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【発明の名称】 扉の開閉機構及びこれを用いた滅菌器
【発明者】 【氏名】田中 智

【要約】 【課題】省スペース化を図り、コンパクトに形成できて、清浄性にも優れた扉の開閉機構及び滅菌器を提供する。

【解決手段】缶体10の上部に缶体の前面から側方にかけてレール16を固定し、該レール16に移動自在に扉12を吊持して缶体10の前面と缶体10の側方との間で扉12を移動することにより、缶体10の開口部を開閉自在に設けた滅菌器において、前記缶体10の上部に、扉12が開閉移動する移動範囲の略2分の1の移動ストロークを有し前記レール16と平行に突出入する駆動ロッド32を備えたエアシリンダ30を支持し、 前記駆動ロッド32の前端に滑車40を支持し、該滑車40を経由して、扉12の移動方向と平行な直線上で一端が扉12に係止され他端が前記レール16に対して固定された一対のワイヤ42a、42bを、滑車40に対する一方と他方のワイヤの一端側と他端側の配置を対称に装着したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レールに移動自在に扉を吊持し、レールの一方側と他方側に扉を移動して開口部を開閉する扉の開閉機構において、前記レールに、扉が開閉移動する移動範囲の略2分の1の移動ストロークを有し該レールと平行に突出入する駆動ロッドを備えたエアシリンダを支持し、前記駆動ロッドの前端に滑車を支持し、該滑車を経由して、扉の移動方向と平行な直線上で一端が扉に係止され他端が前記レールに固定された一対のワイヤを、滑車に対する一方と他方のワイヤの一端側と他端側の配置を対称に装着したことを特徴とする扉の開閉機構。
【請求項2】 缶体の上部に缶体の前面から側方にかけてレールを固定し、該レールに移動自在に扉を吊持して缶体の前面と缶体の側方との間で扉を移動することにより、缶体の開口部を開閉自在に設けた滅菌器において、前記缶体の上部に、扉が開閉移動する移動範囲の略2分の1の移動ストロークを有し前記レールと平行に突出入する駆動ロッドを備えたエアシリンダを支持し、前記駆動ロッドの前端に滑車を支持し、該滑車を経由して、扉の移動方向と平行な直線上で一端が扉に係止され他端が前記レールに対して固定された一対のワイヤを、滑車に対する一方と他方のワイヤの一端側と他端側の配置を対称に装着したことを特徴とする滅菌器。
【請求項3】 ワイヤを引っ張り方向に付勢して装着したことを特徴とする請求項2記載の滅菌器。
【請求項4】 缶体の上部に、缶体の上部から缶体の側方に延出する支持枠を設け、該支持枠に前記レールを支持するとともに、前記ワイヤの他端を支持枠に固定したことを特徴とする請求項2または3記載の滅菌器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は扉の開閉機構及びこれを用いた滅菌器に関し、より詳細にはレールに扉を吊持して開閉させる機構及びこの開閉機構を用いた滅菌器に関する。
【0002】
【従来の技術】大型の滅菌用オートクレーブには、図6、7に示すように、滅菌用の缶体10の前面に扉12を配置し、扉12を左右に移動させて缶体10を開閉するように形成した装置がある。図示例の滅菌器は、缶体10の上部に支持枠14を缶体10の前面から側方に向けて延設し、支持枠14にレール16を取り付けて、レール16に扉12を吊持したものである。15は支持枠14の支持アームである。18は扉12をレールに支持する吊りアーム、20はレール16上で回動自在に取り付けたローラである。
【0003】図6は、チェーン駆動により扉12を左右に移動させて開閉する滅菌器である。22が駆動源としてのモータ、24がチェーンである。チェーン24はモータ22の駆動軸に固定したスプロケット26と、支持枠14に固定した固定スプロケット27との間に掛け渡されている。扉12の上部に取り付けたアーム28にチェーン24に形成したフックを係止し、モータ22の駆動軸を正逆回転駆動することによってチェーン24を正逆循環移動させ、扉12を左右に移動させるように形成されている。図6(a)は、扉12が缶体10の開口部を閉止した状態、図6(b)は、扉12が缶体10の側方に移動し開口部10aが開放された状態である。
