トップ :: E 固定構造物 :: E05 錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫




【発明の名称】 ダンパーユニット
【発明者】 【氏名】近重 清

【氏名】水落 明

【要約】 【課題】常に適当なフリクションで開閉することができ、耐久性に優れ、しかも安価なダンパーユニットを提供する。

【解決手段】第1の枠1と、第1の枠1に同軸的に配置された第2の枠2と、第1の枠1に回動自在に配置され第2の枠2に固定された軸3と、軸3に同軸的に配置され一主面が周方向の一方に傾斜した傾斜面4bとされたカムフランジ4と、第1の枠1の内面1aとカムフランジ4の他の主面4aとの間に圧入固定されたコイル型ネジ5と、軸3に同軸的に固定されコイル型ネジ5と嵌合する雄ネジ6と、第2の枠2に固定されカムフランジ4の傾斜面4bに当接するピン7とを備え、軸3が回動すると同時にピン7がカムフランジ4の傾斜面4bに接触しつつその周方向に移動し、カムフランジ4により押圧されるコイル型ネジ5のピッチが変化し、軸3のトルクが変化することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の枠と、該第1の枠に同軸的に配置された第2の枠と、前記第1の枠に回動自在に配置されかつ前記第2の枠に固定された軸と、当該軸に同軸的に配置され一方の主面が周方向の一方に傾斜した傾斜面とされたカムフランジと、前記第1の枠の内面と該カムフランジの他方の主面との間に圧入固定されたコイル型ネジと、前記軸に同軸的に固定され前記コイル型ネジと嵌合する雄ネジと、前記第2の枠に固定されかつ前記カムフランジの傾斜面に当接するピンとを備え、前記軸が回動すると同時に前記ピンが前記カムフランジの傾斜面に接触しつつその周方向に移動し、前記カムフランジが軸心方向に移動し、該カムフランジにより押圧される前記コイル型ネジのピッチが変化し、前記軸のトルクが変化することを特徴とするダンパーユニット。
【請求項2】 前記コイル型ネジは、コイル部分の断面が菱型状、方形状、矩形状、円形状、楕円形状のいずれか1種または2種以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項1記載のダンパーユニット。
【請求項3】 前記カムフランジは、円板状の本体の一方の主面に、その中心から一半径方向に延びる隔壁が形成され、かつ前記主面は前記隔壁を起点及び終点とする周方向の一方に傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする請求項1または2記載のダンパーユニット。
【請求項4】 前記主面は、その中心を通る隔壁により2つの面に分割され、この分割されたそれぞれの面は周方向の一方に傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする請求項3記載のダンパーユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパーユニットに関し、特に、開閉の度合いに応じてトルクが変化する各種ドア、電気釜の蓋、自動販売機の取り出し口の扉、カーオーディオ機器のダッシュボード用扉、便器の蓋等のヒンジ部に用いて好適なダンパーユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、各種ドア、電気釜の蓋、自動販売機の取り出し口の扉、カーオーディオ機器のダッシュボード用扉、便器の蓋等のヒンジ部には、開閉時に適当なフリクションで開閉する必要があるために、オイル式のダンパがよく用いられている。例えば、カーオーディオ機器のダッシュボード用扉の場合、扉を開くにつれて徐々にトルクが増して扉が徐々に重くなり、また、扉を閉めるにつれて徐々にトルクが減少して扉が徐々に軽くなるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来のオイル式のダンパにおいては、オイル式であることからオイル漏れが生じるおそれがあるという問題点があった。オイル漏れが生じた場合、適当なフリクションで開閉することができなくなり、場合によっては開閉不能に至るおそれがある。また、このオイル式のダンパでは、常に圧接トルクが掛かっているために、耐久性に劣り、しかも製品コストが高いという問題点があった。