| 【発明の名称】 |
耐水性パワーウインド装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅原 健人
|
| 【要約】 |
【課題】水没していないときは、水検知センサやトランジスタが結露や漏水などによってショートしても、水没時と同じ動作とならず、ウインドを閉じることが可能な耐水性パワーウインド装置を提供すること。
【解決手段】複数のトランジスタ20a、20b、20cと遮断素子20dとを有し、全てのトランジスタ20a、20b、20cがオンになったときに、ウインドを閉じる回路への電源供給を遮断するようにした電源遮断手段20を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車のウインドを開閉させる駆動体と、前記ウインドを開くように前記駆動体を駆動すべく車載電源を前記駆動体に供給するための第1のスイッチング手段と、前記ウインドを閉じるように前記駆動体を駆動すべく車載電源を前記駆動体に供給するための第2のスイッチング手段と、水との接触によって導通となる1個以上の水検知センサと、前記水検知センサに接続され、前記第2のスイッチング手段による前記供給を不可とするための電源遮断手段とを備え、前記電源遮断手段は、オンになったときに前記供給を不可とする第1のスイッチトランジスタと前記水検知センサの導通によってオンとなる2個以上の第2のスイッチトランジスタとを有し、前記第1のスイッチトランジスタは、前記第2のスイッチトランジスタの全てがオンとなったときに、オンとなるようにしたことを特徴とする耐水性パワーウインド装置。 【請求項2】 前記水検知センサを前記第2のスイッチトランジスタの複数個の各ベースに接続したことを特徴とする請求項1に記載の耐水性パワーウインド装置。 【請求項3】 前記電源遮断手段は、前記水検知センサを複数個有し、前記水検知センサの1個を前記第2のスイッチトランジスタの1個のベースに接続したことを特徴とする請求項1に記載の耐水性パワーウインド装置。 【請求項4】 前記電源遮断手段は、一端が車載電源に接続され他端が前記第1のトランジスタを介して接地された遮断素子を有し、前記遮断素子は、前記第1のスイッチトランジスタがオンとなった時に、その両端間が非導通となるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の耐水性パワーウインド装置。 【請求項5】 自動車のウインドを開閉させる駆動体と、前記ウインドを開くように前記駆動体を駆動すべく車載電源を前記駆動体に供給するための第1のスイッチング手段と、前記ウインドを閉じるように前記駆動体を駆動すべく車載電源を前記駆動体に供給するための第2のスイッチング手段と、水との接触によって導通となる1個以上の水検知センサと、前記水検知センサに接続され、前記第2のスイッチング手段による前記供給を不可とするための電源遮断手段とを備え、前記電源遮断手段は、全てがオンとなった時に前記供給を不可とする直列接続された複数個の第1のスイッチトランジスタと前記水検知センサの導通によってオンとなる第2のスイッチトランジスタとを有し、前記第1のスイッチトランジスタの1つ以上を前記第2のスイッチトランジスタがオンとなった時にオンとさせ、残りを前記水検知センサの導通によってオンさせるようにしたことを特徴とする耐水性パワーウインド装置。 【請求項6】 前記水検知センサを前記第1又は第2のスイッチトランジスタの複数個の各ベースに接続したことを特徴とする請求項5に記載の耐水性パワーウインド装置。 【請求項7】 前記電源遮断手段は、前記水検知センサを複数個有し、前記水検知センサの1個を前記第1又は第2のスイッチトランジスタの1個のベースに接続したことを特徴とする請求項5に記載の耐水性パワーウインド装置。 【請求項8】 前記電源遮断手段は、一端が車載電源に接続され他端が前記複数個の第1のスイッチトランジスタを介して接地された遮断素子を有し、前記遮断素子は、前記第1のスイッチトランジスタの全てがオンとなった時に、その両端間が非導通となるようにしたことを特徴とする請求項5乃至7に記載の耐水性パワーウインド装置。 【請求項9】 前記遮断素子は、ヒューズ抵抗、又は、バイメタル、又は、サーミスタ、又は、リレーであることを特徴とする請求項4又は8に記載の耐水性パワーウインド装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パワーウインド装置に関し、特に、水中に落ちた時でもウインドを開くことを可能にする耐水性パワーウインド装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、自動車に用いられるパワーウインド装置は、自動車が水中に落ちたような場合、水によって電気系統の動作が不安定となるために、ウインドを開けることができなくなって、乗員が自動車から脱出できず、乗員の生命が脅かされるという危険性がある。