【0004】図7は、エアシリンダ30を駆動源として扉12を開閉する滅菌器である。エアシリンダ30の駆動ロッド32の前端に扉12の上部に固定されたアーム28を連結し、エアシリンダ30を駆動して駆動ロッド32を突出入させることによって扉12を移動させる。エアシリンダ30は、駆動ロッド32が扉12の移動方向と同方向に突出入するように配置されており、駆動ロッド32により押動されて扉12が左右に移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の滅菌器で扉を缶体の前面とその側方に移動させて扉の開閉を行う装置の場合には、図6に示すようなチェーン駆動によって扉を移動させる方法が多く利用されている。しかしながら、チェーン駆動によって扉を移動させる方式の場合は、チェーンに付着した油が扉を移動する際に飛散することがあり得ることから、高度の清浄度が要求される病院等で使用する際に環境を汚染するという問題があった。
【0006】また、エアシリンダを駆動源とする場合は、オイルが飛散する問題は解消できるものの、扉を移動させるストロークをとるためにエアシリンダ30の本体部分が必然的に長大にならざるを得ず、このため図7に示すように、エアシリンダ30を缶体10に設置した際に、エアシリンダ30の本体が缶体10の側面部分よりも外方に突出する形態になる。このため、エアシリンダ30を駆動源とした場合は、省スペース化の点で問題があった。
【0007】そこで、本発明はこれらの問題点を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、扉を移動させる駆動機構をコンパクト化して省スペース化を図ることができ、チェーン駆動によって油が飛散するといった問題を解消して、より清浄度の高い装置として提供することができる扉の開閉機構及びこれを用いた滅菌器を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
【0009】すなわち、レールに移動自在に扉を吊持し、レールの一方側と他方側に扉を移動して開口部を開閉する扉の開閉機構において、前記レールに、扉が開閉移動する移動範囲の略2分の1の移動ストロークを有し該レールと平行に突出入する駆動ロッドを備えたエアシリンダを支持し、前記駆動ロッドの前端に滑車を支持し、該滑車を経由して、扉の移動方向と平行な直線上で一端が扉に係止され他端が前記レールに固定された一対のワイヤを、滑車に対する一方と他方のワイヤの一端側と他端側の配置を対称に装着したことを特徴とする。
【0010】また、缶体の上部に缶体の前面から側方にかけてレールを固定し、該レールに移動自在に扉を吊持して缶体の前面と缶体の側方との間で扉を移動することにより、缶体の開口部を開閉自在に設けた滅菌器において、前記缶体の上部に、扉が開閉移動する移動範囲の略2分の1の移動ストロークを有し前記レールと平行に突出入する駆動ロッドを備えたエアシリンダを支持し、前記駆動ロッドの前端に滑車を支持し、該滑車を経由して、扉の移動方向と平行な直線上で一端が扉に係止され他端が前記レールに対して固定された一対のワイヤを、滑車に対する一方と他方のワイヤの一端側と他端側の配置を対称に装着したことを特徴とする。
【0011】また、ワイヤを引っ張り方向に付勢して装着したことを特徴とする。
【0012】また、缶体の上部に、缶体の上部から缶体の側方に延出する支持枠を設け、該支持枠に前記レールを支持するとともに、前記ワイヤの他端を支持枠に固定したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0014】図1は本発明に係る扉の開閉機構の一適用例として滅菌器の一実施形態の構成を示す正面図である。本実施形態の滅菌器は、缶体10の前面と缶体10の側方との間で扉12を往復移動させることによって缶体10を開閉する装置である。扉12を移動させる駆動源としてエアシリンダを使用し、動滑車の作用を利用して扉12を移動するものである。
【0015】実施形態の滅菌器の全体的な構成は、従来の滅菌器と同様である。すなわち、缶体10の上部に支持枠14を固設し、支持枠14に扉12をガイドして移動させるレール16を取り付ける。レール16は缶体10の前面と平行に、缶体10を閉止する位置から、缶体10の開口部10aを完全に開放する側方位置まで扉12を移動可能に延設する。扉12の移動ストローク量は、扉12の幅寸法と略同寸法になる。17は扉12が開き位置まで移動した際に扉12の移動位置を規制するストッパである。15は支持枠14及びレール16を支持する補強用の支持アームである。12aは扉12の補強体で、扉12の外面に上下方向に所定間隔をあけて横設されている。
【0016】扉12は吊りアーム18、18を介してレール16に吊持して支持する。吊りアーム18、18にはローラ20が取り付けられ、レール16上をローラ20が転動することによって扉12が左右に移動する。
