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【発明の名称】 スライドドア自動開閉装置
【発明者】 【氏名】加藤健二

【要約】 【課題】ガイドプーリが車内へ大きく突出することがなく、車室内の有効利用を図ることができる。

【解決手段】スライドドアDのガイドローラ32,33を駆動ワイヤ7によりセンタガイドレール1に沿って移動させてドア開閉を行なう。駆動ワイヤ7を懸架するガイドプーリ5を、車両内方へ湾曲するセンタガイドレール1の前端部11に平面視で重なるようにその直下に設けるとともに、センタガイドレール1の下縁の複数位置にガイド片81〜83を設けて、ガイドローラ32,33を支持するブラケット3に結合される駆動ワイヤ7をガイド片81〜83に案内させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前端が車体内方に湾曲するガイドレールを車体に設け、ドアをブラケットを介して前記ガイドレールに摺動自在に係合し、前記ガイドレールに沿って駆動ワイヤを設け、該駆動ワイヤを前記ブラケットに連結するとともに、前記駆動ワイヤを、前記ガイドレールの前端および後端付近に設けたガイドプーリを経由させて駆動装置に連結し、該駆動装置による前記駆動ワイヤの送り出しおよび引き込みにより、前記ドアを前記ガイドレールに沿って移動させるスライドドア自動開閉装置において、前記両ガイドプーリを前記ガイドレールより上方または下方に設けるとともに、前記両ガイドプーリのうち前記ガイドレールの前端側に位置するものを前記ガイドレールの前端部に平面視で重なるように設け、前記ガイドレールの下縁ないし上縁の少なくとも一部にこれに沿って延びるガイド壁を設けて前記駆動ワイヤを前記ガイド壁に案内させるようにしたことを特徴とするスライドドア自動開閉装置。
【請求項2】 前記両ガイドプーリのうちガイドレールの後端側に位置するものを、前記ガイドレールの後端部に平面視で重なるように設けた請求項1に記載のスライドドア自動開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスライドドア自動開閉装置に関し、特に、車室内への突出量を可及的に小さくしたスライドドア自動開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4にはスライドドア自動開閉装置のドア後部開口縁部の水平断面図を示す。図において、車両のサイド開口Oを開閉するスライドドアDにはインナパネルの後縁にブラケット91が水平回動可能に結合され、ブラケット91の先端には幅方向の両端に水平ガイドローラ92,93が、これらの中央に垂直ガイドローラ94が設けられている。これらガイドローラ92〜94はスライドドアDを閉鎖した図示の状態で、車両内方へ湾曲するセンタガイドレール1の前端部11内に位置している。
【0003】ブラケット91先端の水平ガイドローラ92の近くにはセンタガイドレール1内を車両後方より至る駆動ワイヤ21の一端が結合されており、一方、水平ガイドローラ93の近くには駆動ワイヤ22の一端が結合されてガイドプーリ95に懸架された後、後方へ向きを変えている。駆動ワイヤ21はセンタガイドレール1の後端(図示略)に設けられたガイドプーリを経て駆動機構に至っており、また、駆動ワイヤ22は上記ガイドプーリ93を経て駆動機構に至っている。駆動機構によって図4の平面視で駆動ワイヤ21,22を時計方向へ回転移動させると、ガイドローラ92〜94がセンタガイドレール1内を後方へ移動してスライドドアDが開放作動させられる。スライドドアDを閉鎖させる場合には駆動ワイヤ21,22を反時計方向へ回転させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のスライドドア自動開閉装置においては、図4に示すように、ガイドレール1の前端まで十分にブラケット91を移動させるべくレール前端(湾曲端)の延長上に設けたガイドプーリ95が、車両内方へ大きく突出するため車内空間の有効利用が損なわれるという問題があった。
