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【発明の名称】 扉用のダンパ装置
【発明者】 【氏名】木戸 勇

【氏名】村田 伸一

【要約】 【課題】エアシリンダ10を長期に亘り円滑に動作させる。

【解決手段】エアシリンダ10のロッド12の先端に付設するストッパヘッド13、扉41側のストッパブロック21に対し、それぞれ互いに吸着する磁石を取り付ける。ストッパヘッド13側の磁石、ストッパブロック21側の磁石は、それぞれロッド12の中心線の延長線上、エアシリンダ10の中心線の延長線上に磁極中心を有し、磁極中心が一致するようにして吸着することにより、待機中のロッド12の下向きの傾きを是正することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ロッドの先端にストッパヘッドを付設し、扉の開き方向に向けて扉枠側に設置するエアシリンダと、前記ストッパヘッドに対向するように扉側に付設するストッパブロックとを備えてなり、前記ストッパヘッド、ストッパブロックには、それぞれ互いに吸着する磁石を取り付け、前記ストッパヘッド側の磁石は、前記ロッドの中心軸の延長線上に磁極中心を有し、前記ストッパブロック側の磁石は、前記エアシリンダの中心軸の延長線上に磁極中心を有することを特徴とする扉用のダンパ装置。
【請求項2】 前記ストッパヘッドは、合成樹脂製とすることを特徴とする請求項1記載の扉用のダンパ装置。
【請求項3】 前記各磁石は、表面側のクッション材を介して前記ストッパヘッド、ストッパブロックに埋め込むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の扉用のダンパ装置。
【請求項4】 前記クッション材は、前記ストッパヘッド、ストッパブロックの表面と同一平面に形成することを特徴とする請求項3記載の扉用のダンパ装置。
【請求項5】 前記ストッパブロックには、扉の開閉用のローラを装着することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の扉用のダンパ装置。
【請求項6】 前記ストッパブロックは、扉の開閉用のローラを装着するブラケットに付設することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の扉用のダンパ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、扉を全閉させる際の衝撃を緩和することができる扉用のダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動的に全閉状態に閉まる自動閉鎖機構付きの扉は、扉が閉まる際の衝撃を緩和するために、適切なダンパ装置を設けることが特に好ましい。ただし、ここでいう扉とは、引戸形式の吊戸の他、折畳み回転扉式や、折戸式などの任意の形式の扉を含み、自動閉鎖機構付きでないものをも含むものとする。
【0003】従来のダンパ装置は、背圧調整機構付きのエアシリンダを扉の開き方向に向けて扉枠側に固定し、エアシリンダのロッドを扉側のストッパブロックに対向させて構成されている。そこで、このものは、扉が閉まると、扉側のストッパブロックがエアシリンダのロッドの先端に当接し、エアシリンダを押し縮めながら扉を閉じることにより、全閉時の衝撃を大きく緩和することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術によるときは、エアシリンダは、扉の開き方向に向けてほぼ水平状態に設置されているから、伸縮ストロークが長いと、重力によりロッドが下向きに傾き、円滑な伸縮動作ができなくなったり、耐久性が著るしく劣化したりしがちであるという問題があった。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、磁石を利用することによって、エアシリンダのロッドの下向き傾向を是正し、長期に亘りエアシリンダを円滑に動作させることができる扉用のダンパ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、ロッドの先端にストッパヘッドを付設し、扉の開き方向に向けて扉枠側に設置するエアシリンダと、ストッパヘッドに対向するように扉側に付設するストッパブロックとを備えてなり、ストッパヘッド、ストッパブロックには、それぞれ互いに吸着する磁石を取り付け、ストッパヘッド側の磁石は、ロッドの中心軸の延長線上に磁極中心を有し、ストッパブロック側の磁石は、エアシリンダの中心軸の延長線上に磁極中心を有することをその要旨とする。
【0007】なお、ストッパヘッドは、合成樹脂製とすることができる。
【0008】また、各磁石は、表面側のクッション材を介してストッパヘッド、ストッパブロックに埋め込むことができ、クッション材は、ストッパヘッド、ストッパブロックの表面と同一平面に形成することができる。
【0009】さらに、ストッパブロックには、扉の開閉用のローラを装着してもよく、ストッパブロックは、扉の開閉用のローラを装着するブラケットに付設してもよい。
【0010】
