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【発明の名称】 ドアヒンジ装置
【発明者】 【氏名】熊谷 喜義

【氏名】池沢 弘志

【要約】 【課題】簡単なカム機構にてドアの自動復帰機構を形成させる。

【解決手段】ドア19側に取付けられるものであって一方のメンバを形成するドアヒンジメンバ1と、フレームまたは柱29側に取付けられるものであって他方のメンバを形成するピラーヒンジメンバ2と、からなるものにおいて、ドアヒンジメンバ1の一側端部側に軸部11を設けるとともに、軸部11の軸線に対して直角の方向に突起部51を設け、これをもってカム機構5の従動子51を形成させる。ピラーヒンジメンバ2の一側端部側には上記軸部11と係合して軸部11と相対回転運動をする円環状の係合部21を設ける。この係合部21のところに上記従動子51と係合するカム溝52を設ける。カム溝52は傾斜部525と水平部521とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドア側に取付けられる一方のメンバと、当該ドアを支持するフレーム側あるいは柱側に取付けられる他方のメンバと、からなるとともに、これら両メンバが相対回転運動可能なように連結されるドアヒンジ装置において、上記いずれか一方のメンバ側に、当該一方のメンバと一体的に形成される軸部を設けるとともに、当該軸部の軸線に対して直角の方向に突起部を設け、これに対して残りの他方のメンバ側に、上記一方のメンバ側に設けられた上記軸部のところと相対回転運動が可能なように係合する円環状の係合部を設け、更に、当該係合部のところに上記軸部に設けられた突起部と係合するカム溝を設けるようにした構成からなることを特徴とするドアヒンジ装置。
【請求項2】 請求項1記載のドアヒンジ装置において、上記カム溝を、上記軸部の軸線と直交する面に対して所定の傾斜角を有するように形成された螺旋溝からなる傾斜部と、当該傾斜部の一方の端部側に、当該端部に連続して、かつ、上記軸部の軸線に対して直交する面内であって本カム溝の設けられる円環状係合部の円周方向に形成される水平部と、からなるようにしたことを特徴とするドアヒンジ装置。
【請求項3】 請求項1または請求項2記載のドアヒンジ装置において、上記カム溝と係合する突起部のところに回転軸受を設け、これによって上記カム溝内を上記回転軸受が転動運動することのできるようにした構成からなることを特徴とするドアヒンジ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅用ドアの取付けに用いられるドアヒンジ装置に関するものであり、特に、ドアが半開きの状態においては、自動的にドアが閉じられるように作動するとともに、ドアが完全に開かれた場合においては、この状態に保持されるようにした住宅用ドアに用いられるドアヒンジ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、住宅用ドアに用いられるドアヒンジ装置は、単に、ドア本体の回転運動を支持するようになっているものである。そして、このようなドアヒンジ装置にて支持されるドア本体の自動復帰機構としては、オフィスや工場のドア等に設けられているものであって、ドア本体の上方部のところとドア本体を支えるフレーム(枠部材)との間に設けられるダンパ機構付きのもの等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の自動復帰装置は、内部に油圧ダンパ及びスプリング等を有するものであり、構造が複雑にならざるを得ない。従って、その製造コストも高くらなざるを得ないと言う問題点がある。このような問題点を解決するために、ドアヒンジ装置自体に、カム機構からなる簡単な機構を設け、これによって、ドア本体の自動復帰機能を発揮させるようにした住宅用ドアヒンジ装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明においては、次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、ドア側に取付けられる一方のメンバと、当該ドアを支持するフレーム側あるいは柱側に取付けられる他方のメンバと、からなるとともに、これら両メンバが相対回転運動可能なように連結されるドアヒンジ装置に関して、上記いずれか一方のメンバ側に、当該一方のメンバと一体的に形成される軸部を設けるとともに、当該軸部の軸線に対して直角の方向に突起部を設け、これに対して残りの他方のメンバ側に、上記一方のメンバ側に設けられた上記軸部のところと係合するものであって当該軸部に対して相対回転運動が可能なように係合する円環状の係合部を設け、更に、当該係合部のところに上記軸部に設けられた突起部と係合するカム溝を設けるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、ドアに用いられる自動復帰機構を、ドアヒンジ装置と一体的に設けられるものであって簡単な構造のカム機構にて形成することができるようになる。また、簡単な構造のものからなるものであるので、自動復帰機構及びドアヒンジ装置全体の製造コストの低減化を図ることができるようになる。
【0005】次に、請求項2記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1記載のものと同じである。その特徴とするところは、カム機構を形成するカム溝の形態に関する点である。すなわち、本発明においては、請求項1記載のドアヒンジ装置に関して、上記カム溝を、上記軸部の軸線と直交する面に対して所定の傾斜角を有するように形成された螺旋溝からなる傾斜部と、当該傾斜部の一方の端部側に、当該端部に連続して、かつ、上記軸部の軸線に対して直交する面内であって本カム溝の設けられる円環状係合部の円周方向に形成される水平部と、からなるようにした構成を採ることとした。
