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【発明の名称】 建具の開閉構造
【発明者】 【氏名】谷口 純

【要約】 【課題】開閉動作を滑らかに行うことが出来るとともに安価で且つ取付も容易な建具の開閉構造を提供する。

【解決手段】正面が開口した収納部2の開口部を覆う建具(例えば、襖9)と、当該建具9の側端部にヒンジ部材(例えば、ヒンジ金物8)を介して連結された連結部材(例えば、添え板7)と、前記連結部材の上下端面部と接触して、前記連結部材7を前記収納部2の側面に沿って案内しながら移動させる案内部材(例えば、敷居4、鴨居6)と、を備え、前記連結部材7が前記収納部2の側面に沿って移動することにより前記建具9を前記収納部2の側面に沿って収納可能な建具9の開閉構造であって、前記連結部材7の上下端面部71、72に各々戸車10a〜10dが取り付けられ、前記戸車10a〜10dが前記案内部材4、6と接触しつつ転動することにより前記連結部材7が移動するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 正面が開口した収納部の開口部を覆う建具と、当該建具の側端部にヒンジ部材を介して連結された連結部材と、前記連結部材の上下端面部にそれぞれ接触して、前記連結部材を前記収納部の側面に沿って案内しながら移動させる案内部材と、を備え、前記連結部材が前記収納部の側面に沿って移動することにより前記建具を前記収納部の側面に沿って収納可能な建具の開閉構造であって、前記連結部材の上下端面部に各々戸車が取り付けられ、前記戸車が前記案内部材と接触しつつ転動することにより前記連結部材が移動するように構成されていることを特徴とする建具の開閉構造。
【請求項2】 請求項1記載の建具の開閉構造において、戸車は、連結部材の上下端面部に各々2つづつ取り付けられ、上端面部の建具側の戸車と、当該戸車と対角線上にある下端面部の戸車と、をばね式の戸車としたことを特徴とする建具の開閉構造。
【請求項3】 請求項2記載の建具の開閉構造において、建具を開けた状態で、連結部材に取り付けられたばね式の戸車の一部が係合して前記連結部材の移動を阻止し、所定の力以上の力を進行方向に加えることにより当該係合が解除される係合部を有する係合部材を備えたことを特徴とする建具の開閉構造。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の建具の開閉構造において、収納部の床面には地板が取り付けられ、開口部側の前記地板の木口面部には、マグネットが埋設され、前記木口面部が建具の戸当たりを構成するとともに、前記建具を前記木口面部に当接させた際、前記マグネットが埋設された位置と当接する前記建具の部位に鉄板が取り付けられていることを特徴とする建具の開閉構造。
【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の建具の開閉構造において、収納部の入口には、収納部の側面より収納部内側に突出した建具枠が設けられ、建具の上端部に、当該建具の裏面から水平方向に突出し、出隅部側面が曲面となっている突出片が設けられ、前記建具枠の上枠部に、前記建具を閉じた場合、前記突出片の出隅部側面と当接する当接部を備えた上ガイド部材が設けられ、前記突出片は、前記建具を開いた状態から閉じる際に、前記出隅部側面がその曲面に沿って前記当接部と摺動し、且つスライドするように構成されていることを特徴とする建具の開閉構造。
【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の建具の開閉構造において、収納部の入口には、収納部の側面より収納部内側に突出した建具枠が設けられ、ヒンジ部材には、連結部材よりも収納部の側面方向に突出し、且つ前記建具枠に当接して連結部材を所定の位置に停止させるストッパーが設けられていることを特徴とする建具の開閉構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、襖や戸などの建具の開閉構造に関し、特に、建具が収納部に収納可能な建具の開閉構造に関する。
【0002】
【背景の技術】従来、例えば、仏間等では襖を開くと当該襖が仏間内に導かれて収納されるものがある。このような襖の開閉構造としては、例えば、特開平09−295650号公報に記載された発明が知られている。
