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【発明の名称】 可動要素を備えたシステム用の防音装置
【発明者】 【氏名】カルル ハーブ

【氏名】ブルーノ シュタウファー

【要約】 【課題】少なくとも一つの可動な要素、特に横方向にスライド可能な要素を具備する防音装置を提供する。

【解決手段】防音装置1は、可動要素、特に横方向に摺動可能な要素を具備する機械システムを取付本体に連結するのに用いられる。ここでは可動要素によって引き起こされて取付本体に伝達される振動は防音装置1によって緩衝される。防音装置1は機械システムに連結可能な基礎プレート31を具備する中間部分と、基礎プレート31によって連結される二つのウイング要素32a、32bとを具備し、各ウイング要素は軟音層を介してアングル要素2a、2bの側方部分に連結され、これらアングル要素は取付本体に連結可能な基礎部分を具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可動な要素、特に横方向に摺動可能な要素を具備する機械システムを取付本体、特にワードローブの上方カバー(201)、天井または側壁に連結するための防音装置(1)において、前記機械システムに連結可能な硬音性中間部分(3)の基礎プレート(31)は二つのウイング要素(32a、32b)を互いに連結し、各ウイング要素(32a、32b)は軟音性弾性層(4a、4b)を介して硬音性アングル要素(2a、2b)の側方部分(22a、22b)に連結され、該硬音性アングル要素(2a、2b)は前記取付本体に連結可能な基礎部分(21a、21b)を具備する防音装置。
【請求項2】 二つの軟音性弾性層(4a、4b)の構成および大きさは、当該防音装置(1)を配置することにより前記機械システムが騒音信号の周波数帯域より低い共振周波数を有する振動システムとなるように、前記ウイング要素(32a、32b)と前記側方部分(22a、22b)との傾きに応じて選択される請求項1に記載の防音装置。
【請求項3】 前記中間部分(3)に連結されたウイング要素(32a、32b)と前記アングル要素(2a、2b)に連結された側方部分(22a、22b)とは、前記中間部分(3)が重力方向に移動する間に前記軟音性弾性層(4a、4b)が剪断力および圧力を受けるように、互いに向かって傾斜している請求項1または2に記載の防音装置。
【請求項4】 前記中間部分(3)に連結されたウイング要素(32a、32b)と前記アングル要素(2a、2b)に連結された側方部分(22a、22b)とは、前記軟音性弾性層(4a、4b)が溶けてしまった後でも前記中間部分(3)が前記アングル要素(2a、2b)によって重力方向において保持されるように互いに対して傾けられる請求項1〜3のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項5】 前記軟音性弾性層(4a、4b)はゴムから成るおよび/または接着剤によってウイング要素(32a、32b)および前記側方部分(22a、22b)に連結される請求項1〜4のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項6】 該軟音性弾性層(4a、4b)の端部が円筒形状をなして端部に向かって連続的に薄くなるように、前記軟音性弾性層(4a、4b)の材料は前記中間部分(3)のウイング要素(32a、32b)と前記アングル要素(2a、2b)の側方部分(22a、22b)とに取付けられる請求項1〜5のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項7】 前記アングル要素(2a、2b)は天井または壁に連結され、前記中間部分はレール(5)に連結され、摺動ドアまたは摺動分離要素を保持する移動機構(6)が該レール(5)に沿って案内される請求項1〜6のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項8】 前記中間部分(3)の基礎プレート(31)と各アングル要素(2a、2b)の基礎部分(21a、21b)とには開口(23a、23b;33)が設けられ、これら開口を通って取付ネジが案内される請求項1〜7のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項9】 前記中間部分(3)は前記アングル要素(2a、2b)に対して下方または上方を向いている請求項1〜8のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項10】 前記中間部分(3)は前記レール(5)の一部である請求項1〜9のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項11】 前記軟音性弾性層(4a、4b)の面圧は2kg/cm2〜4kg/cm2である請求項1〜10のいずれか一つに記載の防音装置。