【0006】このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、ドアの半開き状態においては、ドアが自動的に閉じられる方向に作動するとともに、ドアが完全に開かれた状態においては、その状態に保持されることとなる。すなわち、ドアが半開きの状態においては、ドアの自重が上記螺旋状傾斜部のところに作用し、これによって、上記軸部と係合部との間においては相対回転運動が生ずることとなる。この相対回転運動作用により、ドアは元の状態であるドア閉の状態へと回転運動をすることとなる。これに対して、ドアが全開状態まで開かれた場合には、軸部側に設けられた突起部は軸線に対して直角な面内に設けられる水平部へと移動して、ここに係合することとなるので、カム機構部においては相対回転力が生ぜず、従って、軸部側と係合部側とは固定された状態となる。その結果、ドアは全開状態で保持(固定)されることとなる。すなわち、ドアヒンジ装置においてストッパ機能が発揮されることとなる。
【0007】次に、請求項3記載の発明について説明する。このものも、その基本的な点は上記請求項1または請求項2記載のものと同じである。すなわち、本発明においては、請求項1または請求項2記載のドアヒンジ装置に関して、上記カム溝と係合する突起部のところに回転軸受を設け、これによって、上記カム溝内を上記回転軸受が転動運動することのできるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記ドアの自動復帰機能を発揮するカム機構部の作動を円滑に行なわせることができるようになる。すなわち、ドアの半開き状態においてカム溝のうちの傾斜部内に係合する突起部の先端部には、回転軸受が設けられるようになっていることより、カム溝内の移動が円滑に行なわれることとなる。従って、軸部側と係合部側との相対回転運動が円滑に行なわれることとなる。その結果、半開き状態のドアは、その自重により、円滑に自動復帰をすることとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図1ないし図5を基に説明する。本実施の形態にかかるものの、その構成は、図1に示す如く、ドア19側に取付けられるものであって一方のメンバを形成するドアヒンジメンバ1と、フレームまたは柱29側に取付けられるものであって他方のメンバを形成するピラーヒンジメンバ2と、からなることを基本とするものである。このような構成からなるものにおいて、上記ドアヒンジメンバ1の一側端部側には、当該ドアヒンジメンバ1と一体的に軸部11が設けられるようになっている。そして、この軸部11の軸線(O1O1 )に対して直角の面内であって軸線(O1 O1 )に対して放射軸の方向に突出するように突起部51を設ける。この突起部51をもって後に述べるカム機構5の従動子51を形成させるようにする。これに対して、上記ピラーヒンジメンバ2の一側端部側には、ドアヒンジメンバ1に設けられた上記軸部11のところと係合するものであって当該軸部11に対して相対回転運動が可能なように係合する円環状の係合部21を設ける。そして、当該係合部21のところには上記軸部11に設けられた突起部51と係合するカム溝52を設ける。そして、これらカム溝52及び突起部51からなる従動子をもって、自動復帰用のカム機構5を形成させるようにする。
【0009】次に、このようなカム機構5についての具体的な構成について、図2を基に説明する。まず、ピラーヒンジメンバ2の円環状係合部21のところに設けられるカム溝52は、その展開形状が、図2に示す如く、軸部11の軸線(O1 O1 )と直交する面に対して所定の傾き角(α)を有するように形成された傾斜部525と、当該傾斜部525の一方の端部(本実施の形態においては上昇側の端部)に連続して形成されるものであって上記軸線(O1 O1 )に対して直角の方向に水平に形成される水平部521と、からなることを基本とするものである。なお、上記傾斜部525を形成する傾斜角(α)は、本実施の形態においては、約30°から45°の角度が採られるようになっている。そして、このような展開構成からなるカム溝52が、円環状係合部21を形成する円周面のところに設けられるようになっているものである。従って、上記カム溝52の傾斜部525は軸部11の周りに螺旋状に形成されることとなり、この螺旋状傾斜部525からなるカム溝52内には軸部11側に設けられた突起部51が従動子として係合するようになっているものである。
【0010】なお、このような構成からなるものにおいて、上記従動子51を形成する突起部のところには、ボールベアリング等からなる回転軸受515が設けられるようになっている。そして、図3ないし図5に示す如く、この回転軸受515が上記カム溝52内を転動運動するようになっているものである。この回転軸受515の転動運動によって、軸部11と係合部21との間の相対回転運動が円滑に行なわれ、延いてはドアヒンジメンバ1に取付けられたドア19の自動復帰運動(閉じる方向への)が円滑に行なわれることとなる。また、このような構成からなるドアヒンジ装置は、本実施の形態においては、図1に示す如く、従動子51の設けられる軸部11を有するメンバ1側がドア19に取付けられ、一方、カム溝52の設けられる係合部21を有するメンバ2側がフレームあるいは柱29側に取付けられるようになっているが、自動復帰機構としては、この逆の態様からなるものであっても良い。すなわち、軸部11に設けられた従動子51をフレームまたは柱29に取付けられるメンバ側に形成させるようにするとともに、係合部21に設けられるカム溝52をドア19に取付けられるメンバ側に形成させるようにしても良い。なお、その場合には、図2に示すカムの展開図は、上下方向が逆になる。
