方、復調部20から当該復調信号DSの供給を受けた復号部24は、当該復調信号DSが正常なものとみなして復号処理を行い、復号信号DCを、再符号化部25と判定部21に出力する部分である。
【0074】復号処理も、前記復調処理と同様に、送信機側で行われた符号化処理に対応したものでなければ期待通りの結果を得られないので、供給されている中間信号が目的のBS1である場合、復号信号DCは正常なものとなるが、BS2であった場合には非正常なものとなる。
【0075】この復号信号DCの供給を受けた判定部21は、次は復号段階の判定処理を行い、目的のBS1が供給されていると判定した場合だけフォーマット信号(再符号化許可信号)FSを再符号化部25に供給し、目的外の信号が供給されていると判定した場合にはフォーマット信号FSを供給しない。
【0076】もしも無線信号SL1とSL2の仕様の相違がフォーマットの論理的構造だけであった場合、上述した復調段階の判定では、誤って復調信号が正常であると判定してしまう可能性があるが、この復号段階の判定処理を行うことによってそのような誤判定を排除することができる。
【0077】なお、反対に復号段階では正常と誤判定され、復調段階では非正常と判定される可能性もある。その場合には、前記再変調許可信号RAが供給されないから、結局、復号段階の判定も復調段階の判定もともに正常となった場合にだけ、再符号化および再変調が実行されることになる。
【0078】再符号化部25は、復号部24で復号して得られた復号信号DCの再符号化を実行する部分である。ここで、再符号化とは、送信機32の送信制御部36(図10参照)で行っている普通の符号化と同じ操作で、フォーマット変換による所定のフォーマットの形成や符号化方式の変換(コード変換)などはこの再符号化によって実行される。
【0079】ここで、当該フォーマット構造の例を図12に示す。
【0080】図12(A)のフォーマット構造は、フラグシーケンスS11と、IDコードS12と、制御コードS13と、チェックコードS14とから構成されている。
【0081】このうち制御コードS13のなかには、シャッターの開動作を指示する「開」フィールドF11、閉動作を指示する「閉」フィールドF12、および停止動作を指示する「停」フィールドF13が設けられている。フィールドF11、F12、F13はビット単位のフィールドである。“1”がアクティブで“0”が非アクティブを示すものとすると、当該制御コードS13のビットパターンは、例えばシャッターの開動作を指示する場合、“100”(=F11F12F13)となる。
【0082】また、図12(B)のフォーマット構造は、フラグシーケンスS21と、種別コードS22と、暗証コードS23と、IDコードS24と、制御コードS25と、チェックコードS26とから構成されている。
【0083】このうち制御コードS25のなかには、シャッターの開動作を指示する「開」フィールドF21、閉動作を指示する「閉」フィールドF22、停止動作を指示する「停」フィールドF23のほか、換気動作を指示する「換気」フィールドF24と、中間位置Aを指示する「位置A」フィールドF25と、中間位置Bを指示する「位置B」フィールドF26と、中間位置Cを指示する「位置C」フィールドF27と、シャッター装置番号を指示する「装置番号」フィールドF28が設けられている。
【0084】ここで、換気動作とは、換気禁止全閉状態から、換気可能全閉状態に移行する動作のことである。
【0085】この移行は、例えば、シャッターを構成する各スラットの上下方向の間隔を大きくすることによって実行される。シャッターで隔絶された2つの空間中の空気は、スラットの間隔が大きくなると、当該間隔を介して入れ替わるようになる。
【0086】なお、前記中間位置A〜Cは、所定の一部開動作で、シャッターの開放の大きさを指定するフィールドである。例えば、中間位置Aが全閉に近い所定の大きさの一部開放を示し、中間位置Bが半開(ちょうど半分だけ開放した状態)を示し、中間位置Cが全開に近い所定の大きさの一部開放を示すものであってよい。
【0087】また、前記種別コードS22は、当該フォーマットを用いて、ユーザが行おうとしてる操作の内容を表示するためのフィールドで、例えば、「01」のビットパターンでシャッターの開閉動作を示し、「10」のビットパターンでID登録を示す。
【0088】当該種別コードS22の右側に配置された暗証コードS23は、シャッターのセキュリティ性を高めるために使用され得るフィールドである。上述したIDを収容したIDコードS24のほかに、当該暗証コードS23を設けた理由は、例えばリモコン送信機(31など)が盗難にあった場合などの備えとして有効だからである。
【0089】すなわち、IDは、工場出荷時などの任意の時点に予め登録しておくものであり、日常のシャッター動作の際には、自動的にリモコン送信機から送信され、リモコン受信機で処理されるものであるが、暗証コードS23のほうは、シャッター動作を行うたびにユーザがリモコン送信機(31など)のキー操作部35(図10参照)を操作して入力することを要するものである。
【0090】したがって、IDが一致しているリモコン送信機であっても、送られてきた暗証コードが予め登録されたコードと一致しない場合には、リモコン受信機(34Aなど)は、当該リモコン送信機から送信される制御コードS25などを無視し、指示されたシャッター動作等を行わない。必要な場合には、このようにIDは一致し暗証コードが一致しないフォーマットの受信が所定回数繰り返された時点で、警報を発するようなシステム構成を取ることもできる。
【0091】なお、前記チェックコードS14、S26は、誤り検出用のフィールドである。
【0092】また、前記シャッター装置番号F28は、シャッター装置を指定するためのフィールドで、例えば「000」〜「111」の3ビット、7通りのビットパターンで、7つのシャッター装置を一義的に指定することができる。
【0093】図12(B)のフォーマット構造の場合、すべてのフィールドS21〜S26が同時に有効になることはあり得ない。例えば暗証コードの登録や暗証コードの照合を行う場合には、暗証コードS23のフィールドは有効であるが、制御コードS25は無効であり、反対に、シャッター動作を指示するときには、暗証コードS23のフィールドは無効で制御コードは有効となる。
【0094】したがって、シャッター動作を行おうとするユーザは、通常、まず最初に暗証コードS23の照合を行い、リモコン受信機(34Aなど)が肯定的な照合結果を送り返してきたのちに、制御コードS25を用いて本来の目的であるシャッター動作を行うことになる。
【0095】このようなシステム構成としているのは、キー操作部35に設けられている操作キーの数が、後述する3つ程度と限られていて、暗証コードS23と制御コードS25を同時に送信することが困難であるためである。
【0096】したがって図12(B)のフォーマットを用いる場合、リモコン送信機とリモコン受信機は双方向通信を行うことが必要となる。