【請求項12】 前記軟音性弾性層(4a、4b)によって連結される前記中間部分(3)の側部と前記アングル要素(2a、2b)とには保持ストリップ(34)が設けられる請求項1〜11のいずれか一つに記載の防音装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動な要素、特に横方向に摺動可能な要素を備えた機械システムを取付本体、特にワードローブの上方カバー、天井または側壁に連結するための防音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空間を閉じたり、空間を分断したりするために、スライドドアが頻繁に用いられており、このようなスライドドアはレール内にて案内される移動機構に連結されている(例として図4に移動機構6とレール5とを示す)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、レールは天井や側壁に取付けられる。これら装置は使用中の移動機構やレール、大抵非常に重いスライドドア、および壁の構造に応じて騒音を発することが多い。
【0004】例えば会議室で講義が行われている場合に、隣接した部屋においてスライドドアや側壁を移動することによって発せられる音は会議室の講義を妨害してしまう。この騒音は、特に周囲の騒音レベルが最小となる夜間のアパートにおいても平静を乱してしまう。また、現在の閉鎖システムは電気モータによって駆動される移動機構を備えていることがある。そして電気モータによって起こる振動も平静を乱してしまう。
【0005】したがって本発明は、少なくとも一つの可動な要素、特に横方向にスライド可能な要素を具備する防音装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的は、可動な要素、特に横方向に摺動可能な要素を具備する機械システムを取付本体、特にワードローブの上方カバー、天井または側壁に連結するための防音装置であって、機械システムに連結可能な硬音性中間部分の基礎プレートは二つのウイング要素を互いに連結し、各ウイング要素は軟音性弾性層を介して硬音性アングル要素の側方部分に連結され、これら硬音性アングル要素は取付本体に連結可能な基礎部分を具備する防音装置によって達成せしめられる。本発明の有利な実施例の一つでは、二つの軟音性弾性層の構成および大きさは、防音装置を配置することにより機械システムが騒音信号の周波数帯域より低い共振周波数を有する振動システムとなるように、ウイング要素と側方部分との傾きに応じて選択される。本発明の有利な実施例の一つでは、中間部分に連結されたウイング要素とアングル要素に連結された側方部分とは、中間部分が重力方向に移動する間に軟音性弾性層が剪断力および圧力を受けるように、互いに向かって傾斜している。本発明の有利な実施例の一つでは、中間部分に連結されたウイング要素とアングル要素に連結された側方部分とは、軟音性弾性層が溶融せしめられた後でも中間部分がアングル要素によって重力の方向に保持されるように互いに対して傾けられる。本発明の有利な実施例の一つでは、軟音性弾性層はゴムから成るおよび/または接着剤によってウイング要素および側方部分に連結される。本発明の有利な実施例の一つでは、軟音性弾性層の材料は軟音性弾性層の端部が円筒形状をなして端部に向かって連続的に薄くなるように中間部分のウイング要素とアングル要素の側方部分とに取付けられる。本発明の有利な実施例の一つでは、アングル要素は天井または壁に連結され、中間部分はレールに連結され、摺動ドアまたは摺動分離要素を保持する移動機構がこのレールに沿って案内される。本発明の有利な実施例の一つでは、中間部分の基礎プレートと各アングル要素の基礎部分とに開口が設けられ、これら開口を通って取付ネジが案内される。本発明の有利な実施例の一つでは、中間部分はアングル要素に対して下方または上方を向いている。本発明の有利な実施例の一つでは、中間部分はレールの一部である。本発明の有利な実施例の一つでは、軟音性弾性層の面圧は2kg/cm2〜4kg/cm2である。本発明の有利な実施例の一つでは、軟音性弾性層によって連結される中間部分の側部とアングル要素とには保持ストリップが設けられる。
【0007】少なくとも一つの可動要素を具備する機械システム用に形成された防音装置は機械システムから隣接したシステムへ騒音となる音波が伝達されることを防止する。この種の機械システムは例えば移動機構が摺動可能に取付けられたレールを具備する。レールは例えば部屋の天井またはワードローブの上方カバーに防音装置によって連結される。
【0008】機械システムに結合されて振動システムを形成する防音装置は形成された振動システムの共振周波数が或るシステムが緩衝されていない場合に騒音となる音波を引き起こしてしまう周波数帯域外の周波数となるように形成される。共振周波数帯域外の音波は防音装置内において連なって配設される二つの反射領域で反射せしめられる。