そこで、水中に落ちた時でも、ある一定時間内はウインドを開けることのできる耐水性パワーウインド装置が提案されている。 【0003】従来の耐水性パワーウインド装置を、図5を参照して説明する。図5に示すように、耐水性パワーウインド装置は、駆動体51、スイッチング手段52、53、車載電源端子54、トランジスタ55、56、CPU57、水検知センサ58、車載電源端子59、電源遮断手段60、スイッチ操作部61、車載電源端子62、ダイオード63を備えている。 【0004】駆動体51は、ウインドを開閉させるための正逆回転可能なモーターで、図5に示す回路において、上側から下側に電流が流れるときは、ウインドを閉じるように(UP)回転し、下側から上側に電流が流れるときは、ウインドを開けるように(DOWN)回転する。 【0005】スイッチング手段52は、ウインドを閉じるように回転させるために車載電源端子54からの電源を駆動体51に供給する。また、スイッチング手段53は、ウインドを開けるように回転させるために車載電源端子54からの電源を駆動体51に供給する。そして、スイッチング手段52、53は、それぞれが、スイッチ52a、53aと、スイッチ52a、53aを切り替えるための励磁コイル52b、53bとを有している。スイッチ52a、53aは、それぞれの可動接点が駆動体51の互いに異なる端子に接続され、ともに、一方の固定接点が車載電源端子54に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。そして、スイッチ52a、53aの可動接点は、通常は、図示のようにグランド側の固定接点に接続されていて、コイル52b、53bに電圧が印加されている間だけ車載電源端子54側の固定接点に接続される。 【0006】トランジスタ55は、べースがCPU57の出力端子P07に接続され、コレクタが励磁コイル52bを介して接地され、エミッタが電源遮断手段60を介して車載電源端子59に接続されている。また、トランジスタ56は、べースがCPU57の出力端子P06に接続され、コレクタが励磁コイル53bを介して接地され、エミッタが電源遮断手段60を介して車載電源端子59に接続されるとともにダイオード63とスイッチ操作部61とを直列に介して車載電源端子62に接続されている。 【0007】CPU57は、入出力用の複数の端子を有し、入力用端子(P72、P71、P70)には、スイッチ操作部61から信号となる電圧が印加され、出力用端子(P07、P06)から、トランジスタ55、56のベースにオン/オフさせるための信号となる電圧を出力する。水検知センサ58は、一対の導体を対向近接配置したもので構成され、一端が接地され、他端が電源遮断手段60に接続され、水に接触すると電気的に導通する。 【0008】電源遮断手段60は、PNP型のバイポーラトランジスタ60a、電界効果トランジスタ(以下「FET」という。)60b、遮断素子60cを備えている。トランジスタ60aは、ベースが水検知センサ58に接続されるとともにバイアス抵抗を介して車載電源端子59に接続され、エミッタが車載電源端子59に接続され、コレクタがFET60bのゲートに接続されている。また、FET60bは、ソースが接地され、ドレインがトランジスタ55、56のエミッタと接続されるとともに遮断素子60cを介して車載電源端子59と接続されている。遮断素子20dは、例えば、ヒューズ抵抗などで、所定以上の電流が流れたときに、両端間が非導通となるものである。 【0009】スイッチ操作部61は、ウインド閉スイッチ(UP)61a、ウインド開スイッチ(Down)61bを備えている。ウインド閉スイッチ61aの可動接点はインバータを介して、CPU57の入力端子P71に接続され、一方の固定接点が車載電源端子62に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。また、ウインド開スイッチ61bの可動接点は、インバータを介してCPU57の入力端子P72に接続されるとともにダイオード63を介してトランジスタ56のエミッタに接続され、一方の固定接点が車載電源端子62に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。 【0010】以上の構成において、水検知センサ58が導通しない場合の動作を説明する。この場合は、水検知センサ58は非導通であるので、トランジスタ60a、FET60bは全てオフであり、車載電源端子59からの電圧は、遮断素子60cを介してトランジスタ55、56の各エミッタに印加される。 