| 【発明の名称】 |
ドアクローザ |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 耕二
|
| 【要約】 |
【課題】ドアクローザを簡素化する。
【解決手段】出入口枠(1)に回動可能に一端が連結される第一のリンク(4)と、この第一のリンク(4)の他端にヒンジ(5)を介し一端が連結され出入口枠(1)の扉(2)に他端が回動可能に連結される第二のリンク(6)と、扉(2)の閉じる速度を制御する閉扉速度制御手段(7)とを具備し、閉扉速度制御手段(7)が第一のリンク(4)又は第二のリンク(6)内に収納されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 出入口枠に回動可能に一端が連結される第一のリンクと、この第一のリンクの他端にヒンジを介し一端が連結され上記出入口枠の扉に他端が回動可能に連結される第二のリンクと、上記扉の閉じる速度を制御する閉扉速度制御手段とを具備したドアクローザにおいて、上記閉扉速度制御手段が上記第一のリンク又は上記第二のリンク内に収納されたことを特徴とするドアクローザ。 【請求項2】 上記第二のリンクが上記扉にブラケットを介して連結され、このブラケットと上記第二のリンクとの間に上記扉を所望の位置でストップさせるストップ手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載のドアクローザ。 【請求項3】 前記第一のリンクと前記第二のリンクの回動面がほぼ同一面上にあることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のドアクローザ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、出入口枠と扉との間に渡されるリンク内にクローザ機能を果たす閉扉速度制御手段を内蔵したドアクローザに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の一般的なドアクローザは、出入口枠に回動可能に一端が連結された第一のリンクと、この第一のリンクの他端にヒンジを介し一端が連結され出入口枠の扉に他端が回動可能に連結される第二のリンクと、扉と第二のリンクとの間に置かれた扉面に固定されるクローザ本体とを備えている。 【0003】クローザ本体は閉扉速度制御手段を内蔵している。この閉扉速度制御手段は閉扉力を蓄勢するバネと閉扉速度を制御する流体圧回路装置とを有する。流体圧回路装置は、油を充填したシリンダと、扉の開閉に連動してシリンダ内を往復運動するピストンと、開扉時に流体をシリンダ内の一室から他室へ通すようピストンに設けられた逆止弁と、閉扉時に流体をシリンダ内の他室から一室へ通すようシリンダに設けられた速度調整弁とを備えている。ピストンを扉の開閉に連動させる装置は出入口枠側又は扉側に回り止め状態で軸が固定されるピニオンと、このピニオンに噛み合いピストンに固定されるラックとで構成される。バネは開扉時のピストンの移動により蓄勢し閉扉時にピストンを付勢するようになっている。 【0004】また、ドアクローザは扉を所望の位置でストップさせるストップ手段も備えている。ストップ手段は一般に第一のリンクの回転部に対して作用するようになっている。 【0005】また、特開平4−27090号公報が開示するドアクローザは、一般的なドアクローザと異なり、クローザ本体を扉面以外の第一のリンクと第二のリンクとの連結個所に有している。この連結個所に上記バネや流体圧回路装置が組み込まれている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来の一般的なドアクローザは上述したようにクローザ本体をリンクとは別個に備え、このクローザ本体を扉面に固定するようになっているので、扉の外観を損ね、取付作業も面倒であり、設置スペースも多く必要とする。 【0007】また、従来のストップ手段は上述したように第一のリンクの回転部へ組み込まれ、第一のリンクの回転を抑制するかたちで作用しているが、第一のリンクの回転は扉の開閉動作に比べ鈍いため、ストップ動作の入・解除のレスポンスが悪い。 