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【発明の名称】 丁番装置
【発明者】 【氏名】▲高▼梨 立男

【要約】 【課題】別部材を用いることなしに簡単な構造で、丁番軸を容易に分解、組み立て可能な丁番装置を提供する。

【解決手段】丁番装置に用いられる軸であって、その軸方向に変位可能な撓み部10bを有するばね丁番軸10を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 丁番装置において、上記丁番装置に用いられる軸であって、その軸方向に変位可能な撓み部分を有する丁番軸を有することを特徴とする丁番装置。
【請求項2】 第一の軸穴部と、これと相対回動する第二の軸穴部と、上記二つの軸穴部に嵌合する軸部と、この軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材と、を具備することを特徴とする丁番装置。
【請求項3】 軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第一の組み合わせ穴部と、軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第二の組み合わせ穴部と、上記二つの組み合わせ穴部のそれぞれに嵌合する一対の直線軸部と、この一対の直線軸部を連絡し、この一対の直線軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材と、を具備することを特徴とする丁番装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は丁番装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】丁番装置は従来よりカメラ等の各種の機器に用いられている。例えば、実開平1−85717号公報は、カメラのカバー分割構造において、前カバーヒンジと裏蓋ヒンジとバッテリカバーヒンジを一本のヒンジピン(丁番軸)で挿通連結してヒンジ部を構成し、ヒンジピンの一端に着脱可能な、ヒンジピン抜け止め用のキャップを装着することを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した実開平1−85717号公報では、ヒンジピンの抜け止めを行うのに余分な部材を用いているため、不必要なコストアップを招いていた。また、上記のようなヒンジピン抜け止め用の部品を用いずに、接着剤等により軸部材の固定を行っているものもあるが、蓋部材の交換時にこの軸部材を取り外すために大きな手間がかかってしまう。
【0004】本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、別部材を用いることなしに簡単な構造で丁番軸を容易に分解、組み立て可能な丁番装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、第1の発明は、丁番装置において、上記丁番装置に用いられる軸であって、その軸方向に変位可能な撓み部分を有する丁番軸を有する。
【0006】また、第2の発明は、丁番装置において、第一の軸穴部と、これと相対回動する第二の軸穴部と、上記二つの軸穴部に嵌合する軸部と、この軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材とを具備する。
【0007】また、第3の発明は、丁番装置において、軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第一の組み合わせ穴部と、軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第二の組み合わせ穴部と、上記二つの組み合わせ穴部のそれぞれに嵌合する一対の直線軸部と、この一対の直線軸部を連絡し、この一対の直線軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材とを具備する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0009】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態を適用したカメラの外観斜視図であり、背面から見たときのようすを示している。本実施形態のカメラは、カメラ本体100と、フィルムの装填のために開放可能なカメラ後蓋1とを備えている。また、後蓋丁番部5がカメラ後蓋1に一体的に設けられるとともに、カメラ本体丁番部(固定部丁番部)4がカメラ本体100に一体的に設けられている。カメラ後蓋1は丁番部を中心にして回動可能となっており、図1はカメラ後蓋1が閉じられた状態を示している。カメラ側面にはスライドつまみ2が、カメラ上部にはファインダ3が設けられている。
【0010】図2は、スライドつまみ2をスライドさせることによりカメラ後蓋1を開放させてカメラ内部を露出させた状態を示している。カメラ本体100の中央部にはアパーチャ15が設けられている。
【0011】カメラ後蓋1の一方の側端には後カギ13が設けられており、カメラ後蓋1を閉じたときに後カギ受け部16と係合してカメラ後蓋1が開かないようになっている。
【0012】カメラ後蓋1の他方の側端には、このカメラ後蓋1と一体的に設けられた後蓋丁番部5があり、この後蓋丁番部5の嵌合穴と、取り付けられたときに図に示すように後蓋丁番部5と隣接して配置されるカメラ本体丁番部4の嵌合穴に、ステンレスばね線からなるばね丁番軸10の両端が嵌合されることで当該ばね丁番軸10が取り付けられている。