【0011】この時、ウインド閉スイッチ61aを操作し、可動接点を車載電源端子62側にすると、車載電源端子62からの電圧による信号がCPU57の入力端子P71に入力される。次に、CPU57は、トランジスタ55のベースにオンさせる信号となる電圧を印加する。そうすると、トランジスタ55は、オンとなり、エミッタには車載電源端子59からの電圧が印加されているので、コレクタを通して励磁コイル52bに電流が流れる。これにより、スイッチ52aは、車載電源端子54側に切り替わり、車載電源端子54からの電圧が、駆動体51にウインドを閉じるように印加され、ウインドが閉じる。 【0012】また、同様に、ウインド開スイッチ61bを操作し、可動接点を車載電源端子62側にすると、車載電源端子62からの電圧による信号がCPU57の入力端子P72に入力される。次に、CPU57は、トランジスタ56のベースにトランジスタ56をオンさせる信号となる電圧を印加する。そうすると、トランジスタ56は、オンとなり、エミッタには車載電源端子59からの電圧が印加されているので、コレクタを通して励磁コイル53bに電流が流れる。スイッチ53aは、車載電源端子54側に切り替わり、車載電源端子54からの電圧が、駆動体51にウインドを開くように印加され、ウインドが開く。 【0013】次に、水検知センサ58が導通した場合の動作を説明する。この時、電源遮断手段60において、トランジスタ60aのベースに印加された電圧が低くなるので、トランジスタ60aはオンとなり、コレクタに車載電源端子59からの電圧が印加される。そうすると、FET60bのゲートに電圧が印加されるので、FET60bもオンする。ここで、FET60bのソースは接地されているので、遮断素子60cには車載電源端子59から大電流が流れて、両端間が非導通となる。この結果、トランジスタ55、56の各エミッタには、車載電源端子59からの電圧は印加されなくなる。 【0014】この時、閉スイッチ61aを操作し、可動接点を車載電源端子62側にすると、車載電源端子62からの電圧による信号がCPU57の入力端子P72に入力される。しかし、CPU57は、正常に動作している、或いは、暴走しているにかかわらず、トランジスタ55のエミッタには電圧が印加されていないので、励磁コイル52bには電流が流れない。したがって、スイッチ52aは、車載電源端子54側に切り替わらなくなり、ウインドを閉じることができない。 【0015】また、開スイッチ61bを操作し、可動接点を車載電源端子62側にすると、車載電源端子62からの電圧による信号がCPU57の入力端子P71に入力される。しかし、CPU57は、正常に動作している、或いは、暴走しているにかかわらず、トランジスタ56のベースには、ダイオード64を介して、オンとなる信号が入力され、トランジスタ56のエミッタには、開スイッチ61b及びダイオード63を介して車載電源端子62からの電圧が印加されるので、コレクタを通して励磁コイル53bに電流が流れる。これにより、スイッチ53aは車載電源端子54側に切り替わり、車載電源端子54からの電圧が駆動体51にウインドを開くように印加され、ウインドが開く。以上のような構成と動作によって、水中に落ちた場合でもウインドを開けることができるので、乗員は自動車から脱出することが可能となっている。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この耐水性パワーウインド装置では、水検知センサ58、トランジスタ60a、トランジスタ60bのうちいずれかが結露や漏水などによりそれらの両端子間がショートしてしまうと、水没していないのに、前述の水を検知した場合と同じ動作(誤動作)をしてしまう。例えば、トランジスタ60aがショートしてオンすると、FET60bのゲートに車載電源端子59からの電圧が印加されるので、FET60bもオンとなり、遮断素子60dに大電流が流れて非導通となり、トランジスタ55のエミッタへの電源供給が断たれるので、ウインドを閉じることができなくなり、乗員の快適さが損なわれるという問題点があった。ここで、水検知センサ58、トランジスタ60a、トランジスタ60bが結露などによりショートする確率が全て等しいと仮定し、このうちの1個がショートする確率をPとすると、誤動作を起こす確率は、P+P+P=3Pとなっていた。 【0017】本発明は、この問題を解決するもので、その目的は、水検知センサやトランジスタが結露や漏水などによってショートしても、誤動作を起こさない耐水性パワーウインド装置を提供することである。 