【0008】また、特開平4−27090号公報が開示するドアクローザは、第一のリンクと第二のリンクとの連結個所にクローザ本体を配置しているので、この連結個所が極端に大きくなり、デザイン上の問題等を生じる。 【0009】本発明は上記諸問題を解決することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、出入口枠(1)に回動可能に一端が連結される第一のリンク(4)と、この第一のリンク(4)の他端にヒンジ(5)を介し一端が連結され上記出入口枠(1)の扉(2)に他端が回動可能に連結される第二のリンク(6)と、上記扉(2)の閉じる速度を制御する閉扉速度制御手段(7)とを具備したドアクローザにおいて、上記閉扉速度制御手段(7)が上記第一のリンク(4)又は上記第二のリンク(6)内に収納されたドアクローザを採用する。 【0011】また、請求項2に係る発明は、上記第二のリンク(6)が上記扉(2)にブラケット(11)を介して連結され、このブラケット(11)と上記第二のリンク(6)との間に上記扉(2)を所望の位置でストップさせるストップ手段(25)が設けられた請求項1記載のドアクローザを採用する。 【0012】また、請求項3に係る発明は、上記第一のリンク(4)と上記第二のリンク(6)の回動面がほぼ同一面上にある請求項1又は請求項2記載のドアクローザを採用する。 【0013】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。 <実施の形態1>図1乃至図3に示すように、建物等の出入口枠1には扉2があてがわれ、扉2は出入口枠1の縦枠に対しヒンジピン3を介し連結され、扉2の上枠と出入口枠1の上枠との間にこのドアクローザが設けられている。 【0014】このドアクローザは、出入口枠1に回動可能に一端が連結される第一のリンク4と、この第一のリンク4の他端にヒンジ5を介し一端が連結され扉2に他端が回動可能に連結される第二のリンク6と、扉2の閉じる速度を制御する閉扉速度制御手段7とを具備している。 【0015】第一のリンク4は丸棒状のリンクであり、その一端が垂直ピン8を介し支持具9に連結されている。支持具9は出入口枠1の上枠に固定ネジ等により固定されている。この第一のリンク4は垂直ピン8を支点にして支持具9の回りをほぼ水平面上で旋廻運動可能である。 【0016】第二のリンク6は概ね筒状体であり、図1乃至図7に示すように、その一端が第一のリンク4の他端にヒンジ5の垂直ピン5aを介し連結され、その他端は後述する垂直なピニオン軸10aを介しブラケット11に連結されている。ブラケット11は扉2の上枠に固定ネジ等により固定されている。このため、扉2の開閉動作に伴い第二のリンク6はヒンジ5の垂直ピン5a及びピニオン軸10aを支点にしてほぼ水平面上で第一のリンク4と共に旋廻運動可能である。 【0017】閉扉速度制御手段7は、閉扉力を蓄勢するバネ12と後述する閉扉速度を制御する流体圧回路装置とを有し、その全体が第二のリンク6内に収納されている。これにより第二のリンク6は従来の第二のリンクよりも多少太くなるが、従来の扉表面に固定されるクローザ本体が省略されるので、ドアクローザの部品点数が削減され、ドアクローザの外観が向上し、また扉2の美観も向上する。 【0018】流体圧回路装置は、図5、図7、図10及び図11に示すように、流体である油を充填したシリンダ6aと、扉2の開閉に連動してシリンダ6a内を往復運動するピストン13と、開扉時に油をシリンダ6a内の一室14aから他室14bへ通すようピストン13に形成された逆止弁15と、閉扉時に油をシリンダ6a内の他室14bから一室14aへ通すようシリンダ6aに形成された速度調整弁16とを備えている。 【0019】シリンダ6aは第二のリンク6自体で形成され、第二のリンク6の長さ方向にその空洞が伸びている。シリンダ6aの内部は油で満たされ、ピストン13により二室14a,14bに区画される。 【0020】ピストン13を扉2の開閉に連動させる装置は、扉2に固定された上記ブラケット11に回り止め状態で固定されるピニオン軸10aと、ピニオン10の歯と噛み合うピストン13に固定されたラック17とで構成される。