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【発明の名称】 吊戸用のガイドレールの取付構造
【発明者】 【氏名】木戸 勇

【要約】 【課題】戸袋Sを分解することなく、吊戸駆動用のリニアモータ21を簡単に保守点検する。

【解決手段】戸袋Sの内外に延びるレールベース15と、レールベース15に付設するガイドレール11と、ガイドレール11の先端に付設する係合部材12と、ガイドレール11に装着するリニアモータ21とを組み合わせる。ガイドレール11は、係合部材12を戸袋S内の竪枠41に係合させて着脱可能に固定し、戸袋S外においてレールベース15にねじ止めすることにより、戸袋Sを分解することなく、リニアモータ21とともに戸袋Sの外部に取り出すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 戸袋の内外に延びるレールベースと、該レールベースに付設するガイドレールと、該ガイドレールの先端に付設する係合部材と、前記ガイドレールに装着する吊戸駆動用のリニアモータとを備えてなり、前記ガイドレールは、前記係合部材を戸袋内の固定材に係合させて着脱可能に固定し、戸袋外において前記レールベースにねじ止めすることを特徴とする吊戸用のガイドレールの取付構造。
【請求項2】 前記係合部材は、先細に形成することを特徴とする請求項1記載の吊戸用のガイドレールの取付構造。
【請求項3】 前記係合部材の固定位置は、前記ガイドレールの長手方向に調節可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の吊戸用のガイドレールの取付構造。
【請求項4】 前記リニアモータの可動子は、連結部材を介し、前記ガイドレールから吊下する吊戸に着脱自在に連結することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の吊戸用のガイドレールの取付構造。
【請求項5】 前記リニアモータの固定位置は、前記ガイドレールの長手方向に調節可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか記載の吊戸用のガイドレールの取付構造。
【請求項6】 前記ガイドレールは、相対向する保持溝を介して前記リニアモータ用の取付ベースを移動調節可能に保持することを特徴とする請求項5記載の吊戸用のガイドレールの取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、戸袋を分解することなく、吊戸駆動用のリニアモータを簡単に保守点検することができる吊戸用のガイドレールの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】引戸式の吊戸を吊下するガイドレールは、戸袋の内外に延びるレールベースに固定され、吊戸を戸袋の内外に移動させることができる。
【0003】すなわち、ガイドレールは、レールベースに対し、戸袋の内外においてそれぞれねじ止めして取り付けられている。また、吊戸を開閉駆動するリニアモータは、ガイドレールと平行にレールベースにねじ止めされている。そこで、リニアモータは、保守点検のためにレールベースから取り外すとき、戸袋を一旦分解し、止めねじを外してレールベースから取り外さなければならず、保守点検後、レールベースに組み付けて戸袋を再組立する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術によるときは、リニアモータは、保守点検するに際して戸袋を分解しなければならないから、全体作業が極めて煩雑であるという問題があった。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、ガイドレールにリニアモータを装着し、ガイドレールの先端に係合部材を付設することによって、戸袋を分解することなく、リニアモータを簡単に保守点検することができる吊戸用のガイドレールの取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、戸袋の内外に延びるレールベースと、レールベースに付設するガイドレールと、ガイドレールの先端に付設する係合部材と、ガイドレールに装着する吊戸駆動用のリニアモータとを備えてなり、ガイドレールは、係合部材を戸袋内の固定材に係合させて着脱可能に固定し、戸袋外においてレールベースにねじ止めすることをその要旨とする。
【0007】なお、係合部材は、先細に形成することができ、係合部材の固定位置は、ガイドレールの長手方向に調節可能とすることができる。
【0008】また、リニアモータの可動子は、連結部材を介し、ガイドレールから吊下する吊戸に着脱自在に連結してもよく、リニアモータの固定位置は、ガイドレールの長手方向に調節可能であってもよい。
【0009】さらに、ガイドレールは、相対向する保持溝を介してリニアモータ用の取付ベースを移動調節可能に保持することができる。
【0010】
【作用】かかる発明の構成によるときは、リニアモータを装着するガイドレールは、先端の係合部材を戸袋内の固定材に係合させて着脱自在に固定し、戸袋外においてレールベースにねじ止めすることにより、戸袋の内外に延びるリニアモータを所定位置に設置することができる。なお、ガイドレールには、吊戸を開閉自在に吊下し、リニアモータは、吊戸を開き方向、閉じ方向に駆動することができる。そこで、ガイドレールは、止めねじを外して係合部材を戸袋内の固定材から分離させることにより、戸袋を分解することなく、リニアモータとともに戸袋の外部に取り出すことができる。なお、係合部材を係合させる固定材は、戸袋内の竪枠の他、戸袋内に設置する係合ブラケットや、戸袋内に露出する壁の一部等を使用することができる。