【0018】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、本発明は、自動車のウインドを開閉させる駆動体と、ウインドを開くように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第1のスイッチング手段と、ウインドを閉じるように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第2のスイッチング手段と、水との接触によって導通となる1個以上の水検知センサと、水検知センサに接続され、第2のスイッチング手段の前記供給を不可とするための電源遮断手段とを備え、電源遮断手段は、オンになったときに前記供給を不可とする第1のスイッチトランジスタと水検知センサの導通によってオンとなる2個以上の第2のスイッチトランジスタとを有し、第1のスイッチトランジスタは、第2のスイッチトランジスタの全てがオンとなったときに、オンとなるようにした。 【0019】また、本発明は、水検知センサを第2のスイッチトランジスタの複数個の各ベースに接続した。 【0020】また、本発明は、電源遮断手段は、水検知センサを複数個有し、水検知センサの1個を第2のスイッチトランジスタの1個のベースに接続した。 【0021】また、本発明は、電源遮断手段は、一端が車載電源に接続され他端が第1のトランジスタを介して接地された遮断素子を有し、遮断素子は、第1のスイッチトランジスタがオンとなった時に、その両端間が非導通となるようにした。 【0022】また、本発明は、自動車のウインドを開閉させる駆動体と、ウインドを開くように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第1のスイッチング手段と、ウインドを閉じるように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第2のスイッチング手段と、水との接触によって導通となる1個以上の水検知センサと、水検知センサに接続され、第2のスイッチング手段の前記供給を不可とするための電源遮断手段とを備え、電源遮断手段は、全てがオンとなった時に前記供給を不可とする直列接続された複数個の第1のスイッチトランジスタと水検知センサの導通によってオンとなる第2のスイッチトランジスタとを有し、第1のスイッチトランジスタの1つ以上を第2のスイッチトランジスタがオンとなった時にオンとさせ、残りを水検知センサの導通によってオンさせるようにした。 【0023】また、本発明は、水検知センサを第1又は第2のスイッチトランジスタの複数個の各ベースに接続した。 【0024】また、本発明は、電源遮断手段は、水検知センサを複数個有し、水検知センサの1個を第1又は第2のスイッチトランジスタの1個のベースに接続した。 【0025】また、本発明は、電源遮断手段は、一端が車載電源に接続され他端が複数個の第1のスイッチトランジスタを介して接地された遮断素子を有し、遮断素子は、前記のスイッチトランジスタの全てがオンとなった時に、その両端間が非導通となるようにした。 【0026】また、本発明は、前記遮断素子に、ヒューズ抵抗、又は、バイメタル、又は、サーミスタ、又は、リレーを用いた。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の耐水性パワーウインド装置の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。 【0028】図1は、本発明の耐水性パワーウインド装置の第1の実施の形態の構成を示す回路図である。耐水性パワーウインド装置は、駆動体11、スイッチング手段12、13、車載電源端子14、トランジスタ15、16、CPU17、水検知センサ18、車載電源端子19、電源遮断手段20、スイッチ操作部21、車載電源端子22、ダイオード23を備えている。 【0029】駆動体11は、ウインドを開閉させるための正逆回転可能なモーターで、図1に示す回路において、上側から下側に電流が流れるときは、ウインドを閉じるように(UP)回転し、下側から上側に電流が流れるときは、ウインドを開けるように(DOWN)回転する。 【0030】スイッチング手段12は、ウインドを閉じるように回転させるために車載電源端子14からの電源を駆動体11に供給する。また、スイッチング手段13は、ウインドを開けるように回転させるために車載電源端子14からの電源を駆動体11に供給する。そして、スイッチング手段12、13は、それぞれが、スイッチ12a、13aと、スイッチ12a、13aを切り替えるための励磁コイル12b、13bとを有している。スイッチ12a、13aは、それぞれの可動接点が駆動体11の互いに異なる端子に接続され、ともに、一方の固定接点が車載電源端子14に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。