【0017】図4にレール16、吊りアーム18、ローラ20の構成を拡大して示す。吊りアーム18は下部側が扉12の外面にボルトによって固定され、上部側の側面にローラ20が転動自在に支持され、ローラ20がレール16に当接して転動可能となっている。
【0018】図1で、30が扉12を左右に移動させる駆動源としてのエアシリンダである。エアシリンダ30は扉12の移動方向と平行にシリンダ本体から駆動ロッド32が突出入するよう支持枠14に固定する。34は駆動ロッド32の前端に固定したスライド板である。スライド板34はその下面でスライドガイド36に移動自在に支持される。スライドガイド36は駆動ロッド32の突出入方向に平行に、駆動ロッド32が往復移動する範囲にわたって支持枠14上に固定する。
【0019】本実施形態で駆動ロッド32が突出入するストローク量は扉12が左右に移動する移動距離の1/2に設定している。これは、動滑車の作用を利用することによって駆動ロッド32のストローク量を扉12の全移動量の1/2に設定できることによるものである。駆動ロッド32のストローク量を扉12の移動量の1/2にしたことで、エアシリンダ30のシリンダ本体の長さを従来よりも短くすることができ、支持枠14の長さ範囲内で駆動ロッド32を移動させてエアシリンダ30を配置することが可能となる。図1で、34は駆動ロッド32が最もシリンダ本体に引き込まれた位置、34aは駆動ロッド32がシリンダ本体から最も突出した位置である。駆動ロッド32が最も引き込まれた位置が扉12によって缶体10が閉止される位置、駆動ロッド32が最も突出した位置が缶体10が開放される位置である。
【0020】エアシリンダ30と滑車40とは、スライド板34の側面で回動自在に滑車40を取り付けることにより、駆動ロッド32の突出入操作とともに滑車40が移動可能となる。
【0021】図4に示すように、スライド板34はスライドガイド36によって扉12の移動方向と平行に移動可能であり、滑車40はスライド板34に立設した支持ブロック38に軸支されている。滑車40の外周に掛けたワイヤは、図1で滑車40の右側部分に配置されるワイヤ42aと、滑車40の左側部分に配置されるワイヤ42bの一対のワイヤである。これらワイヤ42a、42bは、ともに一端が扉12に固定され他端が支持枠14に固定される。
【0022】44は吊りアーム18、18の上端部間に固定した固定板である。滑車40の右側に配置するワイヤ42aは、一端が固定板44a上で右側の吊りアーム18に近接した位置に固定され、他端が支持枠14上で缶体10の側面から1/3程度支持枠14の先端側に寄った位置に固定される。46aはワイヤ42aの他端を支持枠14に固定するボルトである。ボルト46aは支持枠14に固定した係止板48に、ワイヤ42aを支持枠14の上端から若干離間させて支持すべく取り付けられる。ワイヤ42aは、固定板44aに固定した一端側から滑車40の左半部を略半周して右側のボルト46aに到る。
【0023】滑車40の左側に配置されるワイヤ42bは、一端が固定板44b上で左側の吊りアーム18に近接した位置に固定され、他端が支持枠14上でエアシリンダ30の前端部近傍位置に固定される。46bがワイヤ42bの他端を支持枠14に固定するボルトである。ワイヤ42bは、固定板44に固定した一端側から滑車40の右半部を略半周してボルト46bに到る。
【0024】このように、滑車40の右側と左側とにワイヤ42a、42bを振り分けて配置したことによって、ワイヤ42a、42bは滑車40を中心として点対称的に配置される。図1でワイヤ42aは滑車40の上側から右方向に延出し、ワイヤ42bは滑車40の下側から左方向に延出する。
【0025】図2は、扉12、支持枠14、エアシリンダ30及びワイヤ42a、42b等の平面配置を示す。エアシリンダ30及びスライドガイド36が支持枠14の長手方向と平行に配置されていること、滑車40に掛けたワイヤ42aの他端側が、滑車40に掛けられた位置から扉12の移動方向と平行に右側に延出し、ワイヤ42bの他端側が逆向きの左側に延出していることを示す。44bが固定板であり、ワイヤ42aの一端が固定板44aに、ワイヤ42bの一端が固定板44bに固定されている。
【0026】図4で、52は固定板44の幅方向の端部に固定した係止ブロックである。この係止ブロック52はワイヤ42aの一端部を固定板44に固定するために設けたものである。図では、一方のワイヤ42aの一端部を固定した係止ブロック52を示すが、他方のワイヤ42bの一端部についても、固定板44に同様に係止ブロックを固定し、ワイヤ42bの端部を固定している。
【0027】同図に示すように、滑車40には滑車溝にワイヤ42a、42bを隣り合わせに掛けている。