【0009】防音装置は取付本体に連結される二つのアングル要素を具備するのが好ましく、各アングル要素は機械システムを懸垂する中間部分に軟音性弾性層を介して連結される。アングル要素と中間部分とは、接着剤で取付けられた軟音性弾性層が中間部分と対応のアングル要素とから外れてしまうのを防止するために軟音性弾性層に圧力が加えられるように形成されるのが好ましい。
【0010】好適な実施例では、火災時に軟音性弾性層が溶けてしまった場合でも中間部分がアングル要素から完全に外れてしまうことは防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は可動な要素、特に横方向に摺動可能な要素を具備する機械システムを取付けるのに使用される本発明の防音装置1を示す。例えば図4に示したように、機械システムは防音装置1によって取付本体に連結されるレール5と、摺動ドアや摺動要素を摺動可能に保持しつつレール5内において案内される移動機構6とを具備する。
【0012】可動要素によって発生せしめられる振動を良好に緩衝し且つ部分的に反響させるための防音装置1は、好ましくは金属で形成される硬音性(sound hard)中間部分3と、好ましくは金属で形成される二つの硬音性アングル要素2a、2bとを有する。
【0013】中間部分3は機械システム(例えばレール5)に連結可能な基礎プレート31を具備する。基礎プレート31は二つのウイング要素32a、32bを互いに連結する。各ウイング要素32a、32bはそれぞれ軟音性(sound soft)弾性層4a、4bを介して対応するアングル要素2a、2bの側方部分22a、22bに連結される。アングル要素2a、2bは側方部分22a、22bの他に取付本体に連結可能な基礎部分21a、21bを具備する。
【0014】防音装置1を配置することにより、この防音装置1に連結された機械システムは可動要素が横方向に摺動せしめられたときに生じる騒音信号の周波数帯域より低い少なくとも一つの共振周波数を有する振動システムとなる。振動システムは二つの軟音層4a、4bの構成および大きさの選択によって調整される。これら軟音層は好ましくは高質のゴム材料から成り且つ接着剤によってそれぞれ対応のウイング要素32a、32bと対応の側方部分22a、22bとに取付けられる。
【0015】振動システムの共振周波数は防音装置1のバネ定数の平方根をこの防音装置1に連結されるシステムの質量の平方根で割ることにより得られる。また、好適な実施例において、軟音層4a、4bに加わる面圧は2kg/cm2〜4kg/cm2の範囲で選択される。
【0016】層4a、4bを構成する材料として軟音性材料を選択したことによって、軟音性材料4a、4bと硬音性ウイング要素32a、32bとの間の遷移領域、および軟音性材料4a、4bと側方部分22a、22bとの間の遷移領域に二つの反射領域(reflection zone)が形成される。振動システムの共振領域外の音波はこの反射領域で反射されるので、防音装置1は機械システムを二重に防音する。
【0017】反射率は反射領域に隣接した材料の硬音度(sound hardness)または音響インピーダンスの比と、音の波長、音密度(density of the sound)とに依存する。
【0018】音響インピーダンスが高い物質は硬音性の物質と呼ばれ、音響インピーダンスが低い物質は軟音性の物質と呼ばれる。硬音度または音響インピーダンスは材料の密度に材料内における音の伝播速度を掛けることにより得られる。
【0019】中間部分3に連結されたウイング要素32a、32bと、アングル要素2a、2bに連結された側方部分22a、22bとは、中間部分3が重力方向に移動すると軟音層4a、4bが剪断と圧縮とを同時に受けるように、互いに向かって傾いているのが好ましい。
【0020】振幅が大きくて周波数が低い振動は剪断方向への移動により起こる。同時に圧力が加えられるので、軟音性材料は予め定められた形態を維持し、さらに例えば剪断力によって層4a、4bが外れてしまうことが防止される。したがって、図1に示した防音装置1は音響インピーダンスが低い弾性材料を使用することができる。防音装置1の要素の関連の寸法に記号(高さh、幅b、長さl、厚さd)をつけたもの図2に示す。中間部分3とアングル要素2a、2bとは、振動中に中間部分3が取付本体に接触することのないように且つアングル要素2a、2bがレール5に接触することのないように、重力方向に互いにずらされている。
【0021】ウイング要素32a、32bと側方部分22a、22bとは重力方向に対して大きく傾いており(図示した実施例ではそれぞれ30°、35°)、このため防音装置1に荷重が加わると、大きな力のベクトルが発生して軟音層4a、4bが剪断力と圧縮力とを同時に受けるようになる。
