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【発明の名称】 分離型丁番
【発明者】 【氏名】西村 徳光

【氏名】高田 信夫

【要約】 【課題】現場で容易に確実にワンタッチで取り付けられ取付状態も良好な分離型丁番を提供する。

【解決手段】分離型丁番は、枠側羽根を結合した回転結合部に結合された連結用部材3、連結構造部4を備え連結前には分離している扉側羽根5、等を有する。連結構造部4は、結合部材6、バネ7等を有しネジ穴53で扉100に取り付けられる。結合部材6は、両側に外側面61aを持つ突出部61を備え、連結用部材3は内側面32aを持つ溝状部32を有する。連結用部材3と連結構造部4とは、隙間δz及びδyを持つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方側羽根と該一方側羽根を中心線回りに回転可能に結合した回転結合部と該回転結合部に前記中心線回りに回転可能に結合された連結用部材と該連結用部材と連結されるべき連結構造部を備え連結前には分離している他方側羽根とを有し前記中心線をXYZ三次元軸のZ軸としたときに連結時には前記連結用部材と前記連結構造部とがX方向に連結される分離型丁番において、前記連結構造部は、両側に外側面を持ちZ方向に突出した突出部を備えX方向の動きを規制されZ方向に移動可能に支持されている結合部材と、該結合部材を前記Z方向に付勢する付勢手段と、を有し、前記連結用部材は、前記X方向に延設されていて、一面側の前記X方向の中間位置にあって両側に内側面を持ち前記一面側から退避した溝状部と、前記一面側の先端位置に前記一面側から退避する方向に傾斜するように形成された傾斜面と、を有し前記外側面と前記内側面とは前記連結時に前記外側面が前記内側面に入って該内側面を前記Z方向に加圧する関係になるように形成されている、ことを特徴とする分離型丁番。
【請求項2】 前記外側面と前記内側面とは前記連結時に前記外側面が前記内側面に入って該内側面を前記Y方向に加圧する関係になるように形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の分離型丁番。
【請求項3】 外部から操作可能にされた係合解除機構であって、操作されることにより、前記連結時に前記外側面が前記内側面に入って該内側面を前記Z方向に加圧する関係にあるときに前記付勢手段の付勢する方向の反対方向に前記結合部材を押して結合関係を解除する結合解除機構を有することを特徴とする請求項1に記載の分離型丁番
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方側羽根と該一方側羽根を中心線回りに回転可能に結合した回転結合部と該回転結合部に前記中心線回りに回転可能に結合された連結用部材と該連結用部材と連結されるべき連結構造部を備え連結前には分離している他方側羽根とを有し前記中心線をXYZ三次元軸のZ軸としたときに連結時には前記連結用部材と前記連結構造部とがX方向に連結される分離型丁番に関し、扉を扉枠に取り付ける工事を容易にする技術として利用される。
【0002】
【従来の技術】例えば工場生産されるプレハブ住宅等では、別個に生産される扉枠と扉とに分離形丁番の一方側羽根と他方側羽根とが取り付けられ、扉枠は現場で建物に取り付けられたりユニットハウスに取り付けられた状態で建築現場に運ばれ、建物完成時期に別に搬入された扉が扉枠に装着される。
【0003】このような用途に用いられる従来の分離型丁番は、通常扉枠に取り付けられる一方側の羽根に板状の連結用部材を延設し、扉に取り付けられた他方側の羽根に断面が角形の穴状の連結構造部を設け、両者を精度良く加工して遊びなく嵌合させ、嵌合状態をセットネジで保持するようした構造のものであった。そのため、扉が動くときにガタつきがなく、扉の取付状態は良好であった。
