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【発明の名称】 バンパーラバー
【発明者】 【氏名】沼上 洋一

【要約】 【課題】横方向荷重の入力に対して脱落しにくくする。取付作業性を向上させる。

【解決手段】パネル材12に同パネル材12の取付孔14を通して挿入取付けされる係止部15と、開閉体の閉時に他方のパネル材13に当接するバンパー本体16と、このバンパー本体16と係止部15の間に取付孔14と略同径に形成されるネック部17とを備えたバンパーラバー11において、バンパー本体16の下端に縮径部16bを形成し、縮径部16bとネック部17の間に支持フランジ18を設ける。バンパー本体16に横方向荷重が入力されても、バンパー本体16が縮径部16bを中心に傾斜するだけでバンパー本体16が支持フランジ18やパネル材12に直接接触することがない。このため、バンパー本体16の外周部を支点に係止部15が上方に持ち上げられることがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体開口部と、その開口部に取付けられる開閉体のうちの一方のパネル材に取付けられ、開閉体の閉時に他方のパネル材に弾接して開閉体の閉操作時の衝撃と閉状態でのばたつきを防止するバンパーラバーであって、前記一方のパネル材に形成された取付孔よりも大径に形成され、前記一方のパネル材にこの取付孔を通して挿入取り付けされる係止部と、最大外径が前記取付孔よりも大きく形成され、開閉体の閉時に前記他方のパネル材に弾接するバンパー本体と、このバンパー本体と係止部の間に前記取付孔と略同径に形成され、前記取付孔に嵌合されるネック部とを備えたものにおいて、バンパー本体のネック部側の端部に縮径部を形成すると共に、この縮径部とネック部の間に、前記一方のパネル材の孔縁に当接する支持フランジを設けたことを特徴とするバンパーラバー。
【請求項2】 バンパー本体の縮径部を、支持フランジと離間する側からテーパ状に縮径させたことを特徴とする請求項1に記載のバンパーラバー。
【請求項3】 縮径部と支持フランジを曲面状に滑らかに連続させたことを特徴とする請求項1または2に記載のバンパーラバー。
【請求項4】 支持フランジを、その外縁部がネック部側に湾曲するように吸盤状に形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバンパーラバー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のトランクリッドやバックドア等の開閉体を閉じる際の衝撃緩和と、閉じた状態での開閉体のばたつき防止を担うバンパーラバーに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のトランクリッドやバックドアにおいては、通常、図6に示すようなバンパーラバーが用いられている。
【0003】このバンパーラバー1は、車体開口部と開閉体(トランクリッド,バックドア)のうちの一方のパネル材2に取付けられ、開閉体の閉操作時に、他方のパネル材3がバンパー本体4の上面に当接するようになっている。バンパー本体4は、上下面がほぼ偏平な略台形状断面に形成されており、その下面にはパネル材2の取付孔5と略同径のネック部6を介して略円錐状の係止部7が延設されている。
【0004】この係止部7はパネル材2の取付孔5よりも大径に形成されており、バンパーラバー1をパネル材2に取付けるときに弾性変形させつつ取付孔5に挿入される。そして、係止部7は取付孔5を通り抜けたところで取付孔5の下面側の孔縁に当接し、ネック部6が取付孔5に嵌合した状態においてバンパー本体4の下面との間でパネル材2を挟着する。したがって、バンパーラバー1はこうして係止部7とバンパー本体4によってパネル材2に係止される。
【0005】尚、この技術は、例えば実開昭61-106639号公報等に示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のバンパーラバー1においては、バンパー本体4が略台形状断面に形成されているため、開閉体の操作時等に、図7に示すようにバンパー本体4に横方向荷重Pが入力されると、バンパー本体4の外周端のコーナ部が支点Sとなってこの支点sと対称位置にある係止部7の端部を大きく上方に押し上げてしまう。このため、入力される横方向荷重Pが大きい場合には、不用意にバンパーラバー1が脱落することが懸念される。
【0007】また、上記従来のバンパーラバー1にあって、バンパー本体4の下面が偏平で、しかも、その外周縁部がほぼ中実に形成されているため、係止部7とネック部6をパネル材2の取付孔5に挿入するときに、挿入途中でバンパー本体4の下面がパネル材2の上面に接触すると、それ以降バンパー本体4の反力が急増し、挿入作業自体が行いにくくなると共に、取付作業の完了(係止部7が取付孔5を完全に抜けたこと)を作業者が実感しにくいという不具合がある。
