| 【発明の名称】 |
防水用ゲート |
| 【発明者】 |
【氏名】岡本 弘司
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| 【要約】 |
【課題】押上げ力が高く、且つ、剛性に優れた押上げ手段を備えた防水用ゲートを提供することを課題とする。
【解決手段】常時は倒伏されて床面(4)に凹設されたピット(5)を覆う一方、非常時はピット(5)内に収容された押上げ手段(10')により起立されて通路(2)の少なくとも下部領域を閉鎖する防水扉(6)を備えた防水用ゲートにおいて、前記押上げ手段(10')は、軸線回り回転自在に前記ピット(5)内に固定された軸体(14')と、該軸体(14')に支持され、該軸体(14')の回転に伴って軸線方向に移動する可動体(23)と、該可動体(23)と前記防水扉(6)の裏面との間を連結し、該可動体(23)の軸線方向移動に応じて防水扉(6)を倒伏状態と起立状態との間で移動させるリンク系(30')とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 常時は倒伏されて床面(4)に凹設されたピット(5)を覆う一方、非常時はピット(5)内に収容された押上げ手段(10')により起立されて通路(2)の少なくとも下部領域を閉鎖する防水扉(6)を備えた防水用ゲートにおいて、前記押上げ手段(10')は、軸線回り回転自在に前記ピット(5)内に固定された軸体(14')と、該軸体(14')に支持され、該軸体(14')の回転に伴って軸線方向に移動する可動体(23)と、該可動体(23)と前記防水扉(6)の裏面との間を連結し、該可動体(23)の軸線方向移動に応じて防水扉(6)を倒伏状態と起立状態との間で移動させるリンク系(30')とを備えていることを特徴とする防水用ゲート。 【請求項2】 前記リンク系(30')は、一端側(31a')が前記防水扉(6)の裏面に設けられた案内路(6a')に相対移動自在且つ回動自在に連結された第一リンク(31')と、一端側(32a')が前記第一リンク(31')に回動自在に連結され且つ他端側(32b')が前記可動体(23)に回動自在に連結された第二リンク(32')とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の防水用ゲート。 【請求項3】 前記第一リンクは、他端側(31b')が前記ピット(5)の内面に回動自在に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の防水用ゲート。 【請求項4】 前記軸体(14')は、前記ピット内において略水平に支持されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の防水用ゲート。 【請求項5】 常時は倒伏されて床面(4)に凹設されたピット(5)を覆う一方、非常時はピット(5)内に収容された押上げ手段(10)により起立されて通路(2)の少なくとも下部領域を閉鎖する防水扉(6)を備えた防水用ゲートにおいて、前記押上げ手段(10)が、基端側を支点として揺動可能で且つ軸周りに回転可能にして前記ピット(5)内に収容される軸体(14)と、該軸体(14)に装着され、該軸体(14)の回転に伴って軸長方向に移動可能な可動体(23)と、該可動体(23)を回転自在に支持し且つ防水扉(6)の裏面及びピット(5)の内面に連結されるリンク系(30)とを備えてなることを特徴とする防水用ゲート。 【請求項6】 前記リンク系(30)は、前記防水扉(6)の裏面に一端側(31a)が連結される第一リンク(31)と、該第一リンク(31)の他端側(31b)に一端側(32a)が連結され且つピット(5)の内面に他端側(32b)が連結される第二リンク(32)とからなり、しかも、前記可動体(23)は、第二リンク(32)の一端側(32a)と他端側(32b)の間で支持されてなる請求項5記載の防水用ゲート。 【請求項7】 前記ピット(5)内に、第一部位(40a)にて回転自在に支持されたリンクプレート(40)が設けられ、該リンクプレート(40)の第二部位(40b)にて防水扉(6)が回転自在に支持されてなり、防水扉(6)が倒伏状態から所定角度に傾斜するまでは、該防水扉(6)が第二部位(40b)を中心として回転し、防水扉(6)が所定角度の傾斜状態から起立状態になるまでは、該防水扉(6)がリンクプレート(40)と共に第一部位(40a)を中心として回転するよう構成されてなる請求項1から6の何れかに記載の防水用ゲート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建物内や地下施設が雨水等により浸水するのを防止すべく、該建物や地下施設への出入口に設置される防水用ゲートに関する。 