【0097】反対に、当該双方向通信を行えば、リモコン送信機(例えば32Y)を使用するユーザは、リモコン送信機だけを使用して、IDコードの登録や暗証コードの登録などの操作も実行することが可能である。
【0098】以上の説明から明らかなように、図12(A)のフォーマット構造に比べて、図12(B)のフォーマット構造のほうが、多機能である。
【0099】一例として、上述した第2次開発型の送信機31や受信機33で使用するフォーマットを、図12(A)のフォーマットとすると、上述した第3次開発型の送信機32Yや受信機34で使用するフォーマットは、図12(B)のフォーマットであってよい。
【0100】このようなフォーマットを処理する図6の当該再符号化部25は、必要に応じて復号部24から供給された復号信号DCを、一時蓄積しておくバッファメモリ(復号部用受信バッファ)を装備する。対応する復号信号DCについての判定部21における復号段階判定処理が完了するまでの遅延時間に備えて、タイミング調整を行うためである。
【0101】再符号化部25が行うフォーマット変換処理の内容は、大きく分けて、フォーマット上の各フィールドの再配置処理と、各フィールドのビット変換処理を含むものと考えられる。上述した符号化方式の変換は、これら再配置処理やビット変換処理を行ったあとで実行される。
【0102】フォーマット上の全てのフィールドは、その機能に着目して、図12(A)と同図(B)の2つのフォーマットに共通している共通フィールド(例えばIDコード(S12、S24)や、「開」、「閉」、「停」フィールド(F11〜F13やF21〜F23)など)と、一方のフォーマットにしか存在しない非共通フィールド(例えば種別コードS22など)に分類することができる。
【0103】フォーマット変換処理において、共通フィールド自体については、そのまま通過させることが可能であるが、これを受信するリモコン受信機の側では、フィールド間の連続関係も問題となるので、当該再配置処理が必要になる。
【0104】通常、図12(A)のフォーマットしか処理できないリモコン受信機は、図12(B)のフォーマットを受信して、自身にとって不要な種別コードS22や暗証コードS23などは無視して、自身にとって必要なIDコードS24や制御コードS25(そのなかの開F21、閉F22、停F23)、およびチェックコードS26だけを処理する機能(複数フォーマット対応機能)は装備していないものと考えられるからである。またそのような複数フォーマット対応機能を装備すると、ソフトウエア的にもハードウエア的にも大規模化するので、装備しない方が好ましいともいえる。
【0105】当該再配置処理において、前記共通フィールドは必要に応じてフォーマット上の位置をずらし、非共通フィールドは削除してフォーマット上から取り除く(フィールド除去処理)か、所定の無効なビットパターンに置き換える(無効フィールド挿入処理)ことになる。
【0106】このうちフィールド除去処理が必要になるのは、図12(B)から(A)へのフォーマット変換処理においてである。フィールド除去処理の対象となるフィールドは、すべての非共通フィールドS22、S23、S26および制御コードS25内のフィールドF24〜F28である。
【0107】反対に無効フィールド挿入処理が必要になるのは、図12(A)から(B)へのフォーマット変換処理においてである。無効フィールド挿入処理の対象となるフィールドは、上述したすべての非共通フィールドである。無効フィールド挿入処理では、各フィールドに、当該フィールドが無効フィールドであることを示す所定ビットパターンを書き込むことになる。当該所定ビットパターンは、一例としてオール0であってよい。すなわち、例えば暗証コードS23が7ビットフィールドである場合には、当該「暗証」フィールドS23を“0000000”としてフォーマットを構成する。
【0108】この場合、当該フォーマットを無線伝送装置10から受け取るリモコン受信機は、少なくとも、当該オール0が無効フィールドであることを認識する必要がある。
【0109】また、無効フィールドのビット(パターン)の内容を、各フィールド毎に相違させてもよい。例えば、1ビットの領域しか有していない1ビットフィールドがあった場合、1ビットでは、アクティブ、非アクティブ、無効の3通りを表示する方法がないので、無効フィールドは、アクティブまたは非アクティブのいずれかと同じになる。したがってこの場合の無効フィールド挿入処理は、後述するビット変換処理と同じ処理になる。
【0110】このように、例えば暗証コードS23が無効フィールドであるフォーマットを受け取ったリモコン受信機が当該フォーマットに対応してどのような動作を行うかは、リモコン受信機側の問題であるが、無線伝送装置10を介在することなく直接的に、一致しない暗証コードS23を含むフォーマットを受信した場合と同様な動作(例えば制御コードを無視したり、前記警告を発したりする動作)を行ったのでは、無線伝送装置10を設けた意味が失われてしまうので、リモコン送信機のユーザの意図を汲み取った、肯定的で、合目的的な動作を行うことになるものと考えられる。暗証コードS23以外の非共通フィールドに関しても同様である。
【0111】また、各フィールドの機能の性質上、何が肯定的で合目的的であるのか不明確なフィールドもある。例えば、「換気」フィールドF24や「位置A」フィールドF25などである。
【0112】このようなフィールドが無効フィールドであった場合、どのように処理するか(無効フィールド対応処理)は、予めリモコン受信機側に設定しておくとよい。
【0113】例えば、フォーマット変換処理によって無効フィールドで置換された「換気」フィールドF24を受け取った場合は、全閉を指示されたものとみなして閉動作を行ってもよく、全開を指示されたものとみなして開動作を行うようにしてもよい。また、何も指示されていないものとみなして無視する(従前の状態を維持して何も動作しない)ようにしてもよい。
【0114】この点は、「位置A」フィールドF25などについても同様である。
【0115】一般的に、開発型の新しいリモコン受信機ほど多機能となる傾向があるので、前記無効フィールド対応処理を、より新しく、より多機能なリモコン受信機に装備することは可能である。しかしながら反対に、開発型の古いリモコン受信機のほうが多機能であった場合には、当該古いリモコン受信機の開発時点で将来に開発される少機能なリモコン受信機の機能を見越して、前記無効フィールド対応機能を装備することは、通常、困難であると考えられる。ただし、複数の開発型にわたる開発計画を予め策定しておけば、このような場合にも無効フィールド対応機能を装備することは可能である。
【0116】なお、前記再配置処理、無効フィールド挿入処理、およびビット変換処理は、S11、S23などの大フィールド単位で行われるだけでなく、各大フィールドに含まれる小フィールド(例えば大フィールドS13内の「開」フィールドF11や「閉」フィールドF12など)単位でも実行され得る。