【0003】かかる発明の襖の開閉構造は、例えば、図8に示すように、仏間100に設けられ、下方に縦長のスライド孔101が穿設された相対向する一対のシャッター本体102a、102bと、一方のシャッター本体102aの上部から他方のシャッター本体102bのスライド孔101へと対角に掛け渡される2つの掛け材103、103が略中央で公差して軸支される連結材104とからなる。このような構成で、一方のシャッター本体102bが仏間100の側壁100aに沿う奥隅に建て付けた固定板105に固着されるとともに、他方のシャッター本体102aが正面口を開け閉めする襖106の開閉支点側の縁に移動板107を介して取り付けられる。この移動板107は、床案内溝100c及び天板溝間100dに納まり、襖106と共に側壁100aに沿って正面口から固定板105までの間を自在に移動出来るものである。この状態から 襖106を仏間100に押し込むと、連結材104は軸支された交差部分を支点にして掛け材103、103の上端間が閉じると同時に、下端がシャッター本体102a、102bのスライド孔101も案内されて下方に移動しながら狭められ、その結果、襖106は仏間100内に納められる。また、仏間100の床には、框材108が設けられ、この上に襖106がのった状態となっている。
【0004】また、上記シャッター方式以外にも、例えば、仏間の側壁に取り付けたスライドレールに沿って襖を移動させるスライドレール方式のものや、或いは襖に丁番を介て取り付けた添え板を吊った状態でレール上を移動させて襖を移動させる吊戸方式のものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シャッター方式の場合、移動板107が床案内溝100cと天板溝100dに納まり、この床案内溝100cと天板溝100dにより移動板107が動くものであり、シャッターはその補助的なものなのでスムーズに動きにくく、シャッターの取付自体も煩雑且つ高コストであるという問題点があった。また、スライドレール式のものは、高価であるという欠点を有し、吊戸式のものは、吊戸自体が宙に浮いた状態なので襖も宙に浮いた状態となって操作時に不安定であるという欠点を有している。
【0006】本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、開閉動作を滑らかに行うことが出来るとともに安価で且つ取付も容易な建具の開閉構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜7に示すように、正面が開口した収納部2の開口部を覆う建具(例えば、襖9)と、当該建具9の側端部にヒンジ部材(例えば、ヒンジ金物8)を介して連結された連結部材(例えば、添え板7)と、前記連結部材の上下端面部と接触して、前記連結部材7を前記収納部2の側面に沿って案内しながら移動させる案内部材(例えば、敷居4、鴨居6)と、を備え、前記連結部材7が前記収納部2の側面に沿って移動することにより前記建具9を前記収納部2の側面に沿って収納可能な建具9の開閉構造であって、前記連結部材7の上下端面部71、72に各々戸車10a〜10dが取り付けられ、前記戸車10a〜10dが前記案内部材4、6と接触しつつ転動することにより前記連結部材7が移動するように構成されていることを特徴としている。
【0008】請求項1記載の発明によれば、連結部材7に取り付けられた戸車10a〜10dが案内部材4、6と接触しつつ転動することによって連結部材7が移動するので、建具9の開閉動作がスムーズとなる。また、スライドレールのような金物を使用しなくともよいので、安価なものとすることが出来るとともに、連結部材7の上下端面部71、72に設けられた戸車10a〜10dが案内部材4、6と接触しているので、吊戸式のように不安定となることがない。
【0009】ここで、建具は、例えば、襖、戸、障子などであるが、開口部を開閉するものであればよい。収納部とは、例えば、押入や仏間、納戸などのことである。案内部材とは、具体的には、例えば、敷居や鴨居などであるが、これ以外にも、連結部材を一定の方向に導いて移動させることが出来るものであればよい。