【0004】しかしながら、このような丁番では、扉のワンタッチ連結ができないと共に、丁番の取付位置や取付角度の誤差や扉や枠の加工精度のばらつき等により、連結構造部が連結用部材に入らなかったり、セットネジが合わなかったり、現場で丁番を連結できないという不具合がしばしば発生した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於ける上記問題を解決し、現場で容易に確実にワンタッチで取り付けられ取付状態も良好な分離型丁番を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、一方側羽根と該一方側羽根を中心線回りに回転可能に結合した回転結合部と該回転結合部に前記中心線回りに回転可能に結合された連結用部材と該連結用部材と連結されるべき連結構造部を備え連結前には分離している他方側羽根とを有し前記中心線をXYZ三次元軸のZ軸としたときに連結時には前記連結用部材と前記連結構造部とがX方向に連結される分離型丁番において、前記連結構造部は、両側に外側面を持ちZ方向に突出した突出部を備えX方向の動きを規制されZ方向に移動可能に支持されている結合部材と、該結合部材を前記Z方向に付勢する付勢手段と、を有し、前記連結用部材は、前記X方向に延設されていて、一面側の前記X方向の中間位置にあって両側に内側面を持ち前記一面側から退避した溝状部と、前記一面側の先端位置に前記一面側から退避する方向に傾斜するように形成された傾斜面と、を有し前記外側面と前記内側面とは前記連結時に前記外側面が前記内側面に入って該内側面を前記Z方向に加圧する関係になるように形成されている、ことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、上記に加えて、前記外側面と前記内側面とは前記連結時に前記外側面が前記内側面に入って該内側面を前記Y方向に加圧する関係になるように形成されている、ことを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴に加えて、外部から操作可能にされた係合解除機構であって、操作されることにより、前記連結時に前記外側面が前記内側面に入って該内側面を前記Z方向に加圧する関係にあるときに前記付勢手段の付勢する方向の反対方向に前記結合部材を押して結合関係を解除する結合解除機構を有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した分離型丁番を結合した状態の全体構成の一例を示し、図2はその連結構造部を拡大した図である。又図3は、連結用部材及び連結構造部4に設けられる結合部材の形状例を示す。
【0010】分離型丁番は、一方側羽根である本例では枠側羽根1、これを中心線であるZ軸回りに回転可能に結合した回転結合部2、これにZ軸回りに回転可能に結合された連結用部材3、これと連結されるべき連結構造部4を備え連結前には分離している他方側羽根である本例では扉側羽根5等を有し、中心線であるZ軸をXYZ三次元軸のZ軸としたときに連結時には連結用部材3と連結構造部4とがX方向に連結されるように構成されている。
【0011】扉側羽根5は、空間部を形成するように凸状に曲げられた部分を持つ裏羽根51と表羽根52とが接合された二枚羽根になっていて、連結構造部4は空間部に設けられ、結合部材6、付勢手段であるバネ7、等を有する。符号53は扉側羽根5を扉100に取り付けるためのネジ穴である。なお、なお図では表羽根52を二点鎖線で示している。又、図1で扉100及び枠200は、その厚み方向の一部分だけが示されている。
【0012】結合部材6は、両側に外側面61aを持ち先端面61cまでZ方向に突出した突出部61を備えている。又本例のものは、二段状に形成されていて、図において上段の突出部61及びこれと一体形成されていて下段にあってZ方向に延設されている下板62を有する。そして、下段には位置決め板8が設けられていて、その案内面81により、被案内面62aを介して下板62のX方向の動きを規制してZ方向に移動可能に支持している。その結果、突出部61を持つ結合部材6がそのような動きをするようになっている。
【0013】又、下板62にはZ方向に段付き切欠62bが設けられていて、この中に位置決め板8の突条部82が嵌まり込み、結合部材6のY方向の動きを規制している。この突条部82は、結合部材6のZ方向への余分の動きを止めるストッパ部にもなっている。
【0014】バネ7は、結合部材6をZ方向に付勢する。そのため結合部材6には穴63が形成されていて、バネ7が裏羽根51の曲がった直立面51aを反力受けとして穴63を介して結合部材6を押すようにしている。
【0015】連結用部材3は、X方向に延設されていて、一面側31のX方向の中間位置にあって両側に内側面32aを持ち一面側31から退避した溝状部32、一面側31の先端位置にこの面から退避する方向に傾斜するように形成された傾斜面33、等を有する。
