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【発明の名称】 跳ね上げ式ドアの開閉装置
【発明者】 【氏名】樋口 謙一郎

【要約】 【課題】車両や荷台の開口に枢着されたドアを閉じた状態から180度以上開けることができる,ドアの開閉装置を提供する。

【解決手段】ドアの開閉装置は,長手方向に軸線を有する固定部と,その固定部に対し,軸線方向に移動可能に取り付けられる移動部とを有し,移動部が移動したとき,その先端が開口から外に突き出することができるように,開口の内側に固定される第一の伸縮手段と,移動部を,固定部に対して往復移動させるための第二の伸縮手段と,移動部の先端に,回動自在に連結された後端を有し,ドアに回動自在に連結された先端を有し,長さが伸縮可能な第三の伸縮手段とを含んでなる。移動部の先端に連結された第三の伸長手段の後端が,第三の伸縮手段の伸長により,ドアが枢動し,開口を閉じた状態から少なくとも180度開くことができる位置まで,第二の伸縮手段は,第三の伸縮手段の移動部を移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 開口を開閉する,該開口の上端に枢着された跳ね上げ式ドアの開閉装置であって,長手方向に軸線を有する固定部と,その固定部に対し,前記軸線方向に移動可能に取り付けられる移動部とを有し,前記移動部が移動したとき,その先端が開口から外に突き出することができるように,前記開口の内側に固定される第一の伸縮手段と,前記移動部を,前記固定部に対して往復移動させるための第二の伸縮手段と,前記移動部の先端に,回動自在に連結された後端を有し,前記ドアに回動自在に連結された先端を有し,長さが伸縮可能な第三の伸縮手段と,を含んでなり,前記第二の伸縮手段による前記第一の伸縮手段の伸縮,および前記第三の伸縮手段の伸縮により,前記ドアは枢動して開閉し,前記移動部の先端に連結された前記第三の伸長手段の後端が,前記第三の伸縮手段の伸長により,前記ドアが枢動し,前記開口を閉じた状態から少なくとも180度開くことができる位置まで,前記第二の伸縮手段は,前記第三の伸縮手段の前記移動部を移動する,ところのドアの開閉装置。
【請求項2】 前記第二および第三の伸縮手段がガスダンパーである,請求項1に記載のドアの開閉装置。
【請求項3】 前記第二の伸縮手段の前記固定部がシリンダーであり,前記第二の伸縮手段の前記移動部が前記シリンダー内で往復移動可能なロッドである,請求項1に記載のドアの開閉装置。
【請求項4】 開口を開閉する,該開口の上端に枢着された跳ね上げ式ドアの開閉装置であって,伸長したとき,先端が開口から外に突き出することができるように,前記開口の内側に固定される第四の伸縮手段と,前記第四の伸縮手段の前記先端に,回動自在に連結された後端を有し,前記ドアに回動自在に連結された先端を有し,長さが伸縮可能な第五の伸縮手段と,を含んでなり,前記第四の伸縮手段および前記第五の伸縮手段の伸縮により,前記ドアは枢動して開閉し,前記第四の伸長手段の後端が,前記第五の伸縮手段の伸長により,前記ドアが枢動し,前記ドアを閉じた状態から少なくとも180度開くことができる位置まで,前記第一の伸縮手段が伸長する,ところのドアの開閉装置。
【請求項5】 前記開口が,車両または車両に取り付けられる箱型荷台の開口である,請求項1または4に記載のドアの開閉装置。
【請求項6】 前記第四および第五の伸縮手段がガスダンパーである,請求項4に記載のドアの開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,車両または箱型荷台の開口を開閉する跳ね上げ式ドアの開閉装置関し,とくにドアを閉じた状態から180度以上開けることができる跳ね上げ式ドアの開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】箱形荷台2を備えた車両1の側面図を図1に示す。荷台2の後方にある開口3を開閉するドアとして跳ね上げ式ドア4が開口3の上部に枢着されている。
