| 【発明の名称】 |
モータアクチュエータ |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 利雄
【氏名】三浦 順
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| 【要約】 |
【課題】ウインドガラス等の移動体の所定の二箇所の移動位置を検出してこの移動体の移動を制御でき、かつこれを簡単な構造で低コストにより実現できるモータアクチュエータを得る。
【解決手段】パワーウインド装置に適用されウインドガラスを移動させるためのモータアクチュエータに装備された位置検出装置30は、モータの出力軸に連動するリングギヤ46に、移動接点50A、50B、及び移動接点51A、51Bが設けられており、モータ出力軸の回転位置すなわちウインドガラスの二箇所の移動位置をそれぞれ検出することができる。したがって、これらの検出信号を挟み込み防止機能に利用できるのみならず、ウインドガラス全開の際のモータの速度制御のためにも利用してガラス衝突音を低減することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 正逆方向に回転するモータと、前記モータの出力軸に連動する移動接点と前記移動接点に接触可能な固定接点とから成り、前記移動接点が固定接点に接触してON/OFF作動することによって前記出力軸の所定の回転位置を検出可能なスイッチ部と、前記モータの出力軸と一体に回転するサンギヤとこのサンギヤと共に遊星歯車組を構成するリングギヤ及びプラネタリギヤを有し、前記モータの出力軸から伝達された回転力によって前記出力軸に連動し、前記出力軸の所定の回転位置において前記スイッチ部を作動させる作動機構と、通常は前記プラネタリギヤの公転を阻止することにより前記出力軸の回転力を前記プラネタリギヤから前記リングギヤへ伝達してリングギヤを回転させ、前記スイッチ部が一旦作動した後には前記プラネタリギヤの公転を可能とすることにより前記出力軸から前記リングギヤへの継続する方向の回転力の伝達を遮断するクラッチ機構と、を備えたモータアクチュエータにおいて、前記出力軸の所定の回転位置として、正方向回転時における第1の所定の回転位置と逆方向回転時における第2の所定の回転位置とを設定し、かつ、前記スイッチ部の移動接点を、前記第1の所定の回転位置及び第2の所定の回転位置にそれぞれ対応して前記遊星歯車組のリングギヤに一体に二箇所に設けた、ことを特徴とするモータアクチュエータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両ドアのウインドガラスを開閉移動するパワーウインド装置やサンルーフを開閉移動するサンルーフ装置等に用いられるモータアクチュエータに関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、車両のウインドガラスを上下に開閉移動させるパワーウインド装置やサンルーフを開閉移動するサンルーフ装置には、駆動源としてモータが用いられている。 【0003】ここで、例えばパワーウインド装置においては、ウインドガラスに乗員の身体や異物が不要に挟み込まれることを防止した所謂挟み込み防止機能を有するものがある。この種の挟み込み防止機能を有したパワーウインド装置では、ドアの所定位置にリミットスイッチを配置し、このリミットスイッチからの信号とモータのロック電流とを基にウインドガラスに異物が挟み込まれたか否かを判断してウインドガラスの移動すなわちモータの回転位置を制御する構成のものや、ホールICや特別なコンミテータを設けることによりアーマチャの回転数を検出しこの回転数検出信号(パルス信号のパルス数やパルス幅)を基に前記挟み込まれたか否かを判断してモータの回転位置を制御する構成のものがある。 【0004】しかしながら、このようなパワーウインド装置(モータの回転位置検出機構)では、モータやウインドレギュレータを組付ける際に組付け位置の煩雑な調節や組付けた後の煩雑なリセットが不可欠であり、また挟み込み防止機構を構成する場合等には制御装置等の他の部品がコスト高で精度も悪い等の欠点があった。 【0005】そこで、このような欠点を解消できる移動体の位置検出装置(モータアクチュエータ)を既に本出願人が提案している(一例として、特願平6−175873号、特願平8−45189号等)。 【0006】この移動体の位置検出装置(モータアクチュエータ)は、装置のカバープレートに回転可能に保持されるリングギヤとこのリングギヤに噛み合うプラネタリギヤから成る遊星歯車組や、遊星歯車組のリングギヤに一体に設けられリングギヤと共に回転する移動接点とカバープレートに固定され移動接点に接触可能な固定接点とから成るスイッチ部、あるいは、移動体(モータ出力軸)からリングギヤへの正方向の回転力の伝達を遮断するクラッチ機構等を備えた構成となっている。 