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【発明の名称】 扉緊急開放具及びこれを備えた開閉扉
【発明者】 【氏名】木戸 勇

【氏名】村田 伸一

【氏名】庄司 光昭

【要約】 【課題】緊急時に迅速に扉を開放可能とする扉緊急開放具及び開閉扉を得る。

【解決手段】開口枠の上下に取付けた支持アームで扉の端部から距離のある所を支持するスイング扉の開閉の円滑な作動を規制するガイドローラ17を備えたスイング扉において、ガイドローラを回転自在に軸支するガイドピン16を備えたピン支持板15bと、扉面取付部材12のスライド案内部12bに摺動自在に挿入されるスライド板15aよりなるブラケット15と、スライド板のスライド突起18が案内される縦スリット12c及び、スライド板を同スリットの上限位置に保持するためカバー13の中央突起13dが嵌合する横スリット12d及びカバーを係止するための左右突起部が嵌合する係合溝12e備えた基板12aと、スライド板の位置を規制するカバーよりなる扉緊急開放具11で、カバーを外すことによりスライド板が継スリットの下限迄落下し、ガイドローラがガイドから自由になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板の左右端部上下に渡って開口部が向合ったスライド案内部を有し該基板左右中央部に垂直方向に縦長の縦スリットが穿設され該基板の左右中央下部に水平方向に横長の横スリットが穿設され該スライド案内部の下方に横スリットと同レベル位置に開口部が向合った左右係合溝が穿設されている扉面取付部材と、表面側が開口され側壁で囲繞された箱体の左右中央下部に前記横スリットが嵌着可能な中央突起部と該中央突起部の左右に前記係合溝に嵌着可能な左右突起部が連設され該箱体の上側側壁に切欠部が設けられているカバーと、前記スライド案内部内を上下に摺動可能で左右中央上部に前記縦スリットを摺動可能なスライド突起を有するスライド板と該スライド板と直角方向に前記切欠部より小さい幅で連設されたピン支持板とでブラケットが形成され該ピン支持板に先端部にガイドローラを回動自在に軸支するガイドピンが立設されているガイド部とを備え、前記スライド案内部と前記スライド板の各上縁を面一に揃え且つ前記スライド突起が前記縦スリット上限位置にあるとき前記中央突起部及び左右突起部を前記横スリット及び係合溝に嵌着して前記ガイドローラを作動位置に保持し、前記カバーの前記扉面取付部材からの剥離により前記スライド突起が前記縦スリット下限位置まで降下し前記ガイドローラを非作動位置に退避可能としたことを特徴とする扉緊急開放具。
【請求項2】 スライド案内部及び/又は左右係合溝を略略コ字形としたことを特徴とする請求項1に記載の扉緊急開放具。
【請求項3】 箱体左及び/又は右側壁を表面凹凸の増加摩擦面としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の扉緊急開放具。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の扉緊急開放具を開き戸又は引戸に用い、開閉扉上端部又は下端部に扉面取付部材の基板前面を固着し、ガイドローラが前記開閉扉の上側周辺部又は下側周辺部に敷設したガイドレールに沿って転動可能としたことを特徴とする開閉扉。
【請求項5】 開き戸がスイング扉であることを特徴とする請求項4に記載の開閉扉。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉する扉に用いられ緊急事態発生時に扉を速やかに開放するための器具及びこれを備えた開閉扉に関する。
【0002】
