| 【発明の名称】 |
挟み込み検出装置及び開閉装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】荻野 弘之
【氏名】中谷 直史
【氏名】吉野 浩二
【氏名】長井 彪
【氏名】金澤 成寿
【氏名】伊藤 雅彦
【氏名】藤井 優子
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| 【要約】 |
【課題】従来、スライドドア1の閉方向の鉛直端部4の形状が屈曲部5を有している場合は、感圧手段39をスライドドア1の形状に沿って配設すると、屈曲部5で電極同士が接触してしまい、挟み込みの誤検出が生じてしまうといった課題があった。
【解決手段】スライドドア1の形状に沿って屈曲可能に配設された可撓性の圧電センサ6と、圧電センサ6の出力信号に基づきボディ開口部9とスライドドア1との間への物体の挟み込みを検出する判定手段21とを備えたもので、可撓性の圧電センサ6がスライドドア1の形状に沿って屈曲可能に配設されているので、スライドドア1に屈曲部5があっても誤検出無く挟み込みを検出でき、付属部品の設置位置にも制約が無い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両のスライドドアの形状に沿って屈曲可能に配設された可撓性の圧電センサと、前記圧電センサの出力信号に基づき前記自動車のボディ開口部と前記スライドドアとの間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備えた挟み込み検出装置。 【請求項2】圧電センサの最小曲率は半径5mmである請求項1記載の挟み込み検出装置。 【請求項3】圧電センサはスライドドアの閉方向の鉛直端部、上端部及び下端部に配設された請求項1又は2記載の挟み込み検出装置。 【請求項4】圧電センサはスライドドアの端部全周に亘って配設された請求項1又は2記載の挟み込み検出装置。 【請求項5】圧電センサは信号導出用の複数の電極と、前記電極間に接続された断線検出用の抵抗体とを有した請求項1乃至3のいずれか1項記載の挟み込み検出装置。 【請求項6】圧電センサは信号導出用の複数の電極を有し、前記圧電センサの両端は判定手段に接続され、判定手段は前記電極の導通の有無を検出して前記圧電センサの断線を判定する請求項4記載の挟み込み検出装置。 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項記載の挟み込み検出装置とスライドドアを駆動する駆動手段とを備え、判定手段の出力信号に基づき挟み込み判定時には挟み込みを解除するよう前記駆動手段を制御する制御手段を有した開閉装置。 【請求項8】制御手段はスライドドアを閉止する際、スライドドアを一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作するよう駆動手段を制御する請求項7記載の開閉装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両のボディ開口部とスライドドアとの間への物体の挟み込みを検出する挟み込み検出装置および開閉装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の挟み込み検出装置は、例えば特開平9−264094号公報や特開平11−182136号公報に開示されているものがある。これは自動車のボディ開口部とスライドドアでの挟み込みを検出するために感圧手段をスライドドアの閉方向の鉛直端部に配設したもので、感圧手段として複数の長尺状の電極を対向させて配設した感圧スイッチを使用していた。そして、ボディ開口部とスライドドアとの間に物体が挟み込まれると、物体の接触による押圧により感圧スイッチの電極同士が接触して感圧スイッチがオンすることにより挟み込みを検出していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の挟み込み検出装置は、図12に示したように、スライドドア1の剛性アップとデザインの観点から、ドアパネル2に凹凸部3が設けられ、スライドドア1の閉方向の鉛直端部4の形状が凹凸部3の断面形状に沿って屈曲部5を有している場合は、感圧手段39をスライドドア1の形状に沿って配設すると、屈曲部5で電極同士が接触してしまい、挟み込みの誤検出が生じてしまうといった課題があった。