【0007】この移動体の位置検出装置(モータアクチュエータ)を用いた挟み込み防止機能を有するパワーウインド装置においては、ウインドガラスが異物を挟み込んだか否かを判断し挟み込んだ時にウインドガラスを反転させる「感帯」と、ウインドガラスが異物を挟み込んだか否かを判断せず異物を仮に挟み込んだ時にもウインドガラスを反転させない「不感帯」と、を設定し、この「感帯」と「不感帯」との境界を検出するために前記位置検出装置(モータアクチュエータ)のスイッチ部を利用している。換言すれば、前記位置検出装置(モータアクチュエータ)のスイッチ部からの信号に基づいて、ウインドガラスが「感帯」に位置しているのかあるいは「不感帯」に達したのかを判定するように構成されている。 【0008】これにより、ウインドガラスが真に異物を挟み込んだか否かを確実に検出できると共に、ウインドガラスの位置を高精度に検出してその移動を制御することができるのみならず、煩雑な調節を伴うこと無く初期位置の設定ができ、かつこれを簡単な構造で低コストにより実現できる。 【0009】ところで、前述の如きパワーウインド装置においては、ウインドガラスを全開させる場合に、ウインドガラスが全開位置に達した時点でモータのロック電流等を基にこれを判断してモータを停止させるように構成しているが、ウインドガラスが通常の降下速度のままで全開位置に達することにより当然ながら「コツン」といったガラスの衝突音が発生した。このようなウインドガラス全開時におけるガラスの衝突音は、乗員に不快感を与える原因となったり、車両の高級感を損なう原因となるため、これを防止する対策が望まれていた。 【0010】この場合、モータ出力軸の回転に伴ってパルスを発生・検出する手段を設け、このパルス信号に基づいてウインドガラスの移動位置をリニアに検出することができるように構成し、これによって、前述の如きウインドガラスが全開位置に達した際のウインドガラス衝突音の発生を防止するように対策することも考えられる。しかしながら、このようなパルス信号発生・検出手段に基づいた対策では、例えば車両電源が一時的に遮断されたような場合(例えば、整備等のためにバッテリーを取り外した場合)にその後に電源が復帰しても対応することができず、また、部品点数が増加したり構造が複雑になって却ってコスト高になってしまう。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考慮し、ウインドガラス等の移動体の所定の一の移動位置を高精度に検出してその検出信号を挟み込み防止機能等に利用することができるのみならず、この所定の一の移動位置とは別の他の移動位置をも検出して別の新たな機能のために利用することができ、かつこれを部品点数が増加したり構造が複雑になることなく簡単な構造で低コストにより実現できるモータアクチュエータを得ることが目的である。 【0012】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のモータアクチュエータは、正逆方向に回転するモータと、前記モータの出力軸に連動する移動接点と前記移動接点に接触可能な固定接点とから成り、前記移動接点が固定接点に接触してON/OFF作動することによって前記出力軸の所定の回転位置を検出可能なスイッチ部と、前記モータの出力軸と一体に回転するサンギヤとこのサンギヤと共に遊星歯車組を構成するリングギヤ及びプラネタリギヤを有し、前記モータの出力軸から伝達された回転力によって前記出力軸に連動し、前記出力軸の所定の回転位置において前記スイッチ部を作動させる作動機構と、通常は前記プラネタリギヤの公転を阻止することにより前記出力軸の回転力を前記プラネタリギヤから前記リングギヤへ伝達してリングギヤを回転させ、前記スイッチ部が一旦作動した後には前記プラネタリギヤの公転を可能とすることにより前記出力軸から前記リングギヤへの継続する方向の回転力の伝達を遮断するクラッチ機構と、を備えたモータアクチュエータにおいて、前記出力軸の所定の回転位置として、正方向回転時における第1の所定の回転位置と逆方向回転時における第2の所定の回転位置とを設定し、かつ、前記スイッチ部の移動接点を、前記第1の所定の回転位置及び第2の所定の回転位置にそれぞれ対応して前記遊星歯車組のリングギヤに一体に二箇所に設けた、ことを特徴としている。 【0013】請求項1記載のモータアクチュエータでは、通常はクラッチ機構によってプラネタリギヤの公転が阻止されており、モータの出力軸が正逆方向に回転すると、出力軸の回転力はプラネタリギヤ及びリングギヤ機構へ伝達されてリングギヤが出力軸に連動して回転される。