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【発明の名称】 ワイヤ式ウインドレギュレータ
【発明者】 【氏名】高橋 雅子

【氏名】三好 勝彦

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウインドガラスを車両ドアに設けたガイド部材に沿って昇降自在に案内し、該ウインドガラスを進退駆動される駆動ワイヤを介して昇降させるワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、上記ウインドガラスの下端部に、該ウインドガラス下端部を支持するウインドガラス支持部と、上記ガイド部材に摺動自在に嵌まる摺動部と、ウインドガラス平面に直交する方向に突出する駆動ワイヤ支持部とを有するスライダ部材を位置させ、このスライダ部材に係止される一対の駆動ワイヤの端部にそれぞれ、該駆動ワイヤと直交させて抜け止めピンを一体に設け、上記スライダ部材の駆動ワイヤ支持部に、一対の駆動ワイヤ端部の上記抜け止めピンを回動自在に支持する、ウインドガラス平面と直交する方向の支持穴と、この支持穴に通じ上記一対の駆動ワイヤを上下方向に引き出す導出溝とを設け、上記スライダ部材の駆動ワイヤ支持部に、該駆動ワイヤ支持部を補強する補強部材を設けたことを特徴とするワイヤ式ウインドレギュレータ。
【請求項2】 ウインドガラスを車両ドアに設けたガイド部材に沿って昇降自在に案内し、該ウインドガラスを進退駆動される駆動ワイヤを介して昇降させるワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、上記ガイド部材に摺動自在に嵌まる摺動部と、ウインドガラス平面に直交する方向に突出する駆動ワイヤ支持部とを有し、ウインドガラスに固定されるスライダ部材;このスライダ部材の駆動ワイヤ支持部に形成した、ウインドガラス平面と直交する方向の支持穴と、この支持穴に通じ上記一対の駆動ワイヤを上下方向に引き出す導出溝;この支持穴に回動自在に嵌まる、一対の駆動ワイヤの端部にそれぞれ一体に設けた抜け止めピン;及び上記スライダ部材を、上記支持穴に嵌めた上記抜け止めピンの両端部から挟着支持する一対の補強部材;を有することを特徴とするワイヤ式ウインドレギュレータ。
【請求項3】 請求項1または2記載のワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、上記補強部材には、スライダ部材の駆動ワイヤ支持部の支持穴に挿入した抜け止めピンを囲む貫通穴が形成されているワイヤ式ウインドレギュレータ。
【請求項4】 請求項3記載のワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、補強部材の貫通穴は、その内周面に一体に補強筒部を有するワイヤ式ウインドレギュレータ。
【請求項5】 請求項3または4記載のワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、補強部材の貫通穴又は(及び)補強筒部との間には、スライダ部材の一部が介在し、補強部材と抜け止めピンは非接触であるワイヤ式ウインドレギュレータ。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項記載のワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、補強部材は金属ブラケットであるワイヤ式ウインドレギュレータ。
【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載のワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、車両ドアのガイド部材は、ウインドガラスの前後端部と上記スライダ部材の摺動部とを摺動自在にガイドするドアサッシュであるワイヤ式ウインドレギュレータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】本発明は、車両用のワイヤ式ウインドレギュレータに関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ワイヤ式ウインドレギュレータは、ウインドガラスを車両ドアに設けたガイド部材に沿って昇降自在に案内し、該ウインドガラスを進退駆動される駆動ワイヤを介して昇降させるという基本構成を有する。ウインドガラスには一対の駆動ワイヤの端部を固定するブラケットが設けられ、このブラケットがガイド部材に摺動自在に案内されている。しかし、従来装置は、ブラケットとの結合部分において、駆動ワイヤを過度に曲折しなければならず、駆動ワイヤの耐久性を劣化させる原因となっていた。