【0028】図5は、図1の状態で滑車40の近傍部分の構成を拡大して示す平面図である。滑車40に2本のワイヤ42a、42bが掛けられていること、一方のワイヤ42aは係止ブロック52に一端が固定され、滑車40の下側から滑車40の左半部を通過して滑車40の上側に引き出されていること、他方のワイヤ42bはボルト46bに他端が固定され、滑車40の上側から滑車40の右半部を通過して滑車40の下側に引き出され左側に延出する。
【0029】50はボルト46bを支持する係止板50である。ボルト46bはワイヤ42bの他端側を係止板50に接近させる向きに付勢して係止板50に取り付けられている。54はボルト46bと係止板50の側面との間に装着した弾発スプリングである。ボルト46bは軸線方向にスライド移動可能に係止板50に装着され、弾発スプリング54の付勢力によってワイヤ42bの他端側を係止板50の方向に常時引いている。弾発スプリング54の付勢力によってワイヤ42bに作用する引っ張り力はアジャスタ56のボルト46bへの突出入量を変えることにより調節することができる。
【0030】なお、図1、2に示す一方のワイヤ42aの他端を係止されるボルト46aについてもボルト46bとまったく同様に弾発スプリングが装着され、ワイヤ42aの他端側に一定の付勢力による引っ張り力が作用するように構成している。
【0031】本実施形態の滅菌器における扉12の開閉作用は以下の作用によってなされる。
【0032】図1は、エアシリンダ30の駆動ロッド32がシリンダ本体に完全に引き込まれて、扉12が缶体10の開口部を閉止した状態である。この状態で、一方のワイヤ42aの滑車40の下側で固定板44aに固定される一端側は滑車40に近接した位置にあり、ワイヤ42aの他端側は滑車40の上側から右側に向けて長く延出した状態にある。また、他方のワイヤ42bの滑車40の下側で固定板44bに固定される一端側は滑車40から左方に延出し、滑車40の上側の他端側は滑車40に近接した位置にある。
【0033】この状態から、エアシリンダ30を駆動して駆動ロッド32がシリンダ本体から突出開始すると、駆動ロッド32の前端に固定されたスライド板34が右方に移動開始し、これとともに滑車40が回転して、左側のワイヤ42bでは固定板44bに固定された一端側が右方に引き出されるようになる。駆動ロッド32によりスライド板34を介して滑車40を押動する操作は、動滑車の作用によってワイヤ42bを引き出す作用にあたる。すなわち、駆動ロッド32により滑車40を距離L右方に押し出すと、ワイヤ42bの固定板44bに固定されている一端は距離2L右方に移動する。固定板44bが距離2L右方に移動するということは、扉12が距離2L移動するということである。
【0034】したがって、駆動ロッド32により滑車40を移動させて扉12を開放位置まで移動させるには、駆動ロッド32は扉12を閉止位置から開放位置へ移動させるに必要な距離の1/2の距離を移動させればよいことになる。
【0035】駆動ロッド32が完全に突出位置まで移動する際、すなわち、スライド板34がスライド板34aの位置まで移動する際に、扉12は固定板44bがワイヤ42bによって引っ張られることにより開放位置まで移動する。扉12は吊りアーム18、18によって吊持されており、ローラ20がレール16上で転動することによって右方に移動する。
【0036】図3は、扉12が開放位置まで移動した状態の正面図である。固定板44bは缶体10から右方に張り出した支持枠14の位置まで移動しており、滑車40の右側に配置するワイヤ42aは、滑車40の上側から延出する他端側がボルト46aに近接した位置にあり、滑車40の下側から右側に延出する一端側が滑車40から離間して固定板44の先端側に延出する状態になる。また、滑車40の左側に配置するワイヤ42bは、滑車40とボルト46bとが離間した位置となって、滑車40の上側から左方にワイヤ42bが長く延出し、滑車40の下側ではワイヤ42bの一端側が滑車40に近接して固定板44bに固定された配置となる。
【0037】すなわち、扉12が缶体10を閉止した位置にある際には、右側のワイヤ42aは滑車40の上側から右方に延出し、左側のワイヤ42bは滑車40の下側から左方に延出し、扉12が右側に移動して缶体10を開放した位置にある際には、右側のワイヤ42aは滑車40の下側から右方に延出し、左側のワイヤ42bは滑車40の上側から左方に延出する配置となる。