そして、スイッチ12a、13aの可動接点は、通常は、図示のようにグランド側の固定接点に接続されていて、コイル12b、13bに電圧が印加されている間だけ車載電源端子14側の固定接点に接続される。 【0031】トランジスタ15は、べースがCPU17の出力端子P07に接続され、コレクタが励磁コイル12bを介して接地され、エミッタが電源遮断手段20を介して車載電源端子19に接続されている。また、トランジスタ16は、べースがCPU17の出力端子P06に接続され、コレクタが励磁コイル13bを介して接地され、エミッタが電源遮断手段20を介して車載電源端子19に接続されるとともにダイオード23とスイッチ操作部21とを直列に介して車載電源端子22に接続されている。 【0032】CPU17は、入出力用の複数の端子を有し、入力用端子(P72、P71、P70)には、スイッチ操作部21から信号となる電圧が印加され、出力用端子(P07、P06)から、トランジスタ15、16のベースにオン/オフさせるための信号となる電圧を出力する。水検知センサ18は、一対の導体を対向近接配置したもので構成され、一端が接地され、他端が電源遮断手段20に接続され、水に接触すると電気的に導通する。 【0033】電源遮断手段20は、第2のスイッチトランジスタである直列接続されたPNP型のバイポーラトランジスタ20a、20bと、第1のスイッチトランジスタである電界効果トランジスタ(以下「FET」という。)20cと、遮断素子20dとを備えている。トランジスタ20aは、ベースが水検知センサ18に接続されるとともにバイアス抵抗を介して車載電源端子19に接続され、エミッタが車載電源端子19に接続され、コレクタが抵抗を介して、トランジスタ20bのベースとエミッタとに接続されている。また、トランジスタ20bは、ベースが水検知センサ18に接続され、コレクタがFET20cのゲートに接続されている。さらに、FET20cは、ソースが接地され、ドレインがトランジスタ15、16のエミッタと接続されるとともに遮断素子20dを介して車載電源端子19と接続されている。遮断素子20dは、例えば、ヒューズ抵抗、又は、バイメタル、又は、サーミスタ、又は、リレーなどで、通常は導通しているが、所定以上の電流が流れたときに、両端間が非導通となるものである。 【0034】スイッチ操作部21は、ウインド閉スイッチ(UP)21a、ウインド開スイッチ(Down)21bを備えている。ウインド閉スイッチ21aの可動接点はインバータを介して、CPU57の入力端子P71に接続され、一方の固定接点が車載電源端子22に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。また、ウインド開スイッチ21bの可動接点は、インバータを介してCPU57の入力端子P72に接続されるとともにダイオード23を介してトランジスタ16のエミッタに接続され、一方の固定接点が車載電源端子22に接続され、他方の固定接点がグランドに接続されている。 【0035】以上の構成において、水検知センサ18が導通しない場合の動作を説明する。この場合は、水検知センサ18は非導通であるので、トランジスタ20a、トランジスタ20b、FET20cは全てオフであり、車載電源端子19からの電圧は、遮断素子20dを介してトランジスタ15、16の各エミッタに印加される。 【0036】この時、ウインド閉スイッチ21aを操作し、可動接点を車載電源端子22側にすると、車載電源端子22からの電圧による信号がCPU17の入力端子P71に入力される。次に、CPU17は、トランジスタ15のベースにオンさせる信号となる電圧を印加する。そうすると、トランジスタ15は、オンとなり、エミッタには車載電源端子19からの電圧が印加されているので、コレクタを通して励磁コイル12bに電流が流れる。これにより、スイッチ12aは、車載電源端子14側に切り替わり、車載電源端子14からの電圧が、駆動体11にウインドを閉じるように印加され、ウインドが閉じる。 【0037】また、同様に、ウインド開スイッチ21bを操作し、可動接点を車載電源端子22側にすると、車載電源端子22からの電圧による信号がCPU17の入力端子P72に入力される。次に、CPU17は、トランジスタ16のベースにトランジスタ16をオンさせる信号となる電圧を印加する。そうすると、トランジスタ16は、オンとなり、エミッタには車載電源端子19からの電圧が印加されているので、コレクタを通して励磁コイル13bに電流が流れる。スイッチ13aは、車載電源端子14側に切り替わり、車載電源端子14からの電圧が、駆動体11にウインドを開くように印加され、ウインドが開く。 