【0117】また、図12に示したフォーマットの例では、図12(B)のフォーマットは、図12(A)のすべてのフィールドを含んだ上に、図12(A)のフォーマットには存在しないフィールドも備えているが、フォーマット変換処理の対象となる任意の2つのフォーマットは、必ずしもこのような関係になくてもよい。
【0118】一方、上述した各フィールドのビット変換処理は、相互に変換される2つのフォーマット内の各フィールドが、機能上同質であっても、そのビットパターンが異なる場合などに実行される。
【0119】例えば、図12(A)のフォーマットにおいて、上述したように、“1”がアクティブで“0”が非アクティブを示し、反対に図12(B)のフォーマットにおいて、“0”がアクティブで“1”が非アクティブを示す場合、当該ビット変換処理では、一例として、前記制御コードS13のビットパターン“100”(=F11F12F13)は、ビットパターン“011”(=F21F22F23)に変換されることになる。
【0120】また、当該ビット変換処理も、前記無効フィールド挿入処理と同様に、合目的的に実行する必要がある。
【0121】すなわち、ビット変換処理のなかには、変換元のフォーマットにおけるある機能を持つフィールドのアクティブ状態を、変換先のフォーマットにおける別な機能を持つフィールドのアクティブ状態に置き換える処理を含むようにしてもよい。
【0122】例えば、3段階の中間位置A〜Cを指定できる図12(B)のフォーマットを、5段階の中間位置A1〜E1を指定できるフォーマット(図示せず)にフォーマット変換し、A〜Cによって指定される中間位置とA1〜E1によって指定される中間位置のあいだにまったく同じ大きさのシャッターの開放を指定するフィールドが存在しない場合、最も近い大きさの開放を指定するフィールドをアクティブにすることで、フォーマット変換を行ってもよい。
【0123】以上のように再配置処理やビット変換処理を行ったあとで符号化方式の変換を行うことで再符号化信号RDが生成されると、図6に示すように、当該再符号化信号RDは再変調部22に供給される。
【0124】再変調部22は、復調部20で復調して得られた復調信号DSの再変調を実行する部分である。ここで、再変調とは、送信機32の変調処理部37(図10参照)で行っている普通の変調と同じ操作で、目的周波数fc1(これがSL2の周波数に対応する)の搬送波に、所定の変調方式で、再符号化信号RDに応じた情報を乗せる処理である。再変調処理は、変調方式の変換、周波数の変換を行うために必要なので、これらのいずれか1つでも変換する場合には、再変調処理が必要になる。
【0125】例えば、変調方式とフォーマットが同じであるため変換する必要がない場合でも、周波数だけ変換する必要がある場合には、実質的に周波数変換だけのために再変調処理を実行することになる。波形を歪ませることなく、周波数だけを単独で変換することは、一般に困難であると考えられるからである。
【0126】したがって、もしも無線リモコンシステム30の内部で、フォーマット変換などの復号段階での変換処理が必要ない場合(SL1とSL2のフォーマットが同じ場合など)には、復号部24と、再符号化部25と、判定部21内の復号段階の判定処理に対応する部分を省略することができる。
【0127】なお、前記再変調部22は、必要に応じて再符号化部25から供給された再符号化信号RDを、一時的蓄積しておくバッファメモリ(再変調部用受信バッファ)を装備する。これは、前記再符号化部用受信バッファと同様に、対応する復号信号DCについての判定部21における処理が完了するまでの遅延時間に備えて、タイミング調整を行うためである。
【0128】ただし、受信バッファは、必ずしも再符号化部25と、再変調部22の双方に設ける必要はなく、どちらか一方だけに設けるようにしてよい。一方だけに設けても、上述した同時送信による干渉を引き起こす可能性のある不必要な再変調信号RSの出力を阻止することが可能であるからである。
【0129】前記再変調許可信号RSの供給を受けた再変調部22が再変調を実行すると、再変調信号RSが生成されて増幅部23に供給される。
【0130】増幅部23は、この再変調信号RSに対して必要なRF(高周波)増幅を施し、前記中間信号BS2に変換する。
【0131】このような変換処理部12は、例えば、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)を用いて構成することができる。
【0132】一般に、DSPは、ディジタル信号処理を行うために大量の積和演算を実時間で実行できる小型で安価なハードウエアとして開発されたLSIである。DSPはまた、プログラマブルであるため、種々の信号処理に適用することができる。
【0133】次に、上述した第2次開発型送信機31の内部構成を図10に示す。第3次開発型送信機32の内部構成もこれと同様である。
【0134】(A−1−3)第2次開発型送信機の内部構成図10において、第2次開発型送信機31は、キー操作部35と、送信制御部36と、変調処理部37と、無線送信部38と、電源部39とを備えている。
【0135】キー操作部35は、当該第2次開発型送信機31ボディの外表面から操作可能な3つの操作キー(操作ボタン)と、当該操作キーの操作状態を検出して当該操作状態に応じたキー操作信号KMを送信制御部36に供給する信号供給部から構成されている。
【0136】なお、キーの数は必要に応じて3つより多くしてもよく少なくしてもよい。ただし、キーの数が多くなるとコストの面や、第2次開発型送信機31ボディのコンパクト化などの面で不利であり、反対にキーの数が少なくなることは一般に、必要なシャッター動作(少なくとも開動作、閉動作または停止動作の3通り程度は指定する必要がある(必要に応じて部分的な開放を示す一部開動作を最初から指定できるシステム構成とすることもあるが、その場合にはシャッター動作は4通りとなる))を行わせるためのキー操作の手順が複雑になることを意味するので、通常は、ここで述べた3つ程度が適当であると考えられる。
【0137】このキー操作部35からキー操作信号KMを受け取る送信制御部36は、当該キー操作信号KMの内容に応じて符号化処理などを実行して、所定フォーマットの送信フレームを形成する部分である。
【0138】当該フォーマットの論理的な構造が、第2次開発型送信機と第3次開発型送信機とで相違する場合、この送信制御部36で行われる処理(符号化処理など)の内容が相違することになる。
【0139】送信制御部36から出力される符号化信号CSは、前記変調処理部37によって所定の変調を受けて変調信号MSに変換され、当該変調信号MSは、無線送信部38に供給される。