また、図12に示したように、上記課題を解決するために感圧手段39を屈曲させないでスライドドア1に配設すると、図中の斜線部のように感圧手段39と鉛直端部4との間に隙間部40が生じてしまい、隙間部40とボディ開口部9との間に物体が挟みこまれると、物体が感圧手段39に接触しないため挟み込みを検出できないといった課題があった。さらに、図1に示したようにスライドドア1には、ドアロック部7や開閉検出用電極8等の付属部品が設置されており、感圧手段39をこれらの付属部品を避けて配設するためには、感圧手段39を屈曲させて配設する必要があるが、従来の挟み込み検出装置のように感圧手段39を屈曲させると電極同士が接触してしまうので、感圧手段39を屈曲せずに配設するために付属部品の設置位置に制約を設ける必要があるといった課題があった。 【0004】本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、スライドドアに屈曲部があっても誤検出無く挟み込みを検出でき、付属部品の設置位置にも制約の無い挟み込み検出装置および開閉装置を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、車両のスライドドアの形状に沿って屈曲可能に配設された可撓性の圧電センサと、前記圧電センサの出力信号に基づき前記自動車のボディ開口部と前記スライドドアとの間への物体の挟み込みを判定する判定手段とを備えたもので、可撓性の圧電センサがスライドドアの形状に沿って屈曲可能に配設されているので、スライドドアに屈曲部があっても誤検出無く挟み込みを検出でき、付属部品の設置位置にも制約が無い。 【0006】 【発明の実施の形態】上記の課題を解決するために請求項1の発明は、可撓性の圧電センサが車両のスライドドアの形状に沿って屈曲可能に配設されているので、スライドドアに屈曲部があっても誤検出無く挟み込みを検出でき、付属部品の設置位置にも制約が無い。 【0007】また請求項2の発明は、圧電センサの最小曲率が半径5mmであり、最小曲率半径5mmまでのスライドドアの屈曲部に対して配設可能となるので、剛性の強化やデザイン面での自由度が向上する。 【0008】また請求項3の発明は、圧電センサがスライドドアの閉方向の鉛直端部、上端部及び下端部に配設されたもので、スライドドアの上下端部とボディ開口部との間への物体の挟み込みを検出できるので、挟み込みの検出範囲が拡大する。 【0009】また請求項4の発明は、圧電センサがスライドドアの端部全周に亘って配設されたもので、スライドドアの端部全周とボディ開口部との間への物体の挟み込みを検出できるので、挟み込みの検出範囲がさらに拡大する。 【0010】また請求項5の発明は、圧電センサが信号導出用の複数の電極と、前記電極間に接続された断線検出用の抵抗体とを有したもので、断線検出用の抵抗体により圧電センサの電極の断線を検出できるので、装置の信頼性が向上する。 【0011】また請求項6の発明は、圧電センサが信号導出用の複数の電極を有し、前記圧電センサの両端は判定手段に接続され、判定手段は前記電極の導通の有無を検出して前記圧電センサの断線を判定するので、装置の信頼性が向上する。 【0012】また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の挟み込み検出装置とスライドドアを駆動する駆動手段とを備え、判定手段の出力信号に基づき挟み込み判定時には挟み込みを解除するよう前記駆動手段を制御する制御手段を有したもので、挟み込み判定時には挟み込みを解除するので不要な挟み込みを防止することができる。 【0013】また請求項8の発明は、スライドドアを閉止する際、スライドドアを一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作するよう駆動手段を制御するもので、スライドドアの閉止開始前に物体が圧電センサに接触していても、スライドドアを一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作することにより、開方向へ移動した物体の慣性力が閉動作により圧電センサに印加され、圧電センサへの押圧が確実に起こるので、挟み込みを確実に検出することができる。 【0014】 【実施例】以下、本発明の実施例について図1から図11を参照して説明する。 【0015】(実施例1)実施例1の発明を図1から図6を参照して説明する。 