【0016】そして、外側面61aと内側面32aとは、連結時に外側面61aが内側面32aに入って内側面32aをZ方向に加圧する関係になるように形成されている。このような関係は種々の形状の内外側面によって形成され得るが、本例では、図4(a)に示す如く、両側の外側面61aの先端部P1 、P2 の間隔x1 が内側面32aの先端部の間隔x2 より大きく、外側面61aが内側面32aに接触してこれを押すようにしている。そして、本例では外側面61a及び内側面32aを楔状の平面とし、それらの楔角をαにしている。なお、図示の都合上、次の図も含めて図ではα/2の角度を示している。突出部61はバネ7で付勢されているが、連結用部材3と連結構造部4とがX方向に分離力を受けたときにこれらの間が分離しないように、この楔角αは通常摩擦角より小さい角度にされる。
【0017】図4(a)では内外面が同じ角度αで接触する図を示したが、実際には、加工精度や取付状態により、P1 、P2 と面32a又は連結用部材の溝状部32の根元部Q1 、Q2 と面61aとの接触になることが多い。しかしそのような接触関係であっても問題はない。又、内外面は必ずしも平面でなくてもよい。
【0018】このような両面の接触関係は、例えば同図(b)、(c)、(d)等のような関係になっていてもよい。(b)では、両側の外側面61aが形成する楔角α1を両側の内側面32aが形成する楔角α2 より少し小さくし、点P1 、P2 を含む紙面に直角方向である突出部61の厚み方向の線接触になるようにしている。(c)では、点Q1 、Q2 (Q2 側の図示を省略している)を含む線接触にすることができる。(d)は内側面32aを球面状又は円弧断面状にし、同様に点P1 とP2 の点接触又はこの点を含む線接触にする例である。このように、両側面の少なくとも2点を接触させ、突出部61がバネ7によって矢印で示すZ方向に付勢されたときに、外側面61aが内側面32aをZ方向に加圧できる構造であれば、種々の適当な構造を採用することができる。
【0019】連結用部材3及び連結構造部4は基本的には以上のような構造になるが、本例のものは使用に便利なように、全体的に対称形状にされている。即ち、連結用部材3は、Z方向には、一面側31の対称位置に同じ溝状部32及び傾斜面33を持つ他面側34を備えていると共に、Y方向には、表面35及び裏面36を備えている。
【0020】連結構造部4は、連結用部材3に挿入されたときにこれを囲うように、X方向及びY方向に両側案内面83、84及び表裏案内面52a、85を備えている。両側案内面83、84は、位置決め板8と一体形成されていて裏羽根51の形成する空間内の両端部で表案内面52aまで延設されている。そして、連結用部材3の一面側31、他面側34、表面35及び裏面36と、これらに対応する両側案内面83、84、表裏案内面52a、85との間には、それぞれ適当な寸法のZ方向隙間δz 及びY方向隙間δy が設けられている。
【0021】枠側羽根1は、詳細図示を省略しているが、本例のものは回転連結部2の取付板21を側壁面1aのある図示しない下羽根との間で形成されたケーシング内に挿入して取り付ける調整型構造のものであり、図において左右になるX方向調整用のカム付きセットネジ1b、紙面に直角の前後方向になるY方向調整用のセットネジ1c、1dを有する。これらにより、扉が閉められたときに、扉と枠との隙間や傾斜等が調整される。なお、通常の固定式のものを使用してもよいことは勿論である。1eは枠側羽根1を例えば建物の間口の枠200に取り付けるための取付用ネジ穴である。
【0022】回転結合部2は、上記取付板21と一体形成された本体部22、両端のキャップ23、その中の両端の位置調整ネジ24、これらの中に嵌められた軸25、両端のスペーサリング26、軸25との間で相対回転可能な両端のフランジ付きスリーブ軸受27、等で構成されていて、スリーブ軸受27の外径部分には連結用部材3のリング部37が固設される。なお、取付板21と連結用部材3とを単に回転可能なだけの構造にした通常の回転結合部を用いることも可能である。