【0140】無線送信部38は、送信用のアンテナユニットやフィルタ手段、必要なRF増幅手段などを備えた部分で、上述した無線伝送装置10内の第1、第2無線送信部14、15と同等な構成を備えた部分である。ただし、前記無線伝送装置10は固定的に設置して使用することを想定しているために、アンテナも必ずしも内蔵型である必要はないが、送信機31のアンテナは内蔵型が普通である。
【0141】このような送信機31(32)は、ユーザの手のひらに収まるほどコンパクトなパームサイズで構成した場合に、当該リモコン送信機31を操作する際のユーザの姿勢も自由で、使い勝手もよくなって好ましいからである。
【0142】もちろん、必要な場合には、送信機31を例えば自動車に装着するなどして、固定的に設置することも可能である。その場合には、アンテナが内蔵型である必要性は低くなる。
【0143】本実施形態では、送信機31の無線送信部38内のアンテナの送信パターンも、前記無線伝送装置10のパターンと同様に、少なくとも水平面内で無指向性の円形パターンを持っているものとする。
【0144】必要ならば、無線送信部38内のアンテナに、特定の方向に比較的鋭い指向性パターンを採用することは可能ではあるが、送信機31は必ずしも、受信機(例えば33A)のアンテナや無線伝送装置10のアンテナの見通しが得られる場所で使用されるとは限らないので、その送信パターンにあまり急峻な指向性を与えると、特定の方向に向けた場合だけしかシャッター動作を行うことのできない使い勝手の悪いリモコン送信機となってしまう。
【0145】なお、送信機31内に設けられた電源部39は、例えば小型で薄型の電池を内蔵して、キー操作部35と、送信制御部36と、変調処理部37と、無線送信部38に、必要な電力PWを供給する部分である。
【0146】また、前述の図2において、本実施形態では、各受信機33A、33B、34A、34Bの受信エリアの大きさや形状も無線伝送装置10の送受信エリアE1の大きさや形状と同じであるものとする。
【0147】もちろん必要ならば、受信機33A、33B、34A、34Bの受信エリアの大きさや形状を、前記送受信エリアE1と相違させることもでき、受信機間でも相違させることもできる。
【0148】以下、上記のような構成を有する本実施形態の動作について説明する。
【0149】(A−2)第1の実施形態の全体動作前提として、これまで第2次開発型送信機31を用いて第2次開発型受信機33Aを設置したガレージG1のシャッターをリモコンで遠隔操作していたユーザが、旧型のこの第2次開発型送信機31が修理不能の破損を被ったために、送信機だけを第3次開発型送信機32に買い換えたものとする。ここで、買い換えた第3次開発型送信機32を送信機32Yとする。
【0150】いま、図2において、無線伝送装置10の送受信エリアE1内に位置する送信機32Yが無線信号SL2を送信したものとする。図示のように、当該送信機32Yと受信機33Aとの距離は十分に近いので、当該無線信号SL2は受信機のアンテナに到達することができる。
【0151】ところが、受信機33は無線信号SL1の仕様だけしか正常に処理することができないため、上述したIDの照合なども行うことができず、直接到来した無線信号SL2によっては、送信機32Yのユーザが求めるシャッター動作を行うことができない。
【0152】一方、送信機32Yから無線送信された当該無線信号SL2は、無線伝送装置10にも到達し、無線伝送装置10の無線受信部11に捕捉される。
【0153】これにより無線受信部11から出力された中間信号BS2は、第1変換処理部12と第2変換処理部13に供給されるが、第1変換処理部12は、上述した動作停止機能によって動作しないために、第1変換処理部12から中間信号BS2が出力されることはない。
【0154】反対に第2変換処理部13は、当該動作停止信号によって停止することなく動作するため、当該中間信号BS2をBS1に変換して出力する。出力された中間信号BS2は、第2無線送信部15から無線信号SL1として無線送信される。
【0155】この無線信号SL1は、受信機33Aまで到達し、SL1に仕様が整合している受信機33Aによって正常に受信され、前記IDの照合をはじめ、一連の処理が正常に実行される。これにより、ガレージG1において、送信機32Yのユーザが意図した通りの正常なシャッター動作が実現される。
【0156】これは、図9(B)に対応する動作である。
【0157】もしも、第2次開発型送信機ではなく第2次開発型受信機のほうが修理不能の破損を被った場合などに、受信機だけを第3次開発型受信機33に買い換えたものとすると、図9(A)に対応する動作が行われて、この場合にも、無線伝送装置10の機能によって、送信機と受信機のあいだの正常な通信が可能になる。
【0158】一方、図2の送受信エリアE1およびその近傍には、無線伝送装置10による変換処理を受ける必要の無いユーザも混在し、それが送信機31Xのユーザであるものとする。
【0159】送信機31XもガレージGPに設置した受信機33Bも旧型の第2次開発型なので、送信機31Xのユーザは、無線伝送装置10を介することなく正常な通信を行うことができる。したがって送信機31Xと受信機33Bは、図2に示したように、エリアE1の外からでも通信可能である。
【0160】これら送信機31Xと受信機33Bが通信しているときに、エリアE1内に位置する送信機31Zが無線信号SL1を無線送信したものとする。
【0161】送信機31Zはエリア31内に位置するために、当該無線信号SL1は無線伝送装置10によって有効に捕捉され、処理される。このとき無線伝送装置10からは、上述した動作停止機能により、当該SL1を変換処理して生成されたSL2だけが送信され、不必要なSL1は送信されないから、受信機33Bにおいて同時送信による干渉の影響を低減することができる。
【0162】この場合でも、当該送信機31から直接的に当該受信機33Bに到来する無線信号SL1による干渉は生じる可能性があるが、直接的に到来する当該SL1と無線伝送装置10を介して到来するSL1の双方の干渉を受ける場合に比べると、干渉の程度は低減される。
【0163】なお、上述した無線リモコンシステム30は、送信機31,32として従来の機器をそのまま使用することが可能で実現性に優れた構成であったが、干渉送信機に少し改変を施すことによって、干渉の影響を飛躍的に低減することが可能である。
【0164】すなわち、無線伝送装置10による変換処理のサポートが必要であるかどうかを指定する変換要否信号(例えば“1”で変換処理要を示し、“0”で変換処理不要を示すことができるので、この変換要否信号は、1ビットでよい)を、送信機31,32から送信される無線信号SL1、SL2のなかに混入することである。無線伝送装置10は当該変換要否信号に基づいて、変換処理が必要と判断した場合だけ、上述した通りの動作を実行し、必要ないと判断した場合には、変換処理を行わず、変換処理の結果として得られる無線信号の送信も行わない。
