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【発明の名称】 ルーバー付トップライト装置
【発明者】 【氏名】安藤 洋志

【要約】 【課題】切妻型屋根の各傾斜面に沿ってルーバー付トップライトを設ける場合に各傾斜面に開閉機を必要とせず一方の開閉機のみで両ルーバーを駆動できるようする。

【解決手段】互いに隣接して設けられる少なくとも2つのトップライト2、2´に、作動バー16、16´の進退移動に伴うスラット14、14の揺動で開閉するように構成したルーバー6、6´を、前記各トップライト2、2´のそれぞれに沿って設けると共に、各ルーバー6、6´におけるそれぞれの作動バー16、16´の互いに近接する先端部分同士を、伝達機構8を介して連動可能に連結した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに隣接して設けられる少なくとも2つのトップライトに、作動バーの進退移動に伴うスラットの揺動で開閉するように構成したルーバーを、前記各トップライトのそれぞれに沿って設けると共に、各ルーバーにおけるそれぞれの作動バーの互いに近接する先端部分同士を、伝達機構を介して連動可能に連結したことを特徴とするルーバー付トップライト装置。
【請求項2】請求項1において、前記伝達機構は、各ルーバーにおけるそれぞれの作動バーの互いに隣接する先端部分に設けられるラックと、複数個のピニオンから構成されていることを特徴とするルーバー付トップライト装置。
【請求項3】請求項1又は2において、前記伝達機構には伝達力の方向を逆転させる逆転機構が具備されていることを特徴とするルーバー付トップライト装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルーバー付トップライト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建物内部の快適な居住空間を確保するために、建物屋根部に方立と無目を設け、方立と無目から区画される部分にガラス板をはめ込んで、太陽光を取り入れるようにしたトップライト装置を備えた建造物が登場してきている。このような建造物は、トップライト部のガラス板を通して太陽光を取り入れるようにしてあるため、冬季においては建物内部の空間の暖房効率を向上させる利点があるものの、夏季においては冷房効率を低下させる原因になったり、採光量を必要に応じて調節できないといった問題がある。そこで従来はトップライトの下方に開閉可能なルーバーを取り付けることで上記課題を解決していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらのトップライトを切妻型の屋根の各傾斜面に沿って設ける場合には、トップライトの構造上、各傾斜面に一つずつのトップライトが必要であり、またトップライトに沿って設けられるルーバーも各傾斜面でそれぞれ別個に設置する必要があった。一方各トップライトに沿って設けられるルーバーはその性質上、高所に設けられるため、開閉操作は下方から操作可能な電動式の開閉機を備えた可動式ルーバーであることがほとんどであり、各ルーバーごとに一つずつ開閉機が必要であった。このためトップライトを切妻型の屋根に設置する場合には、平面部分にトップライトを設置する場合に比べて2倍の数量の開閉機を必要とするため、開閉機の増加による製品のコストアップにつながると共に、取り付け手間及び配線作業による施工時間の増加やメンテナンス箇所の増加といった不具合が発生してしまっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、互いに隣接して設けられる少なくとも2つのトップライトに、作動バーの進退移動に伴うスラットの揺動で開閉するように構成したルーバーを、前記各トップライトのそれぞれに沿って設けると共に、各ルーバーにおけるそれぞれの作動バーの互いに近接する先端部分同士を、伝達機構を介して連動可能に連結したことを特徴とするものであり、このものにおいて前記伝達機構は、各ルーバーにおけるそれぞれの作動バーの互いに隣接する先端部分に設けられるラックと、複数個のピニオンから構成されていることを特徴としたものである。