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の建具9の開閉構造において、戸車10a〜10dは、連結部材7の上下端面部71、72に各々2つづつ取り付けられ、上端面部71の建具9側の戸車10aと、当該戸車10aと対角線上にある下端面部72の戸車10dと、をばね式の戸車としたことを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、連結部材7の上下端面部71、72に各々2つづつ取り付けられた戸車10a〜10dのうち、上端面部71の建具9側の戸車10aと、当該戸車10aと対角線上にある下端面部72の戸車10dと、がばね式の戸車とされているので、建具9の上下の微調整を可能にしつつ、ばね式の戸車を使用した場合に生じる建具9の上がり、下がりを防止することが出来る。即ち、例えば、ばね式の戸車を連結部材7の上下端面部71、72のどちらか一方のみに取り付けた場合だと、建具9の自重の影響を受けて連結部材7が傾いたりするが、上端面部71の建具9側の戸車10aおよびこの戸車10aと対角線上にある戸車10dと、をばね式の戸車にすることにより連結部材7の傾斜を抑えつつ、ばね式の戸車のばね性によって連結部材7の上下間の納まりを微調整することが出来る。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2記載の建具9の開閉構造において、建具9を開けた状態で、連結部材7に取り付けられたばね式の戸車の一部が係合して前記連結部材7の移動を阻止し、所定の力以上の力を進行方向に加えることにより当該係合が解除される係合部110を有する係合部材(例えば、係合金物11)を備えたことを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、係合部材11によって、建具9を開けた状態で、連結部材7のばね式の戸車10aの一部が係合部110と係合して連結部材7の移動が阻止され、所定の力以上の力が進行方向に加わることにより当該係合が解除されるので、建具9を開けた状態で、建具9が案内部材4、6に沿って容易に前後することがないこととなって、開けた状態での建具9の位置が安定する。ここで、係合部材11は、例えば、係合部として凹部が設けられ、該凹部にばね式の戸車の一部が填ることにより係合状態となって、所定の力以上の力を加えることにより凹部から抜けるような構成のものであるが、これに限らずばね式の戸車を係合して解除出来るものであればどのようなものでもよい。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の建具9の開閉構造において、収納部2の床面には地板14が取り付けられ、開口部側の前記地板14の木口面部14aには、マグネット15、15が埋設され、前記木口面部14aが建具9の戸当たりを構成するとともに、前記建具9を前記木口面部14aに当接させた際、前記マグネット15、15が埋設された位置と当接する前記建具9の部位に鉄板93が取り付けられていることを特徴としている。
【0015】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、収納部2の床面には地板14が取り付けられ、地板14の木口面部14aには、マグネット15、15が埋設され、木口面部14aが建具9の戸当たりを構成するとともに、建具9を木口面部14aに当接させた際、前記マグネット15、15が埋設された位置と当接する建具9の部位に鉄板93が取り付けられているので、建具9を閉じた時にマグネット15、15と鉄板93が当接して磁力により建具9が固定されることとなって、建具9が確実に固定されるとともに、従来の框材の上に建具を載せるものに比べて構造がシンプルで施工が容易となる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の建具9の開閉構造において、収納部2の入口には、収納部2の側面より収納部内側に突出した建具枠3が設けられ、建具9の上端部91に、当該建具9の裏面から水平方向に突出し、出隅部側面が曲面となっている突出片(例えば、倒れ防止金物13)が設けられ、前記建具枠3の上枠部(例えば、横枠32)に、前記建具9を閉じた場合、前記突出片13の出隅部側面と当接する当接部12aを備えた上ガイド部材(例えば、引き寄せ金物12)が設けられ、前記突出片13は、前記建具9を開いた状態から閉じる際に、前記出隅部側面がその曲面に沿って前記当接部12aと摺動し、且つスライドするように構成されていることを特徴としている。