【0008】そこで本発明は、横方向荷重の入力に対して脱落しにくく、取付作業性をも向上させることのできるバンパーラバーを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、車体開口部と、その開口部に取付けられる開閉体のうちの一方のパネル材に取付けられ、開閉体の閉時に他方のパネル材に弾接して開閉体の閉操作時の衝撃と閉状態でのばたつきを防止するバンパーラバーであって、前記一方のパネル材に形成された取付孔よりも大径に形成され、前記一方のパネル材にこの取付孔を通して挿入取り付けされる係止部と、最大外径が前記取付孔よりも大きく形成され、開閉体の閉時に前記他方のパネル材に弾接するバンパー本体と、このバンパー本体と係止部の間に前記取付孔と略同径に形成され、前記取付孔に嵌合されるネック部とを備えたものにおいて、バンパー本体のネック部側の端部に縮径部を形成すると共に、この縮径部とネック部の間に、前記一方のパネル材の孔縁に当接する支持フランジを設けるようにした。
【0010】この発明の場合、一方のパネル材の取付孔に係止部とネック部を挿入していくと、その挿入途中で支持フランジがパネル材の上面に当接することとなるが、この支持フランジとバンパー本体の間に縮径部が設けられていることから、このとき支持フランジの周縁部は容易に押し上げられ、係止部が取付孔を確実に通り抜ける。こうして作業を完了すると、ネック部が取付孔に完全に嵌合され、パネル材の取付孔の孔縁に対し、支持フランジと係止部が両者で挟み込むようにして係止される。
【0011】また、バンパー本体に横方向荷重が入力されると、バンパー本体がこの入力荷重によって主に縮径部を中心に傾斜する。したがって、このときバンパー本体の外周部がパネル材に押し付けられることがないため、支持フランジの外周端を支点にして係止部が上方に持ち上げられることはない。
【0012】請求項2に記載の発明は、バンパー本体の縮径部を、支持フランジと離間する側からテーパ状に縮径させるようにした。
【0013】この発明の場合、横方向荷重によってバンパー本体が傾斜しても、バンパー本体の下面側が支持フランジやパネル材に直接接触しにくくなる。したがって、比較的大きな横方向荷重の入力があっても、バンパー本体の外周端部を支点に係止部が上方に持ち上げられることはない。
【0014】請求項3に記載の発明は、縮径部と支持フランジを曲面状に滑らかに連続させるようにした。
【0015】この発明の場合、横方向荷重によってバンパー本体が傾斜しても縮径部の座屈現象は起きない。したがって、バンパー本体の倒れ込みが阻止される。
【0016】請求項4に記載の発明は、支持フランジを、その外縁部がネック部側に湾曲するように吸盤状に形成するようにした。
【0017】この発明の場合、支持フランジの吸盤形状がパネル材の上面に対する押付力を発生するようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0019】図面において、11は、合成ゴム若しくは樹脂によって一体成形された本発明にかかるバンパーラバーであり、12は、車体開口部と、この開口部に取付けられる開閉体(トランクリッド,バックドア等)のうちの一方のパネル材、13は、他方のパネル材である。一方のパネル材12には取付孔14が形成され、この取付孔14にバンパーラバー11が装着されており、他方のパネル材13は開閉体の閉時にバンパーラバー11に当接するようになっている。
【0020】バンパーラバー11は、パネル材12に取付孔14を通して挿入取り付けされる略円錐状の係止部15と、開閉体の閉時における衝撃緩衝とばたつき防止の機能を担うバンパー本体16と、このバンパー本体16と係止部15の間に取付孔14と略同径に形成され、パネル材12への取付時に取付孔14に嵌合される同孔14と略同径のネック部17とを備えており、バンパー本体16とネック部17の間には後述する支持フランジ18が一体形成されている。
【0021】バンパー本体16は、その上端から軸方向の略中間位置までは截頭円錐状に外径が漸増し、略中間位置から下端までは逆に外径が漸減する所謂ビヤ樽型に形成されている。より詳しくは、バンパー本体16は、その軸方向の略中間部を最大外径部16aとし、この最大外径部16aから下端部に向かって円弧状に滑らかに縮径している。この部分は本発明における縮径部であり、図中符号16bで示してある。そして、この縮径部16bの最小外径はネック部17の外径よりも大きく設定されている。尚、図1中には、この実施形態のバンパー本体11の形状を理解し易いように、図6に示した従来のバンパーラバーのバンパー本体4の形状を鎖線で示してある。
【0022】また、支持フランジ18は、バンパー本体16の縮径部16bに対し曲面状に滑らかに連続し、その付根部から外周端部にかけては肉厚が漸減し、かつ、ネック部17側に向かって吸盤状に湾曲している。
【0023】尚、バンパー本体16の軸心部にはその上端面から係止部15の上端に達する中心穴19が形成され、バンパーラバー11をパネル材12に取付けるときに、この中心穴19に図外の取付冶具を挿入するようになっている。
【0024】また、ネック部17はパネル材12の板厚とほぼ同じ軸長に形成され、係止部15の上端部は径方向外側が上方側に湾曲し、かつ次第に薄肉になるフランジ形状に形成されている。
【0025】以上の構成において、このバンパーラバー11をパネル材12に取付ける場合には、最初に、図3(A)に示すように係止部15の先端をパネル材12の取付孔14に挿入し、前述した冶具等を用いて係止部15を弾性変形させつつ取付孔14をくぐらせる。このとき、係止部15はバンパーラバー11に加えられる押し込み力によって上端部を傾斜させつつ縮径され、さらにその状態のままネック部17と共に取付孔14内に挿入される。そして、こうして係止部15とネック部17が取付孔14内にある程度挿入されると、支持フランジ18の外周縁部がパネル材12の上面に当接し、さらにバンパーラバー11に押し込み力が加えられると、図3(B)に示すように、支持フランジ18が上方に押し上げられて係止部15全体が取付孔14を完全に通り抜ける。