またこのものにおいて前記伝達機構には伝達力の方向を逆転させる逆転機構が具備されていることを特徴としたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は切妻型の屋根の各傾斜面に沿ってルーバー付トップライトを設置したときの全体縦断面図であり、図面において、1は切妻型の屋根部であって屋根部1の各傾斜面1a、1bにはトップライト2、2´が傾斜面1a、1bに沿って設けられている。トップライト2、2´は方立3、3´と無目4、4´、及び方立3、3´と無目4、4´とで区画される部分にはめ込まれるガラス板5、5´とから構成されており、一方下端部を屋根部1の各傾斜面1a、1bに間隔をもって設けられた構造体80に支持部材81を介して固定されている。また各トップライト2、2´の下部にはトップライト2、2´から室内への太陽光の量を調節するルーバー6、6´がトップライト2、2´と一体的に設置されている。7は前記ルーバー6、6´のスラット14、14´を回転駆動させる電動シリンダーであり、8は棟部1cに設けられ各ルーバー14、14´の動きを連動させる伝達機構、9は逆転機構である。
【0006】図2は図1におけるA−A矢視図、図3は図1におけるB−B断面図であって、方立3はアルミ製の押し出し型材により形成した長尺材であり、上部方立材10及び下部方立材11とで構成される。上部方立材10は方形中空部10aと、該方形中空部10aの下方に位置し下部方立材11の上面11aとボルトを介して連結される下面10bと、上方に設けられる目板10cを固定する目板固定部10dと、目板固定部10dの両端に位置しガラス板5を支持する支持片10eと、前記下面10bの両端から上方に立ち上がる起立片10fと、前記方形中空部10aの左右外面より突出した突出片10gと、起立片10fと突出片10gから形成される摺動溝10hとで構成されている。
【0007】また下部方立材11は、前述した上面11aと、該上面11aの両端より下方に垂設した下垂片11bと、該下垂片11bの中間部分より側方へ延出する延出片11cと、延出片11cの下方に位置し先端が外方へ向いたL字状片11dとから構成されると共に、延出片11cとL状片11dとで凹溝11eが形成されている。一方、無目4は方立3と直交し、上端部を前記上部方立材10の支持片10eと同じ高さに、下端部を前記突出片10g上に支持される形で方立3に連結される。上部方立材10及び下部方立材11は棟部1cにおいて、上部方立材10のみ棟部1cの中心に向けて延出して設けられる。尚、83は前記支持部材81又は構造体80と方立3とを連結するファスナーである。
【0008】12は下部方立材11のL字状片11dに摺動可能に外嵌された支持バーであり、その長さは下部方立材11よりも若干短く形成されている。また支持バー12の一端は支持部材81に固定した固定金具13にビスにて固定されている。図2又は3に示すように、各方立3、3に互いが対向するように設けられる支持バー12、12間には、ルーバー6を構成するスラット14が支軸15を介して回転自在に軸支されていて、隣接するスラット14、14どうしが回転し先端が互いに重なり合って太陽光を遮断する閉鎖状態と、閉鎖状態から略90度回転し互いに起立姿勢となって太陽光を取り入れる開放状態とになるように支軸15が支持バー12の長さ方向に一定間隔をもって設置されている。
【0009】16は前記支持バー12の上方に位置し、支持バー12と平行する形で設けられる作動バーであり、作動バー16は基端面16aと、該基端面16aの両端に形成された第1折り曲げ片16b及び第2折り曲げ片16cとで断面略コ字状に形成されている。基端面16aには支持バー12に設けた各支軸15間と同じ間隔で上下方向に長穴16dが形成されており、また作動バー16の裏面には、耐摩耗性を有し滑り抵抗の少ない樹脂等で成形されたスライダー17が作動バー16の長手方向に適宜個数取り付けられている。前記スライダー17の摺動部17aは前記上部方立材10の摺動溝10hに嵌入されており、作動バー16は方立3の長手方向に対してスライド自在に支持されている。
【0010】18は一端を支軸15と一体回動するように固定され、他端を作動バー16の長穴16dにピンを介して上下方向移動可能に連結されたアームであり、作動バー16が方立3の長さ方向にスライドすることによって支軸15に一体的に固定されたスラット14が回動するようになっている。また作動バー16の一端には対面する作動バー16間に架設して連動バー19が固定されており、さらに連動バー19の中間部は、開閉機用ブラケット82で構造体80に固定された電動シリンダー7のシリンダ部7aと、連結部材20を介して連結されており、図示しない操作スイッチを押すことで電動シリンダー7のシリンダ部7aが伸縮することにより連動バー19を介して作動バー16が方立3の長さ方向に摺動し、スラット14、14が回動する構成となっている。ここで図1に示すようにシリンダー部7aが収縮した状態では、ルーバー6は各スラット14、14が起立した開放状態になり、一方シリンダ部7aが膨張した作動時においては各スラット14、14は互いに先端部が重なり合う閉鎖状態となるよう設定されている。