【0011】先細の係合部材は、固定材の係合孔に容易に挿入して係合させることができる。
【0012】係合部材は、固定位置を調節してガイドレールからの突出量を設定し、固定材の係合孔に対して適切な深さに挿入することができる。
【0013】連結部材を介してリニアモータの可動子を吊戸に連結すれば、連結部材の形状を適切に選定することにより、リニアモータに対する吊戸の連結位置に関し、設計上の自由度を大きくすることができる。
【0014】リニアモータは、固定位置を調節することにより、吊戸の開閉ストロークに合わせて適切に位置決めして固定することができる。
【0015】リニアモータ用の取付ベースを移動調節可能に保持するガイドレールは、取付ベースを介してリニアモータを所定の固定位置に容易にセットするとともに、取付ベースを拘束してリニアモータを固定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0017】吊戸用のガイドレールの取付構造は、戸袋Sの内外に延びるレールベース15と、レールベース15に付設するガイドレール11と、ガイドレール11の先端に付設する係合部材12と、ガイドレール11に装着するリニアモータ21とを備えてなる(図1、図2)。
【0018】レールベース15、ガイドレール11は、壁WLの開口部に設ける戸枠40の上部に組み付けられている。戸枠40は、竪枠41、41、上枠42を組み合わせて形成され、戸枠40には、戸袋Sを形成する表裏のパネル43、43、上方の表裏の補助パネル44、44が組み付けられている。また、戸枠40には、ガイドローラ31a、31aを介してガイドレール11から吊下する吊戸31が組み込まれ、ガイドローラ31a、31aは、それぞれブラケット31bを介して吊戸31の上端に装着されている。なお、吊戸31の戸先側の表面、裏面には、それぞれ把手31dが付設されている。
【0019】吊戸31は、パネル43、43、補助パネル44、44とともに壁WLの開口部を閉じることができ、パネル43、43は、それぞれの間に形成する戸袋S内に開放時の吊戸31を収納することができる。また、上部の補助パネル44、44は、着脱可能に取り付けられ、パネル43、43とともにレールベース15、ガイドレール11、リニアモータ21を隠蔽している。なお、吊戸31の下部は、床Fに立設するガイドローラ32に係合して開閉自在に拘束されている。
【0020】レールベース15の前面下部には、戸袋S内においてガイドレール11を支持する支持ブロック15c、15c…が列設されている。また、レールベース15は、上部に前向きのフランジ15aが形成され、止めねじ15b、15b…を介して上枠42にねじ止めされている(図1、図3)。ただし、図3には、1本の止めねじ15bのみが図示されている。
【0021】ガイドレール11は、レールベース15の前面に固定されている。ガイドレール11の上半部には、取付部11aが形成されており、取付部11aには、上下に相対向する保持溝11b、11bが形成されている。また、ガイドレール11の下端には、前向きのフランジ11cが形成され、フランジ11cの先端には、吊戸31のガイドローラ31a、31aが係合する上向きの係合リブ11dが形成されている。
【0022】係合部材12は、ブラケット12aを介し、戸袋S内のガイドレール11の先端に付設されている(図1、図2)。係合部材12は、上下左右の側面を先端に向けて斜めに切り欠いて先細に形成され、ブラケット12aの一面に突設されている。なお、ガイドレール11の保持溝11b、11bには、取付ベース12cが移動調節可能に保持されており、ブラケット12aは、ボルト12b、12b…を取付ベース12cにねじ込んで固定されている。
【0023】ブラケット12aは、ボルト12b、12b…を緩め、取付ベース12cを介してガイドレール11の長手方向に固定位置を調節し、ガイドレール11の先端から突出する係合部材12の突出量を設定することができ、ボルト12b、12b…を締め付けて取付ベース12cを拘束し、ブラケット12a、係合部材12を適切な固定位置にロックすることができる。なお、戸袋S内の竪枠41の上部には、補強板41bが付設され、係合部材12に適合する係合孔41aが補強板41bと共通に形成されている。
【0024】ガイドレール11は、戸袋S内において、係合部材12を竪枠41の係合孔41aに挿入して竪枠41に係合させ、先端を着脱可能に固定するとともに、支持ブロック15c、15c…を介して中間部を支持することができる。また、ガイドレール11は、戸袋S外において、止めねじ11e、11e…を介してレールベース15の前面にねじ止めされている(図2、図3)。なお、ガイドレール11は、戸袋S外の竪枠41との間に十分な余裕スペースdを設け、レールベース15に沿って平行移動させることにより、戸袋S内の係合孔41aに対して係合部材12を容易に挿入し、抜き取ることができる。
【0025】リニアモータ21は、取付ベース21e、21eを介してガイドレール11の取付部11aに装着されている(図1、図3)。すなわち、リニアモータ21の各端部は、保持溝11b、11bにより移動調節可能に保持する取付ベース21eにボルト21d、21dをねじ込んで固定されている。リニアモータ21は、ボルト21d、21d…を緩め、取付ベース21e、21eを介して固定位置をガイドレール11の長手方向に調節することができ、ボルト21d、21d…を締め付けて取付ベース21e、21eを拘束し、適切な固定位置にロックすることができる。