【0038】次に、水検知センサ18が導通した場合の動作を説明する。この時、電源遮断手段20において、トランジスタ20aのベースの電圧が低くなるので、トランジスタ20aはオンとなり、コレクタに車載電源端子19からの電圧が印加される。次に、トランジスタ20bもオンとなり、トランジスタ20bのコレクタにも電圧が印加される。そうすると、FET20cのゲートに電圧が印加されるので、FET20cもオンする。ここで、FET20cのソースは接地されているので、遮断素子20dには車載電源端子19から大電流が流れて、両端間が非導通となる。この結果、トランジスタ15、16の各エミッタには、車載電源端子19からの電圧は印加されなくなる。 【0039】この時、閉スイッチ21aを操作し、可動接点を車載電源端子22側にすると、車載電源端子22からの電圧による信号がCPU17の入力端子P71に入力される。しかし、CPU17は、正常に動作している、或いは、暴走しているにかかわらず、トランジスタ15のエミッタには電圧が印加されていないので、励磁コイル12bには電流が流れない。したがって、スイッチ12aは、車載電源端子14側に切り替わらなくなり、ウインドを閉じることができない。 【0040】また、開スイッチ21bを操作し、可動接点を車載電源端子22側にすると、車載電源端子22からの電圧による信号がCPU17の入力端子P71に入力される。しかし、CPU17は、正常に動作している、或いは、暴走しているにかかわらず、トランジスタ16のベースには、ダイオード26を介して、オンとなる信号が入力され、トランジスタ16のエミッタには、開スイッチ21b及びダイオード23を介して車載電源端子22からの電圧が印加されるので、コレクタを通して励磁コイル13bに電流が流れる。これにより、スイッチ13aは車載電源端子14側に切り替わり、車載電源端子14からの電圧が駆動体11にウインドを開くように印加され、ウインドを開けることができる。以上のような構成と動作によって、水中に落ちた場合でもウインドを開けることができるので、乗員は自動車から脱出することが可能となっている。 【0041】ところで、第1の実施の形態においては、2個の直列接続されたトランジスタ20a、20bを備えているので、どちらか一方のトランジスタ20a、20bが結露などでショートしたとしても、例えば、トランジスタ20aが結露などでショートしオンとなっても、トランジスタ20bは、ベースにトランジスタ20aのコレクタからの電圧が印加されるので、オンとならず、FET20cもオンせず、遮断素子20dも非導通とならない。したがって、トランジスタ15のエミッタには、車載電源端子19からの電圧が印加され続けるので、ウインドを閉じることが可能である。以上のように、FET20cはトランジスタ20a及び20bの両方がオンとなったときにのみオンとなるので、結露などによる誤動作は、水検知センサ18がショートした時、又は、FET20cがショートした時、又は、トランジスタ20aと20bとの両方がショートした時に起きる。ここで、水検知センサ18、トランジスタ20a、トランジスタ20b、FET20cが結露などによりショートする確率が全て等しいと仮定し、このうちの1個がショートする確率をPとすると、誤動作を起こす確率は、P+P+P*P=2P+P*Pとなり、従来例での誤動作の確率3Pとの比は、2/3+P/3となるので、約2/3となっている。 【0042】次に、図2は、本発明の耐水性パワーウインド装置の第2の実施の形態の構成を示す回路図である。図2において、第1の実施の形態を示す図1と同じ構成については、図1と同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。 【0043】第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同じ構成の電源遮断手段20と、2個の水検知センサ23、24とを備えている。水検知センサ23は、トランジスタ20aのベースに接続され、水検知センサ24は、トランジスタ20bのベースに接続されている。水検知センサ23が導通した場合、トランジスタ20aのベースに印加された電圧が低くなるので、トランジスタ20aはオンとなり、同様に、水検知センサ24が導通した場合、トランジスタ20bはオンとなる。そして、トランジスタ20a、及び、20bの両方がオンになると、FET20cもオンとなる。ここで、FET20cのソースは接地されているので、遮断素子20dには車載電源端子19からの所定以上の電流が流れ、非導通状態となる。この結果、トランジスタ15、16の各エミッタには、車載電源端子19からの電圧は印加されなくなる。以下の動作は第1の実施の形態と同様なので説明は省略する。 