【0016】図1は実施例1の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置の外観図で、自動車のスライドドアに適用した場合を示している。図2は図1のA−A’位置における断面構成図である。先ず、本発明の実施例1の挟み込み検出装置の構成は以下の通りである。図1及び図2より、1はスライドドア、2はスライドドアのドアパネル、3は凹凸部、4はスライドドア1の鉛直端部、5は鉛直端部4の屈曲部、6は圧電センサ、7はドアロック部、8はスライドドア1の開閉検出用電極、9はスライドドア1が開口して乗員が出入りするためのボディ開口部である。10は圧電センサ6をスライドドア1に固定するための固定部、11は自動車の側面側ボディ、12はスライドドア1が閉止した際にボディ開口部9及びボディ11とスライドドア1との間をシールするシール部である。圧電センサ6はスライドドア1が完全に閉止した際にボディ11と接触しないようボディとの間に所定の距離をおいて固定部10に固定されている。子供の指等の挟み込みを考慮するとこの距離は3mm〜5mmとすることが好ましい。 【0017】図3は圧電センサ6の構成図である。図3より、圧電センサ6は圧電材としての複合圧電体層13と、複合圧電体層13を挟む電極としての中心電極14及び外側電極15とを同心円状に積層して成形した同軸ケーブル状の構成を備えており、最外層に保護用の被覆層16を備え、全体として可撓性に優れた構成を有している。圧電センサ6は以下の工程により製造される。最初に、塩素化ポリエチレンシートと(40〜70)vol%の圧電セラミック(ここでは、チタン酸ジルコン酸鉛)粉末がロール法によりシート状に均一に混合される。このシートを細かくペレット状に切断した後、これらのペレットは中心電極14と共に連続的に押し出されて複合圧電体層13を形成する。それから、外側電極15が複合圧電体層13の周囲に巻きつけられる。外側電極15を取り巻いて被覆層16も連続的に押し出される。最後に、複合圧電体層13を分極するために、中心電極14と外側電極15の間に(5〜10)kV/mmの直流高電圧が印加される。 【0018】上記塩素化ポリエチレンシートには、非晶質塩素化ポリエチレンと結晶性塩素化ポリエチレンの混合物を用いる。この場合、押し出しの加工性、可撓性、圧電特性等を考慮して、分子量6万〜15万の非晶質塩素化ポリエチレンを75wt%、結晶化度(15〜25)%で分子量20万〜40万の結晶性塩素化ポリエチレンを25wt%混合した塩素化ポリエチレンが好ましいことが実験的に見出された。この混合塩素化ポリエチレンは圧電セラミック粉末を約70vol%まで含むことができる。 【0019】この混合塩素化ポリエチレンに圧電セラミック粉体を添加するとき、前もって圧電セラミック粉体をチタン・カップリング剤の溶液に浸漬・乾燥することが好ましい。この処理により、圧電セラミック粉体表面が、チタン・カップリング剤に含まれる親水基と疎水基で覆われる。親水基は圧電セラミック粉体同志の凝集を防止し、また、疎水基は混合塩素化ポリエチレンと圧電セラミック粉体との濡れ性を増加する。この結果、圧電セラミック粉体は混合塩素化ポリエチレン中に均一に、最大70vol%まで多量に添加することができる。上記チタン・カップリング剤溶液中の浸漬に代えて、混合塩素化ポリエチレンと圧電セラミック粉体のロール時にチタン・カップリング剤を添加することにより、上記と同じ効果の得られることが見出された。この処理は、特別にチタン・カップリング剤溶液中の浸漬処理を必要としない点で優れている。 【0020】中心電極14は通常の金属単線導線を用いてもよいが、ここでは絶縁性高分子繊維17の周囲に金属コイル18を巻いた電極を用いている。絶縁性高分子繊維17と金属コイル18としては、電気毛布において商業的に用いられているポリエステル繊維と銀を5wt%含む銅合金がそれぞれ好ましい。 【0021】外側電極15は高分子層の上に金属膜の接着された帯状電極を用い、これを複合圧電体層13の周囲に巻きつけた構成としている。そして、高分子層としてはポリエチレン・テレフタレート(PET)を用い、この上にアルミニウム膜を接着した電極は、120℃で高い熱的安定性を有するとともに商業的にも量産されているので、外側電極15として好ましい。この電極を挟み込み判定手段6に接続する際にはアルミニウム膜を半田付けすることが困難なため、例えばカシメやハトメにより接続する。また、外側電極15のアルミニウム膜の回りに金属単線コイルや金属編線を巻き付けてアルミニウム膜と導通をとり、金属単線コイルや金属編線を挟み込み判定手段6に半田付けする構成としてもよく、半田付けが可能となるので作業の効率化が図れる。