【作用】かかる発明の構成によるときは、ストッパヘッド、ストッパブロックに埋め込む各磁石は、扉が閉まって扉側のストッパブロックがエアシリンダ側のストッパヘッドに十分近接すると、互いに吸着してエアシリンダのロッドをエアシリンダの中心軸上に積極的に位置決めすることができる。各磁石は、それぞれロッドの中心軸の延長線上、エアシリンダの中心軸の延長線上に磁極中心を有し、それぞれの磁極中心が一致するように吸着するからである。そこで、エアシリンダは、水平状態に設置されていてロッドが下向きに傾く傾向があっても、磁石を介してそれを適切に是正することができる。
【0011】合成樹脂製のストッパヘッドは、たとえば金属製のストッパブロックが当接しても、大きな衝撃音を発生するおそれがない。
【0012】表面側のクッション材を介して各磁石を埋め込めば、クッション材は、ストッパブロックがストッパヘッドに当接する際に双方の磁石が直接接触することを防ぎ、磁石を機械的に保護することができる。なお、クッション材は、非磁性体の薄板材とし、一方または双方の磁石に対して設けることができる。
【0013】クッション材は、ストッパヘッド、ストッパブロックの表面と同一平面に形成することにより、ストッパブロックがストッパヘッドに当接する際に過大な力が磁石に負荷されるおそれがなく、磁石を一層有効に保護することができる。
【0014】ストッパブロックに扉の開閉用のローラを装着すれば、ストッパブロックは、ローラ用のブラケットを兼用することができる。また、ストッパブロックをローラ用のブラケットに付設すれば、ストッパブロック用のブラケットを省略することができる。ただし、ここでいうローラとは、引戸形式の吊戸の吊りローラの他、折畳み回転扉式や折戸式の扉の開閉用のガイドローラなどを総称していうものとする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0016】扉用のダンパ装置は、扉枠30側に設置するエアシリンダ10と、扉41側に付設するストッパブロック21とを備えてなる(図1、図2)。
【0017】扉41は、吊りローラ41a、41aを介し、扉枠30の上部のガイドレール31から前後動可能に吊下されている。すなわち、扉41は、吊戸形式の引戸として構成されている。なお、ガイドレール31は、ベース材31aを介して扉41の閉じ方向に低く斜めに配設されており、したがって、扉41は、重力によって自動的に閉じる自動閉鎖機構付きとなっている。ただし、扉41は、扉枠30に付設する図示しないキャッチ機構を介し、全開状態に保持することができる。
【0018】エアシリンダ10は、ブラケット10aを介し、ガイドレール31と平行に、扉41の開き方向に向けてベース材31a上に固定されている。なお、エアシリンダ10の後部には、背圧調整機構11が組み込まれており、エアシリンダ10のロッド12の先端には、ストッパヘッド13が付設されている。ただし、ストッパヘッド13は、合成樹脂製である。
【0019】ストッパブロック21は、扉41の開き側の吊りローラ41aのブラケット41bに対し、エアシリンダ10側のストッパヘッド13に対向するようにして付設されている(図2、図3)。ストッパブロック21は、金属製であって、支持材21aを介し、ブラケット41bに対して横向きに取り付けられている。
【0020】ストッパヘッド13、ストッパブロック21には、それぞれ表面側のクッション材14a、22aを介して磁石14、22が埋め込まれている。磁石14、22は、互いに異極性に配置され、ストッパヘッド13、ストッパブロック21が近接することにより互いに吸着することができる。すなわち、磁石14、22は、図3において、たとえばそれぞれの右側の面がN極、左側の面がS極であり、相対向する各面が互いに異なる磁極となっている。また、クッション材14a、22aは、それぞれストッパヘッド13、ストッパブロック21と同一平面に形成されている。なお、ストッパブロック21側の磁石22は、エアシリンダ10の中心線C1 の延長線上に磁極中心を有し、ストッパヘッド13側の磁石14は、エアシリンダ10のロッド12の中心線C2 の延長線上に磁極中心を有するものとする。
【0021】扉41は、吊りローラ41a、41aを介し、全開状態に開き(図1の実線)、全閉状態に閉じることができる(同図の二点鎖線)。また、エアシリンダ10は、扉41が開いているとき、図示しない内蔵のばねを介し、ロッド12を最大に伸長させて待機している(同図の実線)。そこで、扉41が閉まると(同図の矢印K1 方向)、扉41が全閉状態になる前に扉41側のストッパブロック21がロッド12の先端のストッパヘッド13に当接し、以後、扉41は、エアシリンダ10を押し縮めながら閉まることにより(同図の二点鎖線)、全閉時に大きな衝撃音を発生するおそれがない。
【0022】一方、エアシリンダ10のロッド12は、最大に伸長して待機しているとき、下向きに傾く傾向がある(図1、図3の各実線)。しかしながら、扉41が閉まってストッパブロック21がストッパヘッド13に十分近接すると、磁石14、22は、互いに吸着してロッド12の中心線C2 をエアシリンダ10の中心線C1 に合致させ、ロッド12の傾きを是正することができる(図3の二点鎖線)。磁石14、22は、それぞれの磁極中心が中心線C2 、C1 の延長線上にあり、それぞれの磁極中心が一致するようにして吸着するからである。そこで、エアシリンダ10は、以後、扉41が全閉状態まで閉まるに伴い、ロッド12を滑らかに押し縮めることができる。