【従来の技術】扉本体の開放時に通路幅が広くとれ、開閉動作中の所要スペースを最小限で済むように扉本体の移動軌跡をとることのできるスイング扉があり、例えば便所、病室、老人ホームの扉等を開閉する際車椅子使用者等であっても開閉動作中に退避する必要がなく、先に本発明者等は全開又は前閉位置にある扉本体に僅かな人力を加えだけで手を離しても自動的に前閉又は全開位置に戻すことができ、手間がかからず簡易な構造の自動スイング扉を開発した(特開2000−34857号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術において前記した自動スイング扉は病人、高齢者等には至便に用いられているが、緊急事態が発生した時に閉止している扉を速やかに開放する特別な器具、装置は取付けられていない。本発明は、前記スイング扉を含む開き戸及び引戸において汎用可能な簡易な構造の扉緊急開放具及びこれを備えた開閉扉を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1の発明にあっては、基板の左右端部上下に渡って開口部が向合ったスライド案内部を有し該基板左右中央部に垂直方向に縦長の縦スリットが穿設され該基板の左右中央下部に水平方向に横長の横スリットが穿設され該スライド案内部の下方に横スリットと同レベル位置に開口部が向合った左右係合溝が穿設されている扉面取付部材と、表面側が開口され側壁で囲繞された箱体の左右中央下部に前記横スリットが嵌着可能な中央突起部と該中央突起部の左右に前記係合溝に嵌着可能な左右突起部が連設され該箱体の上側側壁に切欠部が設けられているカバーと、前記スライド案内部内を上下に摺動可能で左右中央上部に前記縦スリットを摺動可能なスライド突起を有するスライド板と該スライド板と直角方向に前記切欠部より小さい幅で連設されたピン支持板とでブラケットが形成され該ピン支持板に先端部にガイドローラを回動自在に軸支するガイドピンが立設されているガイド部とを備え、前記スライド案内部と前記スライド板の各上縁を面一に揃え且つ前記スライド突起が前記縦スリット上限位置にあるとき前記中央突起部及び左右突起部を前記横スリット及び係合溝に嵌着して前記ガイドローラを作動位置に保持し、前記カバーの前記扉面取付部材からの剥離により前記スライド突起が前記縦スリット下限位置まで降下し前記ガイドローラを非作動位置に退避可能とした扉緊急開放具により解決した。請求項2の発明にあっては、スライド案内部及び/又は左右係合溝を略略コ字形とした請求項1に記載の扉緊急開放具とするのが好ましい。請求項3の発明にあっては、箱体左及び/又は右側壁を表面凹凸の増加摩擦面とした請求項1又は2に記載の扉緊急開放具とするのが好ましい。請求項4の発明にあっては、請求項1〜3のいずれかに記載の扉緊急開放具を開き戸又は引戸に用い、開閉扉上端部又は下端部に扉面取付部材の基板前面を固着し、ガイドローラが前記開閉扉の上側周辺部又は下側周辺部に敷設したガイドレールに沿って転動可能とした開閉扉により解決した。請求項5の発明にあっては、開き戸がスイング扉である請求項4に記載の開閉扉とすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づき以下詳細に説明する。図1は、本発明の扉緊急開放具の一例の斜視図で、(a)組立図、(b)各構成要素の分解図である。図2は、図1の扉緊急開放具の扉面固着部材の(a)平面図、(b)正面図、(c)裏面図である。図3は、図1の扉緊急開放具のブラケットの(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図、及びガイドピンの(d)正面図、(e)平面図である。図4は、図1の扉緊急開放具のカバーの(a)平面図、(b)裏面図、(c)正面図、(d)AA断面図である。図5は、従来の自動スイング扉及び本発明の扉緊急開放具を備えた自動スイング扉に用いる支持アーム及び連結軸回りの一例の(a)扉全開時の分解斜視図、(b)連結軸部の軸平面図で、一部切欠き及び省略してある。図6は、従来の自動スイング扉の一例の概略(a)正面図、(b)側面図(c)各部移動軌跡を示す概略説明平面図、(d)ガイド部回りの部分側面図、(e)下部支持アームピン回りの部分側面図である。図7は、図1の扉緊急開放具を備えた自動スイング扉の一例の扉緊急開放時の各部移動軌跡を示す概略説明平面図である。以下において、扉本体の大部分が移動軌跡を占める側を内側とし、その反対側を外側とし、扉本体が前閉時に内側より外側に向かって左右、前後、上下とし、例えば図6(c)においては下を内側又は室内側、上を外側又は室外側として説明する。又各構成要素の位置関係は使用状態で説明する。