出力軸が正方向回転して第1の所定の回転位置に達すると、あるいは出力軸が逆方向回転して第2の所定の回転位置に達すると、リングギヤと共に回転する移動接点が固定接点と接触してスイッチ部が作動され、これにより、モータの出力軸の正方向回転時における第1の所定の回転位置、あるいは逆方向回転時における第2の所定の回転位置が検出される。 【0014】さらに、このように移動接点が固定接点と接触してスイッチ部が作動した状態においては、クラッチ機構によってプラネタリギヤの公転が可能とされ、出力軸からリングギヤへの継続する方向の回転力の伝達が遮断される。すなわち、移動接点が固定接点と接触して一旦スイッチ部が作動した後には、モータの出力軸が継続してそのまま同方向に回転してもリングギヤは不動で移動接点が固定接点に接触した状態が維持されたままとなる。 【0015】したがって、このモータアクチュエータを、例えば挟み込み防止機能を有する車両のパワーウインド装置に用いた場合には、例えば、モータの出力軸の正方向回転時における第1の所定の回転位置を、ウインドガラスが異物を挟み込んだか否かを判断し挟み込んだ時にウインドガラスを反転させる「感帯」と、ウインドガラスが異物を挟み込んだか否かを判断せず異物を仮に挟み込んだ時にもウインドガラスを反転させない「不感帯」との境界位置に対応して設定すれば、このモータアクチュエータのスイッチ部からの信号に基づいて、ウインドガラスが「感帯」に位置しているのかあるいは「不感帯」に達したのかを判定することができる。 【0016】また一方、モータの出力軸の逆方向回転時における第2の所定の回転位置を、ウインドガラスが全開位置に達する直前位置に対応して設定すれば、このモータアクチュエータのスイッチ部からの信号に基づいて、モータのスピードを制御することで(例えば、遅くすることで)、ウインドガラスが全開位置に達した際の「コツン」といったガラスの衝突音を小さくしたりあるいは無くすことができる。これにより、ウインドガラス全開時に乗員に不快感を与えたり、車両の高級感を損なうことがなくなる。 【0017】さらにこの場合、パルス信号発生・検出手段に基づいた対策ではないため、例えば車両電源が一旦遮断されたような場合(整備等のためにバッテリーを取り外した場合)であってもその後に電源が復帰した後には何らの影響無く対応することができる。また、部品点数が増加したり構造が複雑になることがなく、低コストにより実現できる。 【0018】このように、本発明に係るモータアクチュエータは、ウインドガラス等の移動体の所定の一の移動位置を高精度に検出してその検出信号を挟み込み防止機能等に利用することができるのみならず、この所定の一の移動位置とは別の他の移動位置をも検出して別の新たな機能のために利用することができ、かつこれを部品点数が増加したり構造が複雑になることなく簡単な構造で低コストにより実現できる。 【0019】なお、本発明に係るモータアクチュエータは、前述の如く車両のパワーウインド装置に適用できるのみならず、モータの作動によって移動体が移動されるもの、例えばサンルーフ装置やパワーシート装置等であっても適用することができ、このようなサンルーフやパワーシート等の移動体の移動を制御するために好適に利用することができる。 【0020】 【発明の実施の形態】図2には本発明の実施の形態に係るモータアクチュエータMの全体構成が斜視図にて示されている。また、図3にはこのモータアクチュエータMの全体構成が断面図にて示されている。 【0021】モータアクチュエータMは、モータ10と位置検出装置30とによって構成されている。 【0022】モータ10は、モータ部10Aとこのモータ部10Aに連結されたギヤ部10Bとによって構成されている。モータ部10Aの回転軸12はギヤ部10B内へ延出されており、先端にはウォームギヤ14が形成されている。このウォームギヤ14は、ギヤ部10B内に配置された回転ギヤホイール16に噛み合っている。 【0023】回転ギヤホイール16は、モータ出力軸としての軸20が、ギヤ部10Bのカバー18に回転可能に支持されている。このため、モータ部10Aが作動して回転軸12が回転すると、この回転力がウォームギヤ14を介して回転ギヤホイール16へ伝達されて軸20が回転するようになっている。軸20の先端には、出力嵌合部22が設けられており、ウインドレギュレータR(図7参照)の駆動部に連結される構成である。なおここで、本実施の形態においては、例えば軸20(出力嵌合部22)が3回転乃至3.5回転することによりウインドガラスG(図7参照)が1ストローク移動するように設定されている。 