【0023】なお、磁石14、22は、扉41を開き方向に操作することにより、簡単に分離させることができる。
【0024】
【他の実施の形態】扉用のダンパ装置は、回転扉式の扉41に適用することができる(図4、図5)。
【0025】扉41は、扉枠30の一方の竪枠33に回転支柱42を組み込み、回転支柱42の上端、下端に突設するアーム42a、42aにより回転自在に支持されている。また、扉41には、把手41kが付設されている。扉枠30の上枠34には、ブラケット32aを介して下向きのガイドレール32が組み付けられ、ガイドレール32には、扉41の上部に付設する上向きのガイドローラ43が係合している。
【0026】扉枠30側のストッパヘッド13付きのエアシリンダ10は、ブラケット10a、10aを介し、扉41の開き方向に向けてガイドレール32に組み込まれている。また、扉41側のストッパブロック21は、ブラケット43aを介して扉41に取り付けられており、ガイドローラ43は、ストッパブロック21に装着されている。ただし、ストッパブロック21は、ガイドレール32に係合し、ブラケット43aに対し、ガイドローラ43の軸のまわりに回転自在となっている。ストッパヘッド13、ストッパブロック21には、それぞれ図2、図3と全く同様の磁石14、22が取り付けられている。
【0027】開放状態の扉41は、図4の矢印K2 、K2 方向に回転させるとともに、ガイドローラ43をガイドレール32に沿って閉じ方向に進行させることにより(同図の矢印K3 方向)、ストッパブロック21をストッパヘッド13に当接させ、エアシリンダ10を押し縮めながら全閉状態にまで閉じることができる。このとき、ストッパブロック21は、ガイドレール32に係合し、扉41、ガイドレール32の相対角度が変化するに伴い、ブラケット43a上においてガイドローラ43の軸のまわりに回転して、ストッパヘッド13に対する対向姿勢を維持することができる。
【0028】なお、回転扉式の扉41は、回転支柱42、アーム42a、42aを介して支持するとともに、ガイドレール32と平行に配設する別のガイドレールから、スラストベアリングを介して前後動自在、回転自在に吊下してもよい。
【0029】扉用のダンパ装置は、折戸式の扉41にも適用することができる(図6、図7)。扉41は、中間のヒンジ41eを介してヒンジ側、反ヒンジ側の子扉41c、41cを折畳み自在に連結するとともに、扉枠30に組み込む回転支柱42を介し、ヒンジ側の子扉41cを回転自在に支持して構成されている。なお、反ヒンジ側の子扉41cには、把手41k、キャッチ41fが付設されている。また、扉枠30側の下向きのガイドレール32には、ストッパヘッド13付きのエアシリンダ10が扉41の開き方向に向けて組み込まれており、反ヒンジ側の子扉41cには、ガイドレール32に係合するガイドローラ43、ストッパブロック21が付設されている(図7、図8)。ただし、ガイドローラ43は、ストッパブロック21に装着されており、ストッパヘッド13、ストッパブロック21には、それぞれ図2、図3と同様の磁石14、22が取り付けられている。
【0030】全開状態の扉41(図6の二点鎖線)は、反ヒンジ側の子扉41cを回転させて子扉41c、41cを開くとともに(同図の矢印K4 、K4 方向、一点鎖線)、ガイドローラ43をガイドレール32に沿って進行させることにより(同図の矢印K5 方向)、ストッパブロック21をストッパヘッド13に当接させ、エアシリンダ10を押し縮めながら全閉状態に閉じることができる(同図の実線)。なお、この場合のストッパブロック21も、子扉41c、ガイドレール32の相対角度変化に伴い、ガイドローラ43の軸のまわりに回転する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、扉枠側に設置するストッパヘッド付きのエアシリンダと、扉側のストッパブロックとを組み合わせ、ストッパヘッド、ストッパブロックにそれぞれ互いに吸着する磁石を取り付けることによって、ストッパヘッド側の磁石、ストッパブロック側の磁石は、それぞれエアシリンダのロッドの中心軸の延長線上、エアシリンダの中心軸の延長線上にある磁極中心が一致するようにして吸着し、ロッドの下向きの傾きを是正することができるから、長期に亘りエアシリンダを円滑に動作させることができるという優れた効果がある。
【出願人】 【識別番号】000184621
【氏名又は名称】小松ウオール工業株式会社
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】 【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
【公開番号】 特開2001−311356(P2001−311356A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−131165(P2000−131165)