【0003】
【発明の目的】本発明は、駆動ワイヤがブラケット(ウインドガラス)部分で有害に曲折されることがない、駆動ワイヤの耐久性に優れたワイヤ式ウインドレギュレータを得ることを目的とする。また本発明は、組立時において、駆動ワイヤを結合する部材とウインドガラスとの前後方向の位置の自由度が得られるワイヤ式ウインドレギュレータを得ることを目的とする。
【0004】
【発明の概要】本発明は、ウインドガラスを車両ドアに設けたガイド部材に沿って昇降自在に案内し、該ウインドガラスを進退駆動される駆動ワイヤを介して昇降させるワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、ウインドガラスの下端部に、該ウインドガラス下端部を支持するウインドガラス支持部と、ガイド部材に摺動自在に嵌まる摺動部と、ウインドガラス平面に直交する方向に突出する駆動ワイヤ支持部とを有するスライダ部材を位置させ、このスライダ部材に係止される一対の駆動ワイヤの端部にそれぞれ、該駆動ワイヤと直交させて抜け止めピンを一体に設け、スライダ部材の駆動ワイヤ支持部に、一対の駆動ワイヤ端部の上記抜け止めピンを回動自在に支持する、ウインドガラス平面と直交する方向の支持穴と、この支持穴に通じ上記一対の駆動ワイヤを上下方向に引き出す導出溝とを設け、スライダ部材の駆動ワイヤ支持部に、該駆動ワイヤ支持部を補強する補強部材を設けたことを特徴としている。
【0005】本発明は、別の態様では、ウインドガラスを車両ドアに設けたガイド部材に沿って昇降自在に案内し、該ウインドガラスを進退駆動される駆動ワイヤを介して昇降させるワイヤ式ウインドレギュレータにおいて、ガイド部材に摺動自在に嵌まる摺動部と、ウインドガラス平面に直交する方向に突出する駆動ワイヤ支持部とを有し、ウインドガラスに固定されるスライダ部材;このスライダ部材の駆動ワイヤ支持部に形成した、ウインドガラス平面と直交する方向の支持穴と、この支持穴に通じ一対の駆動ワイヤを上下方向に引き出す導出溝; この支持穴に回動自在に嵌まる、一対の駆動ワイヤの端部にそれぞれ一体に設けた抜け止めピン;及びスライダ部材を、支持穴に嵌めた抜け止めピンの両端部から挟着支持する一対の補強部材;を有することを特徴としている。
【0006】いずれの態様でも、スライダ部材の支持穴は、一対の駆動ワイヤの抜け止めピン用に一対を設けても、一対の抜け止めピンに共通に一つを設けてもよい。
【0007】補強部材には、スライダ部材の駆動ワイヤ支持部の支持穴に挿入した抜け止めピンを囲む貫通穴を形成して抜け止めピンの支持強度を高めることが好ましい。この貫通穴には、その内周面に一体に補強筒部を形成するのがよい。さらに、補強部材の貫通穴又は(及び)補強筒部との間には、スライダ部材の一部を介在させ、補強部材と抜け止めピンを非接触とすると、特に補強部材を金属ブラケット(材料)から構成する場合の異音の発生を防止できる。
【0008】スライダ部材をガイドする車両ドアのガイド部材に制限はないが、例えば、ウインドガラスの前後端部とスライダ部材の摺動部とを摺動自在にガイドするドアサッシュをガイド部材とすると、ウインドガラスの昇降ガイド及び昇降機構を簡単にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図6は、本発明によるワイヤ式ウインドレギュレータの第一の実施形態である。この実施形態は、ドアサッシュに摺動自在に嵌めるスライダ部材と駆動ワイヤによって昇降するキャリア部材とを共通化した実施形態(スライダ部材がキャリア部材を兼ねる実施形態)である。
【0010】図1に示すように、車両ドア内の前後に位置するドアサッシュ11F、11Rは、その開口部を対向させた略コ字状断面を有し、その中に、ガラスラン12F、12R(図6)が挿入固定されている。ガラスラン12F、12Rは、図6に示すように、全体として略コ字状断面を有し、コ字状空間内に対向して突出する弾性リップ13と、コ字状空間底部の位置規制凸条14を有している。ドアサッシュ11F、11R及びガラスラン12F、12R自体は既に知られており、図示形状は一例である。
【0011】ウインドガラス15にはその下端部前後に切欠段部(凹部)15F、15Rが形成されており、この切欠段部15F、15R内に合成樹脂製のスライダ部材20F、20Rが位置している。このスライダ部材20F、20R及びこれに関連した構成要素は、前後対称形状をしており、以下の説明及び図面では、前方の部材の符号にサフィクスFを付し、後方の部材に同Rを付した上で、基本的には一方(前方)のみを説明する。