尚、圧電センサ4aを外部環境の電気的雑音からシールドするために、外側電極15は部分的に重なるようにして複合圧電体層13の周囲に巻きつけることが好ましい。 【0022】被覆層16としては、物体の挟み込みによる押圧時に圧電センサ6が変形しやすいよう複合圧電層13よりも柔軟性及び可撓性の良いゴム等の弾性材料が用いられ、車搭部品として耐熱性、耐寒性を考慮して選定し、具体的には−30℃〜85℃で可撓性の低下が少ないものを選定することが好ましい。このようなゴムとして、例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、シリコンゴム(Si)、熱可塑性エラストマー等を用いればよい。また、被覆層16には固定部10に固定支持するための溝部19が形成されている。以上のような構成により、圧電センサ6の最小曲率は半径5mmまで可能となった。 【0023】図4は圧電センサ6の外観図である。図4より、圧電センサ6はスライドドア1の鉛直端部4の形状に沿って成形されている。圧電センサ6の一方の端部20には中心電極14と外側電極15との間に断線検出用の抵抗体としての第1の抵抗体(図示せず)が接続され、樹脂等でモールドされている。また、他方の端部には圧電センサ6と一体化して判定手段21が設けられている。22は電源供給用と検出信号の出力用のケーブル、23はコネクタである。端部20はスライドドア1の鉛直端部4の上端に、判定手段21はスライドドア1の鉛直端部4の下端に配設されている。圧電センサ6と判定手段21は上記のように一体化してあるので、圧電センサ6と判定手段21とを接続するケーブル等が不要となり合理化できる。外来の電気的ノイズを除去するため判定手段21はシールド部材で全体を覆って電気的にシールドすることが好ましい。また、判定手段21の入出力部に貫通コンデンサやEMIフィルタ等を付加して強電界対策を行ってもよい。 【0024】図5は実施例1の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置のブロック図である。図5より、24は第1の抵抗体、25は断線検出用の第2の抵抗体、26は圧電センサ6からの信号導出用の第3の抵抗体、27は圧電センサ6からの出力信号から所定の周波数成分のみを通過させる濾波部、28は濾波部28からの出力信号に基づき挟み込みを判定する判定部、29は第1〜第3の抵抗体により形成される電圧値から圧電センサ6の断線異常を判定する異常判定部、30はスライドドア1を駆動する駆動手段、31は判定手段25の出力信号に基づき駆動手段33を制御する制御手段、32は判定手段21の判定結果を車室内のフロントパネル等で表示する表示部、33は自動車のバッテリー等からなる電源である。濾波部27は圧電センサ6の出力信号から自動車の車体の振動等に起因する不要な信号を除去し、物体の挟み込みに特有な周波数成分を有した信号を抽出するような濾波特性を有する。濾波特性の決定には自動車の車体の振動特性等を考慮して最適化すればよい。具体的には、自動車のエンジンや走行による振動を除去するため約10Hz以下の信号成分を抽出するローパスフィルタとすることが望ましい。 【0025】次に作用について説明する。図1に示したように、本実施例1ではスライドドア1とボディ開口部9との間への物体の挟み込みを検出するために、可撓性の圧電センサ6をスライドドア1の形状に沿って屈曲可能に配設することができる。可撓性の圧電センサ6を使用しているため、スライドドア1に屈曲部5があっても従来のように屈曲部5で感圧スイッチが接触して誤検出が生じてしまうといっさたことがない。また、スライドドア1にドアロック部7や開閉検出用電極8等の付属部品が設置されていても、圧電センサ6を屈曲させてこれらの付属部品を避けて配設することができる。従って付属部品の設置位置にも制約が無い。 【0026】また、圧電センサの最小曲率が半径5mmであることから、最小曲率半径5mmまでのスライドドア1の屈曲部5に対して配設可能となる。従って、スライドドア1のドアパネル2の剛性の強化やデザイン面での自由度が向上する。 【0027】次に挟み込みの判定手順について以下に説明する。スライドドア1とボディ開口部9との間に物体が挟み込まれると物体が圧電センサ6と接触し、物体の押圧により圧電センサ6が変形する。図6はこの際の濾波部27の出力信号V、挟み込み判定部28の判定出力J、駆動手段30への印加電圧Vmを示す特性図である。