【0044】ところで、第2の実施の形態においては、2個の直列接続されたトランジスタ20a、20bと、2個の水検知センサ23、24とを備えているので、誤動作を起こすのは、FET20cがショートした時、又は、(水検知センサ23又はトランジスタ20aのどちらかがショートし、かつ、水検知センサ24又はトランジスタ20bのどちらかがショートした時)であるので、第1の実施の形態と同じ仮定をすると、誤動作を起こす確率は、P+(P+P)*(P+P)=P+4P*Pとなり、従来例での誤動作の確率3Pとの比は、1/3+4P/3となるので、約1/3となっている。 【0045】次に、図3は、本発明の耐水性パワーウインド装置の第3の実施の形態の構成を示す回路図である。図3において、第1の実施の形態を示す図1と同じ構成については、図1と同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。 【0046】第3の実施の形態において、第1の実施の形態の電源遮断手段20に相当する電源遮断手段25は、第2のスイッチトランジスタであるPNP型のバイポーラトランジスタ25aと、第1のスイッチトランジスタである2個の直列接続されたPNP型のバイポーラトランジスタ25b、FET25cと、遮断素子25dとを備えている。トランジスタ25aは、ベースが水検知センサ18に接続されるとともにバイアス抵抗を介して車載電源端子19に接続され、エミッタが車載電源端子19に接続され、コレクタがFET25cのゲートに接続されている。また、トランジスタ25bは、ベースが水検知センサ18に接続され、コレクタがFET25cのドレインと接続され、エミッタがトランジスタ15、16の各エミッタに接続されるとともに遮断素子25dを介して車載電源端子19に接続されている。さらに、FET25cは、ソースが接地されている。 【0047】水検知センサ18が導通した場合、トランジスタ25aのベースに印加された電圧が低くなるので、トランジスタ25aはオンとなり、同様に、トランジスタ25bはオンとなる。次に、FET25cのゲートにトランジスタ25aのコレクタからの電圧が印加されるので、FET25cもオンする。ここで、FET25cのソースは接地されているので、遮断素子25dには車載電源端子19から所定以上の電流が流れ、非導通となる。この結果、トランジスタ15、16の各エミッタには、車載電源端子19からの電圧は印加されなくなる。以下の動作は、第1の実施の形態と同様なのでここでは省略する。 【0048】この場合においては、2個の直列接続されたトランジスタ25b、FET25cを備え、トランジスタ25b、FET25cの両方がオンした時に、遮断素子25dが非導通になるようにしているので、誤動作をおこすのは、水検知センサ18がショートした時、又は、(トランジスタ25a又はFET25cのどちらかがショートし、かつ、トランジスタ25bがショートした時)であるので、第1の実施の形態と同じ仮定をすると、誤動作を起こす確率は、P+(P+P)*P=P+2P*Pとなり、従来例での誤動作の確率3Pとの比は、1/3+2P/3となるので、約1/3となっている。 【0049】次に、図4は、本発明の耐水性パワーウインド装置の第4の実施の形態の構成を示す回路図である。図4において、第3の実施の形態を示す図3と同じ構成については、図3と同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。 【0050】第4の実施の形態においては、第3の実施の形態と同じ構成の電源遮断手段25と、2個の水検知センサ23、24を備えている。水検知センサ23は、トランジスタ25aのベースに接続され、水検知センサ24は、トランジスタ25bのベースに接続されている。水検知センサ23が導通した場合、トランジスタ20aのベースに印加された電圧が低くなるので、トランジスタ25aはオンとなり、同様に、水検知センサ24が導通した場合、トランジスタ25bはオンとなる。こさらに、FET25cのゲートにトランジスタ25aのコレクタからの電圧が印加されるので、FET25cもオンとなる。ここで、FET25cのソースは接地されているので、遮断素子25dには車載電源端子19から所定以上の電流が流れ、オフ状態となる。この結果、トランジスタ15、16の各エミッタには、車載電源端子19からの電圧は印加されなくなる。以下の動作は第1の実施の形態と同様なので説明は省略する。 【0051】この場合においては、2個の直列接続されたトランジスタ25b、FET25cと、2個の水検知センサ23、24とを備えているので、誤動作をおこすのは、(水検知センサ23、又は、トランジスタ25a、又は、FET25cのいずれかがショートした時)、かつ、(水検知センサ24、又は、トランジスタ25bのどちらかがショートした時)であるので、第1の実施の形態と同じ仮定をすると、誤動作を起こす確率は、(P+P+P)*(P+P)=6P*Pとなり、従来例での誤動作の確率3Pとの比は、2Pとなるので、非常に小さくなっている。 