【0012】スライダ部材20Fは、図2、図5に示すようにそれぞれ、ウインドガラス15の下端部を支持するウインドガラス支持部21と、ドアサッシュ11Fに摺動自在に嵌まる摺動部22と、ウインドガラス15の平面に直交する方向に突出する駆動ワイヤ支持部23とを有する。ウインドガラス支持部21と摺動部22は、ウインドガラス15の下端部に沿い、摺動部22の先端は、ウインドガラス15とともにドアサッシュ11F(ガラスラン12F)内に摺動自在に挿入されている。ウインドガラス支持部21には、固定ボルト挿入穴21aが形成されている。
【0013】駆動ワイヤ支持部23には、ウインドガラス15の板厚平面と直交する方向の一対の駆動ワイヤピン支持穴23aと、このピン支持穴23aに連なる駆動ワイヤ導出溝23bが形成されている。一対のピン支持穴23aは上下方向に離間している。また、駆動ワイヤ支持部23には、その内外両面に、ピン支持穴23aと同心の環状溝23cが形成されている。駆動ワイヤ30は、その端部に、該駆動ワイヤ30と直交する方向の抜け止めピン31を一体に有しており、この抜け止めピン31が駆動ワイヤ支持部23のピン支持穴23aに回転自在に嵌められる。駆動ワイヤ導出溝23bは、抜け止めピン31をピン支持穴23aに嵌めるときに、駆動ワイヤ30を挿入する(導き出す)もので、最終的に一対の駆動ワイヤ30をウインドガラス15に干渉させることなく上下方向に導き出すことができる位置及び形状に設けられている。
【0014】スライダ部材20Fは、その内外に位置する一対の金属ブラケット(補強部材)24Fと25F(24Rと25R)によって挟着される。金属ブラケット24F、25Fは、ウインドガラス支持部21と駆動ワイヤ支持部23の内外に沿うもので、一方の金属ブラケット24Fは、ウインドガラス支持部21と駆動ワイヤ支持部23に対応する階段状をなし、他方の金属ブラケット25Fは大略平面状をなしている。この金属ブラケット24Fと25Fにはそれぞれ、ウインドガラス支持部21の固定ボルト挿入穴21aに対応させて、バーリング加工による筒状部41aを有するボルト挿通穴41bが形成され、また環状溝23cに対応させて、同じくバーリング加工による補強筒部42aを内周面に有する貫通穴42bが形成されている。
【0015】ウインドガラス15には、その切欠段部15Fに、スライダ部材20Fのウインドガラス支持部21の位置に対応させて断面略U字状をなすフィラー44が嵌められており、このフィラー44は、金属ブラケット24Fと25Fにより挟着される。金属ブラケット24Fと25Fの上端部には、互いの間隔を狭める突条43が形成されている。ウインドガラス15には、固定用の穴は穿設されていない。
【0016】以上のウインドガラス15、抜け止めピン31を有する駆動ワイヤ30、スライダ部材20F、及び金属ブラケット24F、25Fは次のように組み立てられる。スライダ部材20Fの一対の駆動ワイヤ支持部23のピン支持穴23aにそれぞれ、駆動ワイヤ30の抜け止めピン31を嵌め、一対の駆動ワイヤ30を駆動ワイヤ導出溝23bから上下方向に引き出す。このとき抜け止めピン31はピン支持穴23a内で自由に回転する。
【0017】一方、ウインドガラス15の切欠段部15Fにはフィラー44を嵌めておき、このウインドガラスの下端部にスライダ部材20Fを位置させ、スライダ部材20Fを金属ブラケット24F、25Fで挟む。金属ブラケット24Fのボルト挿通穴41b、ウインドガラス支持部21の固定ボルト挿入穴21a及び金属ブラケット25Fのボルト挿通穴41bに固定ボルト45を挿入して、ウインドガラス15、スライダ部材20F、金属ブラケット24F、及び金属ブラケット25Fを一体化する。このとき、金属ブラケット24F、25Fの補強筒部42bを駆動ワイヤ支持部23の環状溝23cに嵌め、さらに、突条43でフィラー44を押圧してウインドガラス15に固定力を与える。突条43は、固定ボルト45によって完全にウインドガラス15、金属ブラケット24F、25Fを固定する前において、ウインドガラス15とスライダ部材20Fの前後方向の相対位置調整を可能とする部材として作用する。すなわち、フィラー44は、組立時においては、ウインドガラス15とスライダ部材20Fの双方に対して相対摺動でき、スライダ部材20Fに対するウインドガラス15の前後方向の位置を調整することができる。
