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【発明の名称】 煙感知機能付き半自動式吊戸における押出し装置
【発明者】 【氏名】向出 敬秀

【氏名】中川 純一

【要約】 【課題】火災時の煙を感知して自動的に閉じることが出来る半自動式吊戸を対象とし、吊戸を全開状態に保つ為に係止具を備えると共に、解除装置によって係止具を作動して吊戸を開放した際には、必ず閉鎖するようにした押出し装置の提供。

【解決手段】押出し装置10はバネ等で構成し、吊戸1が全開して係止具8に係止した際には、バネを変形して吊戸1が閉じる方向に押圧するバネ力を付勢している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上レールに吊設されて手で押し開いた吊戸が独りでに閉じることが出来る半自動式吊戸装置であって、吊戸が全開した際にはそのままの状態で停止するように吊戸に係止する係止具を備え、該係止具は煙感知器の信号を受けて作動する解除装置と連動し、そして解除装置によって係止具が吊戸を解放した際には該吊戸が確実に閉鎖するように機能する押出し装置において、吊戸が全開して上記係止具に係止して停止する場合には、該吊戸が閉じる方向へ押圧する力を付勢することが出来る煙感知機能付き半自動式吊戸における押出し装置。
【請求項2】 吊戸上端に取着した受けに押圧力を作用した請求項1記載の煙感知機能付き半自動式吊戸における押出し装置。
【請求項3】 吊戸の戸尻端面に押圧力を作用した請求項1記載の煙感知機能付き半自動式吊戸における押出し装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は火災が発生した際の煙を感知して自動的に閉鎖することが出来る半自動式吊戸を対象とし、この吊戸が確実に閉鎖するようにした強制押出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来から使用している吊戸の正面図であり、吊戸(イ)は上レールに吊設されて走行し、間口を開閉することが出来る。そして吊戸(イ)が開口した場合に納まる戸袋(ロ)を有し,また上レールをカバーする為の点検パネル(ハ)が間口上部に取付けされている。したがって,この点検パネル(ハ)を開くことで内部を開口して上レール等の開閉装置の保守点検をすることが出来るようになっている。
【0003】この種の半自動式吊戸は上記上レールが僅かに傾斜していて、該上レールに吊設される吊戸は自重によって独りでに閉鎖することが出来る。すなわち、手動にて押し開かれた吊戸は手を離すならば自動的に閉鎖することになるが、全開した場合には閉じることなく、そのままの状態で停止することが出来るように吊車のローラに係止する板バネ(係止具)を設けている。
【0004】しかし,火災が発生した際には開放状態にあることは好ましくなく、延焼を避け、煙が周りに充満することを避ける為にも,該煙を感知して完全閉鎖するように,防火戸としての働きをすることが必要である。すなわち、吊戸を開放状態で停止している係止具を解除しなければならない。
【0005】出願人は平成11年3月30日付けで「煙感知器付き半自動式吊戸装置」を特許出願している(特願平11−87599号)。この吊戸装置では、吊戸が全開した際にはそのまま停止する為の係止具を備え、該係止具は煙感知器の信号を受けて作動するソレノイドのロッドと連動して吊戸を開放することが出来る解除装置を備えている。
【0006】上レールは僅かに傾斜している為に、吊戸はその自重により独りでに閉じることが出来るが、しかし上レールのヘタリや吊車のローラ磨耗等によって係止具が解除されても吊戸が閉じないことがあり、これでは防火機能を果たすことが出来ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、半自動式吊戸は全開状態で停止することは必要であるが,火災が発生した際には確実に閉じることが必要である。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、煙を感知して係止具が解除されたならば確実に自動閉鎖することが出来る半自動式吊戸の押出し装置を提供する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明が対象とする半自動式吊戸装置は、手で押し開いた吊戸が独りでに閉じることが出来るように機能する装置であり、例えば僅かに傾斜した上レールに吊戸が吊設されたもの、又ゼンマイバネにて吊戸が閉じる方向に引張られている場合、さらに吊戸が閉じる方向に作用する重りを吊り下げている場合などがある。そして吊戸が全開した際には閉じないように、係止具が備わっている。