【0022】側方部分22a、22bとウイング要素32a、32bとを相互に重なり合うように傾けることで、軟音層4a、4bが溶けてしまった場合でも中間部分3のウイング要素32a、32bはアングル要素2a、2bの側方部分22a、22bによって支持される。これによれば火災時において、可動部分を具備する機械システムは取付本体に連絡されたままである。
【0023】軟音層4a、4bの端部を好適な形状にすることによって、負荷状態にある時に軟音層4a、4bが外れてしまうことが防止される。支持面に向かって収束する形状を選択すれば、負荷下で機械的な張力が軟音層4a、4bに沿って均一に分布するようになるのが好ましい。軟音層4a、4bを構成する材料は、軟音層4a、4bの端部が円筒形状をなして端部に向かって連続的に薄くなるようにして中間部分3に連結されたウイング要素32a、32bおよびアングル要素2a、2bに連結された側方部分22a、22b上にあるのが好ましい。好ましくは製造中の扱いを簡単にするために、硬化(磁化)プロセスを加える場合にゴム層4a、4bの境界が円筒形状の物体によって定められる(図1参照、円K1およびK2)。
【0024】本発明の防音装置1は様々な種類の機械システムを取付本体に設置するのに使用される。防音装置は寸法が小さいので、摺動ドアまたは摺動分離要素(図4参照)を保持している移動機構6を案内するためのレール5(図2参照)に取付けるために使用するのに有利である。
【0025】防音装置1は簡単な手段で設置される。中間部分3の基礎プレート31と各アングル要素2a、2bの基礎部分21a、21bとは開口23a、23b;33を具備するのが好ましく、この開口を通って取付ネジが配置され、取付ネジはそれぞれ取付本体またはレール5に連結される。
【0026】図1に示した防音装置1の中間部分3は上方に向かって開いた状態にて設置される。しかしながら、中間部分3を下方に向かって開いた状態にて設置することも可能である。下方に開いた状態にて設置された中間部分3は、例えば図2に示したようなレール5の形態を有する。
【0027】図3は、一方の側でレール5に且つ他方の側で保持プレート200に連結された第二の防音装置100を示す。第二の防音装置100は軟音性要素400を具備し、この軟音性要素400内にネジ山を備えたチューブ300が収容される。そしてこのチューブ300内にレール5を保持するように構成された取付ネジ7がねじ込まれる。軟音性要素400とチューブ300との間、および保持プレート200とチューブ300との間、および本実施例では軟音性要素400に隣接したレール5上にも音の伝播を小さくする反射領域が形成される。
【0028】図4は、天井またはワードローブの上方カバー201と統合され且つレール5に連結された第三の防音装置101を示す。第三の防音装置101はフランジ302を具備するチューブ301を受容する軟音性要素401を具備する。
【0029】レール5は取付ネジ7によってチューブ301に連結される。軟音性要素401は境界縁部403を備えたフランジ404とシリンダ本体402とを具備し、シリンダ本体402内にはチューブ301を挿入するための開口が設けられる。天井または、ワードローブの上方カバー201には、軟音性要素401を受容するための開口202が適切に設けられる。
【0030】軟音性要素401と天井201との間に弾性層405が配設され、この弾性層405によってレール5が天井またはワードローブの上方カバー201から隔離される。軟音性要素401と天井201との間に、またはワードローブの上方カバー201とチューブ301との間に音の伝達を減少させる反射領域が形成される。
【0031】図5は図1の防音装置1を示すものであり、互いの方へ向かう中央部分3の側部とアングル要素2a、2bとは保持ストリップ34を備える。保持ストリップはその高さが0.1mm〜5mmであり、底部から頂部まで直線状の勾配部または傾斜した勾配部を形成する。保持ストリップは弾性層4a、4bを所定の位置に保持するようにおよび/または弾性層4aまたは4bの接着が剥がれてしまった場合に中間部分3とアングル要素2a、2bとを嵌合連結させるように用いられ、これにより安全性が増す。保持ストリップ34はもっと短くてもよいし、一つ以上の切欠き部を有してもよい。
【出願人】 【識別番号】500394258
【氏名又は名称】ハバ アクチェンゲゼルシャフト
【出願日】 平成13年3月29日(2001.3.29)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
【公開番号】 特開2001−336343(P2001−336343A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2001−94962(P2001−94962)