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【発明の名称】 引戸駆動装置と引戸駆動装置のモータアッセンブリ
【発明者】 【氏名】谷水 健

【氏名】鳥居 義雄

【氏名】東 幹雄

【要約】 【課題】小型で取り付けが簡単で、そのため既存の手動の引戸に後付けができて、さらに、引戸の手動抵抗が小さい引戸駆動装置と、そのモータアッセンブリを提供すること。

【解決手段】引戸駆動装置1は、ベース板2に、ギヤードモータ3、クラッチ部4および減速歯車機構6とを搭載してなるモータアッセンブリ7と、歯車部8ところ部11を有する戸車12を枢着したハンガブラケット15とからなる。したがって、この引戸駆動装置1は、従来におけるハンガブラケットを駆動するベルトがなくて、小型、コンパクトで、かつ、既存の手動の引戸に後付けできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベース板に、モータ、クラッチ、および減速歯車機構を取り付けてなり、上記モータの出力軸を上記クラッチを介して上記減速歯車機構の入力軸に接続したモータアッセンブリと、歯車部ところ部とを有する戸車を枢着したハンガブラケットとを備え、上記減速歯車機構の出力歯車と上記戸車の歯車部とを噛合したことを特徴とする引戸駆動装置。
【請求項2】 請求項1による引戸駆動装置において、上記ハンガブラケットに、上記モータアッセンブリを固定したことを特徴とする引戸駆動装置。
【請求項3】 ベース板に、モータ、クラッチ、および減速歯車機構を取り付けてなり、上記モータの出力軸を上記クラッチを介して上記減速歯車機構の入力軸に接続した引戸駆動装置のモータアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、引戸を幅方向に移動させる引戸駆動装置と、そのモータアッセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば建物の開口部の引戸を幅方向に移動させる引戸駆動装置として、図4に示すようなものがある。この引戸駆動装置101は、開口部の上縁に沿って設けたレール102の上方に、プーリ103,105に巻き掛けられて上記レール102に平行に延びるベルト106を配置している。上記プーリ105は図示しないモータで駆動する。上記ベルト106にハンガブラケット107を接続していて、このハンガブラケット107は上記レール102上を回動する戸車109を枢着すると共に、引戸110を吊り下げている。上記モータでプーリ105を駆動して上記ベルト106を進退させると、このベルト106に接続したハンガブラケット107が上記レール102に沿って移動する。その結果、このハンガブラケット107に吊り下げられた引戸110が幅方向に移動して、上記開口部を開閉するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の引戸駆動装置101は、ベルト106によって引戸110を移動させるので、モータの駆動力を効率良くハンガブラケット107に伝えるようにベルト106の張力を調整する必要があって、引戸駆動装置101の取り付け作業に手間がかかるという問題がある。また、上記レール102の上方にベルト106およびプーリ105を配置するので、引戸駆動装置101が大型になる。そのため、開口部の上方のスペースが小さい建物等には設置できないという問題がある。さらに、この引戸駆動装置101は大型なので、既設の引戸に後付けするのは困難である。また、この引戸駆動装置101は、ハンガブラケット107が、ベルト106を介してモータと常に接続している。したがって、この引戸駆動装置101を例えば閉じた引戸110を手動で開けることによってスイッチを入れるタイプの引戸駆動装置101にすると、引戸110を開けるときに上記ベルト106とモータとが抵抗になって、引戸の手動抵抗が大きいという問題もある。
【0004】そこで、この発明の目的は、小型で取り付けが簡単で、そのため既存の引戸に後付けができて、さらに、引戸の手動抵抗が小さい引戸駆動装置と、そのモータアッセンブリを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明の引戸駆動装置は、ベース板に、モータ、クラッチ、および減速歯車機構を取り付けてなり、上記モータの出力軸を上記クラッチを介して上記減速歯車機構の入力軸に接続したモータアッセンブリと、歯車部ところ部とを有する戸車を枢着したハンガブラケットとを備え、上記減速歯車機構の出力歯車と上記戸車の歯車部とを噛合したことを特徴としている。