【0009】一方,火災が発生した際には全開状態にある吊戸が閉鎖するように、係止具を解除する為の解除装置を備えている。解除装置により解除された係止具は吊戸を解放して独りでに閉じることになるが、この場合、確実に吊戸が閉じるように押出し装置を備えている。押出し装置は一般にバネ力や重りが使用され、全開した吊戸はこの押出し装置を後退させて係止具に係止することが出来る。したがって係止具に係止した吊戸に対して押圧力(復元力)が作用し、係止具が解除される場合には、押出し装置が作動して吊戸を閉じる方向に押出すように働く。一旦動いた吊戸は、慣性と自重等の働きで完全に閉鎖する。以下,本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
【実施例】図1は本発明に係る煙感知器付き吊戸装置を表している実施例である。同図の1は吊戸、2は枠体,3は上レールを示し、吊戸1は上レール3に吊設されて開閉することが出来る。枠体2は両縦桟4,4と横桟5が門形に枠組されたものであり、この枠体2は出入り口となる間口に嵌めて取付けされる。そして上レール3は横桟5に設けたレール取着部に僅かに傾斜して取着され、該上レール3には吊戸1の上端両サイドに設けている吊車6,6が載っている。
【0011】上レール3は戸先側を低くして傾斜しているために、手で押し開いた吊戸1はその自重によって独りでに閉じることが出来る。そして上レール3にはストッパーゴム7が取着されていることで,全開した吊戸1はこのストッパーゴム7に当たって衝撃を伴うことなく停止することが出来,しかも係止具8に係止して吊戸1は停止する。すなわち、吊戸1の開口度が小さい場合であれば、戸尻側吊車6はストッパーゴム7に当接することはなく、しかも係止具8に係止しない為に、吊戸1は独りでに閉じることになるが、全開した場合には係止具8に係止してそのままの状態に保たれる。又同図の9は解除装置を表わし、10は押出し装置である。
【0012】図2は係止具8の解除装置9を示す具体例であり、該係止具8は基板11に設けている軸12に軸支され、該軸12を中心として揺動することが出来る。係止具8はその先端にて吊車6のローラ13を拘束する為に概略V形の係止部14を有し,ローラ13はこの係止部14に係止することが出来、吊戸1は閉じないで停止することになる。
【0013】ほぼ水平に位置してバネ材から成る係止具8は、押し開かれた吊戸1のローラ13が係止部14に当たることでバネ変形することが出来る。係止具8は軸12に軸支されると共に、軸12から上方へ立ち上がり、その先端を水平方向へ屈曲している。すなわちL形を成し、軸12にはブロック15が軸支されて係止具8と共に揺動することが出来る。そして基板11にはストッパー16が設けられ、このストッパー16には係止具8の垂直片17が当接し、該係止具8を水平に保っている。
【0014】また、基板11に設けた軸18にはアーム19が揺動可能に軸支され、このアーム19の上面20には垂直片17の上端に形成した水平片21が当接している。そしてアーム19の軸18にはバネ22が取着され、該バネ22のバネ力はアーム19を反時計方向に回転するように付勢されているが、アーム端23がソレノイド24のロッド25に係止している。そこで,ソレノイド24のロッド25が後退するならば、付勢されている上記バネ力にてアーム19は回転し、アーム先端はブロック15にあたり、係止具8の先端係止部14を持ち上げる。
【0015】図3は係止具8の先端係止部14が持ち上げられた場合であり、その結果、係止部14は吊車6のローラ13から離れて該吊車6を開放し、吊戸1は上レール3に沿って閉じることになる。ところで、上記ソレノイド24は煙感知器26と接続していて、火災が発生した際の煙を感知してソレノイド24に電気信号を送り、該ソレノイド24のロッド25が後退する。したがってアーム19はバネ力にて反時計方向に回転し、その先端がブロック15を押圧するならば、係止具8は軸12を中心として揺動し、先端係止部14は持ち上げられる。ここで,煙感知器26は従来から使用されているもので,ここでは改めて説明することは省略する。
