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【発明の名称】 保管庫
【発明者】 【氏名】黒田 義憲

【要約】 【課題】例えばプレハブ式の玄米保管庫等の保管庫について、開き扉のヒンジへの負荷を軽減させることができて、扉のサイズや重量が大きくなった場合や開閉頻度が高い場合にも、ヒンジの取付数をふやしたり、ヒンジの取付強度を増大することなく、充分に対応することができて、扉の片下がりを有効に防止する。また仮に、扉に若干の片下がりが発生した場合にも、扉の閉鎖時に扉を正規の位置に誘導保持し、扉が常にスムーズに開閉するようにした保管庫を提供する。

【解決手段】保管庫1は、保管庫本体2の前面開口部を覆う外付け開き扉3のヒンジ4取付部と反対側の遊端寄り部分の下端部に、扉片下がり防止ローラ11が内方突出状に取り付けられ、このローラ11が保管庫本体2の底壁2aまたは底壁2aの対応箇所に設けられたローラ受け座30に受けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 保管庫本体の前面開口部を覆う外付け開き扉のヒンジ取付部と反対側の遊端寄り部分の下端部に、扉片下がり防止ローラが内方突出状に取り付けられ、このローラが保管庫本体の底壁または底壁の対応箇所に設けられたローラ受け座に受けられていることを特徴とする保管庫。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばプレハブ式の玄米保管庫等の食品類保管庫、プレハブ式冷凍・冷蔵庫、保冷庫、クリーンルーム、および食品加工室(以下、保管庫と略記する)であって、とくに開き扉の片下がり防止機構を備えた保管庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば玄米保管庫においては、開き扉のサイズや重量が大きくなった場合や、開閉頻度が高い場合などには、ヒンジの取付数をふやしたり、ヒンジの取付強度を増大するなどの対策がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の保管庫では、扉に対する力(自重)の加わり方から、ヒンジの取付数をふやしたり、ヒンジ自体の取付強度を増大するなどの対策では、効率が悪く、かつコスト高になるという問題があった。
【0004】この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、開き扉のヒンジへの負荷を軽減させることができて、扉のサイズや重量が大きくなった場合や開閉頻度が高い場合にも、扉の片下がりを有効に防止することができ、従ってヒンジの取付数をふやしたり、ヒンジの取付強度を増大することなく充分に対応することができて、また仮に、扉に若干の片下がりが発生した場合にも、扉の閉鎖時に扉を正規の位置に誘導保持することができるとともに、扉をスムーズに開閉することができる、保管庫を提供しようとすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、この発明による保管庫は、保管庫本体の前面開口部を覆う外付け開き扉のヒンジ取付部と反対側の遊端寄り部分の下端部に、扉片下がり防止ローラが内方突出状に取り付けられ、このローラが保管庫本体の底壁または底壁の対応箇所に設けられたローラ受け座に受けられていることを特徴としている。
【0006】上記保管庫において、ローラ受け座に、扉の閉鎖時に扉片下がり防止ローラと係り合うローラ戻止め凸部が上方突出状に設けられているのが、望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0008】この明細書において、前後、左右は図2を基準とし、前とは図2の左側、後とは同右側をいゝ、また左右は後方に向かっていうものとする。
【0009】図1〜図3を参照すると、この発明によるプレハブ式小型玄米保管庫(1) は、箱形の保管庫本体(2) の開口周縁部の前壁に開き扉(3) が、ヒンジ(4) を介して略180°開閉自在にかつ外付け状態に取り付けられている。
【0010】保管庫本体(2) の底壁(2a)、側壁(2b)(2b)および上壁(2c)、並びに扉(3) は、それぞれ断熱パネルによりつくられており、保管庫本体(2) の開口周縁部には横断面略コ形の合成樹脂製の枠部材(7) が全周にわたって取り付けられている。