【0006】先ず、本発明の一例の扉緊急開放具11を説明する前にこれを装着する開閉扉の例として、前記特開2000−34857号公報記載の自動スイング扉1を説明する。自動スイング扉1は図5、6を参照して、扉本体2、回転支柱3、上下部支持アーム4、5、ガイド部6、ガイドレール7、連結軸部8及びカム部9を有している。自動スイング扉1は、左右竪枠10a、10b及び上枠10cにより門形に形成された扉枠10に、床面GGとの間に僅かな間隙をおいて嵌込み固着されて用いられる。扉本体2は、外縁方形の板状体で、把手2b及び錠前2cが右端部に設けられている。回転支柱3は、金属製の上下長手筒状体又はパイプ状体で、上下一対の保持ピンと上枠10cと床面GGに固着された該保持ピンを支持する上下一対のピン受けにより左竪枠10aに対し回動可能に装着されている。上部支持アーム4は、内部中空の金属製断面略縦長の方形筒材体で回転支柱3の上端に水平に突設され、回動する先端部に下部カム9bの基台が下部に嵌着可能な内面幅を有しカム部9と連結軸部8によって回動自在に扉本体2の上端面2aと連結されている。下部支持アーム5は、平板状材で回動する先端部に突設されたピン5aが扉本体2の下端面2dに穿設された円筒状開口部2eに遊嵌されている。上部支持アーム4及び下部支持アーム5はそれぞれ扉本体2の左右幅の1/2以下通常1/3程度にとられている。これにより、上部支持アーム4は扉本体2を吊下げ状態に保持し、下部支持アーム5と共に回転支柱3とを繋げ移動軌跡を制約するリンクの役割も果たしている。ガイド部6は、扉本体2の上端外側で扉本体2の幅方向右側端より通常1/3〜2/5程度の位置に突設する略L形のブラケット6aに支持されたガイドピン6bと、先端にガイドローラ6cが付設され、ガイドローラ6cがガイドピン6bを軸芯として回動可能とされている。ガイドレール7は、断面略コ字形で上枠10cの下側面に沿い下向きの開口をもつようにして敷設され、コ字形内面に沿ってガイドローラ6cが転動しつつ直線状に移動可能とされている。連結軸部8は、左右に穿孔をもった板状の座板8bと、座板8bの中部にT字形状に立設された軸8aと、木ねじ等の固着具8cとを有し、座板8bの左右孔に固着具8cを挿通して扉本体2の上端面2aに軸8aが突設するように座板8bが固着具8cにより固着される。軸8aは直径dの基部80と、中部より上方に直径dの円弧部分と平行する幅wの直線部分を組合わせた断面形状の端部83と、上下端部に刻設された雄ねじ81、82とを有している。カム部9は、上部カム9a、下部カム9bを挟んで上側にナット9c及び座金9d、下側にナット9cをそれぞれ配設して組付けられる。上部カム9a、下部カム9bは、金属又は硬質プラスチック製とされている。上部カム9a、下部カムの構成は前記特開2000−34857号公報に記載のものと同様であり、上部カム9a頂部を下向きに下部カム9b頂部を上向きにして装着され扉本体2の全開状態で上部カム9aの頂部が下部カム9bの頂部近傍の傾斜面と接触し扉本体2の僅かな回動に連動して上部カムの頂部9aが下部カム9bの傾斜面に沿って下降し扉本体2を自動的に閉止可能としている。
【0007】図6(c)について従来の自動スイング扉1の扉全閉時から扉全開時の間の移動軌跡を説明する。実線で示す扉全閉時にある扉本体2の把手2bを開放方向Yに人力で押すことにより、扉本体2は連結軸部8の軸8aと回転支柱3を繋げる上部支持アーム4及び下部支持アーム5により時計回り方向Zに回動するが、ガイド部6とガイドレール7によって前後方向の動きが規制されているので、ガイドレール7に沿って左側の回転支柱3方向に向かって移動し、一点鎖線で示す扉半開時を経て二点鎖線で示す扉全開時に達する。一方、二点鎖線で示す扉全開時にある扉本体2については把手2bを閉止方向Xに人力を加えることにより、前記した扉全閉時から扉全開時の間の移動軌跡と逆方向に移動するが、前記した通り自動スイング扉1にあっては連結軸部8及びカム部9の組合わせにより僅かに人力を加えただけで手を放しても自動的に一点鎖線で示す扉半開時を経て実線で示す扉全閉時に戻る。又開放方向Yの移動途中で一点鎖線で示す扉半開時にある扉本体2から手を放した場合も自動的に実線で示す扉全閉時に戻る。ここで詳述した移動軌跡は、後述する本発明の扉緊急開放具11を備えた自動スイング扉においても平常時は同様の移動軌跡をとる。