【0165】これは、無線伝送装置10を共用するユーザが多い場合など、エリアE1およびその周辺で、送信機31,32と、受信機33,34のあいだの通信が、同時に多数行われる傾向の強い場合に、特に有効であると考えられる。
【0166】(A−3)第1の実施形態の効果以上のように、本実施形態によれば、仕様の異なるリモコン送信機と受信機のあいだに、互換性を付与することができる。
【0167】これにより、仕様の整合している送信機と受信機の一方だけを取り替えた後でも、正常な通信を維持することが可能で、経済的で、融通性も高まる。
【0168】換言するなら、本実施形態では、送信機側からみた場合、1つの無線信号(例えばSL1)にしか対応できないはずの受信機(例えば33A)が、複数の無線信号(SL1およびSL2)を正常に受信することができるようになり、受信機側が複数のインタフェースを提供する高い機能を装備したことに等しい。
【0169】同様のことは、受信機側から送信機側をみた場合にもいえるので、本実施形態では、実際には従来通りの機能しか備えていない送信機や受信機を、実質的に高機能化することができる。
【0170】しかも本実施形態の無線伝送装置は複数組の送信機と受信機によって共用することが可能なので、その高機能化は、受信機自体に複数のインタフェースを装備した場合や送信機自体に複数のインタフェースを装備する場合に比べると、効率的に達成される。
【0171】また、本実施形態の無線伝送装置には増幅部(23等)を搭載しているので、単に変換処理を行うだけでなく、送信機と受信機のあいだの通信可能な距離を延長することも可能である。
【0172】通信距離延長の観点からは、上述したように、すべての受信機ができるだけ受信エリア(E1)の中心近くに位置するように配慮することが好ましいとは限らず、受信機が受信エリアの中心から離れているほうが、より効果的な延長が行える。
【0173】(B)第2の実施形態以下では、本実施形態が第1の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0174】第1の実施形態では、無線伝送装置が搭載している変換処理部(12など)は2つであったが、本実施形態では、N(Nは自然数。ただし、N≧3)個とする。
【0175】(B−1)第2の実施形態の構成および動作本実施形態の無線伝送装置40の内部構成を図3に示す。
【0176】図3において、図1と対応する符号を付した構成要素11,12,13,14,15の機能は、図1と同じである。
【0177】したがって、本実施形態の無線伝送装置40は、前記無線伝送装置10に対し、第N変換処理部41、第N無線送信部42や、第N−1変換処理部(図示せず)、第N−1無縁送信部(図示せず)などを付加した構成を備えている。
【0178】このように、多数の仕様間で変換処理を行うことにより、無線伝送装置40はより効率的で経済的なものとなる。
【0179】本実施形態の場合、当該無線伝送装置40が実行する変換処理の種類だけの変換処理部12、13、41等が設けられることになるが、当該変換処理の種類Nは、エリアE1内で使用され可能性のある無線信号SL1,SL2,SL3,SL4,…SLM(Mは自然数)との間に、次の式(1)の関係を持つ。
【0180】N=M×(M−1) …(1)
この場合、これらの各変換処理部は、SL1→SL2の変換処理、SL1→SL3の変換処理、SL1→SL4の変換処理、…、SL1→SLMの変換処理、SL2→SL1の変換処理、SL2→SL3の変換処理、SL2→SL4の変換処理、…、SL2→SLMの変換処理、SL3→SL1の変換処理、…、SLM→SLM−1の変換処理のなかのいずれか1つの変換処理を行うことになる。
【0181】N≧3として、多くの変換処理部(12など)を、1つの無線伝送装置40のなかに搭載すると、変換処理部以外の無線受信部11や電源部や筐体などの構成要素の利用効率を高めることができるので、機能の割に低価格な無線伝送装置40を構成することが可能となる。
【0182】(B−2)第2の実施形態の効果以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0183】加えて、本実施形態では、無線伝送装置内で、変換処理部以外の利用効率を高めることが可能である。
【0184】これにより、機能の割に低価格な無線伝送装置を提供することができる。
【0185】(C)第3の実施形態以下では、本実施形態が第1、第2の実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0186】第2の実施形態では、無線伝送装置が搭載している変換処理部(12など)は固定的に搭載されていたが、本実施形態では、着脱可能にしたことを特徴とする。
【0187】(C−1)第3の実施形態の構成および動作本実施形態の無線伝送装置50の内部構成を図4に示す。
【0188】図4において、図3と対応する符号を付した構成要素11,14,15の機能は、図3と同じである。
【0189】また、第1変換処理部52の変換処理機能自体は、前記第1変換処理部12と同じであり、第2変換処理部52の変換処理機能自体は、前記第2変換処理部13と同じであり、…、第N変換処理部54の変換処理機能自体は、前記第N変換処理部41と同じである。
【0190】ただし本実施形態において、第1〜第Nの変換処理部52〜54は、接点52A〜54A、52B〜54Bに対して着脱自在な構成となっている。
【0191】N=4の場合の無線伝送装置50の構成例を図5に示す。
【0192】図5において、無線伝送装置50は、筐体50Aと、蓋体50Bと、変換処理部装着開口50Cと、アンテナ11A、14A、15A、16A、42Aとを備えている。
【0193】このうち蓋体50Bは、矢印D1方向に回転すると変換処理部装着開口50Cを閉鎖し、矢印D2方向に回転すると変換処理部装着開口50Cを開放する蓋である。また、閉鎖時には閉鎖状態でロックできるロック機構(図示せず)を備えている。
【0194】変換処理部装着開口50Cの内部には、4つのスロットLT1〜LT4が設けられている。そして、スロットLT1の内部には前記接点52A、52Bを備えたコネクタ(図示せず)が内蔵されており、同様に、スロットLT2の内部には前記接点53A、53Bを備えたコネクタが内蔵されており、スロットLT3の内部にも対応する接点(図4には図示していない)を備えたコネクタが内蔵されており、スロットLT4の内部には前記接点54A、54Bを備えたコネクタが内蔵されている。
【0195】この構成例では、前記第2変換処理部53は、カード型の外形を有した変換処理カード53Dのなかに収容されている。当該変換処理カード53Dはコネクタ53Cを備え、一点鎖線で示した矢印D3の方向に移動させてスロットLT2内に挿入することによって、当該コネクタ53Cが前記接点53A、53Bのコネクタに接触して固定される構造となっている。
【0196】第2変換処理部53以外の変換処理部も同様で、例えば、第N(N=4)変換処理部54は変換処理カード54Dのなかに収容されている。