【0016】ところで、ソレノイド24が作動して図3に示すように係止部14が持ち上げられるならば、吊戸1はその自重によって閉じることが出来るが、ローラ13が磨耗したり、上レール3が部分的にヘタルなどして閉じることが出来ない場合が発生する。そこで該吊戸装置では図1に示しているような押出し装置10を備え、吊戸1が全開した際には吊戸1の戸尻が当って該押出し装置10を圧縮する。押出し装置10が当る箇所は吊戸1ではなく、吊車6又はその他の部材に当接する場合であってもよい。
【0017】図4は戸尻部上端を表わしているが、吊戸1が全開して吊車6がストッパーゴム7に当り、そしてローラ13が係止具8に係止すると共に、吊戸上端に取着した受け27に板バネ28が当接している。この板バネ28は押出し装置10の1例であり、該板バネ28は受け27に押されてバネ変形している。したがって、板バネ28のバネ力は受け27に作用し、吊戸1を閉じる方向へ押圧する結果となる。
【0018】図5(a)〜(c)押出し装置10の具体例を示している。(a)は板バネ28を使用した場合、(b)はコイルバネ29を使用した場合、(c)はゴム等の弾性体30を用いた場合をそれぞれ表わしている。これら何れの場合であっても受け27に押されて弾性変形し、その結果、弾性力が反力となって受け27に作用する。
【0019】図6は押出し装置10の別の具体例であり、該押出し装置10は縦桟4に取着され、吊戸1の戸尻端面に当接することが出来る。この押出し装置10は内部にコイルバネを内蔵し、吊戸1が当って押えるならば、コイルバネは圧縮される。基本的には前記図5(b)に示している場合と同じである。又この実施例では戸当りストッパー31,31が縦桟4に取付けられ、衝撃を伴うことなく吊戸1を停止する。
【0020】図7は押出し装置10として板バネ32を吊戸1の戸尻端面33に取着した場合であり、吊戸1が全開することで板バネ32が縦桟4に当ってバネ変形することが出来る。このように吊戸1の戸尻端面33に押出し装置10が当るようにする場合、又図7に示すように戸尻端面33に押出し装置を取着する場合は、この押出し装置10が外から見えないような戸袋を備えた吊戸装置とする方が良い。
【0021】そして、吊戸1が全開状態で停止するようにする係止具8の位置は、必ずしも戸尻側吊車に限らず、戸先側の吊車のローラに係止するように取付けることも出来る。戸先側に係止するように配置することで、点検パネルを開くことで係止具ならびに解除装置を簡単に点検出来る利点もある。
【0022】以上述べたように、本発明に係る煙感知機能付き半自動式吊戸における押出し装置は、全開した吊戸にバネ力などの弾性力を付勢したものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0023】
【発明の効果】本発明の吊戸装置の吊戸は火災が発生した際、煙を感知して自動的に閉鎖することが出来る。例えば煙感知器からの電気信号がソレノイドを作動し、その結果、吊戸に係止している係止具は吊車から離れ,吊戸はその自重等によって独りでに閉じることが出来る。そして吊戸には押出し装置が備わっている為に、全開した吊戸は押出し装置からの押圧力を受けた状態で係止具に係止している為に、該係止具が解除されて吊戸を解放するならば、押出し装置からの押出し力を受けて動き、必ず閉鎖することが出来る。押出し装置によって最初に僅か動かされるならば、その後は慣性と自重、又はゼンマイバネを利用した引っ張り装置の力により移動し、ローラが多少磨耗しても又上レールが部分的にヘタっても完全に閉鎖する。
【出願人】 【識別番号】000105693
【氏名又は名称】コマニー株式会社
【出願日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【代理人】 【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
【公開番号】 特開2001−271554(P2001−271554A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−88470(P2000−88470)