【0018】一対の駆動ワイヤ30は、ドアサッシュ11F、11Rの上下端部にそれぞれブラケット32を介して回転自在に支持したガイドプーリ33に巻回される。すなわち、図1に示すように、スライダ部材20Fに一端部が支持された一方の駆動ワイヤ30の他端部は、前方のドアサッシュ11Fの上方のガイドプーリ33から後方のドアサッシュ11Rの下方のガイドプーリ33に導かれた後、後方のスライダ部材20Rに支持されている。前方のスライダ部材20Fに一端部が支持された他方の駆動ワイヤ30の他端部は、前方のドアサッシュ11Fの下方のガイドプーリ33に導かれた後、正逆巻取駆動ユニット34によって回転駆動される巻取ドラム35に巻かれている。巻取ドラム35には、スライダ部材20Rに一端部が支持され、後方のドアサッシュ11Rの上方のガイドプーリ33を介してガイドされた駆動ワイヤ30の他端部も巻回されている。正逆巻取駆動ユニット34は、ドアサッシュ11Rに固定したモータブラケット36に支持されている。
【0019】上記構成の本ワイヤ式ウインドレギュレータは従って、正逆巻取駆動ユニット34により巻取ドラム35を正逆に回転駆動すると、駆動ワイヤ30に引かれたスライダ部材20Fと20Rが同時に同一方向に昇降し、ウインドガラス15が昇降する。駆動ワイヤ30の先端部の抜け止めピン31は、スライダ部材20F、20Rのピン支持穴23a内に回転自在に位置し、駆動ワイヤ30は導出溝23bから上下方向に導出されているため、駆動ワイヤ30に有害な曲げが生じることがなく、高い耐久性を得ることができる。また、駆動ワイヤ30の抜け止めピン31は、ピン支持穴23a内に回転自在に位置するだけでなく、その両端部が、金属ブラケット24F、25Fに形成した補強筒部42aによって間接的に支持されているため、支持強度も十分である。さらに、補強筒部42aと抜け止めピン31との間には、合成樹脂材料からなるスライダ部材20Fの一部が介在し、両者が直接接触することがないので、異音の発生もない。
【0020】図7は、本発明の別の実施形態を示すもので、図4に対応する断面図である。図1ないし図6の実施形態では、金属ブラケット24F、25Fの貫通穴42bの内周面に補強筒部42aを形成したのに対し、この図7の実施形態は、金属ブラケット24F、25Fに補強筒部42aを形成することなく単に貫通穴42bを形成した実施形態である。補強筒部42aを形成しなくても、このように金属ブラケット24F、25Fの貫通穴42bが抜け止めピン31の周囲を囲む形で存在すれば、抜け止めピン31の支持強度を上げることができる。同様に、ボルト挿通穴41bの内周面の筒状部41aも省略することが可能である。
【0021】以上の実施形態では、金属ブラケットを補強部材としたが、例えば高機能樹脂材料から補強部材を構成することもできる。また、実施形態では、スライダ部材20Fを二分割した金属ブラケット(補強部材)24F、25Fによって挟着しているが、金属ブラケットを断面略U字状のばね性を有する一部材から構成することも可能である。一対の駆動ワイヤ30のウインドガラス15の直交する方向の位置が若干異なるのを許容すれば、スライダ部材20Fの支持穴23aは、一対の駆動ワイヤ30の抜け止めピン31に共通に一つのみを設けることも可能である。
【0022】また以上の実施形態では、ドアサッシュ11F、11Rに、ブラケット32を介してガイドプーリ33を支持したが、ブラケット32を介在させることなく、ドアサッシュ11F、11R上に直接ガイドプーリ33を支持する態様も可能である。
【0023】以上の実施形態は、ウインドガラス15を摺動自在に支持するドアサッシュ11F、11Rに、さらにスライダ部材20F、20Rも同時に摺動自在に支持しているため、ウインドガラスの昇降ガイド及び昇降機構を単純化できるという利点があるが、ドアサッシュ11F、11Rとは別のガイドレールにスライダ部材20F、20Rをガイドする態様、すなわち、摺動部22を別のガイドレールにガイドさせる態様も可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、駆動ワイヤがスライダ部材部分で有害に曲折されることがない、駆動ワイヤの耐久性に優れたワイヤ式ウインドレギュレータを得ることができる。
【出願人】 【識別番号】590001164
【氏名又は名称】シロキ工業株式会社
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
【公開番号】 特開2001−349133(P2001−349133A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−173421(P2000−173421)