【0006】この引戸駆動装置によれば、従来の引戸駆動装置におけるベルトが無いから、引戸駆動装置を取り付ける際に上記ベルトの張力を調整する必要がなくて、取り付け作業が簡単である。また、この引戸駆動装置は、上記ハンガブラケットと、このハンガブラケットに組み合わせて配置する上記モータアッセンブリとからなるので、小型である。したがって、開口部の上方のスペースが狭くて、従来の引戸駆動装置の設置が不可能であった開口部にも、この引戸駆動装置を取り付けることがでる。また、この引戸駆動装置は、モータの回転力を伝達するためにベルトを使わないので、この引戸駆動装置を備える引戸を手動で動かす際の手動抵抗が小さく、さらに、上記クラッチで上記モータと上記減速歯車機構とを遮断すると、上記手動抵抗は一層小さくなる。
【0007】請求項2による引戸駆動装置は、請求項1による引戸駆動装置において、上記ハンガブラケットに、上記モータアッセンブリを固定したことを特徴としている。
【0008】この引戸駆動装置によれば、上記ハンガブラケットに上記モータアッセンブリを固定してなるので、引戸駆動装置がさらに小型になる。
【0009】請求項3による引戸駆動装置のモータアッセンブリは、ベース板に、モータ、クラッチ、および減速歯車機構を取り付けてなり、上記モータの出力軸を上記クラッチを介して上記減速歯車機構の入力軸に接続したことを特徴としている。
【0010】この引戸駆動装置のモータアッセンブリは、モータとクラッチおよび減速歯車機構がベース板に搭載されて1つのアッセンブリになっているので、小型である。また、引戸駆動装置を設置する際、このモータアッセンブリを、ハンガブラケットの戸車を駆動可能に接続して、引戸の所定の位置に固定するだけでよいので、取り付け作業が簡単である。また、このモータアッセンブリは小型、かつ、取り付けが簡単なので、既存の手動の引戸が備えるハンガブラケットに上記モータアッセンブリを接続可能に設置することができて、手動の引戸に引戸駆動装置を後付けすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0012】図1は、この発明による引戸駆動装置を示す正面図であり、図2は平面図である。この引戸駆動装置1は、略L字形のベース板2に、ギヤードモータ3と、このギヤードモータ3の出力軸に接続したクラッチ部4と、このクラッチ部4の出力軸に接続した減速歯車機構6とを搭載してなるモータアッセンブリ7を備える。この減速歯車機構6は、クラッチ部4の出力軸40に固定した傘歯車6aと、クラッチ部4の出力軸40と直交する方向の軸6bに固定され、上記傘歯車6aと噛合する傘歯車6cと、上記軸6bに固定した出力歯車としての平歯車6dとからなる。上記ギヤードモータ3の出力軸およびクラッチ部4の出力軸40は、引戸の幅方向に延びている。
【0013】図3は、このモータアッセンブリ7を示した正面図であり、上記クラッチ部4の一部の断面を同時に示している。このクラッチ部4は、電磁クラッチ41を備え、上記クラッチ部4の出力軸40に、磁性体42を固定している。また、ホールIC(集積回路)43をクラッチ部4のケースに固定して、所定の時間の間に上記磁性体42が上記ホールIC43の近傍を通過する回数を計って、上記出力軸40の回転数を検知するようにしている。
【0014】さらに、図1および図2に示すように、この引戸駆動装置1はハンガブラケット15を備え、レール10の上面に当接する円筒形のころ部11の端面に鍔状の歯車部8を備えた戸車12を枢着している。さらに、このハンガブラケット15は、ボルト14,14によって図示しない引戸を固定して吊り下げている。上記モータアッセンブリ7のベース板2は、上記ハンガブラケット15にボルト17,17,17によって固定されて、上記モータアッセンブリ7の減速歯車機構6の出力歯車6aを、上記ハンガブラケット15の戸車12の歯車部8に噛合している。
【0015】また、この引戸駆動装置1は図示しない制御部を備え、この制御部は、上記クラッチ部4のホールIC43からギヤードモータ3の回転数を表す信号を受け、また、電磁クラッチ41および上記ギヤードモータ3を制御する。
【0016】この引戸駆動装置1は、図示しない建物の出入口に設けられた引戸の上方に設置される。この引戸は、この引戸を閉じる方向に付勢する図示しない付勢装置を備え、上記引戸駆動装置によって開く一方、上記付勢装置によって閉じるようにしている。
【0017】上記構成の引戸駆動装置1を設置した図示しない引戸を、上記出入口を閉じた位置から引戸の幅方向に手動で開くと、上記戸車12が回動する。さらに、この戸車12の歯車部8および減速歯車機構6を介して上記クラッチ部4の出力軸40が回転すると共に、上記クラッチ部4の出力軸40に固定した磁性体42が回転する。そうすると、上記クラッチ部4のホールIC43が上記出力軸40の回転を検知して上記制御部に信号を送る。この信号を受取った上記制御部は、上記電磁クラッチ41を接続して上記ギヤードモータ3の回転力を上記減速歯車機構6に伝達可能にすると共に、上記ギヤードモータ3に駆動電流を供給する。そして、上記モータ3の回転力が、上記クラッチ部4と減速歯車機構6と戸車12の歯車部8を介して上記戸車12に伝達されて、この戸車12がころ部11でレール10の上面に接触して回動する。その結果、この戸車12を枢着するハンガブラケット15が上記引戸と共に移動して、引戸が幅方向に開く。上記引戸が全開になって、上記レール10上での戸車12の回動が止まると、上記制御部は、上記ギヤードモータ3への電流を減じて、このギヤードモータ3のトルクの出力を、上記引戸を全開位置に保持する大きさに下げる。