【0197】また、変換処理カード55Dは、図4には示していない第3変換処理部55を収容した変換処理カードである。
【0198】図示の状態では、当該変換処理カード55Dと54DはスロットLT3とLT4に装着され、第1変換処理部52を収容した変換処理カード(52D)は、スロットLT1から抜去された状態である。
【0199】本実施形態の利点は、変換処理カードだけを交換することで、新たな変換処理を行うことができる点にある。
【0200】例えば、新旧の第2次開発型と第3次開発型間の変換処理に対応した無線伝送装置を設置していた場合、第3次開発型よりもさらに新しい第4次開発型送信機や第4次開発型受信機が出現すると、第1の実施形態や第2の実施形態の構造を持つ無線伝送装置では、当該第4次開発型に対応するために当該無線伝送装置を第4次開発型にも対応できる装置に買い換える必要が生じる。
【0201】これに対し本実施形態の無線伝送装置50では、変換処理カードの交換だけで、第4次開発型の出現に対応することが可能となる。
【0202】また、長期間使用すると、非常に古いタイプの送信機や受信機(例えば第1次開発型)の場合、それを使用する可能性のあるユーザが1人もいないことが明白であることも起こり得る。そのような状況で、当該第1次開発型に関連する変換処理部まで無線伝送装置に装備しつづけることは、過剰機能となり、まったくの無駄である。使用しなくても、スタンバイ電流を消費しつづける点などを考慮すると、使用する可能性がなくなった変換処理部は無線伝送装置内から除去できた方がよい。
【0203】第1の実施形態や第2の実施形態の場合、当該第1次開発型に関連する変換処理部のような過剰機能をいつまでも装備しつづけるしかないが、本実施形態では、そのような状況に至った時点で、当該第1次開発型に関連する変換処理カードだけを該当するスロットから抜去して、当該スロットを新たな変換処理カードのために活用することも可能であり、融通性が高い。
【0204】なお、図6からも明らかなように、変換処理部の全体を本実施形態の変換処理カードの内部に収容した場合、接点(53Aなど)を介して変換処理カード(53Dなど)に入力される中間信号も、接点(53Bなど)を介して変換処理カード(53Dなど)から出力される中間信号もともに高周波信号なので、幅の広い配線パターンを必要とするなど、実装上、低周波信号に比べてかなり厳しい制約を受けることになる。
【0205】したがって、変換処理カード側のコネクタ(53Cなど)やスロット(LT2など)側のコネクタの構造に関しては、高周波に対応したものとする必要がある。
【0206】また、必要に応じて、変換処理部(12など)のすべての機能を変換処理カードになかに収容せず、一部の機能だけを収容するようにしてもよい。
【0207】例えば、図6の判定部(復号段階の判定処理に対応する部分)21、復号部24、再符号化部25の機能だけを変換処理カードに収容することも可能である。この場合、変換処理カードへの入力および変換処理カードからの出力は、復調信号DS、復号信号DC、フォーマット信号FS、再変調許可信号RAで、いずれも通常は低周波信号なので、高周波信号を入出力する場合のような、実装上の困難性は回避することができる。
【0208】なお、変調処理部を収容するパッケージが、必ずしも変調処理カードのようなカード型の外形を持たなくてもよいことは当然である。
【0209】また、図5に示したアンテナ11Aは前記無線受信部11内のアンテナユニットの全部または一部をなすアンテナであり、同様に、アンテナ14A、15A、16A、42Aは、無線送信部14,15,…,42内のアンテナユニットの全部または一部をなすアンテナである。
【0210】アンテナ14A、15A、16A、42Aは、必ずしも図示のように、筐体50Aに直接取り付ける必要はなく、ケーブルなどで接続して筐体50Aとは離れた位置に設置するようにしてもよい。
【0211】ただしその場合には、筐体50Aの位置ではなく、アンテナの位置が上述したエリアE1の中心となるので、厳密には、アンテナの位置の数だけ異なるエリアが存在する構成となる。
【0212】また、アンテナの形状は、図5のようなロッド状の外形を持つアンテナに限らない。周波数などにより、例えば逆Fアンテナなどを使用することも可能である。
【0213】(C−2)第3の実施形態の効果以上のように、本実施形態によれば、第2の実施形態の効果と同等な効果を得ることができる。
【0214】加えて、本実施形態では、ユーザの希望に応じて変換処理カードだけを交換することで、異なる変換処理に対応することができるようになるので、融通性が高い。
【0215】また、ユーザの望む変換処理を、変換処理カードを購入するだけで実現することができるという意味で、変換処理部以外の構成要素の利用効率は第2の実施形態よりもさらに高まり、必要な機能を低価格で実現することができる。
【0216】(D)他の実施形態なお、上記第1の実施形態では、暗証コードS23と制御コードS25を同時に送信することが困難でるものとしたが、キー操作部35に設けられている操作キーの数が十分である場合などには、これらを同一のフォーマットを用いて同時送信できるシステム構成としてもよい。
【0217】また、上記第1の実施形態では、各リモコン受信機は、前記複数フォーマット対応機能を装備しないほうが好ましいと述べたが、もし必要ならば、各リモコン受信機に当該複数フォーマット対応機能を装備してもよく、無線リモコンシステム30中に、複数フォーマット対応機能を装備したリモコン受信機と装備していないリモコン受信機が混在していてもよい。
【0218】さらに、第1〜第3の実施形態において「開発型」は、ガレージ用シャッターのリモコン受信機およびリモコン送信機という同種の装置の新旧の型を意味するものであったが、異種の装置を意味する概念として用いることもできる。
【0219】例えば、あるガレージ用シャッターのリモコン送信機およびリモコン受信機と、ブラインドシャッターのリモコン送信機およびリモコン受信機との関係は、上述した第2次開発型と第3次開発型との関係と同様に、開発型が異なるケースの1つとしてとらえることができる。
【0220】したがって、本発明によれば、例えばガレージ用シャッターのリモコン送信機を用いて、ブラインドシャッターのリモコン受信機を操作すること等も可能である。
【0221】この場合、例えば、上述した図12(B)の「換気」フィールドF24を用いて、ブラインドシャッターにおける各スラットごとのの開き角度を変更すること等も可能である。
【0222】一方、図12に示したフォーマットでは、開発型自体を表示する「開発型」フィールドは存在しなかったが、当該「開発型」フィールドを、複数の開発型で使用されるフォーマットに設けるようにしてもよい。
【0223】この場合、無線伝送装置10内のメモリに、開発型の変換テーブルを装備して、開発型間の変換を一元管理することが可能である。