【0005】そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、ガイドプーリが車内へ大きく突出することがなく、車室内の有効利用を図ることができるスライドドア自動開閉装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明では、前端(11)が車体内方に湾曲するガイドレール(1)を車体に設け、ドア(D)をブラケット(3)を介してガイドレール(1)に摺動自在に係合し、ガイドレール(1)に沿って駆動ワイヤ(7,7´)を設け、該駆動ワイヤ(7,7´)を上記ブラケット(3)に連結するとともに、上記駆動ワイヤ(7,7´)を、ガイドレール(1)の前端(11)および後端付近に設けたガイドプーリ(5,6)を経由させて駆動装置に連結し、該駆動装置による駆動ワイヤ(7,7´)の送り出しおよび引き込みにより、ドア(D)をガイドレール(1)に沿って移動させるスライドドア自動開閉装置において、両ガイドプーリ(5,6)をガイドレール(1)より上方または下方に設けるとともに、両ガイドプーリのうちガイドレール(1)の前端側に位置するもの(5)をガイドレール(1)の前端部に平面視で重なるように設け、ガイドレール(1)の下縁ないし上縁の少なくとも一部にこれに沿って延びるガイド壁(81,82,83)を設けて駆動ワイヤ(7)をガイド壁(81,82,83)に案内させるようにする。
【0007】本第1発明においては、ガイドレールの前端側のガイドプーリを、ガイドレールの前端部と平面視で重なるその上方ないし下方に設けているから、従来のようにガイドプーリが車室内に大きく突出して車内空間の有効利用を妨げるという問題は生じない。また、ガイド壁を設けたことによって、ガイドプーリ間の駆動ワイヤのうちガイドレールに沿って延びる部分を、ガイドレールの上方ないし下方位置でスムーズに移動させることがきる。
【0008】本第2発明では、上記両ガイドプーリのうちガイドレールの後端側に位置するもの(6)を、ガイドレール(1)の後端部(12)に平面視で重なるように設ける。
【0009】本第2発明においては、ガイドレールの後端側のガイドプーリを、ガイドレールの後端部と平面視で重なるように設けているから、車両ボデーパネルに沿う略直線方向での装置全体長も短くすることができる。
【0010】なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1において、センタガイドレール1は車両クォータパネルPの外面に沿って車両前後方向(図1の左右方向)へ延び、その前端部は車両サイド開口Oの後縁に沿って車両内方へ湾曲している。なお、センタガイドレール1は図2、図3に示すように、実際には上記クォータパネルPの凹所P1内に位置して、クォータパネルPの外面やスライドドアDの外面と面一になるようにしてある。車両サイド開口Oを閉鎖するスライドドアD(図1)の後縁にはステー31が設けられて、その先端にブラケット3が水平回動自在に結合され、当該ブラケット3先端の幅方向両端に設けた水平ローラ32と中央に設けた垂直ローラ33がセンタガイドレール1の前端部11内に位置している。
【0012】センタガイドレール1は外方へ開放するC字状断面をなし(図2、図3)、断面上部はやや小幅となってここに、ブラケット3先端の延出部321上に立設された軸体322に支持されて水平ローラ32が位置している。垂直ローラ33はブラケット3先端に水平に突設された軸体331に支持されてセンタガイドレール1の底壁13上に位置している。センタガイドレール1の開口上縁にはモール15が接合されてクォータパネルPの外面に連続する面を形成している。ブラケット3の側面にはワイヤ係止部材4がボルト固定してあり、平面視(図1)でその両端には係止部41,42が形成されている。これら係止部41,42はワイヤ係止部材4の本体から一定幅で延出した先端を円形に折り返したもので(図3)、センタガイドレール1の開口下縁近くに位置している。
【0013】センタガイドレール1の前端部11に平面視(図1)で重なるようにガイドプーリ5が設けられており、このガイドプーリ5は図2に示すように、保持部材51によって水平姿勢で回転自在に保持されて上記レール前端部11の下方に位置している。保持部材51は上下方向の中央に、水平に延びる一定幅の保持空間を形成した保持部511を有し、この保持部511に垂直姿勢で設けた軸体512に上記ガイドプーリ5が回転自在に装着されている。保持部材51は上下の半部が、クォータパネルPの内面に接合固定された補助板52にボルト固定されている。