【0018】上記引戸駆動装置1は、上記モータ3の回転力を伝達するベルトがなく、さらに、上記引戸が閉じているときは、上記クラッチ部4がモータ3の出力軸と減速歯車機構6の入力軸とを遮断するので、上記引戸を閉じた位置から手動で動かす場合の抵抗が小さい。したがって、従来のベルトを備える引戸駆動装置よりも、小さい力で引戸を動かすことができる。すなわち、この引戸駆動装置1を備えた引戸は、小さい力でモータ3を起動させて自動で開くことができる。
【0019】また、この引戸駆動装置1は、上記ハンガブラケット15にモータアッセンブリ7を固定するだけで設置できるので、従来のベルトを有する引戸駆動装置のように、レールの上方に引戸および出入口の幅に亘ってベルトを配置して、さらに、このベルトの張力調整をする必要がなくて、取り付け作業が格段に簡単になる。
【0020】また、この引戸駆動装置1は、モータアッセンブリ7とハンガブラケット15とからなって小型なので、引戸駆動装置1を設置する建物の出入口上方の空間が狭くても設置できる。
【0021】また、このモータアッセンブリ7は、ハンガブラケット15の戸車12を駆動する機構を1つのアッセンブリにまとめて、なおかつ小型なので、レール10上方の空間が狭い手動の引戸に上記モータアッセンブリ7を後付けして、引戸を自動にできる。すなわち、上記手動の引戸のハンガブラケットに関して、戸車を上記歯車部8ところ部11を有する戸車12に交換して、この戸車12の歯車部8に減速歯車機構6が噛合可能にモータアッセンブリ7を配置すると、上記手動の引戸を自動にできる。
【0022】上記実施形態の引戸駆動装置1は建物の出入口の引戸に設けたが、建物の出入口に限られず、例えば車両の出入口や開口部に取り付けてもよい。
【0023】上記実施形態の引戸駆動装置1は、上記モータアッセンブリ7を、引戸を吊り下げるハンガブラケット15に固定したが、モータアッセンブリ7は上記引戸に別個に固定してもよい。すなわち、ハンガブラケット15の戸車12の歯車部8と、モータアッセンブリ7の減速歯車機構6とが噛合可能であれば、モータアッセンブリ7はどこに配置してもよい。
【0024】上記実施形態の引戸駆動装置1は、引戸を閉める方向に付勢する付勢装置を備えた引戸に設けて、この引戸を開けるときのみに作動させたが、付勢装置が無い引戸に設けて開閉両方向に引戸を移動させてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発明の引戸駆動装置は、ベース板に、モータ、クラッチ、および減速歯車機構を取り付けてなり、上記モータの出力軸を上記クラッチを介して上記減速歯車機構の入力軸に接続したモータアッセンブリと、歯車部ところ部とを有する戸車を枢着したハンガブラケットとを備え、上記減速歯車機構の出力歯車と上記戸車の歯車部とを噛合しているので、従来の引戸駆動装置におけるベルトが無くて小型であり、そのため、引戸駆動装置の取り付け作業を簡単にできる。また、この引戸駆動装置はベルトおよびプーリがなくて、小型、コンパクトなので、開口部の上方のスペースが狭くても、この引戸駆動装置を取り付けることができる。また、この引戸駆動装置は、モータの回転力を伝達するためにベルトを使わないので、この引戸駆動装置を備える引戸を手動で動かす際の手動抵抗を小さくできて、さらに、上記クラッチで上記モータと上記減速歯車機構とを遮断すると、上記手動抵抗を一層小さくできる。
【0026】請求項2による引戸駆動装置は、請求項1による引戸駆動装置において、上記ハンガブラケットに、上記モータアッセンブリを固定したので、引戸駆動装置をさらに小型にできる。
【0027】請求項3による引戸駆動装置のモータアッセンブリは、ベース板に、モータ、クラッチ、および減速歯車機構を取り付けてなり、上記モータの出力軸を上記クラッチを介して上記減速歯車機構の入力軸に接続したので、小型にできて、また、このモータアッセンブリを上記ハンガブラケットの戸車に接続可能に所定の位置に固定するだけでよいので、引戸駆動装置の取り付け作業を簡単にできる。また、このモータアッセンブリは小型で設置が容易なので、既存の手動の引戸にも設置できて、引戸駆動装置を後付けできる。
【出願人】 【識別番号】390033042
【氏名又は名称】ダイハツディーゼル株式会社
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2001−311359(P2001−311359A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−129674(P2000−129674)