図6において、縦軸は上から順にV、J、Vm、横軸は時刻tである。時刻t1でモータ30に+Vdの電圧を印加してスライドドア1を閉止方向に駆動させる。挟み込みが起こると圧電センサ6からは圧電効果により圧電センサ6の変形の加速度に応じた信号(図6の基準電位V0より大きな信号成分)が出力される。挟み込み判定部28はVのV0からの振幅V−V0がD0以上ならば挟み込みが生じたと判定し、時刻t0で判定出力としてLo→Hi→Loのバルス信号を出力する。制御手段31ではこのパルス信号があると駆動手段30への+Vdの電圧印加を停止し、表示部32に挟み込みが生じたことを表示させ、−Vdの電圧を一定時間印加してスライドドア1を開方向へ駆動させ、挟み込みを解除する。挟み込みが判定されると表示部32から警報を発生する構成としてもよい。尚、挟み込みを解除する際、圧電センサ6からは変形が復元する加速度に応じた信号(図6の基準電位V0より小さな信号成分)が出力される。 【0028】尚、挟み込みの際、VがV0より大となるか小となるかは、圧電センサ6の屈曲方向や分極方向、電極の割付け(どちらを基準電位とするか)、圧電センサ6の支持方向により変わるため、挟み込み判定部28でVのV0からの振幅|V−V0|に基づき挟み込みを判定する構成としてもよく、VのV0に対する大小によらず挟み込みを判定することができる。 【0029】次に、異常判定部29での断線判定の手順を以下に示す。図5において、第1〜第3の抵抗体の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3、P点の電圧をVp、電源32の電圧をVsとする。R1、R2、R3は通常数メガ〜数十メガオームの抵抗値が用いられる。圧電センサ6の電極が正常の場合、VpはVsに対して、R2とR3の並列抵抗とR1との分圧値となる。ここで、複合圧電体層13の抵抗値は通常数百メガオーム以上であるのでR2、R3の並列抵抗値にはほとんど寄与しないため上記分圧値の算出には無視するものとする。圧電センサ6の電極が断線すると等価的にはPa点またはPb点がオープンとなるので、VpはR2とR3の分圧値となる。電極がショートすると等価的にはPa点とPb点がショートすることになるので、VpはVsに等しくなる。このように異常判定部29でVpの値に基づいて圧電センサ6の電極の断線やショートといった異常を検出するので、信頼性を向上することができる。 【0030】上記作用により、可撓性の圧電センサが車両のスライドドアの形状に沿って屈曲可能に配設されているので、スライドドアに屈曲部があっても誤検出無く挟み込みを検出でき、付属部品の設置位置にも制約が無い。 【0031】また、、圧電センサの最小曲率が半径5mmであり、最小曲率半径5mmまでのスライドドアの屈曲部に対して配設可能となるので、剛性の強化やデザイン面での自由度が向上する。 【0032】また、圧電センサが信号導出用の複数の電極と、前記電極間に接続された断線検出用の抵抗体とを有しており、断線検出用の抵抗体により圧電センサの電極の断線を検出できるので、装置の信頼性が向上する。 【0033】さらに、圧電センサによる挟み込み検出装置とスライドドアを駆動する駆動手段とを備え、判定手段の出力信号に基づき挟み込み判定時には挟み込みを解除するよう前記駆動手段を制御する制御手段を有しており、挟み込み判定時には挟み込みを解除するので、不要な挟み込みを防止する開閉装置を提供することができる。 【0034】尚、上述したように圧電センサ6の複合圧電体層14の原料として、非晶質塩素化ポリエチレンと結晶性塩素化ポリエチレンの混合物が用いられるが、非晶質塩素化ポリエチレンのみを用いると、約80vol%までの圧電セラミック粉体が添加でき、このペレットは容易に押出しできる。押出された複合圧電体層14も優れた可撓性を有する。しかし、この複合圧電体層14は剛性が小さいために、約80℃以上で変形し易い点で実用的でない。120℃でもほとんど変形しないほどの十分な剛性をこの複合圧電体層14に付与するためには、加硫が必要である。他方、結晶性塩素化ポリエチレンのみを用いると、この複合圧電体層14は120℃でもほとんど変形しないほどの十分な剛性を有するので、加硫を必要としないが、押出しが困難である。また、圧電セラミック粉体は約40vol%までしか添加できない。