【0024】一方、ギヤ部10Bの出力嵌合部22と反対側の面には、位置検出装置30が取り付けられている。 【0025】図1に詳細に示す如く、位置検出装置30は、ベースプレート34及びカバープレート36を備えており、両者によって薄肉の略円筒形に構成されている。ベースプレート34には、中心部分に透孔38が形成されており、またカバープレート36の内周面には突起40が軸線方向に突出形成されている。 【0026】また、位置検出装置30は、モータ出力軸の延長部分を構成する連結シャフト42を備えている。この連結シャフト42は、その一端が回転ギヤホイール16の軸20に一体的に連結されて常に軸20と一体に回転し、さらに他端はベースプレート34に形成された透孔38を介して位置検出装置30(ベースプレート34及びカバープレート36)の内部に突出している。また、連結シャフト42の他端近傍には遊星歯車組を構成するサンギヤ44が設けられており、後述するプラネタリギヤ54に噛み合っている。さらに、連結シャフト42には、サンギヤ44の周辺近傍に複数(本実施の形態では4箇所)の突起45が突出形成されており、後述するパルスプレート192の嵌合孔198及びワッシャ220の連結孔224に嵌合している。 【0027】連結シャフト42の周囲には、遊星歯車組を構成するリングギヤ46がサンギヤ44に対向して配置されている。このリングギヤ46はカバープレート36に回転可能に収容されており、さらに図4乃至図6に詳細に示す如く、リングギヤ46の周囲にはフランジ部48が一体的に形成されている。フランジ部48はリングギヤ46と一体成形された導電板で、カバープレート36と反対側の周面一部には移動接点50A、50B、及び移動接点51A、51Bが設けられている。これらの移動接点50A、50B、及び移動接点51A、51Bは、それぞれ二段の円弧状に形成された非導電部で、フランジ部48と略同一面となるように形成されている。 【0028】ここで、移動接点50A、50Bの形成位置は、モータ10の正方向回転時における第1の所定の回転位置として設定されており、後に詳述する如く、ウインドガラスGが異物を挟み込んだか否かを判断し挟み込んだ時にウインドガラスGを反転させる「感帯」と、ウインドガラスGが異物を挟み込んだか否かを判断せず異物を仮に挟み込んだ時にもウインドガラスGを反転させない「不感帯」との境界位置に対応して設定されている。また一方、移動接点51A、51Bの形成位置は、モータ10の逆方向回転時における第2の所定の回転位置として設定されており、後に詳述する如く、ウインドガラスGが全開位置に達する直前位置に対応して設定されている。 【0029】さらに、フランジ部48の周縁一部には突部52が突出形成されている。この突部52は、前述のカバープレート36に形成された突起40に対応しており、リングギヤ46(フランジ部48)が正方向(図1の矢印A方向)に回転し所定の回転位置に達した時点で突部52が突起40に当接し(図4図示状態)、それ以上のリングギヤ46の正方向の回転が阻止される構成である。 【0030】リングギヤ46の内周部分には、サンギヤ44との間に、二個のプラネタリギヤ54が配置されている。これらのプラネタリギヤ54はキャリヤ56によって回転可能に支持されると共に、リングギヤ46及びサンギヤ44に共に噛み合っている。すなわち、これらのサンギヤ44、リングギヤ46及びプラネタリギヤ54は遊星歯車組を構成しており、連結シャフト42(すなわち、軸20)の回転を減速して伝達することができ、例えばキャリヤ56が保持されてプラネタリギヤ54の公転が阻止された状態においては、連結シャフト42(すなわち、軸20)の回転を減速してリングギヤ46へ伝達することができる構成である。 【0031】ここで、本実施の形態においては、サンギヤ44、リングギヤ46及びプラネタリギヤ54から成る遊星歯車組の減速比は、5.2:1とされており、ウインドガラスが1ストロークする間(サンギヤ44が3回転乃至3.5回転する間)にリングギヤ46は1回転以上はしないように構成されている。 【0032】なお、前記遊星歯車組の減速比は、5.2:1とするに限らず、所望により任意に設定することができる。 【0033】以上の構成のサンギヤ44、リングギヤ46及びプラネタリギヤ54から成る遊星歯車組は、カバープレート36によって被覆されると共に保護プレート200によって保持されてカバープレート36からの脱落が防止されている。カバープレート36とキャリヤ56との間には、クラッチ機構を構成するウェーブワッシャ58、及びワッシャ59が配置されている。ウェーブワッシャ58は、キャリヤ56に一体的に取り付けられている。また、ワッシャ59はカバープレート36の内周面に一体的に圧入されており、ウェーブワッシャ58はこのワッシャ59に圧縮状態で当接している。