【0003】この跳ね上げ式のドアの開閉装置5として,一般に,開口の上部に枢着されたドア4と荷台2との間にガスダンパーが連結されている。ドアを開けるためにドアのロックをはずと,ガスダンパー5の伸長力,すなわち圧縮されたエアの膨張力によりドアは開く。そして,その伸長力により,またはさらに人の力によりドアは,所定の位置まで開く。
【0004】閉じるときは,ドア4が小型の場合は,人の手により,大型の場合はドアに取り付けられた紐を引くことにより,ドアを引き戻す。このとき,ガスダンパー内のエアがクッションとなり,急激にドアが閉まることが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】箱型荷台2への荷物の搬入,搬出のためには,荷物が保管される場所,たとえば倉庫の近くに車両を接近させ,ドア4を開けて,フォークリフトのような手段により,荷物を荷台2に,または倉庫へ移す。
【0006】このとき,上記従来の開閉装置では,必然的にガスダンパー5の先端がドア4に連結され,後端が荷台2の内側に連結されるため,ガスダンパーとドアの連結部とが干渉し,そのため,ドアは水平またはその付近までしか開かない。
【0007】したがって,図1に示されているように,車両の荷台2は,ドアが開くことができる距離Hだけ,倉庫から離すことが必要となる。ドアが開くことができる距離が,車両によって異なると,車両の停止作業がより煩雑になる。
【0008】また,離れた倉庫と車両の間に,人,またはフォークリフトなどの移動を容易にする手段(たとえば,連結板の配置)がないと,荷物の搬入,搬出作業は重労働になる。一方,かかる手段の設置には,設置の手間ばかりでなく,搬入,搬出作業に危険性も生じてくる。
【0009】そこで,本発明は,上記欠点を解消するためになされたもので,車両や荷台の開口に枢着されたドアを,閉じた状態から180度以上開けることができる,ドアの開閉装置を提供することを目的とする。
【0010】本発明の他の目的は,ドアを任意の位置まで開閉することができる,上記ドアの開閉装置を提供することである。
【0011】さらに,本発明の目的は,構造が簡単な上記ドアの開閉装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の,開口を開閉する,該開口の上端に枢着された跳ね上げ式ドアの開閉装置は,長手方向に軸線を有する固定部と,その固定部に対し,軸線方向に移動可能に取り付けられる移動部とを有し,移動部が移動したとき,その先端が開口から外に突き出することができるように,開口の内側に固定される第一の伸縮手段と,移動部を,固定部に対して往復移動させるための第二の伸縮手段と,移動部の先端に,回動自在に連結された後端を有し,ドアに回動自在に連結された先端を有し,長さが伸縮可能な第三の伸縮手段とを含んでなる。
【0013】この開閉装置が備えられた,ドアが開けられるとともに,第二の伸長手段が伸長すると,第一の伸長手段の移動部が軸線方向にそって移動する。一方,第三の伸長手段は,移動部の先端に連結された後端を支点として,伸長することで,ドアを枢動して開く。第二の伸長手段のさらなる伸長により,移動部の先端が開口の外に出ると,第三の伸長手段は,ドアの枢着部と干渉することなく,伸長することができ,ドアをさらに開く。かくして,ドアは移動部の先端に移動とともに,閉じた状態から180度以上開く。
【0014】本発明の他の開閉装置は,伸長したとき,先端が開口から外に突き出することができるように,開口の内側に固定される第四の伸縮手段と,第四の伸縮手段の先端に,回動自在に連結された後端を有し,ドアに回動自在に連結された先端を有し,長さが伸縮可能な第五の伸縮手段とを含んでなる。
【0015】この装置においても,上記装置同様に,ドアが開けられるとともに,第四の伸長手段が伸長すると,その伸長した第四の伸長手段の先端に連結された第五の伸長手段の後端を支点として,第五の伸長手段が伸長し,これによりドアは枢動して開く。第四の伸長手段のさらなる伸長により,その先端が開口の外に出ると,第五の伸長手段は,ドアの枢着部と干渉することなく伸長し,ドアはさらに開く。かくしてドアは,閉じた状態から180度以上開く。
【0016】