【0052】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、自動車のウインドを開閉させる駆動体と、ウインドを開くように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第1のスイッチング手段と、ウインドを閉じるように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第2のスイッチング手段と、水との接触によって導通となる1個以上の水検知センサと、水検知センサに接続され、第2のスイッチング手段の前記供給を不可とするための電源遮断手段とを備え、電源遮断手段は、オンになったときに前記供給を不可とする第1のスイッチトランジスタと水検知センサの導通によってオンとなる2個以上の第2のスイッチトランジスタとを有し、第1のスイッチトランジスタは、第2のスイッチトランジスタの全てがオンとなったときに、オンとなるようにしたので、第2のスイッチトランジスタの何れかは結露や漏水などでショートしても誤動作しない。 【0053】また、本発明は、水検知センサを第2のスイッチトランジスタの複数個の各ベースに接続したので、誤動作を起こす確率が従来の約2/3と小さくなる。 【0054】また、本発明は、電源遮断手段は、水検知センサを複数個有し、水検知センサの1個を第2のスイッチトランジスタの1個のベースに接続したので、誤動作を起こす確率が従来の約1/3とさらに小さくなる。 【0055】また、本発明は、電源遮断手段は、一端が車載電源に接続され他端がトランジスタを介して接地された遮断素子を有し、遮断素子は、スイッチトランジスタがオンとなった時に、その両端間が非導通となるようにしたので、スイッチトランジスタが車載電源からの電流によって破壊されることを防止することができる。 【0056】また、本発明は、自動車のウインドを開閉させる駆動体と、ウインドを開くように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第1のスイッチング手段と、ウインドを閉じるように駆動体を駆動すべく車載電源を駆動体に供給するための第2のスイッチング手段と、水との接触によって導通となる1個以上の水検知センサと、水検知センサに接続され、第2のスイッチング手段の前記供給を不可とするための電源遮断手段とを備え、電源遮断手段は、全てがオンとなった時に前記供給を不可とする直列接続された複数個の第1のスイッチトランジスタと水検知センサの導通によってオンとなる第2のスイッチトランジスタとを有し、第1のスイッチトランジスタの1つ以上を第2のスイッチトランジスタがオンとなった時にオンとさせ、残りを水検知センサの導通によってオンさせるようにしたので、直列接続されたスイッチトランジスタの何れかが結露や漏水などでショートしても誤動作しない。 【0057】また、本発明は、水検知センサを第1又は第2のスイッチトランジスタの複数個の各ベースに接続したので、誤動作を起こす確率が従来の約1/3となる。 【0058】また、本発明は、電源遮断手段は、水検知センサを複数個有し、水検知センサの1個を第1又は第2のスイッチトランジスタの1個のベースに接続したので、誤動作を起こす確率が非常に小さくなる。 【0059】また、本発明は、電源遮断手段は、一端が車載電源に接続され他端が複数個の第1のスイッチトランジスタを介して接地された遮断素子を有し、遮断素子は、前記のスイッチトランジスタの全てがオンとなった時に、その両端間が非導通となるようにしたので、スイッチトランジスタが車載電源からの電流によって破壊されることを防止することができる。 【0060】また、本発明は、前記遮断素子に、ヒューズ抵抗、又は、バイメタル、又は、サーミスタ、又は、リレーを用いたので、簡単に構成することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000010098 【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年5月30日(2000.5.30) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−336354(P2001−336354A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−164790(P2000−164790) |
|