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、常に適当なフリクションで開閉することができ、耐久性に優れ、しかも安価なダンパーユニットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のようなダンパーユニットを提供した。すなわち、請求項1記載のダンパーユニットは、第1の枠と、該第1の枠に同軸的に配置された第2の枠と、前記第1の枠に回動自在に配置されかつ前記第2の枠に固定された軸と、当該軸に同軸的に配置され一方の主面が周方向の一方に傾斜した傾斜面とされたカムフランジと、前記第1の枠の内面と該カムフランジの他方の主面との間に圧入固定されたコイル型ネジと、前記軸に同軸的に固定され前記コイル型ネジと嵌合する雄ネジと、前記第2の枠に固定されかつ前記カムフランジの傾斜面に当接するピンとを備え、前記軸が回動すると同時に前記ピンが前記カムフランジの傾斜面に接触しつつその周方向に移動し、前記カムフランジが軸心方向に移動し、該カムフランジにより押圧される前記コイル型ネジのピッチが変化し、前記軸のトルクが変化することを特徴とする。
【0006】請求項2記載のダンパーユニットは、請求項1記載のダンパーユニットにおいて、前記コイル型ネジは、コイル部分の断面が菱型状、方形状、矩形状、円形状、楕円形状のいずれか1種または2種以上の組み合わせからなることを特徴とする。
【0007】請求項3記載のダンパーユニットは、請求項1または2記載のダンパーユニットにおいて、前記カムフランジは、円板状の本体の一方の主面に、その中心から一半径方向に延びる隔壁が形成され、かつ前記主面は前記隔壁を起点及び終点とする周方向の一方に傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする。
【0008】請求項4記載のダンパーユニットは、請求項3記載のダンパーユニットにおいて、前記主面は、その中心を通る隔壁により2つの面に分割され、この分割されたそれぞれの面は周方向の一方に傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする。
【0009】本発明のダンパーユニットでは、前記軸がその周方向の一方に向かって回動すると、当該軸に同軸的に固定されている第2の枠に固定されているピンが、前記カムフランジの傾斜面に接触しつつその周方向の一方に向かって回動することにより、該カムフランジが前記軸の軸心方向に沿って前記傾斜面の高さだけ移動する。
【0010】コイル型ネジは、前記第1の枠の内面と前記カムフランジの他方の主面との間に圧入固定されているので、前記カムフランジが前記軸の軸心方向に沿って前記傾斜面の高さだけ移動することにより、そのピッチは、傾斜面の高さ/ピッチの数だけ変化する。このコイル型ネジのピッチが変化することにより、このコイル型ネジと嵌合する雄ネジがコイル型ネジにより圧接され、該雄ネジが固定された軸のトルクが変化する。
【0011】これにより、軸を回動することにより当該軸のトルクが変化し、該ダンパーユニットが設けられた扉等を常に適当なフリクションで開閉することが可能になる。また、オイル式ダンパ等を用いていないので耐久性に優れている。また、構造が簡単で、部品点数も少ないので、安価である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のダンパーユニットの一実施の形態について図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施の形態のダンパーユニットを示す断面図であり、図において、符号1はカーオーディオ機器のダッシュボード本体に固定する第1の枠、2は第1の枠1にその軸心方向に摺動自在に設けられた第2の枠、3は第1の枠1及び第2の枠2に回動自在に配置され該カーオーディオ機器のダッシュボード用扉に固定される軸、4は軸3に同軸的に設けられたカムフランジ、5は第1の枠1の内面1aとカムフランジ4の内側の面(他方の主面)4aとの間に圧入固定されたコイルスレッド(コイル型ネジ)、6は軸3に同軸的に固定されコイルスレッド5と嵌合するトルクネジ(雄ネジ)、7は第2の枠2に固定されかつカムフランジ4の傾斜面4b、4bに当接する押しピンである。