ラック17はピストン13にピン18を介し連結されたピストンロッド19に形成される。ピストン13は、扉2が開閉されるに伴いピニオン10とラック17が相対的に双方向に回転するので、図5及び図7に示す閉扉時位置と図10及び図11に示す開扉時位置との間を往復移動する。ピストン13はその中心部に逆止弁15を有しており、ピストン13が閉扉時位置から開扉時位置へと移動するとその逆止弁15の作用で一室14aの油を他室14bへと流入させるが、逆向きの移動の際は逆止弁15のボール15aの作用で油の流れを阻止する。 【0021】閉扉力を蓄勢するバネ12は圧縮コイルスプリングであり、シリンダ6aの一室14a内にピストンロッド19を取り巻くように収納される。バネ12は、ピストン13が閉扉時位置から開扉時位置へと移動することにより縮んで蓄勢し、この蓄勢力によりピストン13を逆向きに付勢しようとする。この蓄勢力は扉2を自動的に閉めるための駆動力となる。 【0022】速度調整弁16は、図11に示すように、シリンダ6aの二室14a,14b間を繋ぐ二本の油流路の各々に設けられている。ピストン13が開扉時位置から閉扉時位置へと移動する際に流体は逆止弁15に流路を遮断される結果この速度調整弁16内を通ろうとするのでバネ12の蓄勢力によるピストン13の速度が減殺され、扉2は緩やかに閉まろうとする。この扉2の閉じる速度は速度調整弁16で油の流量を調節することにより加減することができる。速度調整弁16の調整部16aは、図8及び図11に示すように、第二のリンク6から外部に露出しているので、閉扉速度は簡易に調節可能である。 【0023】上記ピニオン軸10aは、図7に示すように、ブラケット11に対し上下両端支持される。従来の一般的なドアクローザではリンク6はピニオン軸10aの一端にのみ連結されているためピニオン軸10a及び軸受部材にかかる負荷が大きいが、このようにピニオン軸10aの両端をブラケット11で支持する構造とすることで、ドアクローザの強度、耐久性が向上する。ブラケット11は、図14乃至図16に示すように、上下に支持腕11a,11bを有し、各支持腕11a,11bには角穴20が穿設されている。ピニオン軸10aの上下両端には角穴20に嵌り込む角軸部が形成されている。図6及び図7に示すように、ピニオン軸10aはその角軸部が角穴20に挿入されることでブラケット11に回り止め状態で支持され、両端にボルト21が螺着されることでブラケット11に固着される。その他、ピニオン軸10aがシリンダ6aに接する個所には油漏れを防止したり第二のリンク6の回動を円滑化するためのOリング22、軸受23、ブッシュ24等が設けられている。 【0024】図7、図12及び図13に示すように、このドアクローザは扉2を所望の位置でストップさせるストップ手段25をブラケット11と第二のリンク6との間に備えている。 【0025】このストップ手段25は例えばクリックストップ機構であり、第二のリンク6の端に設けられる凸部26とブラケット11に設けられる凹部27とで構成される。凸部26と凹部27は第二のリンク6とブラケット11の間で入れ換えるようにしてもよい。凸部26又は凹部27は一箇所のみならず複数箇所に設けてもよくその場合は扉2を複数の位置で停止させ保持することができる。 【0026】凸部26は例えばボールで形成され、第二のリンク6を上下に貫通する縦穴28に二個挿入される。縦穴28内には二個のボールを上下の開口から夫々突出させようとするスプリング29が挿入され、開口の近傍にはボールを開口外へ少しばかり突出させるが縦穴28外への飛び出しを阻止するための止めねじからなるストッパ30が固定される。ボールとスプリング29との間には異音発生防止のためリベット状の受け部材31が挿入されている。 【0027】凹部27は、図13乃至図16に示すように、ブラケット11の上下の支持腕11a,11bに夫々設けられるカム片で形成され、第二のリンク6がピニオン軸10aの回りを回転する際に上記凸部26が描く軌跡上に上下のものが対になるように設けられる。