これにより、ウェーブワッシャ58は常にキャリヤ56を押圧しており、キャリヤ56は保護プレート200に当接している。このため、通常はキャリヤ56はウェーブワッシャ58による押圧力(キャリヤ56と保護プレート200との摩擦力)のために回転が阻止され、プラネタリギヤ54は公転が阻止された状態で保持されている。一方、リングギヤ46のフランジ部48の突部52が突起40に当接してそれ以上のリングギヤ46の正方向の回転が阻止された状態では、キャリヤ56の押圧力(保持力)を越えるサンギヤ44の正方向回転力が作用することでウェーブワッシャ58はキャリヤ56の保持を解除し、プラネタリギヤ54の公転を可能とするように構成されている。すなわち、ウェーブワッシャ58は、フランジ部48の突部52が突起40に当接した後においては、サンギヤ44(軸20)からリングギヤ46への正方向の回転力の伝達を遮断することができるようになっている。したがって、突部52が突起40に当接してリングギヤ46の回転が阻止された状態においては、サンギヤ44(軸20)が正方向(リングギヤ46を正方向へ回転させようとする方向)へ回転すると、プラネタリギヤ54のみが公転する。 【0034】また、カバープレート36には、一対二組の固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bが取り付けられている。各固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bは、弾力性を有する一対二組のコンタクトプレートとされており、固定接点60Aと固定接点60Bが一体に形成されると共に、固定接点61Aと固定接点61Bが一体に形成されている。これらの固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bは、一端がカバープレート36に固定されると共に、先端はリングギヤ46のフランジ部48へ向けてそれぞれ延出されており、先端部はフランジ部48(カバープレート36と反対側の周面)に弾力的に当接している。すなわち、固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bは、カバープレート36と反対側からリングギヤ46のフランジ部48(移動接点50A、50B)に圧接する構成である。 【0035】これらの固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bは、リングギヤ46の第1の所定の回転位置においては移動接点50A、50Bに接触し、リングギヤ46の第2の所定の回転位置においては移動接点51A、51Bに接触する。なお、固定接点60A、61Aは移動接点50A及び移動接点51Aに対応しており、固定接点60B、61Bは移動接点50B及び移動接点51Bに対応している。 【0036】さらに、これらの固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bはパワーウインド装置の制御回路に電気的に接続されており、移動接点50A、50B、あるいは移動接点51A、51Bが固定接点60A、60Bに共に接触して非導通状態となることにより、リングギヤ46の回転位置すなわちサンギヤ44の回転位置すなわち軸20の回転位置を検出することができる構成であり、後に説明するモータ10の回転制御に用いられる。 【0037】ここで、本実施の形態においては、例えば、図7に示す如くウインドガラスGが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達した時点で、突部52は突起40に当接する位置よりも所定の回転角度上流側の位置に達し、さらにこの時点で移動接点50A、50Bが固定接点60A、60Bに接触して非導通状態となり(第1の所定の回転位置)、さらに、その後は突部52が突起40に当接するまでの間、この非導通状態が維持されるように、各部の寸法等が設定されている。またさらに、ウインドガラスGが下端停止位置から上方へ所定距離離間した位置に達した時点で、移動接点51A、51Bが固定接点60A、60Bに接触して非導通状態となり(第2の所定の回転位置)、さらに、その後はウインドガラスが下端停止位置に達するまでの間、この非導通状態が維持されるように、各部の寸法等が設定されている。 【0038】なお、前述とは逆に、例えば、ウインドガラスGが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達し突部52が突起40に当接する位置よりも所定の回転角度上流側の位置に達した時点で、移動接点50A、50Bが固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bに共に接触して導通状態となるように構成し、これにより位置検出を行うようにしても良い。