【0008】図1乃至4に基づいて、本発明の一例の扉緊急開放具11を説明するが、扉緊急開放具11は前記した自動スイング扉1においてガイド部6に代えて装着され、ガイド部6と同様に扉本体2の上端外側で扉本体2の幅方向右側端より通常1/3〜2/5程度の位置に設けられる。扉緊急開放具11は、扉面取付部材12、カバー13及びガイド部14と有し、各部材は特記しない限り通常鉄、アルミ等の金属又は硬質プラスチック製である。扉面取付部材12は図1、2を参照して、略方形板状の基板12aの左右端部上下に渡って開口部が向合う方向に間隔uを隔てて略コ字形のスライド案内部12b、12bを有し、基板12a左右中央部に上下垂直方向に高さH及び幅Xの縦長の縦スリット12cが穿設され、基板12a左右中央下部に左右水平方向に幅W及び高さYの横長の横スリット12dが穿設され、基板12aの上下左右適所に例えば4個の固着孔12fが穿設されている。ここで各スライド案内部12bの略コ字形の懐部間は左右間隔Zにとられ、縦スリット12cの高さHはガイド部14の上下ストロークの設定によって決まり幅Xは後述するガイド部14のスライド突起18の大きさによって決まる。横スリット12d上面は基板12aの上端面より高さSの位置で、幅W及び高さYは後述するカバー13の中央突起部13dの大きさによって決まる。縦スリット12cの高さHを大きく取ると、ガイドピン16の落差が大きくなり横スリット12dの位置まで達しこれと連結される場合もある。スライド案内部12b、12bの下方に裏面視において横スリット12dと同レベルすなわち基板12aの上端面より高さSの位置に高さYの開口部が向合う方向に略コ字形の左右係合溝12e、12eが穿設され、各係合溝12eのコ字形懐部は左右間隔Vにとられている。扉面取付部材12の外寸は上下高さq、左右幅pにとられている。スライド案内部12b及び係合溝12eの形状は必ずしも略コ字形に限定されず、略U形、多角形、湾曲面等であってもよいが、それぞれ嵌着される後述するスライド板15a及び左右突起部13cとの取合いからして略コ字形とするのが最も低コストで作動性もよい。カバー13は図1、4を参照して、基材として表面側が開口され裏面側が密閉底面構造で周囲側壁で囲繞された略方形体状の箱体13aで、内寸において上下高さQで扉面固着部12の上下高さqより僅かに大きくとられ、左右幅Pで扉面固着部12の左右幅pより僅かに大きくとられ、箱体13aの左右中央下部に横スリット12dの幅W及び高さTに対し僅かに小さい幅w及び高さtの水平方向横長の方形中央突起部13dとその左右に全体幅v及び高さtの水平方向横長の方形左右突起部13c、13cが連設されている。ここで、幅vは前記した各スライド案内部12bの間隔uより僅かに大きく係合溝12eの左右間隔Vより僅かに小さい値にとられ、中央突起部13dと左右突起部13c、13cとで上面側より視て略凸字形に形成され、中央突起部13dの先端は箱体13aの側壁と面一になっている。箱体13aの上側側壁中央部に左右幅Rにわたって切欠部13bが設けられ、この幅Rは後述するガイド部14のピン支持板15bの左右最大幅rより大きく、スライド案内部12bの間隔uより小さくとられている。付加的構成として、箱体13aの左及び/又は右側壁を例えばギザギザやローレット目等の表面凹凸面として増加摩擦面13eとすることにより、カバー13の着脱時に指が滑らないようにするのが好ましい。