凹部27は図17乃至図19に示すようにブラケット11とは別体として成形され、ブラケット11の支持腕11a,11bに穿設された穴32内に嵌め込まれ固定される。穴32は各支持腕11a,11bに上記軌跡に沿って複数個穿設され、所望の穴32に対して凹部27が嵌め込まれる。凹部27は上下一対のみの穴32に対して嵌め込んでもよいが全ての穴32に嵌め込んで複数のストップ位置を設定してもよい。 【0028】なお、凹部27又は凸部26はブラケット11にプレス等で直接形成しても構わない。その場合凸部26又は凹部27をスプリング等により出没可能に設ける。 【0029】上記構成のストップ手段25によれば、扉2を開くことで図12に示すように第二のリンク6がブラケット11に対して相対回転し、その際図13(A)(B)(C)に示すように凸部26が縦穴28内のスプリング29の付勢力に抗して縦穴28内に没入することで凹部27の山を乗り越え凹部27の谷に嵌り込む。これにより第二のリンク6は当該位置にストップし、扉2は当該開度位置に停止する。扉2を更に開く場合は図13(D)のように凸部26が凹部27を反対側に乗り越え、次の凹部27が存在するときはその凹部27の谷に嵌り込んで停止する。扉2を閉じる場合は図13(C)(B)(A)のように凸部26が凹部27を元の位置の方へと乗り越える。 【0030】次に、上記構成のドアクローザの作用について説明する。 【0031】図1(A)に示す閉扉状態において、第二のリンク6内のバネ12がピストン13を同図中左方向に付勢しているのでラック17は一室14b側へ移動しようとする。従って、第二のリンク6は第一のリンク4と重なり合おうとし、扉2は出入口を閉じた状態を維持する。 【0032】この閉じた扉2を開けると、ヒンジピン3を支点にした扉2の回転に伴い図1(B)(C)のように第一のリンク4に引っ張られて第二のリンク6がピニオン軸10aの回りを同図中反時計方向に回ろうとする。これによりラック17を介しピストン13がシリンダ6a内を一方向に移動し、シリンダ6a内の油はラック17側の一室14aから他室14bへと逆止弁15を通って流入する。また、ピストン13は同時にバネ12を圧縮し、バネ12は閉扉力を蓄勢する。 【0033】また、扉2を図1(B)(C)の各位置に停止させるようにストップ手段25をセットする場合は、予め凹部27をブラケット11上の該当する穴32に嵌め込み固定しておく。扉2を開けると、第二のリンク6が扉2上のブラケット11に対して回転するので、第二のリンク6側の凸部26がピニオン軸10aを中心とする円上を移動し、ブラケット11の支持腕11a,11b上の凹部27に嵌り込む。この凹凸部27,26の嵌合力はバネ12の復元力に打ち勝ち、第一と第二のリンク4,6をその時の屈曲角度のまま維持させる。これにより、扉2は図1(B)の位置又は同図(C)の位置で停止する。 【0034】図1(B)又は(C)の開いた状態にある扉2を閉めるには扉2を閉方向に押して凸部26を凹部27から離脱させればよく、これによりバネ12がピストン13及びラック17をシリンダ6a中反対方向へと押し戻そうとし、ラック17は一室14b側へ移動しようとする。その結果第二のリンク6は第一のリンク4と重なり合おうとし、扉2はヒンジピン3を支点に閉じ方向に回転して同図(A)のように出入口を閉じる。この扉2が閉じる際、シリンダ6aの反バネ側室14bの油は逆止弁15の閉止作用で速度調整弁16の方に送られ、速度調整弁16で流量を規制されつつバネ側室14aへ戻る。これによりバネ12の復元力は徐々に放出され、扉2は緩やかに自閉する。 【0035】なお、このドアクローザは扉2の左右勝手に応じてブラケット11ごと上下逆に取り付ることで対応することができる。 【0036】<実施の形態2>図20乃至図22に示すように、このドアクローザは、実施の形態1のドアクローザと同様に、出入口枠1に回動可能に一端が連結される第一のリンク4と、この第一のリンク4の他端にヒンジ5を介し一端が連結され出入口枠1の扉2に他端が回動可能に連結される第二のリンク6と、扉2の閉じる速度を制御する閉扉速度制御手段7(図23参照)と、ストップ手段25とを具備する。 