【0026】尚、支持フランジ18は薄肉であり、支持フランジ18とバンパー本体16は縮径部16bで連結されているため、この係止部15の挿入時には、比較的小さな押し込み力でもって支持フランジ18を押し上げ、係止部15全体を容易に取付孔14にくぐらすことができると共に、係止部15が取付孔14を通り抜けたことを作業者が確実に感じ取ることができる。
【0027】また、こうしてバンパーラバー11の押し込みを完了すると、図3(C)に示すように支持フランジ18の吸盤形状による弾性反力によってバンパーラバー11全体が若干押し戻され、支持フランジ18と係止部15がパネル材12を挟み込むようにして同パネル材12に確実に支持されるようになる。
【0028】こうして、パネル材12に取付けられたバンパーラバー11は、バンパー本体16のネック部17側の端部に縮径部16bが設けられ、しかも、パネル材12に対しては薄肉の支持フランジ18で当接支持されるため、図4に示すように、バンパー本体16の側部に横方向荷重Pが加えられた場合であっても、同図中の破線で示すようにバンパー本体16が主に縮径部16bを中心として傾斜するだけであり、係止部15の一端が上方に持ち上げられるようなことはない。
【0029】即ち、バンパー本体16の下端には縮径部16bが設けられているため、横方向荷重の入力によってバンパー本体16の下面が支持フランジ18やパネル材12に直接接触することがなく、したがって、バンパーラバー11内にバンパー本体16の外周端を支点として係止部15を片側に持ち上げるような力が働くことがない。とりわけ、この実施形態においては、縮径部16bをバンパー本体16の最大外径部16aから円弧状に緩やか縮径するように形成してあるため、バンパー本体16に比較的大きな横方向荷重が加えられたときであってもバンパー本体16の最大外径部16aが支持フランジ18やパネル材12に直接接触するのを確実に回避することができる。
【0030】また、バンパー本体16の縮径部16bから支持フランジ18にかけては緩やかな曲面で連続させてあるため、バンパー本体16に横方向荷重Pが加えられたときであっても、縮径部16bの座屈変形を防止することができる。したがって、バンパー本体16の極端な倒れ込みを無くし、バンパー本体16が支持フランジ18やパネル材12に直接接触することによる係止部15の持ち上がりを防止できる。
【0031】さらに、この実施形態のバンパーラバー11の場合、支持フランジ18が吸盤状に形成され、支持フランジ18でパネル材12の上面を常時押圧できる構造となっているため、この構造も相俟ってパネル材12からの脱落をより一層確実に防止することができる。
【0032】また、このバンパーラバー11は、係止部15の上端外周が上方側に傾斜した先細りのフランジ形状とされているため、取付時の挿入作業性はこの点からも良好なものとなっている。
【0033】尚、本発明の実施形態は以上で述べたものに限るものではなく、例えば、図5に示すように、係止部15の中心部に肉抜穴20を形成し、取付孔14に対する挿入作業性をより高めるようにしても良い。また、以上では縮径部16bが上方側から漸次円弧状に縮径されたものについて説明したが、縮径部を単純にテーパ状に縮径させるようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、横方向荷重の入力時にはバンパー本体が主に縮径部を中心に傾斜するため、バンパー本体の外周端を支点した係止部の持ち上がりを無くして、取付孔からバンパーラバーの脱落を確実に防止することができる。また、パネル材への取付時には、係止部及びネック部の取付孔への挿入と共に支持フランジを容易に変形させることができるため、取付作業を容易に、かつ、確実な挿入感をもって行うことができる。
【0035】請求項2に記載の発明は、バンパー本体の僅かな傾斜によってバンパー本体の下面側が支持フランジやパネル材に直接接触するのを回避することができるため、バンパー本体の傾斜に伴なう係止部の脱落をより確実に防止することができる。
【0036】請求項3に記載の発明は、横方向荷重によってバンパー本体が傾斜しても縮径部の座屈変形を回避することができるため、バンパー本体の倒れ込みによる取付孔からの係止部の脱落を確実に阻止することができる。
【0037】請求項4に記載の発明は、支持フランジの吸盤形状によってパネル材の上面を常時確実に押圧することができるため、パネル材に対するバンパーラバーの保持力を高め、パネル材からのバンパーラバーの脱落をより一層確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000158840
【氏名又は名称】鬼怒川ゴム工業株式会社
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】 【識別番号】100062199
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
【公開番号】 特開2001−311357(P2001−311357A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−129685(P2000−129685)