【0009】ガイド部14は、ブラケット15、ガイドピン16、ガイドローラ17及びスライド突起18とを有している。ブラケット15は図1、3(a)乃至(c)を参照して、各スライド案内部12bの懐部間左右間隔Zより僅かに小さくスライド案内部12bの間隔uより大きい左右幅zで、横スリット12d上面の基板12aの上端面よりの高さSと同じ上下高さSの方形板状のスライド板15aと、スライド板15aの上端中央部に直角方向に連設されたU字形板状のピン支持板15bとを有し、スライド板15aの左右中央上部に雌ねじ孔15cが螺刻され、ピン支持板15bの略中央部に後述するガイドピン16の下端部が圧入可能な丸孔15dが穿設されている。ここでスライド板15aは、ピン支持板15bのU字形端末の最大左右幅rの部分で直角方向に連設されている。ピン支持板15bは必ずしもU字形とする必要はなく、ガイドピン16が立設可能な平面がスライド板15aの直角方向に連設され最大左右幅rにとられた板材であればよい。ガイドピン16は図1、3(d)(e)を参照して、通常円柱状の軸部16aと、軸部16aの下端部に前記丸孔15dに圧入可能な円柱状の突出部16bと、軸部16aの上端部にガイドローラ17を回動自在に支持し先端部にナット、とめ輪等の固着具が装着可能なねじ、溝等の固着部16eをもったピン16cとが同心状に配設されている。ここで、突出部16bと丸孔15dとは圧入に限定されず、ねじ込み、溶着等によって固着してもよい。ガイドローラ17は図1を参照して、ピン16c周りに回動可能で、下向きの開口をもつようにして敷設されているガイドレール7の略コ字形内面に沿って転動可能な通常の車輪タイプのもので、通常低摩擦のプラスチック製とするのが好ましい。スライド突起18は図1を参照して、ここではビスが用いられ、頭部近傍側の軸部に雄ねじが螺刻され、頭部から離れた軸部前側は円柱体状に形成され、ブラケット15の雌ねじ孔15cに頭部を裏側において軸部の雄ねじが螺合され軸部先端は前側より突設状態におかれる。軸部前側の円柱体は縦スリット12cの幅Xより僅かに小さい径xにとられており、縦スリット12cを摺動可能とされている。スライド突起18はビスに限定されず、縦スリット12cを摺動可能な突起をブラケット15の雌ねじ孔15cの相当位置において前側に直接突設させることとしてもよい。
【0010】次に、図1乃至4を参照して扉緊急開放具11の組立て及び扉緊急開放具11を備えた扉本体2作動について説明する。ガイドローラ17をピン16cに嵌着し固着部16eにとめ輪を嵌めて回動自在に取付け、ブラケット15の丸孔15dに突出部16bを固着したガイド部14を用意する。一方、扉面取付部材12を前記ガイド部6において説明した通り、扉本体2の上端外側で扉本体2の幅方向右側端より通常1/3〜2/5程度の適所位置に突設する略L形のブラケット6aに相当した室外側扉面に基板12aの4個の固着孔12fにボルト、木ねじ等の固着具を挿通して縦スリット12cを中部より上方に垂直方向及び横スリット12dを下方に水平方向になるように固着する。次いで、ガイド部14のブラケット15のスライド板15a下縁を向合っている略コ字形のスライド案内部12b、12bに挿通し、ブラケット15の雌ねじ孔15cにスライド突起18のビスを螺合して軸部先端が前側より突設状態におくが、前記した通りx<X、u<z<Zの関係よりスライド板15aはスライド案内部12b、12b間をスライドし、スライド突起18の前端は縦スリット12cを摺動可能となる。縦スリット12cの上端にスライド突起18の軸部前端があるときすなわちガイド部14の上下ストロークの上限位置に保持されているときは、ガイドレール7の下向き開口の断面略コ字形内面に沿ってガイドローラ17が転動可能で、スライド板15aの左右の肩部15e、15eが扉面取付部材12の基板12a上端縁と面一となるように縦スリット12c上限及びスライド突起18の先端が選定調整される。一方縦スリット12cの下端にスライド突起18の先端が下がったときすなわちガイド部14の上下ストロークの下限位置においては、ガイドローラ17はガイドレール7から離脱して扉本体2が開放可能な状態となるように縦スリット12c加減が選定調整される。