【0002】 【従来の技術】都市部においては、その保水能力の低さにより、集中豪雨や大型の台風による建物内や地下施設への浸水が頻発し、多くの資産被害が生じている。このため、従来より、建物や地下施設への出入口に防水用ゲートを設置するという施策が講じられている。 【0003】従来の防水用ゲートとしては、例えば実公平1−44704号公報のものが公知である。この防水用ゲートは、図9に示す如く、床面70に埋設されたピット72に、防水扉73を押上げ・起立させるための伸縮ロッド75を備えた押上げ手段74を略水平に配置してその押上げ手段74の基端を水平な枢軸77に枢着し、さらに、リンク78を伸縮ロッド75の先端に設けると共に、該リンク78と当接可能な傾斜案内部79を伸縮ロッド75の先方位置に設けた構成となっている。 【0004】また、前記防水扉73は、その一端側がリンクヒンジ80によってピット72に支持されており、モータ81を回転させて伸縮ロッド75を伸長させることで、伸縮ロッド75の先端が傾斜案内部79によって斜上向きに案内され、常時はピット72を覆って床面70と略面一な防水扉73が、リンクヒンジ80を中心として回転しながら垂直方向に起立するようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の防水用ゲートに使用される伸縮ロッド75は、伸長初期段階においては、押上げ力が弱いため、コイルスプリング82による弾性力の助けを借りなければならない。また、上記伸縮ロッド75は、伸長につれて弾発力が弱まり、伸長終期段階においては、長尺化することで剛性が低下する。従って、このような構成では、防水扉の重量が大きく制限されることとなる。 【0006】そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、押上げ力が高く、且つ、剛性に優れた押上げ手段を備えた防水用ゲートを提供することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、常時は倒伏されて床面に凹設されたピットを覆う一方、非常時はピット内に収容された押上げ手段により起立されて通路の少なくとも下部領域を閉鎖する防水扉を備えた防水用ゲートにおいて、前記押上げ手段が、軸線回り回転自在に前記ピット内に固定された軸体と、該軸体に支持され、該軸体の回転に伴って軸線方向に移動する可動体と、該可動体と前記防水扉の裏面との間を連結し、該可動体の軸線方向移動に応じて防水扉を倒伏状態と起立状態との間で移動させるリンク系とを備え防水用ゲートを提供する。 【0008】斯かる構成の防水用ゲートにおいては、伸縮ロッドを用いることなく、軸体の軸線回りの回転に伴って該軸体の長手軸方向に移動する可動体と防水扉とを連結するリンク系によって、防水扉を押し上げるように構成したので、該防水扉が倒伏状態であるか起立状態であるかに拘わらず、押し上げ手段の剛性は略一定に維持される。又、前記軸体は、防水扉の回動状態に拘わらずピット内に固定されているので、該軸体を駆動する駆動源及び/又はアクチュエータの支持構造を簡略させることができる。 【0009】好ましくは、前記リンク系は、一端側が前記防水扉の裏面に設けられた案内路に相対移動自在且つ回動自在に連結された第一リンクと、一端側が前記第一リンクに回動自在に連結され且つ他端側が前記可動体に回動自在に連結された第二リンクとを備えるものとすることができる。さらに好ましくは、前記第一リンクの他端側を前記ピットの内面に回動自在に支持することができる。又、前記軸体は、前記ピット内において略水平に支持されるものとし得る。 【0010】さらに、本発明は、上記課題を解決するために、常時は倒伏されて床面4に凹設されたピット5を覆う一方、非常時はピット5内に収容された押上げ手段10により起立されて通路2の少なくとも下部領域を閉鎖する防水扉6を備えた防水用ゲートにおいて、前記押上げ手段10が、基端側を支点として揺動可能で且つ軸周りに回転可能にして前記ピット5内に収容される軸体14と、該軸体14に装着され、該軸体14の回転に伴って軸長方向に移動可能な可動体23と、該可動体23を回転自在に支持し且つ防水扉6の裏面及びピット5の内面に連結されるリンク系30とを備えた防水用ゲートを提供する。 【0011】上記構成からなる防水用ゲートによれば、軸体14を回転させて、可動体23を軸体14の先端側に向けて移動させることにより、ピット5内に折り畳まれて収容されていたリンク系30を起こして防水扉6を倒伏状態から立ち上げる。