【0017】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、建具9の上端部91に、当該建具9の裏面から水平方向に突出して突出片13が設けられ、建具9を開いた状態から閉じる際に、前記突出片13の出隅側面部と当接する上ガイド部材12が建具枠3に取り付けられているので、建具9の開閉時、突出片13が上ガイド部材12に引き寄せられることによって建具9が下方に倒れ込むことを防止出来ることとなって、建具9の開閉動作をスムーズに行うことが出来る。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の建具9の開閉構造において、収納部2の入口には、収納部2の側面より内側に突出した建具枠3が設けられ、ヒンジ部材8には、連結部材7よりも収納部2の側面方向に突出し、且つ前記建具枠3に当接して連結部材7を所定の位置に停止させるストッパー84が設けられていることを特徴としている。
【0019】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、ヒンジ部材8には、連結部材7よりも収納部2の側面方向に突出し、且つ建具枠3に当接して連結部材7を所定の位置に停止させるストッパー84が設けられているので、ヒンジ部材8の取付とストッパー84の取付とを同時に行うことが出来ることとなって、施工が容易となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明に係る建具の開閉構造の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に好適な仏間における襖の開閉構造を示す斜視図である。
【0021】図1に示す仏間1は、正面が開口した収納部2を有し、当該収納部2は、左右の側面部21と、天井面部22、奥面部23および床面部24によって囲まれている。仏間1の開口部入口には、竪枠31、31と横枠32、32からなる略矩形状の建具枠3が、前記収納部2の側面部21、天井面部22、床面部24に取り付けられていて、竪枠31、31は、収納部2の側面部21よりも収納部2側に突出して設けられている。
【0022】収納部2の側面部21と床面部24が交わる隅部21aには敷居4(案内部材)が設けられ、側面部21と奥面部23が交わる奥隅部21bには縦枠5が設けられ、更に、側面部21には前記縦枠5の上端部5aに当接し、且つ前記敷居4と平行に鴨居6(案内部材)が設けられている。そして、敷居4と鴨居6との間には、添え板7が移動可能に組み付けられ、かかる添え板7の開口部側の側端部7aには、ヒンジ金物8の一端8aが取り付けられ、当該ヒンジ金物8のもう一方の端部8bには、襖9(建具)が取り付けられている。
【0023】前記添え板7の上端面部71と下端面部72には、例えば、図2に示すように、それぞれ2つづつ戸車10a〜10dが設けられ、かかる戸車10a〜10dは、敷居4と鴨居6に当接して回動するようになっている。そして、かかる戸車10a〜10dのうち、上端面部71の襖側の戸車10aと、当該戸車10aと対角線上にある下端面部72の戸車10dとは、ばね式の戸車とされている。
【0024】ばね式の戸車とは、戸車の軸(図示省略)がばね(図示省略)によって上下動出来るようになっていて、添え板7の高さと、敷居4−鴨居6間の高さとに、多少の誤差があった場合でも、ばねの付勢力で微調整が可能になっている。また、ばね式の戸車を図2のように対角線上に配置したのは、仮に、ばね式戸車を添え板7の上下端面部71、72のどちらか一方のみに配置させると、添え板7に連結された襖9の自重や、襖9を押す時の力の方向によって、例えば、奥面部23側の添え板7が上がってしまうおそれがあるためであり、これにより、添え板7と、敷居4−鴨居6間の寸法誤差の微調整を図りつつ、添え板7の倒れ込みを防止出来るようになっている。
【0025】前記建具枠3の上角部3aには、図3に示すように、襖9を開いた状態で上端面部71のばね式の戸車10aを一旦係合させることにより、添え板7の停止位置を安定させる係合金物11が設けられている。かかる係合金物11は、図4に示すように、戸車10aの一部が填ることによって戸車10aを係合可能な係合凹部110が設けられているとともに、係合凹部110であって、収納部2の奥面部23側(図4のB側)の奥出隅部111が収納部2の開口部側(図4のA側)の入出隅部112よりも下側に突出している。また、奥出隅部111には、該奥出隅部111の頂部111aから奥面部23に向かって傾斜した傾斜面部113が設けられている。従って、図4のA→B方向に戸車10aが移動する場合、係合凹部110に填りやすく、この係合凹部110を抜けて更に先に行くには、ある所定の力以上の力をA→B方向に与え、奥出隅部111の山を超えないと行けないようになっている。一方、B→A方向に戸車10aが移動する場合には、傾斜面部113に沿って戸車10aが移動するので、比較的楽に係合凹部110に填るようになっている。