【発明の実施の形態】図2は,本開閉装置10が,開口を開閉するドアに取り付けられた,荷台2を有する車両1の側面図を示す。図3は荷台2の開口3付近の部分拡大側面図を示す。荷台2の開口3の上端に,ドア4が枢着され,開口の開閉ができるようになっている。本装置10は荷台2の内側,側面に設けられ,ドアの開閉を行う。この実施例では,本装置は荷台の開口を開閉するドアについて使用されるが,この例に限定されず,開口を開閉するドア一般に利用できる。
【0017】本装置10は,基本的に,スライダー12と,二つのガスダンパー20,30とから構成される。
【0018】スライダー12は,荷台2の内側,側面に,傾斜して固定されて中空のシリンダーである,固定部14とその中空内を軸線方向に往復移動可能なロッドである,移動部16とから構成される。移動部16の先端は,軸線方向とは垂直方向に張り出した膨出部18を有している。このような膨出部を設けたのは,移動部の少ない移動でも,その先端が開口の外に出るようにするためである。
【0019】このスライダー12と平行にガスダンパー20が取り付けられている。ガスダンパーは,当業者には周知の装置であり,したがって,図面においては,簡単化のために直線よりより示されているが,シリンダー部とその中を往復移動可能に収納されたロッド部とからなるもので,通常はエアが封じ込められている。ロッド部を中に押し入れようとすると,封入されたエアを圧縮しなければならないので,急激な押し込みはできない。一方ロッドが中に押し込められた状態,すなわち収縮した状態では,エアが圧縮されるために,ロッド部を押し出そうと伸長力が働く。
【0020】このガスダンパー20のシリンダー部をスライダー12とともに平行に荷台2の内側,側面に固定される。ガスダンパー20のロッド部の先端22は,スライダー12の移動部16の膨出部18の荷台側に連結されている。したがって,ガスダンパー20の伸縮により,移動部16は固定部14に対して移動することができる。以下で説明されるが,移動部16は開口より外に突き出ることができる。
【0021】他のガスダンパー30は,後端32が移動部16の膨出部18の外側端に回動自在に取り付けられ,先端34がドア4の設けられたブラケット4'の回動自在に取り付けられている。このガスダンパー30は,ガスダンパー20と同じ構造のものである。ガスダンパー30がその後端を支点として伸長すると,ドア4は枢着部を中心に回動し,開口を開くことができる。
【0022】前述のとおり,スライダー12が傾斜して固定されているのは,移動部の移動により膨出部が開口の外に出るようにしたものであるが,傾斜角度を深くすると,移動部の少ない移動により膨出部が開口の外に出ることができるものの,ガスダンパー30を長くしなければドアを180度以上開くことができない。一方,傾斜角度を浅くすると,移動部の移動を長くしないと,すなわち,ガスダンパーを長くしないと,膨出部を開口の外に出すことができない。したがって,スライダーの傾斜角度は本装置が取り付けられる開口の構造に依存して,すなわち,二つのガスダンパー,スライダーの長さをどの程度にできるかにより決定される。
【0023】なお,スライダー12,ガスダンパーの長さ,それらの取り付け位置は,ドアの大きさ,重量などにより適宜選定されるべきものである。
【0024】以下図3および4を参照して,本装置の動作を説明する。
【0025】図3(a)は,ドアが閉じた状態を示す。通常ドア4は荷台2に対してロックされている。この状態では,ガスダンパー20,30は収縮した状態にある。ドアのロックを外し,ドアを開けると,ガスダンパー20,30は,ガスの膨張力により伸長しようとする。したがって,傾斜したスライダー12の膨出部18は,軸線にそって外側に向って移動する(図3(b))。移動した移動部16の膨出部18に,後端32が取り付けられたガスダンパー30も,伸長することから,ドア4は枢動して開く。このときの,ドアの開く速度は,ガスダンパー内のエアの圧縮程度,ドアの大きさ,重量による。
【0026】さらに,二つのガスダンパー20,30の伸長によりドア4は枢動より,さらに開く(図4(a))ガスダンパー20の伸長により,スライダー12の膨出部18の先端は開口3から外へ突き出す(図4(b))。