【0037】閉扉速度制御手段7におけるピストン13を扉2の開閉に連動させる装置は、扉2に固定されたブラケット11に回り止め状態で固定されるピニオン軸10aと、ピニオン10の歯と噛み合うピストン13に固定されたラック17a,17bとで構成される。実施の形態1の場合と異なり、ピストンロッド19(図5参照)は省略され、二列のラック17a,17bがピストン13を横方向に貫通する空洞の対向壁上にピストン13の長さ方向に沿うように形成されている。ピニオン10は欠歯歯車であり一方のラック17a又は17bとのみ噛み合うようになっている。ピニオン軸10aは一端のみ第二のリンク6の外側に突出しており、扉2の左右勝手によってその回転方向が逆となるが、ピストン13には上述したように対面するラック17a,17bが設けてあるため、扉2の左右勝手に応じてピニオン10と選択的に噛み合ってピストン13に往復運動を与えることになる。 【0038】ピストン13は、扉2が開閉されるとピニオン10と一方のラック17a又は17bが図28のように噛み合うので、図23及び図27に示す閉扉時位置と図28に示す開扉時位置との間を往復移動する。ピストン13はその中心部に逆止弁15を有する。逆止弁15は実施の形態1の場合とは逆向きに設けられ、従ってピストン13の閉扉時位置と開扉時位置の関係も実施の形態1とは逆になっている。閉扉力を蓄勢するバネ12も実施の形態1の場合と逆の部屋に収納される。速度調整弁16の調整部16aは第二のリンク6の下方に露出しており、扉2の左右勝手に関係なく下方から簡易に操作可能である。 【0039】上記ピニオン軸10aは、図23乃至図26に示すように、その上端が第二のリンク6外に突出し、この上端においてブラケット11に片持ち支持される。図37乃至図39に示すように、ブラケット11は一つの支持腕11aを有し、この支持腕11aに角穴20が穿設されている。ピニオン軸10aの上端には角穴20に嵌り込む角軸部が形成されている。ピニオン軸10aはその角軸部が角穴20に挿入されることでブラケット11に回り止め状態で支持され、さらにボルト21が螺着されることでブラケット11に固着される。 【0040】図20、図29及び図30に示すように、このドアクローザは扉2を所望の位置でストップさせるストップ手段25をブラケット11と第二のリンク6との間に備えている。 【0041】このストップ手段25は、第二のリンク6の端に設けられる凹部27とブラケット11側に設けられる凸部26とで構成される。凸部26と凹部27は第二のリンク6とブラケット11の間で入れ換えるようにしてもよい。凸部26又は凹部27は一箇所のみならず複数箇所に設けてもよくその場合は扉2を複数位置で停止させ保持することができる。 【0042】凹部27は、図31乃至図36に示すように、スライドカム27aとスライドカム27aをスライド可能に保持するガイド溝を有したホルダ27bとで構成される。スライドカム27a及びホルダ27bは図20、図29及び図30に示すように第二のリンク6におけるヒンジ5と反対側の端に取り付けられる。スライドカム27aとホルダ27bとの間にはスプリング33及びストッパピン34が設けられ、スライドカム27aの先端はピニオン軸10aと反対側に一定量だけ突出する。このスライドカム27aの先端には凸部26を構成するローラ26aが嵌り込む溝が形成されている。上記スプリング33は省略し、スライドカム27a自体を板バネなどで製作しストップ機能をもたせるようにしてもよい。 【0043】凸部26は、図37乃至図39に示すように、ブラケット11側に固定されるローラ26aを備える。ブラケット11の支持腕11aの下面にはローラアーム35が重ねられ、このローラアーム35の先端からピン軸36が垂下し、このピン軸36にローラ26aが回転可能に支持されている。ローラアーム35はピニオン軸10aに嵌め込まれると共に固定ネジ37でブラケット11に固定される。固定ネジ37のネジ穴38はピニオン軸10aを中心とする円弧上に複数個形成され、所望のネジ穴38を使用することでローラアーム35はその固定位置を適宜変更可能である。