【0026】リニアモータ21の可動子21aは、戸袋S外において、連結部材22を介し、ガイドレール11から吊下する吊戸31に着脱可能に連結されている(図3、図4)。連結部材22は、止めねじ22c、22cを介して吊戸31の戸先側のブラケット31bの上部に装着されており、ガイドレール11に沿って延びる延長部22aには、後向きの係合片22b、22bが形成されている。一方、可動子21aには、止めねじ21c、21cを介し、連結部材22の係合片22b、22bが左右両側から係合する係合部材21bが下向きに装着されている。なお、ブラケット31bは、スペーサ31cを介して吊戸31の上端面に固定されている。
【0027】リニアモータ21は、把手31dを介して吊戸31を開き方向に操作すると、可動子21aを駆動して吊戸31を開き方向に駆動し、吊戸31を全開に開くことができる(図2の二点鎖線)。このとき、把手31dに加える開き方向の操作力は、約500g程度に小さく設定するのがよい。また、リニアモータ21は、戸枠40内に障害物がないことを条件にして、吊戸31を自動的に全閉することができる(図2の実線)。なお、吊戸31は、停電時においても、手動により軽快に開閉操作することができる。ただし、リニアモータ21は、たとえば光電スイッチなどを利用して、全自動により吊戸31を開閉してもよい。
【0028】リニアモータ21は、次のようにして戸袋S外に取り出し、簡単に保守点検することができる。
【0029】リニアモータ21を取り外すときは、表面側の補助パネル44を外し(図2、図5)、連結部材22を取り外してリニアモータ21を吊戸31から切り離し、吊戸31をガイドレール11から取り外す。次に、止めねじ11e、11e…を取り外し、ガイドレール11を吊戸31の戸先側に移動させて係合部材12を係合孔41aから抜き取り(図2の矢印K1 方向、図5の実線)、ガイドレール11をレールベース15から分離させた上、ガイドレール11、リニアモータ21の戸袋Sの外側部分を下に傾けながら戸袋Sの外部に取り出す(図5の二点鎖線)。そこで、リニアモータ21は、ガイドレール11から取り外し、またはガイドレール11上に設置したまま保守点検することができる。
【0030】リニアモータ21を再取付けするときは、リニアモータ21をガイドレール11に装着し、ガイドレール11、リニアモータ21の先端側を戸袋S内に入れるとともにガイドレール11をレールベース15の前面に押し付けるようにして支持ブロック15c、15c…上に載せる(図5の実線)。その後、ガイドレール11を戸袋S内に押し込んで移動させ(図2の矢印K1 と逆方向)、先端の係合部材12を係合孔41aに差し込み(図2)、戸袋S外においてガイドレール11をレールベース15にねじ止めすればよい。なお、引きつづいて、吊戸31をガイドレール11に吊下し、連結部材22を取り付けてリニアモータ21の可動子21aを吊戸31に連結し、表面側の補助パネル44を取り付ける。
【0031】以上の説明において、リニアモータ21の可動子21aは、連結部材22を介し、吊戸31を開き方向、閉じ方向に駆動する。そこで、連結部材22は、このようなリニアモータ21の機能を阻害せず、吊戸31のほぼ全閉状態において戸袋S外に露出して着脱し得る限り、形状を任意に変更することができ、ブラケット31b以外の吊戸31の任意の位置に固定することができる。また、連結部材22は、係合片22b、22bに代えて、適当な連結ピンや連結ボルトなどを介して可動子21a、または可動子21a側の係合部材21bに連結することができる。
【0032】さらに、ガイドレール11の先端の係合部材12は、竪枠41に係合させるに代えて、戸袋S内に設ける係合ブラケットや、戸袋S内に露出する壁WLの一部等の任意の固定材に係合させてもよい。また、係合部材12のブラケット12aは、取付ベース12cに代えて、ボルト12b、12b…を挿入する長孔を介してガイドレール11の長手方向に固定位置を調節してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、戸袋の内外に延びるレールベースと、レールベースに付設するガイドレールと、ガイドレールの先端に付設する係合部材と、ガイドレールに装着するリニアモータとを備えることによって、ガイドレールは、係合部材を戸袋内の固定材に係合させて先端を着脱可能に固定し、戸袋外においてレールベースにねじ止めしてリニアモータを所定位置に設置し、止めねじを外してリニアモータとともに戸袋の外部に取り出すことができるから、戸袋を分解することなく、リニアモータを簡単に保守点検することができるという優れた効果がある。
【出願人】 【識別番号】000184621
【氏名又は名称】小松ウオール工業株式会社
【出願日】 平成12年5月23日(2000.5.23)
【代理人】 【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
【公開番号】 特開2001−329738(P2001−329738A)
【公開日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【出願番号】 特願2000−152180(P2000−152180)