【0013】第1の枠1は、図1及び図2に示すように、略有底円筒状の枠本体11の外側が水平方向外方に延在してフランジ12とされ、このフランジ12には、ダッシュボード本体に固定するネジを挿通するためのネジ穴13、13が形成されている。そして、枠本体11の開口部側の側面には、図1〜図3に示すように、ガイドピン14を挿通するための一方が開放された長穴15が形成されている。
【0014】第2の枠2は、図1及び図4に示すように、第1の枠1に固定された略有底円筒状の枠からなるもので、その底部の中心には、後述する軸3のDカット面を嵌め込むためのDカット穴21が形成され、このDカット穴21を挟んで対称となる位置には押しピン7を圧入するための穴22が形成されている。軸3は、図1及び図5に示すように、略円柱状の軸本体31のネジ部32の先端側に、Eリング33を嵌め込むためのEリング溝34が、その周方向に沿って形成されると共に、外周面のネジ部32側に、軸心方向に沿う切り欠き部が形成され、Dカット部35とされている。
【0015】この軸3のDカット部35は第2の枠2のDカット穴21に嵌め込まれ、この第2の枠2の外方に突出する軸3の先端部のEリング溝34には、外側からEリング33が嵌め込まれている。そして、上述した第2の枠2は軸3と共に回動する構成とされている。
【0016】カムフランジ4は、図6に示すように、円板状の本体の中心部に軸3を挿通するための穴41が形成され、この穴41を挟む両側の位置に中心を通る隔壁42、42が形成され、この隔壁42、42により分割されたそれぞれの面(一方の主面)が周方向の一方(図中、反時計回りの方向)に向かって下り勾配となるように傾斜した傾斜面4b、4bとされている。
【0017】コイルスレッド5は、例えば、コイル部分の断面が菱型状で、外部から中心軸方向に押圧された際にピッチが狭くなるもので、そのピッチは自由に設定することができる。トルクネジ6は、図7に示すように、ネジ本体43の中心部を貫通するように前記軸3のDカット部35が嵌め込まれるDカット穴44が形成されている。このトルクネジ6は、そのネジ本体43の端部43aを軸3のDカット部35に当て付け、ナット25を締結することにより軸3に固定されている。
【0018】本実施の形態のダンパーユニットでは、例えば、扉を開く場合に、軸3がその周方向の一方(図1中、矢印の方向)に向かって回動すると、軸3に同軸的に固定されている第2の枠2に固定されている押しピン7、7が、カムフランジ4の傾斜面4b、4bに接触しつつその周方向の一方に向かって回動することにより、カムフランジ4が軸3の軸心方向に沿って傾斜面4b、4bの高さ分だけ移動する。
【0019】コイルスレッド5は、第1の枠1の内面1aとカムフランジ4の内側の面4aとの間に圧入固定されているので、カムフランジ4が軸3の軸心方向に沿って傾斜面4b、4bの高さだけ移動することにより、コイルスレッド5はその高さ分、トルクネジ6と嵌合していない部分A、Bが圧縮されることとなり、その圧縮されたバネ(コイルスレッド5)の反力がトルクネジ6と嵌合している部分に摩擦力を与えることになる。したがって、そのピッチは、傾斜面の高さ/ピッチの数だけ縮む。
【0020】このコイルスレッド5のピッチが縮むことにより、このコイルスレッド5と嵌合するトルクネジ6がコイルスレッド5により圧接され、このトルクネジ6とコイルスレッド5との間の摩擦力が増加し、トルクネジ6が固定された軸3のトルクが増加することとなる。これにより、扉を開くにつれて徐々にトルクが増して扉が徐々に重くなる。
【0021】また、開いた扉を閉める場合、この軸3のトルクが増加した状態で、軸3をその周方向の他方(図1中、矢印と反対の方向)に向かって回動すると、押しピン7、7が、カムフランジ4の傾斜面4b、4bに接触しつつその周方向の他方に向かって回動することにより、カムフランジ4が軸3の軸心方向に沿って傾斜面4b、4bの高さだけ移動し、コイルスレッド5はその高さ分拡張されることとなる。したがって、そのピッチは、傾斜面の高さ/ピッチの数だけ広がる。
【0022】このコイルスレッド5のピッチが広がることにより、このコイルスレッド5と嵌合するトルクネジ6がコイルスレッド5の圧接力から開放され、このトルクネジ6とコイルスレッド5との間の摩擦力が減少し、トルクネジ6が固定された軸3のトルクが減少することとなる。これにより、扉を閉めるにつれて徐々にトルクが減少し、扉が徐々に軽くなる。