【0014】センタガイドレール1の後端部12(図1)に平面視で重なるようにガイドプーリ6が設けられており、ガイドプーリ6は上記ガイドプーリ5と同様の構造でレール後端部12の直下に設けられている。これら前後のガイドプーリ5,6には駆動ワイヤ7,7´が懸架してある。駆動ワイヤ7は一端の円柱片71がブラケット3に設けたワイヤ係止部材4の係止部41に引掛け固定され、センタガイドレール1に沿って後方へ延びた後、後側ガイドプーリ6に懸架されて前方へ向きを変え、ケーブルガイド73を経てアウタケーシング75内に挿通されてクォータパネルP内を車両前方へ向かっている。
【0015】駆動ケーブル7は車両前方へ向かう途中で露出して、互いに隣接して設けられた一方の補助プーリ76に懸架され、駆動モータを有する図略の駆動機構に至っている。一方、駆動ケーブル7´は一端の円柱片72が上記ワイヤ係止部材4の係止部42に引掛け固定され、前側ガイドプーリ5に懸架されて後方へ向きを変えた後、ケーブルガイド74を経てアウタケーシング78内を車両後方へ延び、途中で露出して他方の補助プーリ77を経て駆動機構に至っている。
【0016】ここで、センタガイドレール1の前端湾曲部と、直線中間部の前後のニ個所にそれぞれガイド片81,82,83が設けられている。これらガイド片81〜83は図3に示すように外方へ向く略U字形断面の長尺体で、その頂壁はセンタガイドレール1の底壁13に沿って延びてここに接合されている。前後のガイドプーリ5,6間に環状に懸架された駆動ワイヤ7,7´の車両外側に位置する部分(図1の状態では駆動ワイヤ7の部分)は上記ガイド片81〜83内に位置させられて(図3)、これらガイド片81〜83に案内されつつ駆動機構によってセンタガイドレール1の下方をこれに沿い車両前後方向へ移動させられる。駆動ワイヤ7,7´が図1の平面視で時計方向へ回転させられると、駆動ワイヤ7,7´の車両外側に位置する部分は車両後方へ移動し、ブラケット3を介してスライドドアDは車両後方へ開放移動させられる。反対に駆動ワイヤ7,7´が図1の平面視で反時計方向へ回転させられると、駆動ワイヤ7,7´の車両外側に位置する部分は車両前方へ移動し、ブラケット3を介してスライドドアDは車両前方へ閉鎖移動させられる。
【0017】このようなスライドドア自動開閉装置によれば、特に前側ガイドプーリ5を、センタガイドレール1の前端部11と平面視で重なるその直下位置に設けているから、従来のように上記前端部11の延長上でガイドプーリ5を車室内に大きく突出させなくてもブラケットの前方移動量を十分に確保することができ、車内空間の有効利用が可能となる。また、ガイド片81〜83を設けたことによって、センタガイドレール1の前後端部11,12直下に設けたガイドプーリ5,6間の駆動ワイヤ7,7´を、センタガイドレール1の下方位置でこれに沿ってスムーズに移動させることがきる。さらに本実施形態では、後側ガイドプーリ6を、センタガイドレール1の後端部12と平面視で重なるその下方位置に設けているから、ブラケットの後方移動量を十分に確保しつつ装置全体の前後方向直線長も短くすることができる。
【0018】なお、ガイドプーリ5,6をセンタガイドレール前後端部11,12の上方位置に設けてこれらと平面視で重なるように位置させることもでき、この場合には各ガイド片81〜83はセンタガイドレール1の頂壁14に沿って設ける。また、ガイド片はセンタガイドレール1の全長に亘って設けることができるとともに、別部材とせず、センタガイドレール1と一体に成形するようにしても良い。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明のスライドドア自動開閉装置によれば、ガイドプーリが車内へ大きく突出することがないから、車室内の有効利用を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
【出願日】 平成12年5月19日(2000.5.19)
【代理人】 【識別番号】100107700
【弁理士】
【氏名又は名称】守田 賢一
【公開番号】 特開2001−323724(P2001−323724A)
【公開日】 平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願番号】 特願2000−147137(P2000−147137)