【0224】そしてこの場合には、前記無線伝送装置10は、当該「開発型」フィールドを調べるだけでただちに変換元(および/または変換先)の開発型を認識することができるので、無線伝送装置10の負荷を低減することができる。これは、前記システム30中に3つ以上の開発型が混在した場合などに特に効果的であると考えられる。
【0225】また、当該「開発型」フィールドを用いて、変換元の開発型と変換先の開発型の双方(少なくとも変換先の開発型)を指定できるようにしてもよい。これにより、前記システム30中に3つ以上の開発型が混在した場合などに、変換先の開発型を1つだけに特定することができるから、システム30中の干渉の影響を大きく低減することが可能であると考えられる。
【0226】さらに、上記第1の実施形態では、無線伝送装置の変換処理部12,13には、復調部20、復号部24、判定部21などを搭載したが、変換処理部に増幅部23だけを搭載するような構成も可能である。これにより、電波法規の規制内の送信電力を用いても、従来より遠くからシャッター動作を行うことが可能になる。
【0227】また、第1の実施形態は、前記Nが、N=2のケースに相当し、第2および第3の実施形態は、N≧3のケースであるが、本発明は、N=1のケースにも適用し得ることは当然である。
【0228】例えば第2次開発型の無線信号SL1の仕様から第3次開発型の無線信号SL2への変換処理だけが必要で、その他の変換処理が不要であることが明白な場合などには、変換処理部として、該当する1つの変換処理部だけを搭載した無線伝送装置を使用しても、十分な効果が得られるからである。
【0229】N=1などのケースであって、なおかつユーザが1人だけで当該無線伝送装置を使用する場合には、上述した受信(送信)エリアは十分に小さく設定することができる。例えば、このようなケースにおいて、図11のように無線伝送装置をシャッター収納ボックス60に取り付ける場合には、受信機34(33)までの距離は数mであるのが普通なので、当該数m程度のエリアを設定すればよいことになる。
【0230】なお、上述した水平面内でほぼ無指向性の受信パターンを持つ、第1〜第2の実施形態の無線受信部(11など)、無線送信部(14など)のアンテナとしては、簡単な構造を持つモノーポールアンテナを使用することができる。前記逆Fアンテナも、モノポールアンテナの一種である。
【0231】もちろん、もっと信頼性を高めたければ、ダイポールアンテナやスリーブアンテナ等を使用することもできる。
【0232】なお、第1〜第3の実施形態の無線伝送装置に、前述のIDを登録するID登録機能と、登録したIDを照合するID照合機能を装備した場合、無線伝送装置は、登録されたIDを表示しない送信機が送信した無線信号は変換処理せず、登録したIDを表示する送信機が送信した無線信号だけを変換処理するから、無関係なユーザの送信した無線信号を変換処理してしまうことがなくなり、エリアE1内で干渉の影響を低減することができる。
【0233】なお、無線伝送装置がこれらのID登録機能やID照合機能を装備していない場合であっても、受信機のほうでこれらの機能を装備していれば、本来のユーザ以外の者がシャッター動作を行うことは阻止できる。
【0234】また、無線伝送装置にID登録機能とID照合機能を装備した場合、無線伝送装置による変換処理を必要とするユーザだけが、当該無線伝送装置にID登録するようにすれば、IDは、上述した変換要否信号と同じ機能を持つことになる。
【0235】ただしIDのビット数は1ビットよりもはるかに多いので、ID登録機能やID照合機能に比べると、前記変換要否信号(1ビット)を処理する機能のほうが小規模に構成することができる可能性が高い。
【0236】しかしながらID登録やID照合は、受信機33,34が通常装備している機能なので、受信機と同じ機能ブロック(回路構成)をそのまま無線伝送装置に適用するだけで済むという、製造上の利点がある。
【0237】なお、第1〜第3の実施形態では、無線信号は300MHzや400MHz程度の電波であったが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。これよりも高い周波数や低い周波数の電波を使用してもよく、赤外線などを使用してもよい。
【0238】また、無線伝送装置は、第1〜第3の実施形態で述べた使用方法のほかにも、例えば、送信機と受信機が見通しの得られない位置関係にある場合などに、当該無線伝送装置が当該送信機に対しても受信機に対しても見通しの得られる位置に存在するように配置することが考えられる。この場合、当該無線伝送装置を介することによって、送信機と受信機のあいだで見通しが得られる場合と同様な好条件で、送信機と受信機が通信することが可能になるという効果も期待できる。
【0239】これは、第1〜第3の実施形態の無線信号のかわりに、1GHz程度以上の高い周波数の電波や赤外線などを用いた場合に特に効果的である。赤外線はもちろん、1GHz以上の高い周波数の電波も、光と同様な性質を示し、見通しが得られない場合の通信品質は極端に低下する傾向があるからである。
【0240】なお、第1〜第3の実施形態においては、ガレージ用シャッターについて本発明を適用したが、本発明はガレージ用シャッター以外のシャッターに適用することも可能である。
【0241】また、特許請求の範囲における「目的仕様項目」とは、例えば、発明が解決しようとする課題の項で述べたように、リモコン送信機の送信電力を大きくして旧型よりも遠くまで到達する送信元無線信号を送信可能な新型リモコン送信機を開発しようとした場合において、大きくした当該送信電力のことであり、「追従仕様項目」とは、当該送信電力を大きくしても諸種の電波法規に違反しないために変更される各仕様項目(例えば、周波数、変調方式、ビットパターンなど)のことである。したがってこの例の場合、「改善」とは、旧型よりも遠くまで到達する送信元無線信号を送信して通信可能な距離を長くすることを指す。
【0242】また、本発明では、請求項1〜8のいずれかの伝送装置と、開閉体の動作状態を指示する動作状態指示信号を含む送信元無線信号を送信するリモコン送信機と、このリモコン送信機に対向するリモコン受信機とを備えた開閉装置の通信システムにおいて、前記リモコン受信機は、前記伝送装置の送信先無線信号が到達する到達領域のうち、到達限界の近傍に設置するようにしてもよい。
【0243】これは、リモコン送信機とリモコン受信機の通信可能な距離を長くしたい場合などに効果的な構成である。
【0244】さらに、以上の説明において、情報の流れる方向は、必要に応じて無線伝送装置が介在するものの、基本的にはリモコン送信機からリモコン受信機へ向かう単方向であったが、本発明の適用範囲はこのような単方向通信に限定されるものではない。