固定ネジ37及びネジ穴38に代えてセレーション等をピニオン軸10aとローラアーム35との間に設けストップ位置を細分化するようにしてもよい。また、ローラ26aを数カ所に設けることで扉2のストップ保持位置を数カ所に設定することができる。 【0044】上記構成のストップ手段25によれば、扉2を開くことで図20及び図40に示すように第二のリンク6がブラケット11に対して相対回動し、その際図40(A)(B)(C)に示すように凹部27がスプリング33の付勢力に抗してピニオン軸10a側へと後退しつつ凹部27の山を乗り越え凹部27の溝に嵌り込む。これにより第二のリンク6は当該位置にストップし、扉2は当該開度位置に停止する。扉2を更に開く場合は図40(D)のように凹部27が凸部26を反対側に乗り越え、次の凸部26が存在するときはその凸部26に嵌り込んで停止する。扉2を閉じる場合は図40(C)(B)(A)のように凹部27が凸部26を元の位置の方へと乗り越える。 【0045】次に、上記構成のドアクローザの作用について説明する。 【0046】図20(A)、図23及び図27に示す閉扉状態において、第二のリンク6内のバネ12がピストン13を図23中右方向に付勢しラック17aはピニオン10の歯から離脱する。この状態で第二のリンク6は第一のリンク4と重なり合おうとし、扉2は出入口を閉じた状態を維持する。 【0047】この閉じた扉2を開けると、ヒンジピン3を支点にした扉2の回転に伴い図20(B)(C)のように第一のリンク4に引っ張られて第二のリンク6がピニオン軸10aの回りを同図中反時計方向に回ろうとする。これによりラック17aを介しピストン13がシリンダ6a内を一方向に移動し、シリンダ6a内の油はバネ12側の一室14aから他室14bへと逆止弁15を通って流入する。また、ピストン13は同時にバネ12を圧縮し、バネ12は閉扉力を蓄える。 【0048】また、扉2を図20の(B)(C)間の所望位置に停止させるようにストップ手段25をセットする場合は、予め凸部26をブラケット11上の該当する個所に固定しておく。扉2を開けると、第二のリンク6が扉2上のブラケット11に対して回転するので、第二のリンク6側の凹部27がピニオン軸10aを中心とする円上を移動し、ブラケット11の支持腕11a上の凸部26であるローラ26aに嵌り込む。この凹凸部27,26の嵌合力はバネ12の復元力に打ち勝ち、第一と第二のリンク4,6をその時の屈曲角度のまま維持させる。これにより、扉2は図20の(B)(C)間の位置で停止する。 【0049】開いた状態にある扉2を閉めるには扉2を閉方向に押して凹部27を凸部26から離脱させればよく、これによりバネ12がピストン13及びラック17aをシリンダ6a中反対方向へと押し戻そうとし、ラック17aは一室14b側へ移動しようとする。その結果第二のリンク6は第一のリンク4と重なり合う向きに回転し、扉2はヒンジピン3を支点に閉じ方向に回転して図20(A)のように出入口を閉じる。この扉2が閉じる際、シリンダ6aの反バネ側室14bの油は逆止弁15の遮断作用で速度調整弁16の方に送られ、速度調整弁16で流量を規制されつつバネ側室14aへ戻る。これによりバネ12の復元力は徐々に放出され、扉2は緩やかに自閉する。 【0050】<実施の形態3>以下に述べる特徴を除き、実施の形態3は、実施の形態1及び2と同一に構成される。従って、同一の構成についての説明を省略し、そして、その基本的な作用についての説明もまた省略する。 【0051】図42から最も良く理解されるように、このドアクローザにおいては、第一のリンク4と第二のリンク6の回動面がほぼ同一面上に位置している。 【0052】即ち、それぞれドアクローザの正面図である図2及び図21から明らかなように、上記実施の形態1及び2においては、第一のリンク4が第二のリンク6の上方に位置しているのに対して、実施の形態3においては、ドアクローザの正面図である図42に示すように、第一のリンク4と第二のリンク6とが実質的に同一レベルに位置している。図41から明らかなように、扉2が閉じられた状態において、第一のリンク4は第二のリンク6に、それらの機能に支障をきたさない程度にできるだけ近接している。 