【0027】ガスダンパー30が伸長することで,ドア4を閉じた状態から少なくとも180度回転させるためには,ガスダンパー30がドアの枢着部と干渉(ガスダンパーが枢着部と接触し,伸長してドアを枢動することができない状態)することなく,ガスダンパー30の後端31が所定の位置まで,開口3から外へ突き出ている必要がある。
【0028】ガスダンパー20が伸長することで,膨出部16が,上記所定の位置まで移動すると,ガスダンパー30はその所定の位置にある移動部16の膨出部18に取り付けられた後端32を支点として伸長することができる。したがって,ガスダンパー30は,ドア4が取り付けられた枢着部と干渉することなく,伸長することができ,ドア4を180度以上回転させることができる(図4(c))。
【0029】この状態にすると,車両は荷台を,図2に示されているように,倉庫に接近させることができる。かくして,倉庫と荷台との間に実質的な間隔はなくなり,荷物の搬入,搬出を容易かつ安全に行うことができる。
【0030】ドアを閉じるときは,ドアに設けられた引き付け手段,たとえば,紐をガスダンパーの伸長力に抗して引っ張ることで,両ガスダンパーは収縮する。同時に,移動部16も軸線方向に後退し,その膨出部18は開口3の内側に移動するとともに,ガスダンパー30が開口内側に収納されて,ドアが完全に閉じる。
【0031】上記実施例は,荷台のドアの開閉のために,本装置を使用した例であるが,かかるドアは,ある程度大きさ,重量があり,各手段の連結部にかなりのモーメントが作用するため,固定部に対して移動部が円滑に移動できるようにしたスライダーを設け,このようなモーメントに抗するようにしている。したがって,ガスダンパーはその軸線にそった方向の力に抗すればよく,負荷は比較的小さい。もし,ドアが小さく,重量も少ない場合は,連結部に作用するモーメントも小さく,ガスダンパーだけでも機能する。このような場合は,スライダーを省略して,直接ガスダンパーを連結してもよい。逆に,ドアが大きく,重量がある場合は,ガスダンパーに代え油圧シリンダーのような伸長力の大きな手段も利用することができる。
【0032】また,上記実施例は荷台のドアへの適用例であるが,このようなドアに限らず,閉じた状態から180度またはそれ以上開く必要がある種々のドア,開閉手段にも適用することができる。
【0033】
【効果】上記説明したように,本発明のドア用の開閉装置により,ドアを閉じた状態から少なくとも180度開くことができることから,たとえば,この装置を備えた荷台をもつ車両は,たとえば倉庫などの荷物搬入,搬出口へ近接することができ,このことは,その荷物搬入,搬出口と荷台の開口とを連結する手段を不要にするばかりか,安全な荷物の搬入,搬出を行うことができる。
【0034】さらに,装置にスライダーが備えられていると,ガスダンパーなどの伸長手段の連結部にモーメントが作用せず,伸長手段に過度の荷重が作用しない。そのため,円滑なドアの開閉動作を行うことができる。
【0035】また,本発明の構成により,ドアを閉じた状態から180度以上開くことができことから,ドアが180度開いた状態では,倉庫などの荷物搬入,搬出口へ接近でできない建築構造物に対しても,180度以上のドア開放角度を適宜選択することで,必要な車両の倉庫などへの接近を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】390039723
【氏名又は名称】株式会社パブコ
【出願日】 平成12年4月27日(2000.4.27)
【代理人】 【識別番号】100069899
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 澄夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−311355(P2001−311355A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−126856(P2000−126856)