【0011】図4は図1におけるC−C断面を示す図であって、作動バー16の基端面16aの先端側(棟部1cに位置する側)には、下方に歯先が臨む状態で駆動側ラック21が固定されており、一方上部方立材10の下面10bには、前記駆動側ラック21と対応する位置に駆動側ブラケット22が連結されている。駆動側ブラケット22は上部方立材10の下面10bにボルトで固定されるベース面22aと、ベース面22aの両端から下方へ垂下したサイド面22bから構成され、サイド面22bの上下方向中間部には、逆転機構9である第1ピニオン23が、サイド面22bから側方に向けて突設させた第1軸部24を介して回動自在に取り付けられている。またサイド面22bの下端部分には軸受25が挿設されており、該軸受25にはサイド面22bの左右方向に突出する状態で第2軸部26が回動自在に軸支されている。前記第2軸部26の左右先端部にはそれぞれ第2ピニオン27及び第3ピニオン28が第2軸部26と一体回動するように軸支されている。
【0012】作動バー16の先端部に取り付けられている駆動側ラック21の歯は、駆動側ブラケット22に設けた第1ピニオン23の歯と、また第1ピニオン23はその下方に設けられた第2ピニオン27の歯とそれぞれ歯合されており、作動バー16が方立3の長さ方向に摺動することにより、直線運動を回転運動に変換して第1ピニオン23を回転させ、第1ピニオン23を経由して第2ピニオン27に回転力を伝達し、さらに第2軸部26に一体回動するように設けられた第3ピニオン28へと回転力が伝達されることになる。
【0013】図5は図1におけるD−D断面を示す図であり、前記駆動側トップライト2と同様に作動バー16´の先端側(棟部1cに位置する側)には歯先が下方に臨む状態で従動側ラック29が設けられている。また上部方立材10´の下面10b´の先端側(棟部1cに位置する側)には従動側ブラケット30が固定されている。該従動側ブラケット30は前記上部方立材10´の下面10b´にボルトで固定されるベース面30aと、ベース面30aの左右両端部から下方に垂設した一対のサイド面30bから構成されおり、サイド面30bの垂下量は前記駆動側ブラケット22のサイド面22bのそれよりも短く設定されている。
【0014】前記従動側ブラケット30のサイド面30bの下端部分には軸受31が挿設されており、該軸受31にはサイド面30bの左右方向に突出する状態で第3軸部32が回動自在に軸支されている。前記第3軸部32の左右先端部にはそれぞれ第4ピニオン33及び第5ピニオン34が第3軸部32と一体回動するように軸支されている。
【0015】従動側トップライト2´の作動バー16´に固定されている従動側ラック29の歯は、前記従動側ブラケット30に設けられた第4ピニオン33の歯と歯合されており、また第4ピニオン33と第5ピニオン34はそれぞれ第3軸部32に一体固定されているため、第5ピニオン34が回転すると同時に第4ピニオン33が回転し、さらにその回転力が従動側ラック29に伝達されて直線運動に変換され、作動バー16´が方立3´の長さ方向に摺動することとなる。
【0016】図6は要部拡大図であって、棟部1cにおいて、上部方立材10、10´は互いに先端部が棟部の中心に向かって近接するように、直交する無目4、4´よりも突出して設けられ、また作動バー16、16´も同様に無目4、4´よりも突出し互いに先端部が近接するように設けられている。前述の通り作動バー16、16´の突出した先端部にはそれぞれ駆動側ラック21と従動側ラック30が設けられており、一方上部方立材10、10´には各ラック21、30と対応する位置にそれぞれ駆動側ブラケット22、従動側ブラケット29が取り付けられている。そして駆動側ブラケット22に軸支される第3ピニオン28と従動側ブラケット29に軸支される第5ピニオン34との間には、ピニオンの回転力を伝達する無端体35が巻回されている。36は切妻型屋根部1の棟部1cに位置し構造体80に支持されるアイドラーであって、該アイドラー36の作用により無端体35は常に張力が張っている状態となっている。