【0011】いわゆるオーバーラップ式の上記扉(3) が閉じた状態では、扉(3) の周縁部に取り付けられたパッキン(6) が保管庫本体(2) の開口周縁部の枠部材(7) 外面に当接せしめられる。
【0012】なお、扉(3) のヒンジ取付部と反対側の揺動端部には把手(5) が取り付けられ、保管庫本体(2) の下壁(2a)の下面の四隅部には、キャスタ(8) がそれぞれ取り付けられている。保管庫本体(2) の上壁(2a)には蓋部材により覆われた開口部が設けられており、玄米保管庫(1) 内が玄米の熟成に必要な常温・常圧に保持されるようになされている。
【0013】この発明においては、玄米保管庫(1) の扉(3) のヒンジ取付部と反対側の遊端寄り部分の下端部に、扉片下がり防止ローラ(11)がローラ保持部材(10)を介して内方突出状に取り付けられ、このローラ(11)が保管庫本体(2) の底壁(2a)の対応箇所に設けられたローラ受け座(30)に受けられている。
【0014】これらのローラ保持部材(10)、扉片下がり防止ローラ(11)およびローラ受け座(30)の構造は、図4と図5に詳しく示されている。
【0015】同図を参照すると、ローラ保持部材(10)は、前方に開口したフード形のローラ保持用主部(14)と、これの左右両側縁部に連なって設けられた一対の取付用翼部(15)(15)とよりなり、ローラ保持用主部(14)の内部に、ローラ(11)を回転自在に保持しかつ正面よりみて略逆U形のローラ保持可動体(12)と、可動体(12)を常時下方に付勢するコイルばね(13)とが収められている。
【0016】フード形ローラ保持用主部(14)は、後方下向きの傾斜状後壁部(14a) と、これの上端に連なる上壁部(14b) と、傾斜状後壁部(14a) の下部に連なる厚肉の下壁部(14c) と、傾斜状後壁部(14a) の左右両側縁部に連なる左右側壁部(14d)(14d)とよりなり、ローラ保持用主部(14)の内部には、前方に開口しかつローラ保持可動体(12)の一部およびコイルばね(13)を収容する空所(16)が形成されている。
【0017】正面よりみて略逆U形のローラ保持可動体(12)は、ローラ(11)の幅分の間隔をあけて配された左右一対の軸受ブラケット(20)(20)と、これらの上端部同士を連結する頂壁部(21)とを備えており、頂壁部(21)の前後両端部にはローラ保持用主部(14)の下壁部(14c) と係り合う脱出防止凸部(22)(22)が設けられている。
【0018】また左右軸受ブラケット(20)(20)の下端寄り部分には、枢軸(24)によりローラ(11)が回転自在に取り付けられている。
【0019】一方、ローラ保持用主部(14)の下壁部(14c) には、ローラ(11)の幅(厚み)および直径より若干大きい横断面を有するローラ収容孔(17)と、ローラ収容孔(17)の左右両側においてローラ(11)の左右軸受ブラケット(20)(20)の厚みおよび幅より若干大きい横断面を有するブラケット収容凹部(18)(18)が設けられている。
【0020】なお、ローラ収容孔(17)とブラケット収容凹部(18)(18)とは、ローラ保持用主部(14)の傾斜状後壁部(14a) とほゞ同じ角度で後方下向きに傾斜せしめられており、これらのローラ収容孔(17)とブラケット収容凹部(18)(18)とに、ローラ保持可動体(12)のローラ(11)と左右軸受ブラケット(20)(20)とがスライド自在に収められている。
【0021】そして、フード形ローラ保持用主部(14)の内部に収められたコイルばね(13)の弾発力によりローラ(11)付き可動体(12)が常時後方下向きに付勢せられている。
【0022】すなわち、フード形ローラ保持用主部(14)の内部の空所(16)に収められたコイルばね(13)の上端部(13a) が、ローラ保持用主部(14)の上壁部(14b) 下面に当接せしめられるとともに、該上壁部(14b) の開口縁部に設けられた脱出防止用下向き凸部(19)によって外方への突出が阻止されており、コイルばね(13)の下端部(13b) は、ローラ保持可動体(12)の頂壁部(21)の中央部に設けられた浅い凹陥部(23)に脱出不可能に収められていて、コイルばね(13)の弾発力により、ローラ(11)付きのローラ保持可動体(12)は常時後方下向きに付勢されている。