本発明の感圧手段3は、非晶質塩素化ポリエチレンと結晶性塩素化ポリエチレンと圧電セラミック粉体とを含む混合組成物からなる複合圧電体層14を有し、複合圧電体層14は非晶質塩素化ポリエチレンの有する可撓性と結晶性塩素化ポリエチレンの有する高温耐久性といった、両者の利点を併せ持ち、120℃で1000時間以上動作できる。また、本発明の圧電センサ6は、一般の合成ゴムの製造に必要な加硫工程は不要である。 【0035】(実施例2)実施例2の発明を図7を参照して説明する。図7は実施例2の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置のスライドドア1を車室内側から見た外観図である。実施例2が実施例1と相違する点は、圧電センサ6がスライドドア1の閉方向の鉛直端部4、上端部34及び下端部35に配設された構成を備えている点にある。上記構成により、スライドドア1の上端部34及び下端部35とボディ開口部9(図1)との間への物体の挟み込みを検出できるので、挟み込みの検出範囲が拡大する。尚、スライドドア1の角部36で圧電センサ6を屈曲しなければならないが、可撓性の圧電センサ6を使用しているので、屈曲しても従来の感圧スイッチのように誤検出することがない。 【0036】(実施例3)実施例3の発明を図8及び図9を参照して説明する。図8は実施例3の発明の挟み込み検出装置及び開閉装置のスライドドア1を車室内側から見た外観図、図9は同装置のブロック図である。実施例2が実施例1と相違する点は、圧電センサ6が圧電センサ6がスライドドア1の端部全周に亘って配設されており、圧電センサ6の両端は判定手段21に接続され、判定手段21は圧電センサ6の電極の導通の有無を検出して圧電センサ6の断線を判定する構成を備えた点にある。図9で37は導通検出用としての第4の抵抗体で、電源32のプラス側、第4の抵抗体37、圧電センサ6の外側電極15、電源32のマイナス側の順に接続してある。 【0037】上記構成により、圧電センサ6がスライドドア1の端部全周に亘って配設されているので、スライドドア1の端部全周とボディ開口部9(図1)との間への物体の挟み込みを検出でき、実施例4に比べて挟み込みの検出範囲がさらに拡大する。また、外側電極15が導通していればVpは電源32のマイナス側電位(例えば、Vp=0)となり、外側電極15が断線すると、Vpは電源32のプラス側電位Vsとなる。このように、異常判定部29によりP点の電圧Vpを検出することにより圧電センサ6の外側電極15の導通の有無を検出して圧電センサ6の断線を判定でき、装置の信頼性が向上する。 【0038】(実施例4)実施例4の発明の開閉装置を以下に説明する。実施例4では、スライドドア1を閉止する際、制御手段21によりスライドドア1を一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作するよう駆動手段30を制御する構成を備えている。具体的な手順を図10を基に説明する。図10は駆動手段30への印加電圧Vmを示す特性図で、図中、縦軸はVm、横軸は時刻tである。図10より、スライドドア1を閉止する際に、時刻t4で閉止スイッチをオンすると駆動手段30への印加電圧Vmを時刻t5まで−Vdとしてスライドドア1を開方向へ移動させ、時刻t5以降は時刻t6で完全閉止するまでVmを+Vdとしてスライドドア1を閉動作させる。時刻t4からt5までの時間の設定はスライドドア1の重量や駆動手段30の能力等により最適化すればよいが、最低数百ミリ秒程度でもよい。 【0039】実施例1では、スライドドア1の閉止開始前に物体が圧電センサ6に接触していると、スライドドア1が閉動作を開始しても圧電センサ6に充分な変形が起こらず、挟み込みを判定できない場合があるが、上記構成によれば、スライドドア1を一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作することにより、開方向へ移動した物体の慣性力が閉動作により圧電センサ6に印加され、圧電センサ6への押圧が増し、圧電センサ6に充分な変形が起こるので、挟み込みを確実に検出することができる。 【0040】尚、上記構成でスライドドア1が完全開口している状態から閉動作する場合は、所定時間閉動作を行った後に閉動作を停止してから上記のようにスライドドア1を一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作するといった構成としてもよい。 【0041】以上の実施例では被覆層16はゴム等の弾性材料を用いたかまぼこ型の形状を有した構成としたが、図11に示すように、溝部19と外側電極15との間に空隙部38を設けた構成としてもよい。