そして、さらに可動体23を移動させてリンク系30を伸長させることにより、防水扉6を起立させる。これにより、通路2の少なくとも下部領域が防水扉6によって閉鎖され、建物内や地下施設内への雨水等の侵入が防止される。 【0012】この場合、リンク系30としては、防水扉6の裏面に一端側31aが連結される第一リンク31と、該第一リンク31の他端側31bに一端側32aが連結され且つピット5の内面に他端側32bが連結される第二リンク32とからなり、しかも、前記可動体23は、第二リンク32の一端側32aと他端側32bの間で支持されてなる構成を採用することができる。 【0013】また、ピット5内に、第一部位40aにて回転自在に支持されたリンクプレート40が設けられ、該リンクプレート40の第二部位40bにて防水扉6が回転自在に支持されてなり、防水扉6が倒伏状態から所定角度に傾斜するまでは、該防水扉6が第二部位40bを中心として回転し、防水扉6が所定角度の傾斜状態から起立状態になるまでは、該防水扉6がリンクプレート40と共に第一部位40aを中心として回転するような構成を採用することもできる。 【0014】 【発明の実施の形態】実施の形態1以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。 【0015】本実施形態に係る防水用ゲートは、図1に示す如く、ヒンジ部36に回転自在に支持された防水扉6を押上げ装置10により起立させて、出入口1の通路2の両側に立設された柱状の当板3に押し当てることで、通路2の下部領域を閉鎖し、雨水等の通路2内への侵入を規制するものである。 【0016】前記押上げ装置10は、図2にも示す如く、軸周りに回転可能な軸体14を備えたアクチュエータ11と、防水扉6を屈伸動作によって起立位置・倒伏位置に回転させるリンク系30とを主要構成としている。前記軸体14は、好ましくは、ボールネジ又は台形ネジ等の外周面にネジが螺刻されたネジ軸体とされる。 【0017】前記アクチュエータ11の本体12には、原動軸体としてのシャフト(図示しない)の一部及び軸体14の基端側が、軸心を互いに直交させて挿入されている。そして、シャフトの一部及び軸体14の基端側のそれぞれには、互いに噛合する歯車(図示しない)が固着されており、シャフト及び軸体14は、互いに直交する回転軸をもって協働可能になっている。なお、防水扉6の起立時における軸体14の反対方向への回転を防止して、該防水扉6の起立状態を確実に維持したい場合には、該軸体14として台形ネジを用いるのが好ましい。 【0018】また、前記シャフトの基端側には、カップリング15aが固着されており、このカップリング15aがモータ16の駆動軸16aに固着されたカップリング15bと係合していることで、モータ16の駆動軸16aが回転すると、シャフト、さらには軸体14が回転するようになっている。 【0019】さらに、前記本体12は、床面4に掘られたピット5の底面5aに固着されたブラケット18によって回転自在に支持されており、軸体14は、基端側を支点として垂直面に沿って回転可能になっている。尚、この本体12の回転軸は、シャフト及びモータ16の駆動軸16aと同軸にして設けられているため、モータ16がピット5の底面5aに固着されていても、本体12の回転が阻止されることはない。 【0020】また、前記本体12の先端には、測方に伸びる第一プレート体20が固着され、一方、軸体14の先端には、第一プレート体20と対向するように第二プレート体21が挿通されている。そして、一対のプレート体20,21は、軸体14と平行に配されたガイドシャフト22によって固定されている。 【0021】前記リンク系30は、防水扉6の裏面及びピット5の底面5aに連結され、該リンク系30が伸長すれば、防水扉6が起立する方向に回転し、リンク系30が屈曲すれば、防水扉6が倒伏する方向に回転するようになっている。 【0022】即ち、前記リンク系30は、防水扉6の裏面(本実施形態においては、防水扉6の中央部)に一端側31aが回転自在に連結される第一リンク31と、該第一リンク31の他端側31bに一端側32aが回転自在に連結され且つピット5の底面5aに固着されたブラケット33に他端側32bが回転自在に連結される第二リンク32とからなる。 【0023】本実施形態では、第一リンク31及び第二リンク32は、真っ直ぐな帯板状であって、お互い略同一長さに形成され、また、第一リンク31及び第二リンク32は、軸体14を挟んで左右位置に二対設けられて、軸体14の回転面と平行な垂直面に沿って屈伸するようになっている。 【0024】また、前記軸体14には、該軸体14の回転に伴って軸長方向に移動する可動体23が装着されている。