【0023】こうして、コイルばね(13)の弾発力により後方下向きに付勢されたローラ保持可動体(12)の頂壁部(21)前後両端部の脱出防止凸部(22)(22)が、ローラ保持用主部(14)の下壁部(14c) に係り合わせられた状態では、ローラ(11)の下半部がローラ保持用主部(14)の下壁部(14c) より下方に突出せしめられている。
【0024】従ってこの場合、ローラ(11)およびローラ保持可動体(12)は、コイルばね(13)の弾発力に抗して、逆に、前方上向きに上昇してフード形ローラ保持用主部(14)の内部に入り込み、あるいはまたローラ保持用主部(14)内のローラ(11)およびローラ保持可動体(12)は、コイルばね(13)の弾発力により、後方下向きにスライドして突出するものとなされている。
【0025】なお、扉(3) を構成する断熱パネルのローラ保持部材(10)が取り付けられるべき個所の内部には、合成樹脂製のチャンネル形補強材(36)が埋設されており、ローラ保持部材(10)の左右両取付用翼部(15)(15)に設けられた上下方向に長い長孔(25)(25)よりねじ込まれたねじ(33)(33)によって、ローラ(11)付きローラ保持部材(10)が扉(3) 下端の所定部分に取り付けられている。
【0026】この扉(3) 側のローラ(11)付きローラ保持部材(10)に対応するように、保管庫本体(2) の底壁(2a)の所定箇所にローラ受け座(30)が取り付けられており、このローラ受け座(30)の幅の中央部には、ローラ戻止め凸部(31)が上方突出状に設けられている。ローラ受け座(30)の左右両側には、前後方向に長い長孔(32)(32)が設けられ、これらの長孔(32)(32)よりそれぞれねじ込まれたねじ(33)(33)によって、ローラ受け座(30)が保管庫本体(2) の底壁(2a)に固定されている。
【0027】ここで、ローラ戻止め凸部(31)は、傾斜角度が大きくかつ後方上向きの相対的に短い前側傾斜面部(31a) と、傾斜角度が小さくかつ後方下向きの相対的に長い後側傾斜面部(31b) とを具備している。
【0028】なお、上記のローラ保持部材(10)、扉片下がり防止ローラ(11)、正面よりみて略逆U形のローラ保持可動体(12)、枢軸(24)およびローラ受け座(30)等の部材は、コイルばね(13)を除いて、例えばすべて滑り性の良いABS樹脂およびナイロン樹脂等の合成樹脂により作られている。
【0029】また、上記保管庫本体(2) の底壁(2a)上面には簀の子(35)が敷設されて、該簀の子(35)の上に梱包された玄米よりなる収納物(図示略)が数段積重ね状に載置される。
【0030】上記玄米保管庫(1) を例えば家屋の床(F) に設置する際には、高さ調節自在なキャスタ(8) により保管庫(1) を所定個所に移動させた後、これとは別に、設置箇所の床(F) に予め設けた所要高さの架台(9) 上に保管庫(1) を据え付ける。これにより、玄米保管庫(1) およびこれの内部の収納物(玄米)の荷重が架台(9)により受けられる(図2参照)。
【0031】上記玄米保管庫(1) において、保管庫(1) の扉(3) が閉まる直前の状態では、例えば図6aに示すように、扉(3) 側のローラ保持部材(10)のローラ(11)の下端部が、ローラ受け座(30)のローラ戻止め凸部(31)の傾斜角度の大きい後方上向きの短い前側傾斜面部(31a) に当接せしめられている。
【0032】さらに、扉(3) を閉まる方向に強く押すことにより、ローラ(11)はコイルばね(13)の弾発力に抗して、ローラ保持部材(10)の内部に一旦引っ込められ、ローラ受け座(30)のローラ戻止め凸部(31)の相対的に短い後方上向きの急傾斜の前側傾斜面部(31a) を上るようにしてローラ戻止め凸部(31)の頂部を越える。この時、ローラ(11)およびローラ保持可動体(12)は、凸部(31)の短い後方上向きの急傾斜の前側傾斜面部(31a) に当接して、逆に、前方上向きに押圧されるが、上記のように、ローラ(11)およびローラ保持可動体(12)は、ローラ保持用主部(14)の下壁部(14c) の内部におけるローラ収容孔(17)とブラケット収容凹部(18)(18)の傾斜角度により、後方下向きおよび逆方向の前方上向きにスライド可能となされているため、ローラ(11)はローラ保持部材(10)の内部に入り込みやすいものとなされている。