【0023】以上のような分離型丁番は次のように使用され、その作用効果を発揮する。図5は、建物等において枠に扉を装着するときの丁番結合時の状態を示す。建物等では、通常、扉100及び枠200の上下2箇所の位置に丁番A、Bが取り付けられている。これらの丁番の枠側羽根1及び扉側羽根5はそれぞれ分離した状態で扉100及び枠200に取り付けられ、扉と枠が別個に建物の建築現場に搬送され、建物完成時に、矢印で示す如くX方向に扉100の羽根5側を枠200の羽根5側の連結用部材3に連結することにより、扉100が枠200に取り付けられる。なお、装着時の作業を分かりやすくするために図5では扉100を枠200に対して180°開いて示しているが、扉の先端部分が枠200から外れた位置であれば、どのような開き角度からでも扉を装着することができる。
【0024】羽根5を羽根1に連結するときには、上下の丁番A、Bの枠側羽根1の連結用部材3に扉側羽根5の連結構造部4を同時に挿入する。この場合、丁番A、Bのそれぞれの羽根1、5が扉及び枠の予め定められた位置に取り付けられていて、連結用部材3と連結構造部4には隙間δz及びδyが設けられているため、本発明の分離型丁番によれば容易にワンタッチで両者を連結し、扉を枠に装着することができる。なお、丁番A、Bの取付誤差が大きく、隙間δzがあっても連結構造部4を連結用部材3に挿入できないときには、回転結合部2の位置調整ネジ24を調整し、スペーサリング26、軸25及びスリーブ軸受27を介して連結用部材3をZ方向に微調整する。
【0025】一方、このように嵌合部分に隙間があると、分離型丁番を介して扉を枠に取り付けたときに、上記の隙間δz、δy部分及びX方向で扉がガタつくおそれがある。これに対して本発明を適用した分離型丁番では、以下のようにガタつきが防止される。
【0026】連結用部材3への挿入前には、バネ7で付勢された結合部材6は、その下板62が位置決め板8の案内面81でX方向に位置決めされつつZ方向に案内され、突条部82の端でZ方向にも位置決めされている。この状態で連結構造部4が連結用部材3にX方向に挿入されると、その先端の傾斜面33が結合部材6の先端の手前角部に当たり、これにZ方向の分力を作用させ、バネ7を圧縮して先端面61cが一面側31の位置まで後退するように結合部材6を動かす。
【0027】連結構造部4が更にX方向に挿入され、連結用部材3の溝状部32が結合部材6の突出部61の位置に来ると、バネ7に付勢されている突出部61が溝状部32の中に入り込み、図4に示すのような状態になって両者が接触し、扉側羽根5が枠側羽根1に連結され、結局扉100が枠200に取り付けられる。このとき、突出部61と溝状部32とが圧接状態になっているので、扉側羽根5及び扉100のX方向の位置が定まり、その方向のガタつきが防止される。
【0028】扉が枠に装着されると、図6に示す如く、扉100の重量Wが上下丁番A、B部分で連結用部材3によって支持されることになるが、丁番A、Bでは、通常下の丁番B部分で扉重量を支持するような位置関係に取り付けられる。即ち、丁番Bでは、案内面83が連結用部材3の他面側34に接触し、扉100の重量Wが連結用部材3で支持され、丁番Aでは、突出部61と溝状部32とが圧接し、案内面83と他面側34との間には隙間が生ずる。しかし、扉100は上下丁番A、BでX方向に位置決めされ下丁番BでZ方向荷重を支持されるので、扉100がX、Z方向にガタつくことはない。なお、調整ネジ24を調整し、連結用部材3を動かして上丁番の上側隙間をなくするようにしてもよい。
【0029】一方、上記の状態をY方向で見ると、同図(b)に示す如く、扉100の重量Wによるモーメントにより、上下の丁番A、Bの扉側羽根5には矢印で示すY’方向及びY方向の水平力Fhがかかり、この力が一定位置にある上下の連結用部材3で支持されるため、上の丁番Aでは連結用部材3の表面35と表案内面52aが圧接し、下の丁番Bでは連結用部材3の裏面36と裏案内面85とが圧接し、通常この状態が維持される。その結果、通常上下何れかの丁番がY方向にガタつき、それによって扉100がガタつくことはない。
【0030】従って、本発明の分離型丁番によれば、建築現場で容易にワンタッチで丁番を連結して扉を装着でき、装着後には、扉がガタつくことなく良好な装着状態が維持される。
【0031】図7は本発明の分離型丁番の他の実施例として形状の異なった連結用部材3の溝状部32及び結合部材6の突出部61を示す。本例のものは、図3の形状に加えて、突出部61の外側面61aと溝状部32の内側面32aとが、連結時に外側面61aが内側面32aに入って内側面aをY方向にも加圧する関係になるように形成されている。このような面の関係も図4に準じて種々の形状にすることができる。例えば、外側面61a及び内側面32aを平面とし、これらのZ方向の楔角α1 及びα2 を同じにしたり何れかを少し大きくしたり、Y方向の楔角をβ1 及びβ2 を同じにしたり何れかを少し大きくする。