【0023】これにより、軸3を回動することにより、回動の大きさに比例して軸3のトルクが変化し、このダンパーユニットが設けられた扉等を常に適当なフリクションで開閉することが可能になる。
【0024】図8は、本実施の形態のカムフランジの変形例を示す斜視図であり、このカムフランジ51の主面の中心部には、軸3を挿通するための穴41が形成され、この主面には穴41から半径方向外方に向かって延びる隔壁42が形成され、この主面は、隔壁42の一方の側面を起点、他方の側面を終点とする周方向の一方に傾斜した傾斜面51aとされている。
【0025】このカムフランジ51では、カムの部分の回動方向のカム形状形成範囲を変えることにより、軸3の回動範囲を自由に変えることができる。したがって、ドア等の回動角度のニーズに応じたダンパを提供することができる。
【0026】以上説明したように、本実施形態のダンパーユニットによれば、軸3に同軸的に設けられたカムフランジ4と、第1の枠1の内面1aとカムフランジ4の内側の面4aとの間に圧入固定されたコイルスレッド5と、軸3に同軸的に固定されコイルスレッド5と嵌合するトルクネジ6と、第2の枠2に固定されかつカムフランジ4の傾斜面4b、4bに当接する押しピン7とを備えたので、軸3を回動させるだけで当該軸3のトルクを連続的に変化させることができ、このダンパーユニットが設けられた扉等を常に適当なフリクションで開閉することができる。
【0027】また、オイル式ダンパ等を用いない構成であるから、構造が簡単であり、しかも耐久性に優れている。また、構造が簡単で部品点数も少ないので、ダンパーユニットの製品価格を安価とすることができる。
【0028】以上、本発明のダンパーユニットの一実施の形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。
【0029】例えば、本実施の形態では、カーオーディオ機器のダッシュボードに適用したが、このダンパーユニットは、開閉の度合いに応じてトルクが変化する箇所に取り付けられたものであればよく、このダッシュボード以外に、例えば、各種ドア、電気釜の蓋、自動販売機の取り出し口の扉、カーオーディオ機器のダッシュボード用扉、便器の蓋等のヒンジ部に適用することができる。
【0030】また、コイルスレッド5のコイル部分の断面形状を、菱型状としたが、この菱型状の他に、方形状、矩形状、円形状、楕円形状のいずれか1種または2種以上の組み合わせとしてもよい。また、コイルスレッド5及びトルクネジ6のそれぞれのピッチは、その形状及び大きさに合わせて適宜変更可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のダンパーユニットによれば、第1の枠と、該第1の枠に同軸的に配置された第2の枠と、前記第1の枠に回動自在に配置されかつ前記第2の枠に固定された軸と、当該軸に同軸的に配置され一方の主面が周方向の一方に傾斜した傾斜面とされたカムフランジと、前記第1の枠の内面と該カムフランジの他方の主面との間に圧入固定されたコイル型ネジと、前記軸に同軸的に固定され前記コイル型ネジと嵌合する雄ネジと、前記第2の枠に固定されかつ前記カムフランジの傾斜面に当接するピンとを備えたので、軸をその周方向に回動させるだけで当該軸のトルクを連続的に変化させることができ、このダンパーユニットが設けられた扉等を常に適当なフリクションで開閉することができる。
【0032】また、オイル式ダンパ等を用いない構成であるから、構造が簡単であり、しかも耐久性に優れている。また、構造が簡単で部品点数も少ないので、ダンパーユニットの製品価格を安価とすることができる。
【出願人】 【識別番号】391007024
【氏名又は名称】株式会社アドバネクス
【出願日】 平成12年3月27日(2000.3.27)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2001−271553(P2001−271553A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−87569(P2000−87569)