【0033】そして、図6bに示すように、保管庫(1) の扉(3) が閉まった後の状態では、ローラ(11)は、コイルばね(13)の弾発力により後方下向きに突出して、ローラ受け座(30)のローラ戻止め凸部(31)の相対的に長い緩い傾斜の後側傾斜面部(31b)に受け止められるものである。
【0034】なお、この状態では、ローラ(11)がコイルばね(13)の弾発力により下方に付勢されているとともに、ローラ受け座(30)の凸部(31)がローラ(11)の戻止めの作用を果たすため、ローラ(11)が逆に、扉(3) の開く方向に転動し難いようになされている。とくにこの実施形態では、上記のように、ローラ(11)およびローラ保持可動体(12)は、後方下向きおよび逆方向の前方上向きにスライド可能となされており、ローラ(11)が、コイルばね(13)の弾発力に抗して、扉(3) の開く方向に、すなわちローラ戻止め凸部(31)の長く緩い後方下向きに傾斜している後側傾斜面部(31b) を上る方向に転動しようとすると、ローラ(11)に対しては後側傾斜面部(31b) からの反力により、後側傾斜面部(31b) の傾斜角度と直角方向すなわち後方上向きの力が作用する。しかしながら、この力の作用方向は、ローラ(11)およびローラ保持可動体(12)のスライド可能な方向とは異なるため、ローラ(11)は、フード形ローラ保持部材(10)の内部に入り込みにくく、従ってより一層、ローラ(11)が扉(3) の開く方向に転動し難いものとなされている。
【0035】このように、この発明の玄米保管庫(1) によれば、開き扉(3) のヒンジ取付部と反対側の遊端寄り部分の下端部に、扉片下がり防止ローラ(11)がローラ保持部材(10)を介して内方突出状に取り付けられ、このローラ(11)が保管庫本体(2) の底壁(2a)の対応箇所に設けられたローラ受け座(30)に受けられているから、扉(3) のヒンジ(4) への負荷を軽減させることができて、扉(3) のサイズや重量が大きくなった場合や開閉頻度が高い場合にも、扉(3) の片下がりを有効に防止することができる。
【0036】また仮に、扉(3) に若干の片下がりが発生した場合にも、扉(3) の閉鎖時に、ローラ(11)がローラ戻止め凸部(31)を有するローラ受け座(30)に受け止められることによって、扉(3) を正規の位置に誘導保持することができ、また扉(3) の開閉もスムーズに行なうことができる。
【0037】なお、上記実施形態においては、扉片下がり防止ローラ(11)が、保管庫本体(2) の底壁(2a)の所定箇所に設けられたローラ受け座(30)に受けられているが、該ローラ(11)は、保管庫本体(2) の底壁(2a)自体に受けられるようになされていても良い。
【0038】また実施形態では、この発明による保管庫を、プレハブ式玄米保管庫(1) に適用した場合について説明したが、この発明は、その他、プレハブ式冷凍・冷蔵庫、保冷庫、クリーンルームおよび食品加工室等にも、同様に適用することができて、扉(3) の片下がりを有効に防止し得るものである。
【0039】
【発明の効果】この発明による保管庫は、上述のように、保管庫本体の前面開口部を覆う外付け開き扉のヒンジ取付部と反対側の遊端寄り部分の下端部に、扉片下がり防止ローラが内方突出状に取り付けられ、このローラが保管庫本体の底壁または底壁の対応箇所に設けられたローラ受け座に受けられているものであるから、開き扉のヒンジへの負荷を軽減させることができて、扉のサイズや重量が大きくなった場合や開閉頻度が高い場合にも、扉の片下がりを有効に防止することができ、従ってヒンジの取付数をふやしたり、ヒンジの取付強度を増大することなく充分に対応することができて、また仮に、扉に若干の片下がりが発生した場合にも、扉の閉鎖時に扉を正規の位置に誘導保持することができるとともに、扉をスムーズに開閉することができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成12年6月8日(2000.6.8)
【代理人】 【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外4名)
【公開番号】 特開2001−349130(P2001−349130A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−172435(P2000−172435)