この構成により、挟み込み時に物体による押圧が圧電センサ6に印加された際に、空隙部38がつぶれることにより圧電センサ6の変形度合いがより大きくなり、圧電センサ6からの出力信号が増大するので、挟み込み検出時の検出荷重が低減でき、挟まれた物体へのストレスや損傷を低減することができる。 【0042】また、実施例1〜実施例4では本発明を自動車のスライドドアに適用した事例について述べたが、本発明を自動車の電動サンルーフや、列車、飛行機、建物等のスライドドアに適用したり、自動ドアや電動シャッター等に適用してもよく、圧電センサを配設する場所に屈曲部があっても誤検出無く挟み込みを検出できる。 【0043】また、実施例1〜実施例4では可撓性の圧電センサをスライドドアに配設有した構成であったが、圧電センサの代わりに電極間の静電容量を検出するタイブの感圧手段や、圧力により導電率の変化するタイプの感圧手段等、他の感圧手段を用いてもよい。 【0044】 【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項1の発明によれば、可撓性の圧電センサが車両のスライドドアの形状に沿って屈曲可能に配設されているので、スライドドアに屈曲部があっても誤検出無く挟み込みを検出でき、付属部品の設置位置にも制約が無いといった効果がある。 【0045】また請求項2の発明によれば、圧電センサの最小曲率が半径5mmであり、最小曲率半径5mmまでのスライドドアの屈曲部に対して配設可能となるので、剛性の強化やデザイン面での自由度が向上するといった効果がある。 【0046】また請求項3の発明によれば、圧電センサがスライドドアの閉方向の鉛直端部、上端部及び下端部に配設されたもので、スライドドアの上下端部とボディ開口部との間への物体の挟み込みを検出できるので、挟み込みの検出範囲が拡大するといった効果がある。 【0047】また請求項4の発明によれば、圧電センサがスライドドアの端部全周に亘って配設されたもので、スライドドアの端部全周とボディ開口部との間への物体の挟み込みを検出できるので、挟み込みの検出範囲がさらに拡大するといった効果がある。 【0048】また請求項5の発明によれば、圧電センサが信号導出用の複数の電極と、前記電極間に接続された断線検出用の抵抗体とを有したもので、断線検出用の抵抗体により圧電センサの電極の断線を検出できるので、装置の信頼性が向上するといった効果がある。 【0049】また請求項6の発明によれば、圧電センサが信号導出用の複数の電極を有し、前記圧電センサの両端は判定手段に接続され、判定手段は前記電極の導通の有無を検出して前記圧電センサの断線を判定するので、装置の信頼性が向上するといった効果がある。 【0050】また請求項7の発明によれば、請求項1乃至6のいずれか1項記載の挟み込み検出装置とスライドドアを駆動する駆動手段とを備え、判定手段の出力信号に基づき挟み込み判定時には挟み込みを解除するよう前記駆動手段を制御する制御手段を有したもので、挟み込み判定時には挟み込みを解除するので不要な挟み込みを防止することができるといった効果がある。 【0051】また請求項8の発明によれば、スライドドアを閉止する際、スライドドアを一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作するよう駆動手段を制御するもので、スライドドアの閉止開始前に物体が圧電センサに接触していても、スライドドアを一旦開方向へ所定距離移動した後に閉動作することにより、開方向へ移動した物体の慣性力が閉動作により圧電センサに印加され、圧電センサへの押圧が確実に起こるので、挟み込みを確実に検出することができるといった効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月16日(2000.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−323726(P2001−323726A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月22日(2001.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−142821(P2000−142821) |
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