またさらに、前述の如く非導通状態や導通状態となった後には、必ずしもこの非導通状態や導通状態を電気的に維持する必要はなく、移動接点50A、50Bが固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bに接触することによるトリガ信号を検出することによって所定の回転位置に達したことを判別するように構成しても良い。 【0039】また、位置検出装置30は、パルス発生手段としてのパルスプレート192と、パルス検出手段としての摺動接点196を備えている。 【0040】パルスプレート192は薄肉の円板形に形成されており、中心部には嵌合孔198が形成されている。この嵌合孔198は、前述した連結シャフト42及びその突起45に対応して十文字形に形成されており、連結シャフト42及び各突起45が嵌入している。また、パルスプレート192に対し連結シャフト42と反対側には、ワッシャ220が配置されており、このワッシャ220と連結シャフト42とによってパルスプレート192を挟持している。ワッシャ220には、サンギヤ44に対応する透孔222、及び連結シャフト42の突起45に対応する連結孔224が形成されており、サンギヤ44及び各突起45が嵌入している。すなわち、サンギヤ44が設けられた連結シャフト42の突起45をパルスプレート192の嵌合孔198に嵌合させると共に各突起45をさらにワッシャ220の連結孔224に嵌合させ、かつこの挟持状態で突起45の先端部をワッシャ220にかしめることにより、パルスプレート192が連結シャフト42(サンギヤ44)に一体的に連結固定された構成である。これにより、パルスプレート192は常に連結シャフト42と一体的に回転する。 【0041】またパルスプレート192には、導電部194が設けられている。導電部194は、パルスプレート192の周縁に周方向に沿って設けられており、リング状の第1導電部194Aとこの第1導電部194Aに隣接しパルス状の凹凸が連続する第2導電部194Bとによって構成されている。 【0042】一方、摺動接点196は、基部がカバープレート36に固定されパルスプレート192の導電部194へ向けて延出されており、常に導電部194の第1導電部194Aに接触する入力接点196Aと、導電部194の第2導電部194Bに接触する出力接点196Bとによって構成されている。これにより、パルスプレート192の回転に伴ってパルス信号を検出することができる構成である。この検出したパルス信号は、ウインドガラスGの移動位置制御に用いられる。 【0043】なお、導電部194はパルスプレート192の上面に設けなくともパルスプレート192の周囲側壁に設けるようにしても良い。この場合、摺動接点196は、パルスプレート192の周囲側壁に対向してカバープレート36に固定される。 【0044】さらに、パルスプレート192とリングギヤ46(フランジ部48)との間には、前述した保護プレート200が配置されている。この保護プレート200は周縁部がカバープレート36に保持されて固定されており、リングギヤ46、キャリヤ56等を保持してカバープレート36からの脱落を防止すると共に、パルスプレート192とリングギヤ46(フランジ部48)との間に介在することにより、両者が不要に接触しないようにその移動を制限している。 【0045】以上の構成のモータアクチュエータMは、図7に示す如く、車両ドアD内に配置されたウインドレギュレータRの駆動部に取り付けられ、さらに上昇・降下スイッチSに接続される。 【0046】次に本実施の形態の作用を説明する。 【0047】先ず、パワーウインド装置の上昇スイッチが操作されてウインドガラスが上昇移動する場合について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。 【0048】上記構成のモータアクチュエータM(モータ10及び位置検出装置30)では、ステップ201においてパワーウインド装置の上昇スイッチが操作されると、ステップ202においてモータ10が作動して軸20が正方向へ回転し、これによりウインドレギュレータRが作動されてウインドガラスGが上昇される。 【0049】またここで、通常(ウインドガラスGの上昇途中)は、ウェーブワッシャ58によってキャリヤ56が押圧されて保持されており、プラネタリギヤ54は公転が阻止された状態となっている。したがって、軸20の回転に伴って、連結シャフト42(すなわち、サンギヤ44)の回転力がプラネタリギヤ54を介して減速されてリングギヤ46へ伝達され、リングギヤ46が正方向に次第に回転される。 