該可動体23は、軸体14に螺合されるナット24と、該ナット24を保持するホルダー25とからなり、この二つ24,25が互いに平行な一対の第二リンク32,32に挟まれた格好となっている。そして、ホルダー25の両側面に、第二リンク32の途中位置(一端側32aと他端側32bとの間の位置、本実施形態においては、第二リンク32の中央部)に挿通された二本のピン26,26の先端部分が挿入されることで、該ホルダー25は、第二リンク32,32に回転自在に支持される。 【0025】さらに、前記二本のピン26,26のうち、ガイドシャフト22側のピン26bは、もう一方の先端部分がガイドシャフト22に外挿されたガイド体28の側面に挿入されている。従って、可動体23とガイド体28とは、ピン26bを中心として相対的に回転することができるが、軸体14の軸長方向における相対的な移動は規制されるようになっている。 【0026】また、前記ヒンジ部36は、図1又は図3(イ)に示す如く、ピット5の底面5a上に固着されるベース37と、該ベース37から立設されるブラケット38と、該ブラケット38にピン39を介して第一部位40a(本実施形態においては、リンクプレート40の一端側)が回転自在に支持されるリンクプレート40と、ベース37から立設され、リンクプレート40と当接可能なストッパー45と、リンクプレート40の回転を規制する固定機構48と、リンクプレート40及びストッパー45を連結する伸縮自在なダンパー57とからなる。 【0027】また、前記リンクプレート40の第二部位40b(本実施形態においては、リンクプレート40の他端側)には、円弧状の切欠部41が形成されており、この切欠部41に防水扉6の端部に設けられた円柱状の被支持体7が挿入されている。従って、防水扉6は、被支持体7を中心として回転可能となっている。尚、リンクプレート40がストッパー45に当接した状態において、切欠部41(リンクプレート40の第二部位)は、ピン39の中心(リンクプレート40の第一部位)を通る鉛直線よりストッパー45側にずれた位置に形成されている。 【0028】また、前記防水扉6の端部であって、被支持体7の近傍には、円柱状の係合体8が設けられる一方、リンクプレート40には、その一端側40aと他端側40bとの間に、防水扉6の回転に伴って回転移動する係合体8を挿入可能な挿入溝42が形成されている。尚、この挿入溝42は、防水扉6が所定角度(約40〜60度の範囲内)傾斜した状態で、係合体8と挿入溝42の底部と係合するような深さに形成されている。 【0029】前記固定機構48は、本実施形態の場合、リンクプレート40の下縁に形成された円弧状の切欠部43にピン体54を係入させておくことで、リンクプレート40の回転を規制するものである。即ち、該固定機構48は、リンクプレート40の下方位置に略水平に配された棒状のネジ体50と、該ネジ体50に螺着されるナット等の止着体51と、ネジ体50に挿通されるスライド体52とを備え、止着体51及びスライド体52に、それぞれリンク片53の一端側が回転自在に連結されると共に、二つのリンク片53,53の他端側が互いに回転自在に連結され、さらに、ピン体54がリンク片53,53の他端側に回転自在に支持される構成となっている。 【0030】しかも、前記ネジ体50には、スライド体52を止着体51側に付勢するためのコイルバネからなる弾性体56が介装されている。さすれば、弾性体56によってスライド体52が止着体51側に押圧され、スライド体52と止着体51の間隔が狭められることで、二つのリンク片53,53が屈曲して、ピン体54がネジ体50の軸心から離間(リンクプレート40に接近)する方向に移動するように作用する。従って、ピン体54は、弾性体56の弾性復元力によって常時リンクプレート40側に付勢された状態となって、リンクプレート40の切欠部43への係入状態が維持されるため、所定の力を加えない限り、リンクプレート40は、ピン体54との係合によって回転が規制されている。 【0031】本実施形態に係る防水用ゲートは、以上の構成からなるたり、次に、この防水用ゲートにおける防水扉6の作動態様について説明する。 【0032】まず、図1及び図3(イ)に示す如く、防水扉6が倒伏状態にある時、リンクプレート40は、ストッパー45に当接しており、防水扉6の倒伏方向への回転が規制されている。かかる状態で、リンクプレート40に形成された切欠部43には、ピン体54が係入しており、リンクプレート40は、防水用扉6の起立方向への回転も規制されている。従って、リンクプレート40は、全く回転できない状態に固定されている。 