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【発明の名称】 戸車付き引戸用敷居
【発明者】 【氏名】渡部 数一

【要約】 【課題】木ねじの挿通孔の加工が敷居の敷設現場でも容易な戸車付き引戸用敷居を提供する。

【解決手段】戸車を案内し長手方向に延びる溝部11が形成され、且つ床部Fへ固定されるための木ねじN1の挿通孔Hを備え、押出成形によって製造される戸車付き引戸用敷居であって、その溝部11に平行に、少なくとも一条の補助溝12が形成され、しかも木ねじN1の挿通孔Hがその補助溝12の内部に形成され、且つその挿通孔Hに挿通された木ねじN1の頭部の全てが補助溝12内に収納可能に構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 戸車を案内し長手方向に延びる溝部が形成され、且つ床部へ固定されるための木ねじの挿通孔を備え、押出成形によって製造される戸車付き引戸用敷居であって、その溝部に平行に、少なくとも一条の補助溝が形成され、しかも木ねじの挿通孔がその補助溝の内部に形成され、且つその挿通孔に挿通された木ねじの頭部の全てが補助溝内に収納可能に構成されていることを特徴とする戸車付き引戸用敷居。
【請求項2】 前記木ねじは、その頭部が逆円錐台状のさら木ねじであり、前記補助溝の断面形状は、木ねじの頭部を収納可能に略V字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の戸車付き引戸用敷居。
【請求項3】 前記木ねじは、その頭部の下面が水平の丸木ねじであり、前記補助溝の断面形状は、木ねじの頭部を収納可能に上方に開口する略コ字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の戸車付き引戸用敷居。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸車を介して引戸を支え、引戸の開閉時に戸車を案内する戸車付き引戸用敷居に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、戸車(図示省略)を介して引戸を支え、引戸の開閉時に戸車を案内する戸車付き引戸用敷居の一例として、図10乃至図12に示すものが使用されている。この敷居40は、アルミの押出成形によって製造されたものであって、その外形および形成された一条の溝部41は押出し時に形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、敷居40を床部Fに固定するため使用される逆円錐台状の頭部付き木ねじ(さら木ねじ)N1の挿通孔H1を敷居40に加工することは、敷居40の押出成形と同時にすることはできず、別加工が必要となる。
【0004】すなわち、その挿通孔H1は、ねじ部を挿通する単純な円筒部分と逆円錐台状の頭部を収納保持する逆円錐台部分(テーパー状の部分)との2部分よりなるため、2工程の加工作業及びそのための工具とが必要であるので、敷居40の敷設現場でのドリルによる加工は困難であり、また、例え工具があったとしても、かなりの時間と費用とを要するという問題点がある。
【0005】さらに、何等かの原因で螺結力が低下し、木ねじが抜け易くなって、敷居の固定力が低下した場合、他の部分に木ねじを挿通可能な挿通孔を穿ける必要があるが、現場では適当な工具がなく直ちに対応出来ないという問題点がある。
【0006】なお、いわゆる丸木ねじのように頭部の下面が水平の場合についても、挿通孔の上下2段の孔径が異なるため、2工程の加工作業が必要であり、上述の問題点とは程度は異なるものの、依然としてかなりの時間と費用とを要するという問題点が残る。
【0007】そこで本発明の目的とするところは、上記従来例の欠点を解消した、木ねじの挿通孔の加工が敷居の敷設現場でも容易な戸車付き引戸用敷居を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するために、請求項1に記載の戸車付き引戸用敷居は、戸車を案内し長手方向に延びる溝部(11,21,31)が形成され、且つ床部(F)へ固定されるための木ねじ(N1,N2)の挿通孔(H)を備え、押出成形によって製造されるものであって、その溝部(11,21,31)に平行に、少なくとも一条の補助溝(12,22,32)が形成され、しかも木ねじ(N1,N2)の挿通孔(H)がその補助溝(12,22,32)の内部に形成され、且つその挿通孔(H)に挿通された木ねじ(N1,N2)の頭部の全てが補助溝(12,22,32)内に収納可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】また請求項2に記載の発明は、請求項1の発明の構成に加えて、木ねじは、その頭部が逆円錐台状のさら木ねじ(N1)であり、補助溝(12,32)の断面形状は、木ねじ(N1)の頭部を収納可能に略V字状に形成されていることを特徴とする。
【0010】さらに請求項3に記載の発明は、請求項1の発明の構成に加えて、木ねじは、その頭部の下面が水平の丸木ねじ(N2)であり、補助溝(22)の断面形状は、木ねじ(N2)の頭部を収納可能に上方に開口する略コ字状に形成されていることを特徴とする。
【0011】なお、上記の課題を解決するための手段に記載された括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施の形態に記載された記号に対応するものである。
【0012】請求項1に記載の発明によれば、戸車付き引戸用敷居は押出成形によつて製造されるので、その外形および溝部、木ねじの頭部の収納が可能な断面形状の補助溝が押出時に同時に形成される。そのため、床部に戸車付き引戸用敷居を固定するために戸車付き引戸用敷居に設けられる木ねじ挿通用の挿通孔は、ねじ部のみを挿通可能な単純円筒部分のみで足りるので、加工がハンドドリル等の簡単な工具による現場で実施可能な1工程で済み、その加工の時間及び費用が著しく軽減される。