最後に、前記したガイド部14の上下ストロークの上限位置において、面一となっているスライド板15aの左右の肩部15e、15eと扉面取付部材12の基板12a上端縁、基板12a左右側縁及び基板12aの下端縁で形成される方形部にカバー13の箱体13a周囲側壁で囲繞するように前方向Fに嵌着する。同時に横スリット12dに中央突起部13dを嵌着し、左右係合溝12eに左右突起部13cの左右端部を嵌着し、ピン支持板15bの左右幅r部分に左右幅Rの切欠部13bをそれぞれ嵌着することにより、ピン支持板15bに固着されたガイドピン16のピン16cにより回動自在とされたガイドローラ17が室外側に敷設されたガイドレール7を転動可能に作動位置に保持され、通常の扉開閉状態に組立てられる。この通常の扉開閉状態にある扉緊急開放具11を備えた扉本体2は、扉全閉時から扉全開時においては図6(c)について前記した従来の自動スイング扉1と同様の移動軌跡をとり円滑に開閉が可能である。
【0011】次に、扉全閉時において緊急事態発生により、扉緊急開放具11を備えた扉本体2を室外側より速やかに開放する必要が生じた場合、カバー13の箱体13a左右側壁の増加摩擦面13eを手の指で掴んで後方向Bに引張ると容易に扉面取付部材12から剥離することができ、このときガイド部14は上下方向への拘束がなくなり左右スライド案内部12b間をスライド板15aが摺動し自重で下方に降下し、スライド突起18の前端が縦スリット12cの上限から下限位置に下がった所で停止し、ガイドローラ17はガイドレール7から離脱し非作動位置に退避する。このときの扉本体2は、図6(c)について前記した移動軌跡と異なり、図7に示す様に実線で示す扉全閉時にある扉本体2の把手2bを開放方向Yに人力で室外側より引張ることにより、連結軸部8を回転軸として反時計回りに回動し一点鎖線で示す扉半開時を経て二点鎖線で示す扉全開時に移動する。移動軌跡がこのように変わる理由は正確には不明であるが、回転支柱3回りに上部支持アーム4及び下部支持アーム5を回動せしめるモーメントより連結軸部8回りに扉本体2を回動せしめるモーメントが可なり大きい値となるために連結軸部8が静止状態に保持され、扉開放が容易に可能になるのではないかと推定され、この移動軌跡は実証済みである。尚扉全開時から元扉全閉状態に復元するには、扉本体2を把手2bにより閉止方向Xに回動して実線で示す扉本体2の位置に戻し、ガイド部14を上限位置へ戻してガイドローラ17をガイドレール7に嵌着し、カバー13の箱体13aの左右摩擦面13eを手の指で掴んで前方向Fに押付けて前記した扉緊急開放具11の組立て要領で扉全閉時の状態に復元することにより、図6(c)と同様のスイング扉の平常時の移動軌跡が得られる。
【0012】前記においては、扉緊急開放具11は自動スイング扉に装着された例として説明したが、自動スイング扉に限定されず、通常のスイング扉であってもよく、又スイング扉でなく他の開き戸であってもよい。又引戸であってもよく、吊り戸式の場合は前記自動スイング扉と同様に断面略コ字形で下向きの開口をもつようにして敷設されたガイドレールを転動可能とされるが、床面側にレールが敷設されている場合は、扉緊急開放具11を上下逆向きにして用いればよい。
【0013】
【発明の効果】本発明の扉緊急開放具及びこれを備えた開閉扉によれは、スイング扉を含む開き戸及び引戸において、扉全閉時において緊急事態発生により速やかに扉を開放する必要が生じた場合、カバーを引張るという簡易な操作により容易確実に扉の開放が可能である。
【出願人】 【識別番号】000184621
【氏名又は名称】小松ウオール工業株式会社
【識別番号】591122554
【氏名又は名称】有限会社ベスト青梅
【出願日】 平成12年5月12日(2000.5.12)
【代理人】 【識別番号】100085844
【弁理士】
【氏名又は名称】荒垣 恒輝
【公開番号】 特開2001−323717(P2001−323717A)
【公開日】 平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願番号】 特願2000−180574(P2000−180574)