【0011】次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作動態様等について図1ないし図5を基に説明する。まず、ドア19が図4及び図5に示す全閉状態から、半開き状態であるドア開度が約90°程度に開かれた状態において(図3参照)は、上記ドア19に取付けられたドアヒンジメンバ1の軸部11のところに設けられる従動子51、すなわち、回転軸受515は、図2に示す如く、係合部21に形成されたカム溝52の傾斜部525のところを、上記ドア19の回転運動に応じて移動(上昇)することとなる。この従動子51の上方への移動(図2,図3参照)によって、ドア19は、その回転運動(開き運動)に伴なって、所定量上方へ移動することとなる。この上方への移動によって、ドアには位置のエネルギー(PE)が生ずることとなる。従って、この状態でドア19の拘束が解除されると、ドア19の有している位置エネルギー(PE)に基づいて、当該ドア19に連結されている上記従動子51、すなわち回転軸受515は、図2及び図3において、傾斜部525のところを降下することとなる。この降下運動によって、ドア19は元の状態である閉じられる方向に廻されることとなる。すなわち、ドア19は回転運動をし、自動復帰運動が成されることとなる。
【0012】一方、上記ドア19が、更に開かれて全開状態となった場合においては、図1に示す如く、ドア19側の軸部11のところに設けられる従動子51(回転軸受515)は、カム溝52を形成する水平部521のところへと移動する。その結果、この状態でドア19の拘束が解除されたとしても、ドア19には何んら変化が生じない。なぜなら、従動子51は、図2におけるカム溝52の水平部521内に位置して、この安定な状態に保持されることとなるからである。このようにして、ドア19は、その全開状態時においては、この位置で静止させられるようになり、ドアのストッパ機能が発揮された状態に保持されることとなる(図1参照)。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、ドア側に取付けられる一方のメンバと、当該ドアを支持するフレーム側あるいは柱側に取付けられる他方のメンバと、からなるとともに、これら両メンバが相対回転運動可能なように連結されるドアヒンジ装置に関して、上記いずれか一方のメンバ側に、当該一方のメンバと一体的に形成される軸部を設けるとともに、当該軸部の軸線に対して直角の方向に突起部を設け、これに対して残りの他方のメンバ側に、上記一方のメンバ側に設けられた上記軸部のところと相対回転運動が可能なように係合する円環状の係合部を設け、更に、当該係合部のところに上記軸部に設けられた突起部と係合するカム溝を設けるようにした構成を採ることとしたので、ドアヒンジ装置と一体的に形成されるものであって簡単な構造からなるカム機構にてドアの自動復帰機構を形成させることができるようになった。その結果、自動復帰機構を有するドアヒンジ装置を安価に形成(製造)することができるようになった。
【0014】また、本発明においては、上記カム溝を、軸部の軸線(O1 O1 )と直交する面に対して所定の傾斜角(α)を有するように形成された螺旋溝からなる傾斜部と、当該傾斜部の一方の端部側に、当該端部に連続して、かつ、上記軸部の軸線(O1 O1)に対して直角の面内であって本カム溝の設けられる円環状係合部の円周方向に形成される水平部と、からなるようにした構成を採ることとしたので、ドアの半開き状態時においては、ドアが自動的に閉じられる自動復帰機能を発揮させるようにすることができるとともに、ドアが完全に開かれた状態においては、その状態に保持されるストッパ機能を発揮させることができるようになった。また、本発明のものにおいては、上記ドアの開放時において、本ドアが、その閉状態時から若干上方に持上げられるようになり、ドア開閉操作時においてドア下端面と床面との間に所定の隙間を形成させることができるようになった。その結果、バリアフリ床面を有するところに取付けられるドアにおいては、その下端面が床面をこすって床面を傷付けるおそれがある等の問題点を解消することができるようになった。
【0015】また、本発明においては、上記軸部側に形成される従動子のところに、ボールベアリング等からなる回転軸受を設けることによって、上記ドアの自動復帰機能を発揮するカム機構部の作動を円滑に行なわせることができるようになった。すなわち、カム溝のうちの傾斜部内に係合する従動子のところに回転軸受を設けることよって、ドアの半開き状態時において、従動子のカム溝内の移動を円滑に行なわせることができるようになり、軸部側と係合部側との相対回転運動を円滑に行なわせることができるようになった。その結果、半開き状態のドアは、その自重により、円滑に自動復帰をすることができるようになった。
【出願人】 【識別番号】390011545
【氏名又は名称】株式会社ティムス
【出願日】 平成12年5月12日(2000.5.12)
【代理人】 【識別番号】100097607
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 覚
【公開番号】 特開2001−323718(P2001−323718A)
【公開日】 平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願番号】 特願2000−139476(P2000−139476)