【0032】同図(b)は上記構造によって生ずるY方向加圧力の発生する状態の説明図である。本図では、図を分かりやすくするために、外側面61aの先端の中間位置の点Pが内側面32aに接触するように示している。又、図において右側の状態を示しているが、左側も同様になる。
【0033】図において点Pを含む水平面S1 にZ方向のバネ力Fが作用すると、この力は、まず角度α2 のZ方向楔により、水平面S1 上で内側面32a上の線Lに直角の方向に楔力F1 を発生させる。この楔力F1 は、次に角度β2 のY方向楔により、図2に示す裏羽根51の内面51bを反力面として内側面32aに直角の面S2 の方向に点Pに楔力F2 を発生させる。そして、この楔力F2 のY方向成分Fyが、連結用部材3と連結構造部4との連結時に外側面61aが内側面32aに入って内側面32aをY方向に加圧する作用を成し、連結用部材3と連結構造部4とをY方向に位置決めする。この力Fyは、楔角β2 を適当に定めることにより、必要とされる大きさになる。この場合、前記の如く楔角α2 を摩擦角より小さくしておけば、楔角β2 を適当に定めても、突出部61が溝状部32から抜け出すことはない。従って、連結構造部4と連結用部材3とのY方向の位置関係も保持される。
【0034】図8は図6(b)に対応する図である。前述の如く、A丁番では扉の重量によるモーメントの作用で表案内面52aが連結用部材3の表面35に圧接しているが、この状態が、突出部61と溝状部32との間のZ方向楔に加えてY方向楔によって保持されるので、どのような力を加えてもガタつかない連結になる。B丁番では、図6(b)では下案内面85が連結用部材3の裏面36に圧接していたが、扉の下方を丁番から離れるY’方向に引っ張ってバネ力によってY方向楔を打ち込み、A丁番と同じ状態にすることにより、例えば上記引っ張り力を加える等どのような力を加えてもガタつかない連結にすることができる。
【0035】図9は本発明を適用した分離型丁番の更に他の実施例を示す。本例の分離型丁番は、表羽根52の表面側から操作可能にされた係合解除機構としてのカム部材9を備えている。カム部材9は、円筒状の支柱部91、これに二段状に取り付けられた角形の大小カム92、93、表面側から操作される六角穴94、等で構成されている。支柱部91は表裏羽根52、51に回転可能に装着されている。又本例では、結合部材6のZ方向の位置決めを位置決め板8でする代わりに、結合部材6の下板62の先端部62cを支柱91に接触させて行うようにしている。なお、支柱91は断面四角形のものであってもよい。
【0036】このようなカム部材9によれば、同図(a)に示すように連結用部材3に連結構造部4が挿入され両者が連結され、外側面61aが内側面32aに入って内側面をZ方向に加圧している状態から、六角穴94によって支柱91を90°回転させるように操作することにより、大カム92がバネ7の付勢する方向の反対方向に上記先端部62cを介して加圧部材6を押し、大カムが90°回転するとバネ力の作用によってカチッと音がして(d)の状態に正確にセットされ、結合関係を解除することができる。これにより、結合部材6をZ方向で後退させ、連結用部材3から離脱させ、扉を取り外すことができる。なお、大カム92は、連結構造部4を連結用部材3に挿入するときガイド機能も有する。
【0037】一方、上記のように結合関係を解除した後連結用部材3に対して連結構造部4をX方向に後退させると、(e)に示す如く、連結用部材3の溝状部の内側面32aが小カム93に当たってこれを90°回転させ、カム部材9を(a)に示す元の状態に復帰させ、再び扉側羽根の連結を可能にする。このような構造にすれば、何ら操作をすることなくカム部材を自動復帰させることができ、使用に便利である。但し、このような小カムを省略し、外部から再度六角穴94を操作して復帰させるものであってもよい。又、結合部材6の突出部61及び連結用部材3の溝状部32の幅が広い場合には、大小カムを一体にして加圧解除用と自動復帰用とに兼用させることができる。