【0026】また、前記建具枠3の上側の横枠32(上枠部)には、図3に示すように、引き寄せ金物12が取り付けられている。一方、襖9の上桟材91には、収納部2側に且つ水平方向に突出し、出隅部側面13aが曲面となっている倒れ防止金物13が設けられている。そして、襖9を開いた状態から閉じるときに、引き寄せ金物12の側面部12a(当接部)と、倒れ防止金物13の出隅部側面13aが接触し、倒れ防止金物13が摺動するようになっている。この際、倒れ防止金物12が引き寄せ金物12と当接しつつ、横方向にスライドするようになっている。これにより、襖9の開閉動作を損なうことなく、且つ襖9を閉じるときに襖9が下方に倒れ込むことを防止出来る。
【0027】前記ヒンジ金物8は、例えば、図5に示すように、添え板7に取り付けられる添え板取付部81と、襖9に取り付けられ、襖9の取付位置決めを行う当て部82aを有する襖取付部82と、ピン83aを中心に回動するヒンジ部83と、添え板7よりも収納部2の側面部21方向に突出し、且つ建具枠3の竪枠31に当接して添え板7を停止させるストッパー84と、などによって構成されている。添え板取付部81および襖取付部82は、添え板7および襖9の裏面にそれぞれ取り付けられていて、従って、例えば、図6に示すように、襖9を閉じた場合にヒンジ金物8が外側から見えないようになっている。ヒンジ部83には、襖9を開いた時にふらつかないようにばねが内蔵されている。
【0028】また、収納部2の床面部24には、図1に示すように、地板14が設けられている。この地板14の木口面部14aには、マグネット15、15が埋設されている。そして、この木口面部14aが襖9の戸当たりを構成するとともに、襖9を木口面部14aに当接させた際、前記マグネット15、15が埋設された位置と当接する襖9の下桟材92に鉄板93が取り付けられている。従って、襖9を閉じた時にマグネット15、15と鉄板93が当接して磁力により襖9が固定されることとなって、襖9の固定が確実になるとともに、従来の框材の上に襖9を載せるものに比べて構造がシンプルで、且つ戸当たり部分を別個に設けなくても良い分施工が容易となる。次に、上記説明した仏間における襖の開閉動作について説明する。まず、襖9を閉めた状態では、地板14の木口面部14aと襖9の下桟材92とが当接し、このとき、鉄板93がマグネット15の磁力に引き寄せられる。次いでこの状態から、襖9を観音開きすると、ヒンジ金物8のピン83aを中心に回動し、全開きの状態となる。この場合、ヒンジ部83にはばね(図示省略)が内蔵されているので、半開き状態にすることが出来ないようになっている。次いで、襖9を開口部方向に引くと、添え板7の上端面部71に設けられたばね式の戸車10aが係合金物11の係合凹部110に係合され、その位置で襖9が固定される。次いで、係合部110の奥出隅部112を戸車10aが越えるために必要な力を襖9に加えてやると、戸車10aが係合凹部110を脱出し、添え板7が敷居4と鴨居6に沿って移動することにより、襖9が収納部2内に収納される。このとき、添え板7の横幅を調整することで、例えば、図7(a)のように、襖9の引き手94を残して置くことにより襖9を閉じるのを楽にしてもよいし、或いは、図7(b)のように、仏壇16の扉17が襖9にぶつからないように収納部2内に完全に収納させてもよい。次いで、襖9を閉じる場合は、逆の動作を行えばよいが、このとき、ヒンジ金物8に設けられたストッパー84が建具枠3の竪枠31に当接することにより、添え板7はそれ以上開口部側に移動出来ない。また、襖9を閉める際、倒れ防止金物13に引き寄せ金物12が引き寄せられることにより、襖9が上方に引き寄せられるので、襖9同士が合わさる方向に倒れ難い。
【0029】以上説明した本発明にかかる襖の開閉構造によれば、添え板7に取り付けられた戸車10a〜10dが敷居4と鴨居6とに接触しつつ転動することによって添え板7が移動するので、この添え板7と連結された襖9の開閉動作がスムーズとなる。また、スライドレールやシャッターのような金物を使用しなくともよいので、安価なものとすることが出来るとともに、添え板7の上下端面部71、72に設けられた戸車10a〜10dは敷居4と鴨居6と接触しているので、吊戸式のように不安定となることがない。