【0053】第一のリンク4と第二のリンク6とがこのような位置関係を有するために、第二のリンク6の端部(即ち、図42における左側端部)はヨーク6xを有しており、第一のリンク4の端部に連結されたヒンジ5の垂直ピン5aがこのヨーク6xに取り付けられている。第一のリンク4の他端部(即ち、図42における右側端部)は、実施の形態1及び2と同様に、垂直ピン8を介して支持具9に連結されているが、第一のリンク4と第二のリンク6との上述した位置関係を満たすために、第一のリンク4の他端部は、実施の形態1及び2におけるその位置よりも下方に位置している。 【0054】第一のリンク4と第二のリンク6とが上述した位置関係を有することにより、以下に述べる効果がもたらされる:(a) ドアクローザ全体がコンパクトになり、特に、意匠的な印象において、第一のリンク4と第二のリンク6との一体感が得られ、良好な外観がもたされれる。 (b) 第一のリンク4と第二のリンク6とを予め連結した状態で、扉2の左右勝手に関係なく取り付けが可能になる。即ち、第一のリンク4と第二のリンク6とが、実施の形態1及び2におけるような位置関係を有している場合には、扉2の左右勝手を変更する場合には、第一のリンク4と第二のリンク6との連結を解除し、第二のリンク6の上下を反転させ、更にヒンジの上下を反転させて、第一のリンク4に再び連結しなければならないが、実施の形態3においては、このような作業は必要ない。 (c) ドアクローザの上述したコンパクト化に起因して、ドアクローザを扉2のできるだけ上方に取り付けることができ、扉2全体の美観をその取り付けによって損なうことが少なくなる。 【0055】また、実施の形態3においては、実施の形態1及び2とは異なるブラケット11が使用されている。このブラケット11は、特殊形状を有する2つの取り付け孔11xと、通常の円形状の2つの取り付け孔11yとを有している。 【0056】取り付け孔11xは、図44において左側の位置に上下に間隔をあけて配置されている。取り付け孔11xの各々は、挿入部11xaと係合部11xbとからなっている。挿入部11xaは、ブラケット11を固定するための取り付けネジS1(図42参照)の頭部の直径よりも若干大きい直径を有する。係合部11xbは、挿入部11xaから一方の方向、即ち、図44において左側に所定の長さをもって延びており、その幅は、上記取り付けネジS1の頭部の直径よりも小さく、且つ、そのシャンク部の直径よりも若干大きい。 【0057】一方、取り付け孔11yは、図44において右側の位置に上下に間隔をあけて配置されている。取り付け孔11yの各々は、通常の取り付け孔と同様に、丸孔からなっており、その直径は、ブラケット11を取り付けるための取り付けネジS2(図42参照)の頭部の直径よりも小さく、且つ、そのシャンク部の直径よりも若干大きい。 【0058】このようなブラケット11を扉2に固定する場合には、先ず、2本の取り付けネジS1を扉2の所定の位置に仮止めする。次いで、仮止めされた取り付けネジS1をブラケット11の取り付け孔11xにおける挿入部11xaにそれぞれ挿入する。この状態で、ブラケット11全体を右側に移動させる。次いで、更に2本の取り付けネジS2をブラケット11の取り付け孔11yに挿入し、そして、扉2に螺合する。最後に、仮止めされた取り付けネジS1を締め付け、これにより、ブラケット11の取り付けが完了する。このような取り付けネジS1、S2の締め付けは、扉2を開くことにより、第二のリンク6を回動させた状態で行う。 【0059】上述したブラケット11によれば、扉2への取り付けを極めて容易に行うことができ、しかも、取り付け後の状態において、取り付けネジS1、S2が露呈し難く、外観を良好に維持することができる。また、ブラケット11の取り付け座を小さくすることもできる。 【0060】図45は、ストップ手段の第一変形例を示す。実施の形態1においては、ストップ手段を構成する凸部26としてボールを使用し、この凸部26の凹部27への嵌り込み及びそこからの離脱を許容するために、上記ボールをスプリング29で付勢する構造が採用されているが、この第一変形例においては、凸部26の凹部27への嵌り込み及びそこからの離脱を許容するために、ブラケット11における支持腕11a,11bの弾性変形が利用されている。 