【0050】次いで、ステップ204において、モータ10が第1の所定の回転位置、すなわちウインドガラスGが所定位置(上端停止位置から下方へ4mm離間した位置)に達したか否かが(換言すれば、ウインドガラスGが異物を挟み込んだか否かを判断する「感帯」か、それともこれを判断しない「不感帯」に達したかが)位置検出装置30によって検出される。 【0051】すなわち、位置検出装置30では、軸20の回転に伴って連結シャフト42(すなわち、サンギヤ44)の回転力がプラネタリギヤ54を介して減速されてリングギヤ46へ伝達され、リングギヤ46が正方向に次第に回転されるが、ウインドガラスが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達していなければ、突部52は突起40から大きく離間しており、移動接点50A、50Bは固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bから離間して非接触状態である。これにより、軸20の回転位置(ウインドガラスGが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達していないこと、すなわち、ウインドガラスGが「感帯」に位置していること)が検出される。この場合には、モータ10の作動は続行されながらステップ206へ進み、異物を挟み込んだか否かがモータ10のロック電流等を基に判断される。異物を挟み込んだことが検出されると、ステップ208にてモータ10が逆方向へ回転され、ウインドガラスGが降下される。一方、ステップ206において異物の挟み込みが検出されなければ、再びステップ204へ戻る。 【0052】一方、ステップ204において、ウインドガラスGが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置(第1の所定の回転位置)に達すると、突部52は突起40に当接する位置よりも所定の回転角度上流側の位置に達する。さらにこの時点で、移動接点50A、50Bが固定接点60A、60Bに共に接触して非導通状態となり、これにより、軸20の回転位置(ウインドガラスGが上端停止位置から下方へ4mm離間した位置に達したこと、すなわち、ウインドガラスが「不感帯」に達したこと)が検出される。 【0053】ステップ204においてモータ10の軸20が第1の所定の回転位置すなわちウインドガラスGが所定位置に達したことが検出されると、モータ10の作動が続行されながらステップ210へ進む。この際には、リングギヤ46の回転により移動接点50A、50Bと固定接点60A、60B、固定接点61A、61Bとの相対接触位置は変化するが、非導通状態は維持される(図4図示状態)。 【0054】ステップ210においては、ウインドガラスGが全閉したか否かがモータ10のロック電流等を基に判断される。ウインドガラスGの全閉が検出されると、ステップ212においてモータ10が停止され、処理を終了する。 【0055】次に、パワーウインド装置の降下スイッチが操作されてウインドガラスGが降下移動する場合について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。 【0056】上記構成のモータアクチュエータM(モータ10及び位置検出装置30)では、ステップ301においてパワーウインド装置の降下スイッチが操作されると、ステップ302においてモータ10が作動して軸20が逆回転し、これによりウインドレギュレータRが作動されてウインドガラスGが降下される。 【0057】この場合においても、ウインドガラスGの降下途中は、ウェーブワッシャ58によってキャリヤ56が押圧されて保持されており、プラネタリギヤ54は公転が阻止された状態となっている。したがって、軸20の回転に伴って、連結シャフト42(すなわち、サンギヤ44)の回転力がプラネタリギヤ54を介して減速されてリングギヤ46へ伝達され、リングギヤ46が逆方向に次第に回転される。 【0058】次いで、ステップ304において、モータ10が第2の所定の回転位置、すなわちウインドガラスGが下端停止位置(全開位置)から上方へ所定距離離間した位置に達したか否かが位置検出装置30によって検出される。 【0059】すなわち、位置検出装置30では、軸20の回転に伴って連結シャフト42(すなわち、サンギヤ44)の回転力がプラネタリギヤ54を介して減速されてリングギヤ46へ伝達され、リングギヤ46が逆方向に次第に回転されるが、ウインドガラスGが下端停止位置から上方へ所定距離離間した位置に達していなければ、移動接点51A、51Bは固定接点60A、61A、固定接点60B、61Bから離間して非接触状態である。 