【0030】なお、本発明は上記実施の形態のものに限られるものではない。例えば、添え板7と襖9との連結には、上下2箇所にヒンジ金物8を設けた構成とした。その理由は、例えば、仏間の場合、3箇所にヒンジ金物8を設けると、ヒンジ金物8を添え板7および襖9の裏面に設けたため、真ん中にヒンジ金物8が位置し、仏壇の扉がぶつかる可能性があるからであるが、仏間や上記問題のない場所での連結の場合は、3箇所以上のヒンジ金物を使用してもよい。また、襖に限らず、障子や戸でもよく、両開きでなく、片開きのものであってもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、連結部材に取り付けられた戸車が案内部材と接触しつつ転動することによって連結部材が移動するので、建具の開閉動作がスムーズとなる。また、スライドレールのような金物を使用しなくともよいので、安価なものとすることが出来るとともに、連結部材の上下端面部に取り付けられた戸車が案内部材と接触しているので、吊戸式のように不安定となることがない。
【0032】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、連結部材の上下端面部に各々2つづつ取り付けられた戸車のうち、上端面部の建具側の戸車と、当該戸車と対角線上にある下端面部の戸車と、がばね式の戸車とされているので、建具の上下の微調整を可能にしつつ、ばね戸車を使用した場合に生じる建具の上がり、下がりを防止することが出来る。即ち、例えば、ばね式の戸車を連結部材の上下端面部のどちらか一方のみに取り付けた場合だと、建具の自重の影響を受けて連結部材が傾いたりするが、上端面部の建具側の戸車およびこの戸車と対角線上にある戸車と、をばね式の戸車にすることにより連結部材の傾斜を抑えつつ、ばね式の戸車のばね性によって連結部材の上下間の納まりを微調整することが出来る。
【0033】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、係合部材によって、建具を開けた状態で、連結部材のばね式の戸車の一部が係合部と係合して連結部材の移動が阻止され、所定の力が進行方向に加わることにより当該係合が解除されるので、建具を開けた状態で、建具が案内部材に沿って容易に前後することがないこととなって、開けた状態での建具の位置が安定する。
【0034】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、収納部の床面には地板が取り付けられ、地板の木口面部には、マグネットが埋設され、木口面部が建具の戸当たりを構成するとともに、建具を木口面部に当接させた際、前記マグネットが埋設された位置と当接する建具の部位に鉄板が取り付けられているので、建具を閉じた時にマグネットと鉄板が当接して磁力により建具が固定されることとなって、建具が確実に固定されるとともに、従来の框材の上に建具を載せるものに比べて構造がシンプルで、且つ戸当たり部分を別個に設けなくても良い分施工が容易となる。
【0035】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、建具の上端部に、当該建具の裏面から水平方向に突出して突出片が設けられ、建具を開いた状態から閉じる際に、前記突出片の出隅側面部と当接する上ガイド部材が建具枠に取り付けられているので、建具の開閉時、突出片が上ガイド部材に引き寄せられることによって建具が下方に倒れ込むことを防止出来ることとなって、建具の開閉動作をスムーズに行うことが出来る。
【0036】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、ヒンジ部材には、連結部材よりも収納部の側面方向に突出し、且つ建具枠に当接して連結部材を所定の位置に停止させるストッパーが設けられているので、ヒンジ部材の取付とストッパーの取付とを同時に行うことが出来ることとなって、施工が容易となる。
【出願人】 【識別番号】000114086
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
【出願日】 平成12年6月6日(2000.6.6)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
【公開番号】 特開2001−349127(P2001−349127A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−169262(P2000−169262)