【0017】次に叙述の如く構成したルーバー付トップライト2、2´の開閉動作について説明する。各ルーバー6、6´のスラット14、14´が起立状態にある開放状態において、図示しない操作スイッチを押すと駆動側トップライト2に設けられた電動シリンダー7が駆動しシリンダ部7aが伸長を開始する。そしてシリンダ部7aと連動バー19及び連結部材20を介して連結されている作動バー16が矢印Aの方向に摺動する。それに伴って作動バー16に設けられた長穴16dにピンを介して一端を連結されたアーム18が、支軸15に一体回動するように固定された基端部を中心として回動することにより、支軸15に一体的に軸支されたスラット14、14が回動して互いに先端部どうしが重なり合う閉鎖状態へと移行する。
【0018】また、作動バー16の先端部には駆動側ラック21が固定されており、矢印Aの方向へ作動バー16が摺動すると駆動側ラック21に歯合された第1ピニオン23が矢印B方向に回転し、第1ピニオン23と歯合する第2ピニオン27を回転させる。さらに第3ピニオン28は第2ピニオン27と共に第2軸部26の両端に一体回動するように固定されているので、第3ピニオン28は矢印C方向に回転する。そして第3ピニオン28に巻回している無端体35を矢印D方向に駆動させると共に、第5ピニオン34を矢印Eの方向に回転させる。ここで前述の通り第5ピニオン34と第4ピニオン33はそれぞれ第3軸部32と一体回動するように固定されているため、第4ピニオン33を同方向に回転させる。さらに第4ピニオン33と歯合する従動側ラック29が回転運動を直線運動に変換して作動バー16´を矢印F方向に摺動させ従動側ルーバー6´のスラット14´、14´が回転して各スラット14´、14´の先端部どうしが重なり合う閉鎖状態となり、一方に設けた電動シリンダー7のみで両方のルーバー6、6´の開閉を行うことができる。
【0019】以上のように動作するルーバー付トップライト2、2´は、隣接するルーバー付トップライト2、2´どうしの互いに近接する作動バー16、16´のそれぞれの先端部を伝達機構8にて連動可能に連結しているため、ルーバー6、6´を駆動するための電動シリンダー7を双方に設ける必要がない。このため電動シリンダー7の取付数量の減少による製品のコストダウンにつながると共に取り付け手間や配線本数の減少による施工時間の短縮及びメンテナンス箇所も減少する。
【0020】また本発明の連動機構8は作動バー16、16´に設けたラックとピニオンで構成されているため、作動バー16、16´の摺動による直線運動をピニオンの回転運動に変換し、無端体35により動力を伝達させて他方のピニオンを回転させ、さらにピニオンの回転運動をラックで他方の作動バー16´の直線運動に変換できるため、本実施の形態である切妻型屋根ように隣接して異なる平面に沿ってルーバー付トップライト2、2´装置をそれぞれ設ける場合でも良好に動力の伝達を行うことができ、また傾斜の異なる屋根面にも対応することが可能である。
【0021】また本実施形態では各ルーバー6、6´の開閉に必要な作動バー16、16´のストロークは同じに設定してあるが、例えばスラット14、14´の大きさ(ピッチ)が異なり、開閉に必要なストロークが異なるルーバーを伝動機構8で連結したい場合には、各ピニオンの歯数を変化させることで対応可能である。さらに本実施形態では無端体35を介して動力を伝達したが各作動バー16、16´の先端部同士の距離が近い場合にはピニオンを複数連結することでも対応可能である。
【0022】また、逆転機構9である第1ピニオン23を介して作動バー16と第2ピニオン間の動力を伝達したため、ピニオンの回転方向を逆転して動力を伝達できる。このようにすることで、例えば本実施形態の切妻型屋根のような場合では、棟部を中心として左右対称にルーバー6、6´のスラット14、14´を回動することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000177302
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−182431(P2001−182431A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−369490