【0013】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、補助溝の断面形状がV字状に形成されていて、頭部が逆円錐台状のいわゆるさら木ねじを適用可能であり、また請求項3の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、補助溝の断面形状がコ字状に形成されていて、頭部の下面が水平のいわゆる丸木ねじを適用可能である。特に請求項2の場合には、何等かの原因でいずれかの木ねじの螺結力が低下し、抜け易くなって敷居の固定力が低下した場合、その木ねじを引き抜く必要が生じるが、その際、木ねじは全面ではなく左右両側だけが補助溝の内面に当接するものであるので、前後方向に工具を差し込み引き上げると木ねじを容易に引き抜くことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態例)本発明の第1の実施の形態例について図1乃至図3を参照して説明すると、図1は敷設前の状態を示す斜視図、図2はその断面図、図3は敷設後の状態を示す断面図である。
【0015】本発明の第1の実施の形態例に係る戸車付き引戸用敷居10は、アルミの押出成形によって製造されたものであって、その外形と長手方向に延びる一条の溝部11及び二条の補助溝12,12は押出し時に同時形成される。その補助溝12,12内には、後述するように、敷居10を床部Fへ固定するための木ねじN1がそれぞれ挿通される挿通孔H,Hが形成され、しかも各補助溝12の断面形状は、逆円錐台状の頭部付き木ねじN1の頭部の全てを収納可能なように略V字状に形成されている。なお、敷居10の材料はアルミが成形性・耐久性等から最も好ましいが、これに限定されるものではない。
【0016】挿通孔H,Hは、木ねじN1の頭部の径よりも小さく、ねじ部の径よりも大きい径からなる単純な円筒形であるので、工場でももちろん、敷居10の敷設現場においても、ハンドドリル等の簡単な工具を使って容易に加工可能である。それにより、加工場所についての自由度が増すだけでなく、作業時間及び費用が軽減される。
【0017】なお各木ねじN1のねじ部が床部F内に十分に螺結されてさえいれば、その頭部の全面ではないにしろ、下面の少なくとも左右両側が補助溝12の内面に当接しそれによって敷居10を押さえているため、敷居10の固定強度は従来例のそれと殆ど変わらない。また、何等かの原因でいずれかの木ねじN1の螺結力が低下し、抜け易くなって敷居10の固定力が低下した場合、その木ねじN1を引き抜く必要が生じるが、その際、木ねじN1は上述のように全面ではなく左右両側だけが補助溝12の内面に当接するものであるので、前後方向に工具を差し込み引き上げると木ねじN1を容易に引き抜くことができる。その後、補助溝12の他の部分にハンドドリル等で容易に挿通孔Hを穿け、木ねじN1で螺結すれば直ちに修復能であり、便利である。
【0018】(第2の実施の形態例)次に第2の実施の形態例について図4乃至図6を参照して説明すると、本発明の第2の実施の形態例に係る戸車付き引戸用敷居20は、二条の補助溝22,22を除く外形は第1の実施の形態例のそれと同様である。各補助溝22の断面形状は、頭部の下面が水平である丸木ねじN2を収納可能なように上方に開口する略コ字状に形成されている。すなわち、補助溝22は、丸木ねじN2の頭部下面と当接可能な水平の底を有し、その幅は木ねじN2の頭部の径より大きく、その深さは頭部の高さに等しいか僅かに深くなっている。なお、補助溝22,22内には、それぞれ丸木ねじN2が挿通される挿通孔H,Hが形成されることは、第1の実施の形態例と同様である。これによれば、丸木ねじN2を適用可能なことを除いて、第1の実施の形態例の作用効果と略同等である。
【0019】(第3の実施の形態例)次に第3の実施の形態例について図7乃至図9を参照して説明すると、本発明の第2の実施の形態例に係る戸車付き引戸用敷居30は、その幅が狭い敷居である。上述の実施の形態例がいずれも左右対称であって、二条の補助溝が形成されているのとは異なり、非対称で、一条の溝部31に平行に一条の断面コ字状の補助溝32が形成されている。なお、作用効果は、基本的には上述のものと同じである。
【0020】
【発明の効果】以上のとおり請求項1に記載の発明によれば、押出成形によつて外形および溝部、木ねじの頭部の収納が可能な断面形状の補助溝が同時に形成されるので、床部に戸車付き引戸用敷居を固定するために設けられる木ねじ挿通用の挿通孔は、ねじ部のみを挿通可能な単純円筒部分のみで足りる。よって、加工がハンドドリル等の簡単な工具による現場で実施可能な1工程で済むので、その加工の時間及び費用が著しく軽減される。
【0021】請求項2の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、補助溝の断面形状がV字状に形成されていて、頭部が逆円錐台状のいわゆるさら木ねじを適用可能であり、また請求項3の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、補助溝の断面形状がコ字状に形成されていて、頭部の下面が水平のいわゆる丸木ねじを適用可能である。特に請求項2の場合には、何等かの原因でいずれかの木ねじの螺結力が低下し、抜け易くなって敷居の固定力が低下した場合、その木ねじを引き抜く必要が生じるが、その際、木ねじは全面ではなく左右両側だけが補助溝の内面に当接するものであるので、前後方向に工具を差し込み引き上げると木ねじを容易に引き抜くことができる。
【出願人】 【識別番号】597040197
【氏名又は名称】有限会社第一興業
【出願日】 平成12年5月30日(2000.5.30)
【代理人】 【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則 (外1名)
【公開番号】 特開2001−336342(P2001−336342A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−159586(P2000−159586)