【0245】すなわち当該リモコン送信機を送信専用の通信機器ではなく遠隔操作用の送受信機である操作送受信機に置換するとともに、当該リモコン受信機を受信専用の通信機器ではなく遠隔被操作用の送受信機である被操作送受信機に置換し、必要に応じて無線伝送装置を介在した全二重通信や半二重通信が行えるようにしてもよい。
【0246】この場合、当該無線伝送装置は、操作送受信機から受け取った無線信号を受信し処理して被操作送受信機に無線送信する機能と、被操作送受信機から受け取った無線信号を受信し処理して操作送受信機に無線送信する機能とを装備することになる。
【0247】このとき操作送受信機から被操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、前記シャッター動作などを指示する動作状態指示信号であってよく、反対に被操作送受信機から操作送受信機に向かう無線信号に含まれている信号は、シャッター動作の現状を報告するための動作状態報告信号であってよい。
【0248】当該動作状態報告信号は、その時点のシャッター動作状態が、例えば、「全開放状態」、「全閉鎖状態」、「一部開放状態(部分的に開放して停止している状態)」、「開放動作中」、「閉鎖動作中」、「異常発生」などであることを示す信号であってよい。
【0249】この場合、当該動作状態報告信号を受け取ることによって、操作送受信機のユーザは、例えば当該「全開放状態」であることを認識することができる。
【0250】また、当該遠隔操作送受信機を携帯受信機に置換し、被操作送受信機を固定送信機に置換することもできる。この場合、情報の流れる方向は、固定送信機から携帯受信機に向かう単方向となる。常時このような単方向通信だけが行われるシステム構成であってもよく、モード切替に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るシステム構成であってもよい。
【0251】すなわち、前記操作送受信機と被操作送受信機において、モード切替に応じて必要な場合にのみ、このような単方向通信を行い得るようにしてもよい。
【0252】なお、上述したように、第2次開発型の送信機31や受信機33で使用するフォーマットを、図12(A)のフォーマットとし、第3次開発型の送信機32Yや受信機34で使用するフォーマットを、図12(B)のフォーマットとした場合には、前記無線伝送装置10は、暗証コードの照合結果を送り返す機能(すなわち双方向通信機能)や暗証コードの登録機能を備えていない第2次開発型受信機33に替わって、これらの機能を実現するようにしてもよい。
【0253】換言するなら、本発明は、開閉体の動作状態を指示する動作状態指示信号を含む通信信号であって非開閉体側通信装置が送信した第1の通信信号、および/または、前記開閉体の動作状態を報告する動作状態報告信号を含む通信信号であって開閉体側通信装置が送信した第2の通信信号を受信する受信手段と、前記開閉体側通信装置に受信させるために、前記第1の通信信号に応じた第3の通信信号を送信し、および/または、前記非開閉体側通信装置に受信させるために、前記第2の通信信号に応じた第4の通信信号を送信する送信手段とを備え、前記非開閉体側通信装置と開閉体側通信装置の間に介在することを特徴とする伝送装置に関するものであるとしてとらえることもできる。
【0254】また、以上の説明では、開閉体側通信装置が遠隔被操作器であり、非開閉体側通信装置が遠隔操作器である場合についてのみ説明したが、本発明は、このケースに限って適用できるものではない。
【0255】非開閉体側通信装置が受信だけを行う受信専用機器である場合も考えられる。
【0256】この受信専用機器は、例えば、メンテナンスなどを目的としたもので、開閉体側通信装置が開閉体に関して保有している動作管理情報(開閉体の開閉位置、開閉回数、開閉に関する障害情報、開閉時の障害物当接感知の有無など)などを受信し、受信結果を表示するものであってよい。
【0257】また、この動作管理情報を開閉体側通信装置が送信する送信タイミングについては、例えば、曜日や時間などを固定的に予め決めておいたり、有線で送信指示が与えられた任意のタイミングを、当該送信タイミングとすること等も可能である。
【0258】さらに、当該送信タイミングで送信される前記動作管理情報の具体的な内容についても、予め固定的に決めておくようにしてもよく、有線で指示された内容だけを送信するようにしてもよい。
【0259】また、当該受信専用機器との関連で本発明の伝送装置を使用する利点としては、開閉体側通信装置が新、旧混在する場合に、受信専用機器を新型に統一可能としたり、前記動作管理情報の収集可能範囲(地理的領域)を拡大可能としたりできる点が考えられる。
【0260】なお、以上の説明では主として無線信号を中継する場合について説明したが、本発明は、有線信号を中継する場合についても適用可能である。
【0261】これに該当する例としては、例えば、前記非開閉体側通信装置が有線通信用の携帯機器であり、通信する場合には所定のスロットに装着して有線通信を行う構成のシステムが考えられる。
【0262】有線通信の場合でも、開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置は仕様が整合していなければ正常に通信できないので、有線通信にも本発明を適用できる可能性がある。
【0263】この場合、開閉体側通信装置は当該スロットのほかに伝送装置とも有線で接続されている構成となる。そして、開閉体側通信装置と非開閉体側通信装置(携帯機器)の開発型が相違する場合、当該携帯機器のユーザは本来のスロットに装着しても正常な通信を行うことができないことを認識すると、伝送装置のスロットに装着して正常な通信を行うことになる。
【0264】なお、本発明は、シャッター用としてだけでなく、ドア、窓、オーバーヘッドドアなどの他の開閉装置のリモコンシステムにも適用することが可能である。
【0265】
【発明の効果】以上に説明したように、第1〜第3の発明によれば、受信する通信信号と送信する通信信号に応じて中継を行うことができる。
【0266】また、第2および第3の発明では、通信信号を仕様変換して、仕様の異なる非開閉体側通信装置と開閉体側通信装置のあいだに、互換性を付与することができる。
【0267】これにより、仕様の整合している非開閉体側通信装置と開閉体側通信装置の一方だけを取り替えた後でも、正常な通信を維持することが可能で、経済的で、融通性も高まる。
【出願人】 【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
【出願日】 平成12年6月7日(2000.6.7)
【代理人】 【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
【公開番号】 特開2001−349141(P2001−349141A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−170243(P2000−170243)