【0038】このような丁番によれば、例えば枠と扉とを取り違えて装着したような場合に、容易に扉の付け替えができる等、丁番の機能性を向上させることができる。なお以上では、分離型丁番が建物の扉枠と扉とに装着された例を示したが、本発明の分離型丁番は、各種容器や装置の開閉部分等にも広く利用されるものである。又、実施例の如くZ軸が上下方向になるように用いられる丁番に限らず、水平方向になる蓋やカバー等の丁番としても使用される。
【0039】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、一方側羽根にXYZのZ軸回りに回転可能な連結用部材と他方側羽根に連結構造部とを設け、連結構造部を、両側に外側面を持ちZ方向に突出した突出部を備えX方向の動きを規制されZ方向に移動可能に支持されている結合部材と、これをZ方向に付勢する付勢手段とを有する構造にするので、連結構造部において付勢部材で突出部を付勢しX方向の一定位置で外側面をZ方向に付勢することができる。
【0040】連結用部材は、X方向に延設されていて、一面側のX方向の中間位置にあって両側に内側面を持ち一面側から退避した溝状部と一面側の先端位置に一面側から退避する方向に傾斜するように形成された傾斜面とを有するので、連結用部材と連結するように連結構造部をX方向に動かすと、付勢されている突出部は傾斜面で反付勢方向に押されて退避し、この状態で突出部を溝状部の位置まで動かすことができる。
【0041】ここで、突出部の外側面と溝状部の内側面とは、連結時に外側面が内側面に入って内側面をZ方向に加圧する関係になるように形成されているので、両面が圧接することになる。これにより、例えば一方側羽根が扉枠に固定されていて連結用部材が一定位置にあるときには、連結構造部従って他方側羽根がX方向の一定位置で自動的に位置決めされ、これに取り付けられている扉のX方向位置を定めることができる。この場合、付勢部材の付勢力で内外側面を圧接させて位置決めするので、連結構造部と連結用部材とは精度の良い嵌合関係にする必要がなく、これらの間には自由に適当な寸法の隙間を設けることができる。
【0042】その結果、連結構造部を連結用部材に余裕をもって単に挿入するだけという最も簡単なワンタッチ操作で扉を枠に連結することができる。従って、従来の丁番のように、連結構造部を余裕のない固い嵌め合い条件で連結用部材に嵌合挿入した後セットネジで位置固定するという、相当困難で面倒であった作業を回避することができる。
【0043】一方、このような付勢力により、一方側羽根と他方側羽根との関係は、Z方向及びX方向にガタつくことなく一定位置に維持される。又Y方向には、通常扉が十分重いため、その重量に伴うモーメントによって羽根に一定方向の力が作用し、その力によって連結用部材に対する連結構造部の位置が定まり、ガタつきが防止される。従って、請求項1の発明によれば、最も簡単な作業により、装着状態が良好になるように扉を取り付けることができる。
【0044】請求項2の発明においては、上記に加えて、外側面と内側面とを連結時に外側面が内側面に入って内側面をY方向に加圧する関係になるように形成しているので、外側面が内側面をZ方向に加圧した状態で更にY方向にも加圧することになり、扉の重量の作用に依存することなく、扉のY方向のガタつきを一層確実に防止することができる。
【0045】請求項3の発明においては、請求項1の発明に加えて、外部から操作可能にされた係合解除機構を設け、この機構を、操作されることにより、連結時に外側面が内側面に入って内側面をZ方向に加圧する関係にあるときに、付勢手段の付勢する方向の反対方向に結合部材を押して結合関係を解除するように構成するので、上記関係を解除することによって連結構造部を連結用部材から離脱させることができる。その結果、例えば扉と枠との組み合わせを誤って扉を枠に装着したような場合に、容易に扉を交換して装着することができ、作業性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000196314
【氏名又は名称】株式会社ニシムラ
【識別番号】591053915
【氏名又は名称】高田 信夫
【出願日】 平成12年6月8日(2000.6.8)
【代理人】 【識別番号】100099782
【弁理士】
【氏名又は名称】景山 憲二
【公開番号】 特開2001−349125(P2001−349125A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−172392(P2000−172392)