【0033】かかる状態において、アクチュエータ11が作動して、軸体14が回転すれば、これに伴い、可動体23は軸体14の先端側に向けて移動し、この可動体23の移動によって、リンク系30は起き上がりながら次第に伸長していく。そして、リンク系30が次第に伸長していくことで、防水扉6は、被支持体7(リンクプレート40の第二部位40b)を中心として起立方向に回転していくこととなる。 【0034】次に、回転による防水扉6の傾斜角が大きくなると、図4及び図3(ロ)に示す如く、防水扉6の係合体8がリンクプレート40の挿入溝42の底部と係合して、第一部位を中心とした防水扉6の回転が規制される。従って、しかる後は、防水扉6は、リンクプレート40と共にピン39(リンクプレート40の第二部位40a)を中心として回転するようになる。 【0035】この時、リンクプレート40も回転することで、ピン体54は、リンクプレート40の切欠部43から外れ、さらに、リンクプレート40の外周との当接によって下方に押圧される。さすれば、リンク片53,53が伸長され、スライド体52は、弾性体56を押し縮めながら止着体51から離間する方向に移動することとなる。即ち、リンクプレート40に所定の力が加わった場合、ピン体54は、その付勢力に抗してリンクプレート40の切欠部43から外れるようになっているため、該リンクプレート40は、防水扉6の起立方向への回転が許容されるのである。 【0036】そして、さらに、軸体14が回転して、リンク系30が起き上がりながら伸長していった結果、図5及び図3(ハ)に示す如く、防水扉6が起立して、当板9に押し付けられる。この時、当板3に貼着された水密ゴム9,…が防水扉6の表面に密着することとなるため、止水時における水密性が得られ、漏水を好適に防止することができる。 【0037】尚、防水扉6が倒伏状態に復帰する際には、まず、ダンパー57に働く収縮方向への付勢力により、防水扉6及びリンクプレート40がピン39を中心として一体的に回転する。そして、リンクプレート40がストッパー45と当接した後は、リンクプレート40の回転が規制されるため、防水扉6が被支持体7を中心として単独で回転するようになっている。 【0038】以上のように、本実施形態に係る防水用ゲートは、軸体14とこれに螺合するナット24との相対位置変化によって防水扉6を作動させる機構であるため、軸体14に対するナット24の位置に関わらず、安定した押上げ力が得られ、且つ、剛性低下の心配もない。従って、防水扉6の重量制限を受けることなく、大型の防水用ゲートにも採用することができる。 【0039】また、軸体14に対するナット24の位置は、該軸体1 4の回転量をもって制御(把握)することができるため、防水扉6を倒伏位置及び起立位置間の任意の位置に好適に位置決めすることができる。 【0040】尚、本発明に係る防水用ゲートは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。 【0041】例えば、上記実施形態において、リンク系30は、防水扉6の裏面に一端側31aが連結される第一リンク31と、該第一リンク31の他端側31bに一端側32aが連結され且つピット5の内面に他端側32bが連結される第二リンク32とからなるが、一端側31a,32a、及び他端側31b,32bの概念は、リンク31,32の最端部位にのみ限定されるものではない。 【0042】また、上記実施形態において、可動体23は、第二リンク32の一端側32aと他端側32bの間で支持されているが、これも限定されるものではなく、例えば、第一リンク31と第二リンク32との連結部位や、第一リンク31にて可動体23を支持するものであってもよい。 【0043】さらに、上記実施形態において、軸体としての軸体14は、その軸心を防水扉6の回転軸と直交させるように配置しているが、斜めの場合や平行な場合も考えられ、それに応じてリンク系30の形状、配置等が決定される。 【0044】そして、アクチュエータ11をブラケット33とヒンジ部36との間に配し、リンク系30を引き起こして防水扉6を起立させるようにしてもよい。 【0045】また、軸体と可動体の組合せは、軸体14とナット24にのみ限定されず、要は、軸体の回転によって可動体が軸長方向を移動する構成であれば、本発明の意図するところである。 【0046】さらに、上記実施形態においては、モータ16の駆動軸16aと軸体14とを直交させた配置にしているが、本発明においては、モータ16の駆動軸16aと軸体14とを同軸もしくは平行にした配置であってもよい。 