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【発明の名称】 リッド用開閉付勢装置
【発明者】 【氏名】小泉 一貴

【要約】 【課題】構造を簡略化でき、製造コストの低減を推進し得るリッド用開閉付勢装置を提供する。

【解決手段】固定部材(フレーム部材2)と、該固定部材に回動可能に取り付けられた可動部材(アーム部材3)と、前記可動部材に回動付勢力を加える弾発手段と、前記可動部材に回動抵抗力を加える制動手段(回転ダンパ6)とを有するリッド用開閉付勢装置(1)を、前記弾発手段による前記可動部材に対する付勢方向が前記可動部材のある回動角度を境にして反転するようにしてなるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定部材と、該固定部材に回動可能に取り付けられた可動部材と、前記可動部材に回動付勢力を加える弾発手段と、前記可動部材に回動抵抗力を加える制動手段とを有するリッド用開閉付勢装置であって、前記弾発手段による前記可動部材に対する付勢方向が前記可動部材のある回動角度を境にして反転するようにしてなることを特徴とするリッド用開閉付勢装置。
【請求項2】 前記弾発手段は、コイル部と、該コイル部の各端から延出された2つの延出部とを有し、前記2つの延出部のうちの一方が前記固定部材に、他方が前記可動部材に、それぞれ連結されるものであることを特徴とする請求項1に記載のリッド用開閉付勢装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リッド用開閉付勢装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばオーディオ機器においては、使用頻度の少ない調整ノブ等が取付けられたパネル面を、通常はリッドにて覆うようにしたデザインを採用することがある。このリッドは、オルタネート式のラッチ機構をもってその閉扉状態を保持し得るようにされると共に、ばね手段とグリス封入ダンパとを組合わせた開方向付勢装置を設けることによってその開扉速度を適宜に設定し、品質感を高めるような工夫が施されることがある(実開平4−119078号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記公報に提案された構造の装置は、可動部材であるリッドに対して常時開方向への弾発付勢力が作用するので、リッドを閉状態に保持するためのラッチ機構が不可欠である。そのため、構造が複雑化して部品点数の削減が困難である上、閉位置の規定を行うラッチ機構の位置精度を高める必要があり、製造コストの低減が困難であった。
【0004】本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、構造を簡略化でき、製造コストの低減を推進し得るリッド用開閉付勢装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たすために、本発明の請求項1においては、固定部材(フレーム部材2)と、該固定部材に回動可能に取り付けられた可動部材(アーム部材3)と、前記可動部材に回動付勢力を加える弾発手段と、前記可動部材に回動抵抗力を加える制動手段(回転ダンパ6)とを有するリッド用開閉付勢装置(1)を、前記弾発手段による前記可動部材に対する付勢方向が前記可動部材のある回動角度を境にして反転するようにしてなることを特徴とするものとした。
【0006】また請求項2においては、弾発手段の特徴を、コイル部と、該コイル部の各端から延出された2つの延出部とを有し、これら2つの延出部のうちの一方が固定部材に、他方が可動部材に、それぞれ連結されるものとした。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発明によるリッド用開閉付勢装置について詳細に説明する。
【0008】図1および図2は、本発明に基づき構成されたリッド用開閉付勢装置を示している。この開閉付勢装置1は、筐体側に固定されるフレーム部材2と、フレーム部材2に回動可能に枢着され、かつその遊端にリッドLが止め付けられるアーム部材3とからなっている。
【0009】アーム部材3には、フレーム部材2に対する枢着点4を中心とする概ね90度の角度をなす適宜なピッチ円径のセクタギア5が一体形成されている。そしてセクタギア5には、公知のグリス封入式回転ダンパ6の回転軸に固定されたピニオンギヤ7が噛合している。
【0010】このセクタギア5と一体をなすアーム部材3には、捩りコイルばね9による弾発力が常時加えられている。
【0011】捩りコイルばね9は、コイル部9aと、コイル部9aの各端から延出された2つの延出部9b・9cとを備えており、これら2つの延出部9b・9cのうちの一方9bがセクタギア4に於けるアーム部材3の延出方向と概ね正反対の位置に、また他方が、フレーム部材2の適所に、それぞれ止め付けられている。
【0012】アーム部材3の遊端は、アーム部材3の回動軸(枢着点4)と共通の軸を中心として上下に回動変位可能なように支持されたリッドLの内面に連結されている。
【0013】さて、図1はリッドLの外面が概ね垂直面に沿う閉扉状態を示している。この状態では、捩りコイルばね9は両延出部9b・9c同士間の内角を拡大する向きの弾発付勢力を発揮しており、この弾発付勢力によって閉扉状態が保持されている。
【0014】この状態からリッドLを開こうとすると、ある角度までは、捩りコイルばね9の両延出部9b・9c間の内角が狭められ、開扉に対抗する向きに弾発力が作用する。そしてある角度を超えると、図3に示したように捩りコイルばね9の弾発力は開扉方向へと反転し、それ以後は、捩りコイルばね9の開扉方向付勢力がリッドLに伝達され、回転ダンパ6によって与えられる適度な回転抵抗と相俟って、適度な速度での開扉動作が実現される。
【0015】リッドLの全開位置では、捩りコイルばね9は開扉状態を維持する向きの弾発力を発揮することとなる。
【0016】この反対にリッドLを閉じるときは、開扉状態を維持する向きに捩りコイルばね9の弾発力がある角度まで作用するが、リッドLの閉角度がある角度を超えると、リッドLに対する捩りコイルばね9の弾発力は閉扉方向へと反転する。そしてそれ以後は、捩りコイルばね9の回動付勢力がリッドLに伝達され、回転ダンパ6によって与えられる適度な回転抵抗と相俟って、適度な速度での閉扉動作が実現される。
【0017】
【発明の効果】このように本発明によれば、捩りコイルばねの両延出端の取り付け位置で弾発力の向きが反転する位置を適宜に設定することができ、リッドの全閉或いは全開位置を筐体とリッドの間のストッパで設定し得るので、特別な高精度は要求されず、全閉状態を保持するためのラッチ機構を要さないので構造も簡略で済む。しかも筐体に固定される部分とリッドに係合する部分とを1部品としてサブアセンブリ化することができるので、この種のリッド用付勢装置を汎用化できるため、取り付け対象機器に応じた専用の設計をとる必要がなくなる。以上のことから、本発明によれば、製造コストの低廉化を推進する上に多大な効果を奏することができる。
【出願人】 【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100089266
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 陽一
【公開番号】 特開2001−336347(P2001−336347A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−162053(P2000−162053)