【0061】即ち、実施の形態1におけるように、ブラケット11には複数個の穴32が穿設され(図41参照)、所望の穴32に対して凹部27が嵌め込まれるが(図46参照)、この凹部27に嵌まり込む凸部26は、第二のリンク6の端部に移動不能に設けられている。即ち、第二のリンク6の端に単に凸部26を形成すればよく、実施の形態1におけるようなボール及びスプリングの組合せを採用する必要はない。 【0062】この場合、凸部26が凹部27に嵌り込む際、及び、凸部26が凹部27から離脱する際、ブラケット11における支持腕11a,11bは弾性変形する。これら支持腕11a,11bの弾性変形前の状態を、図45において二点鎖線で示す。凸部26と凹部27は第二のリンク6とブラケット11の間で入れ換えるようにしてもよい。凸部26又は凹部27は一箇所のみならず複数箇所に設けてもよくその場合は扉2を複数位置で停止させ保持することができる。 【0063】ストップ手段の上述した第一変形例によれば、ボール及びスプリングの組合せを採用する必要がなく、ストップ手段の構造を著しく簡単にし、製造コストを低減することができる。 【0064】図46は、ストップ手段の第二変形例を示す。この第二変形例においては、第一変形例におけるように、凸部26が第二のリンク6の端に移動不能に設けられているが、上述した凹部27の代わりに、所定の領域に亘って設けられた摩擦弾性部材39が使用されている。この摩擦弾性部材39は、これに凸部26が強制的に押圧されることにより、凸部26をその摩擦弾性部材39の範囲内に任意の位置に保持する作用を有する。即ち、図46(A)は、凸部26が摩擦弾性部材39に接触していない状態を示しているが、図46(B)に示すように、凸部26が摩擦弾性部材39に強制的に押圧されることにより、凸部26に摩擦弾性部材39に対する位置が保持される。図46(C)に示すように、凸部26が摩擦弾性部材39内で更に移動しても、この移動した状態が保持される。 【0065】この第二変形例によれば、摩擦弾性部材39が設けられた範囲内において、扉2を任意の位置にストップさせることができる。また、第一変形例と同様に、ボール及びスプリングの組合せを採用する必要がなく、ストップ手段の構造を著しく簡単にし、製造コストを低減することができる。 【0066】なお、上記実施の形態1乃至3においては閉扉速度制御手段を第二のリンク6内に収納したが、必要に応じて第一のリンク4内に収納してもよい。 【0067】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、閉扉速度制御手段が第一のリンク又は第二のリンク内に収納されたことから、ドアクローザの部品点数が削減されるだけでなく、ドアクローザの見栄えも向上し、扉の美観を損ねることもない。 【0068】請求項2の発明によれば、第二のリンクと扉側のブラケットとの間にストップ手段を設けたことから、扉のストップ動作のレスポンス性能が向上する。また、ブラケット上にストップ保持位置を複数箇所にわたり簡易に設定することが可能であり、実用性に富む。 【0069】請求項3の発明によれば、第一のリンクと第二のリンクの回動面がほぼ同一面上にあることから、ドアクローザ全体をコンパクト化し、左右勝手に関係なく簡単に取付けすることが可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006943 【氏名又は名称】リョービ株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年1月9日(2001.1.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083839 【弁理士】 【氏名又は名称】石川 泰男
|
| 【公開番号】 |
特開2001−323720(P2001−323720A) |
| 【公開日】 |
平成13年11月22日(2001.11.22) |
| 【出願番号】 |
特願2001−1199(P2001−1199) |
|