【0047】また、モータは、電動モータや油圧モータ等が採用可能であるが、例えば、本体12から臨出させた軸17(図2参照)、モータ16の駆動軸16a、あるいは軸体14に噛合する減速機等を手動で回転させることで、軸体14を回転させるようにしてもよい。 【0048】さらに、上記実施形態においては、アクチュエータ11のブラケット18、リンク系30のブラケット33、ヒンジ部36のブラケット38をピット5の底面5aに固着するようにしたが、本発明は、これに限定されず、ピット5の側面に固着するようにしてもよい。 【0049】また、本発明に係る防水用ゲートの作動方法としては、スイッチを設けてマニュアル的に作動させるもののほか、水量を検知して自動的に作動させるものであってもよい。 【0050】さらに、本発明に係るヒンジ部36は、上記実施形態に限定されず、例えば図6に示すものも採用可能である。即ち、図6(イ)のヒンジ部36は、上記実施形態のピン体54によりリンクプレート40の回転を規制するという構成の代わりに、防水扉6に円柱状のガイド体7aを設ける一方、ストッパー45にガイド体7aを挿入可能なガイド溝46を設けた構成である。このガイド溝46の側縁46aは、回転に伴うガイド体7の移動軌跡と略同心円状に形成されているため、防水蓋6が所定角度に傾斜するまで、ガイド体7aとガイド溝46の側縁46aとの当接状態は維持され、リンクプレート40の回転が規制されるのである。 【0051】図6(ロ)のヒンジ部36は、リンクプレート40の回転を規制する構成として、ダンパー57を採用したものである。このダンパー57は、防水扉6が回転して係合体8と挿入溝42の底部とが係合した後、押上げ装置10の付勢によって伸長するように調整されている。 【0052】また、上記実施形態、及び図6(イ)、図6(ロ)のヒンジ部36は、何れも第二部位40bでの回転が防水扉6の係合体8と挿入溝42の底部との係合によって規制された後、第一部位40aを中心として回転する構成を採用しているが、図6(ハ)のヒンジ部36は、くの字状の上部リンク59の一端側59aを防水扉6の裏面に回転自在に連結し、該上部リンク59の屈曲位置59cに、下部リンク60の一端側60aを回転自在に連結し、下部リンク60の他端側60bをベース61に回転自在に連結し、さらに、ベース61に固着立設されたガイド体62に形成された直線状のガイド溝62aに、上部リンク59の他端側59bのピン63を挿入した構成となっている。この構成により、防水扉6は、まず、上部リンク59の一端側59aを中心として回転し、しかる後、所定の傾斜角になると、重心の変化により、上部リンク59と共に下部リンク59の他端側60bを中心として回転するようになっている。 【0053】実施の形態2次に、本発明の第2実施形態について図7及び図8を参照しつつ説明する。図7及び図8は、本実施の形態に係る防水用ゲートの一部断面側面図であり、それぞれ、防水扉6の倒伏状態及び起立状態を示している。なお、前記実施の形態1におけると同一又は相当部材には同一符号を付して、その説明を省略する。 【0054】図7及び図8に示すように、本実施の形態に係る防水ゲートは、前記実施の形態1における押し上げ手段10に代えて、押し上げ手段10'を備えている。該押し上げ手段10'は、前記ピット5内において軸線回り回転自在に支持された軸体14'と、軸体14'の軸線回りに回転に応じて該軸体14'上を軸線方向に移動する可動体23と、該可動体23と前記防水扉6との間を連結するリンク系30'とを備えている。なお、図中、符号100は防水扉6の基端側を回動自在に支持するヒンジ機構であり、符号110は防水扉6の倒伏状態から起立状態への回動動作に伴って回動するスペーサである。 【0055】前記軸体14'は、前記ピット5内に固定されるアクチュエータ本体12に連結されている。即ち、本実施の形態における軸体14'は、軸線回りには回転するが、防水扉6の回動状態に拘わらず所定位置に固定されるようになっている。好ましくは、前記軸体14は略水平に支持され、これにより、前記ピット5の省スペース化を図ることができる。 【0056】前記リンク系30'は、前記防水扉6の裏面に設けられた,該防水扉6の回動平面と略平行な案内路6aと、一端側31a'が該案内路6aに沿って移動自在且つ回動自在に連結された第一リンク31'と、一端側32a'が該第一リンク31'に回動自在に連結され且つ他端側32b'が前記可動体23に回動自在に連結された第二リンク32'とを備えている。 【0057】好ましくは、前記第一リンク31'の他端側31b'は、前記ピット5の内底面5aに回動自在に支持される。このように、第一リンク31'の他端側31b'を固定することによって、該第一リンク31'は他端側31b'の支持点回りに揺動することになる。