【0038】扉12を開放位置から閉止位置に移動させる際は、扉12を開放させる移動方向とは逆に、駆動ロッド32を突出位置から引き込み位置に移動させればよい。この場合は、駆動ロッド32の移動とともに右側のワイヤ42aによって固定板44aが左方に引っ張られて扉12が左方に移動する。その際、右側のワイヤ42aは、滑車40の下側の延出長さが徐々に短くなるとともに滑車40の上側の長さが長くなっていき、左側のワイヤ42bは、滑車40の上側の延出長さが徐々に短くなるとともに滑車40の下側の長さが徐々に長くなっていく。そして、駆動ロッド32が完全に引き込み位置まで移動することにより、扉12が図1に示す閉止位置まで移動する。
【0039】駆動ロッド32が往復動する際には滑車40の外面上をワイヤ42a、42bが移動するから、ワイヤ42a、42bの長さは、少なくとも滑車40が移動する範囲でワイヤ42a、42bが滑車40の外面上を通過できる長さに設定する必要がある。
【0040】なお、本実施形態では、前述したように、ボルト46a、46bに弾発スプリング54を取り付けて、ワイヤ42a、42bの他端部をボルト46a、46bに弾性的に引き寄せるようにしている。このようにワイヤ42a、42bを弾性的に引き寄せるようにしているのは、駆動ロッド32を突出入させて滑車40を移動させ、扉12を移動する際に、扉12とワイヤ42a、42bに作用する衝撃力を緩和し、スムーズに扉12が移動できるようにするためである。
【0041】また、ワイヤ42a、42bを弾性的に引き寄せる他の作用として、扉を缶体にシールする方法としてフローティングシールを採用した場合等で、扉が缶体のフランジ面に対し若干前後動することがあることから、この扉の移動分を逃がす目的もある。フローティングシールによって扉を缶体に閉止する場合は、容器に対する陰圧、陽圧によって扉が前後動する。ワイヤ42a、42bを弾性的に引き寄せるようにしておけば、このような扉の移動分を吸収してスムーズな扉の開閉を行うことが可能である。
【0042】以上のように、本実施形態の滅菌器は、エアシリンダ30と滑車40及びワイヤ42a、42bとを組み合わせることによって、エアシリンダ30を駆動源として扉12を開閉移動可能としたものである。そして、このエアシリンダ30と滑車40及びワイヤ42a、42bとの組み合わせは、エアシリンダ30の駆動ロッド32の移動距離を扉12の実際の移動距離よりも短くすることを可能とし、これによって移動機構をコンパクトに形成することを可能にしたという利点がある。また、移動機構にワイヤ42a、42bを使用することによって、チェーン駆動の際には使用する潤滑油を使用する必要がなく、滅菌器の清浄性を向上させることが可能になるという利点がある。
【0043】なお、エアシリンダ30およびワイヤ42a、42bの配置は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、適宜改変することが可能である。たとえば、上記実施形態では、エアシリンダ30を駆動ロッド32が右側になるように缶体10の上部に配置したが、エアシリンダ30の向きを逆向きにして支持枠14の先端側に配置し、滑車40に掛けるワイヤ42a、42bの配置も図1に示す例とは逆向きにするといった配置形態とすることも可能である。また、上記実施形態では滑車40はスライド板34に立てた形式としているが、スライド板34の板面と平行にスライド板34の下面に横置きした形式とすることも可能である。この場合も、上記実施形態と同様に、一対のワイヤを滑車に対して逆向きに掛けることによって同様の作用を奏することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る滅菌器によれば、上述したように、エアシリンダとワイヤ及び滑車の組み合わせにより、駆動ロッドの移動量が小さなエアシリンダを用いて扉を開閉移動することが可能となることから、滅菌器をコンパクトに形成することができ、好適に省スペース化を図ることが可能になる。また、エアシリンダとワイヤとを使用することにより、使用時にオイルが飛散するといった問題をなくすことができ、きわめて清浄性の高い滅菌器として提供することが可能になる等の著効を奏する。
【出願人】 【識別番号】000148025
【氏名又は名称】株式会社千代田製作所
【出願日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【代理人】 【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−241260(P2001−241260A)
【公開日】 平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願番号】 特願2000−49402(P2000−49402)