【0060】ステップ304において、ウインドガラスGが下端停止位置から上方へ所定距離離間した位置に達すると、図5に示す如く、移動接点51A、51Bが固定接点60A、60Bに共に接触して非導通状態となり、これにより、軸20の回転位置(ウインドガラスGが下端停止位置から上方へ所定距離離間した位置に達したこと)が検出される。 【0061】ステップ304においてモータ10の軸20が第2の所定の回転位置、すなわちウインドガラスGが所定位置に達したことが検出されると、ステップ306においてモータ10の逆方向回転速度が低下され、ウインドガラスGの降下速度が遅くなり、モータ10の作動が続行されながらステップ308へ進む。この際には、リングギヤ46の回転により移動接点51A、51Bと固定接点60A、60B、固定接点61A、61Bとの相対接触位置は変化するが、非導通状態は維持される。 【0062】ステップ308においては、ウインドガラスGが全開したか否かがモータ10のロック電流等を基に判断される。ウインドガラスGの全開が検出されると、ステップ310においてモータ10が停止され、処理を終了する。 【0063】このように、本実施の形態に係るモータアクチュエータMでは、モータ10の正方向回転時における第1の所定の回転位置(換言すれば、移動接点50A、50Bの形成位置)を、ウインドガラスGが異物を挟み込んだか否かを判断し挟み込んだ時にウインドガラスGを反転させる「感帯」と、ウインドガラスGが異物を挟み込んだか否かを判断せず異物を仮に挟み込んだ時にもウインドガラスGを反転させない「不感帯」との境界位置に対応して設定しているため、ウインドガラスGが「感帯」に位置しているのかあるいは「不感帯」に達したのかを判定して好適にウインドガラスGの移動制御を行うことができる。 【0064】さらにこれに加えて、このモータアクチュエータMでは、モータ10の逆方向回転時における第2の所定の回転位置(換言すれば、移動接点51A、51Bの形成位置)を、ウインドガラスGが全開位置に達する直前位置に対応して設定しており、このモータアクチュエータMの位置検出装置30からの信号に基づいて、モータ10の回転速度を制御しているため(ウインドガラスGが全開位置に達する直前位置で遅くしているため)、ウインドガラスGが全開位置に達した際の「コツン」といったガラスの衝突音を小さくしたりあるいは無くすことができる。これにより、ウインドガラスG全開時に乗員に不快感を与えたり、車両の高級感を損なうことがなくなる。 【0065】さらにこの場合、パルス信号発生・検出手段に基づいた対策ではないため、例えば車両電源が一旦遮断されたような場合(整備等のためにバッテリーを取り外した場合)であってもその後に電源が復帰した後には何らの影響無く対応することができる。また、部品点数が増加したり構造が複雑になることがなく、低コストにより実現できる。 【0066】このように、本発明に係るモータアクチュエータMは、ウインドガラスG等の移動体の所定の一の移動位置を高精度に検出してその検出信号を挟み込み防止機能等に利用することができるのみならず、この所定の一の移動位置とは別の他の移動位置をも検出して別の新たな機能のために利用することができ、かつこれを部品点数が増加したり構造が複雑になることなく簡単な構造で低コストにより実現できる。 【0067】なお、本発明に係るモータアクチュエータMは、前述の如く車両のパワーウインド装置に適用できるのみならず、モータの作動によって移動体が移動されるもの、例えばサンルーフ装置やパワーシート装置等であっても適用することができ、このようなサンルーフやパワーシート等の移動体の移動を制御するために好適に利用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000101352 【氏名又は名称】アスモ株式会社 【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月16日(2000.2.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−227239(P2001−227239A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月24日(2001.8.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−37608(P2000−37608) |
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