従って、第二リンク32'を介して第一リンク31'へ伝わる押圧力によって、第一リンク31'の一端側31a'に連結された防水扉6を効率良く押し上げることが可能となる。本実施の形態においては、ピット5の内底面5aに、前記軸体14の先端部を支持するブラケット33'を固定し、該ブラケット33'に前記第一リンク31'の他端側31b'を回動自在に支持させている。 【0058】本実施の形態においては、図7及び図8に示すように、前記第二リンク32'の一端側32a'は、前記第一リンク31'の長手方向略中央部分において該第一リンク31'に回動自在に連結されており、これにより、防水扉6の押し上げ効率を維持しつつ、防水扉6の倒伏時におけるリンク系30'の省スペース化を図っている。即ち、防水扉6の押し上げ効率を向上させる為には、第二リンク62'を第一リンク31'に直交させるのが好ましい。他方、防水扉6の倒伏時におけるリンク系30'の省スペース化を向上させる為には、防水扉6の倒伏時に、第二リンク32'が第一リンク31'と平行になるのが好ましい。本実施の形態においては、前記相反する要望に鑑み、第二リンク32'の一端側32a'を、前記第一リンク31'の長手方向略中央部分に連結させ、防水扉6の押し上げ効率を維持しつつ、防水扉6の倒伏時におけるリンク系30'の省スペース化を図っている。 【0059】さらに好ましくは、図7に示すように、第二リンク32'を、該第二リンク32'及び第一リンク31'の連結点Aと第二リンク32'及び可動体23の連結点Bとを結ぶ仮想直線Lよりも、防水扉倒伏時において第一リンク31’に直交する方向へ傾斜された本体部32c'と、該本体部32c'の先端側から前記連結点Aへ延びる屈曲部32d'とを有するブーメラン形状とすることができる。斯かる構成により、防水扉6の押し上げ効率をさらに向上させることができる。 【0060】このように構成された防水用ゲートにおいては、前記軸体14を回動(公転)させないように構成したので、前記実施の形態1におけると同様の効果を得つつ、駆動源及び/又はアクチュエータの支持構造を簡略化させることができ、製造コストを低廉化させることができる。 【0061】 【発明の効果】以上の如く、本発明の一態様に係る防水用ゲートは、防水扉を押上げ・起立させるための押上げ手段が、基端側を支点として揺動可能で且つ軸周りに回転可能にしてピットに配置される軸体と、該軸体に装着され、該軸体の回転に伴って軸長方向に移動可能な可動体と、該可動体を回転自在に支持し且つ防水扉の裏面及びピットの内面に連結されるリンク系とで構成されているため、軸体に対する可動体の位置に関わらず、安定した押上げ力を供給することができて、円滑且つ確実に防水扉を作動させることができ、しかも、従来の防水用ゲートの如く、伸長につれて剛性が低下する心配がないので、防水扉の重量制限を受けることなく、大型の防水用ゲートにも採用することができる。 【0062】又、本発明の他態様に係る防水用ゲートは、防水扉を押上げ・起立させるための押上げ手段が、軸線回り回転自在に前記ピット内に固定された軸体と、該軸体に支持され、該軸体の回転に伴って軸線方向に移動する可動体と、該可動体と前記防水扉の裏面との間を連結し、該可動体の軸線方向移動に応じて防水扉を倒伏状態と起立状態との間で移動させるリンク系とを備えているので、前記効果に加えて、軸体並びに該軸体を駆動する駆動源及び/又はアクチュエータの支持構造を簡略させることができ、コストの低廉化を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000241290 【氏名又は名称】豊国工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月2日(2001.2.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074332 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 昇 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−323723(P2001−323723A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月22日(2001.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−26858(P2001−26858) |
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