【0013】また、カメラ後蓋1の内壁中央には圧板12が設けられており、圧板バネ14により圧板12を図示せぬフィルムに対して押し当てることでフィルムの平面性を維持することができる。圧板バネ14からは、細長い板状の押さえ片11が、カメラ後蓋1の丁番部のある側端へと延在している。押さえ片11はバネ材から構成されて容易に撓むことが可能であり、押さえ方向、すなわち、カメラ後蓋1の内壁方向に付勢されている。これによってばね丁番軸10を後蓋1の内壁面に押し付けて固定することを可能にしている。
【0014】さらにカメラ後蓋1の丁番部付近の内壁には、ばね丁番軸10をカメラ後蓋1の内壁に固定するための、プラスチック等からなる複数の押さえボスが設けられている。
【0015】図3は複数の押さえボス20−1〜20−5によりばね丁番軸10をカメラ後蓋1の内壁に固定した状態を示している。押さえ片11は図示していない。ばね丁番軸10は、後蓋丁番部5の嵌合穴に嵌合される一対の直線軸部10aと、この一対の直線軸部10aを連絡し、この一対の直線軸部10aをその軸方向(図3の矢印で示す方向)に変位可能な撓み部(バネ部)10bとからなっている。この撓み部10bはバネ性を持たせた形状を有している。図に示すように撓み部10bを押さえボス20−2と押さえボス20−3との間、及び押さえボス20−3と押さえボス20−4との間に嵌入させることで撓み部10bをカメラ後蓋1の内壁面にしっかりと固定することができる。また、押さえボス20−1及び押さえボス20−5は、ばね丁番軸10がばねの元に戻る力によりその軸方向に移動するのを抑止する役目を持っている。
【0016】図4は、ばね丁番軸10によりカメラ後蓋1をカメラ本体100に取り付けるときの手順を説明するための図である。図4に示すように、カメラ後蓋1には、後蓋嵌合穴5−1と軸開放部21が設けられ、カメラ本体100には、本体嵌合穴(固定部嵌合穴)100−1が設けられている。
【0017】カメラ後蓋1をカメラ本体100に取り付ける場合には、後蓋丁番部5をカメラ本体丁番部4間に配置して、後蓋丁番部5の後蓋嵌合穴5−1の中心と、カメラ本体丁番部4の本体嵌合穴100−1の中心とを一致させた後、ばね丁番軸10をこの軸の2つの端面間寸法を縮めるように図4の矢印で示す方向に押し縮めた状態で、ばね丁番軸10の両端を内方向から後蓋嵌合穴5−1に当てつけて押し縮めている力を取り除くと、ばねの元に戻る力によりばね丁番軸10の直線軸部10aそれぞれが2つの後蓋嵌合穴5−1と2つの本体嵌合穴100−1それぞれに嵌合する。
【0018】次に押さえ片11を上方に持ち上げて撓ませた後、ばね丁番軸10をカメラ後蓋1の内壁側に押し倒すと、ばね丁番軸10の撓み部10bが押さえボス20−1〜20−5により固定される。最後に押さえ片11を離すと撓み部10bの対応部分がその上方から押さえ片11により押さえられて固定される。
【0019】また、押さえ片11を上方に持ち上げないでばね丁番軸10をカメラ後蓋1の内壁へ押し倒した場合には押さえ片11が撓み部10bの下側になっているので、押さえ片11を上方に持ち上げて撓ませ、撓み部10bの上側になるようにすれば撓み部10bを押さえ片11により固定することができる。
【0020】以上の方法でカメラ後蓋1をカメラ本体100に取り付けることにより、カメラ後蓋1はカメラ本体100に対して回動可能になる。この場合、後蓋嵌合穴5−1は本体嵌合穴100−1に対して相対的に回動する。また、ばね丁番軸10はカメラ後蓋1に固定されているので、カメラ後蓋1といっしょに回動することになる。
【0021】次にカメラ本体100とカメラ後蓋1とを分離する場合には、まず、ばね丁番軸10をカメラ後蓋1の内壁から離れるように持ち上げて、ばね丁番軸10の撓み部10bを押さえボス20−1〜20−5及び押さえ片11から開放した後、ばね丁番軸10を前述と同様に図4の矢印で示す方向に押し縮めてばね丁番軸10を後蓋嵌合穴5−1及び本体嵌合穴100−1から抜去することにより図4に示すように分解することができる。
【0022】なお、前述の押さえ片11と押さえボス20−1〜20−5はどちらか一方若しくは両方ともなくとも構わない。
【0023】上記した実施形態によれば、カメラの丁番軸にバネ性を持たせた形状をもつ撓み部を設け、この撓み部を撓ませて丁番軸を後蓋嵌合穴及び本体嵌合穴に嵌合させるようにしたので、別部材を用いることなしに簡単な構造で丁番軸を容易に分解、組み立て可能な丁番装置を提供することができる。
【0024】上記した実施形態の要旨をまとめると以下のようになる。
【0025】1.本実施形態の丁番装置は、上記丁番装置に用いられる軸であって、その軸方向に変位可能な撓み部分(撓み部10b)を有する丁番軸(ばね丁番軸10)を有する。
【0026】2.本実施形態の丁番装置は、第一の軸穴部(後蓋嵌合穴5−1若しくは本体嵌合穴100−1)と、これと相対回動する第二の軸穴部(本体嵌合穴100−1若しくは後蓋嵌合穴5−1)と、上記二つの軸穴部に嵌合する軸部(直線軸部10a)と、この軸部をその軸方向に変位させる撓み部(撓み部10b)とを有する軸部材(ばね丁番軸10)とを具備する。
【0027】3.本実施形態の丁番装置は、軸穴部(例えば一方の後蓋嵌合穴5−1)と、これと相対回動する軸穴部(例えば一方の本体嵌合穴100−1)とからなる第一の組み合わせ穴部(一方の後蓋嵌合穴5−1と一方の本体嵌合穴100−1)と、軸穴部(例えば他方の後蓋嵌合穴5−1)と、これと相対回動する軸穴部(例えば他方の本体嵌合穴100−1)とからなる第二の組み合わせ穴部(他方の後蓋嵌合穴5−1と他方の本体嵌合穴100−1)と、上記二つの組み合わせ穴部のそれぞれに嵌合する一対の直線軸部(一対の直線軸部10a)と、この一対の直線軸部を連絡し、この一対の直線軸部をその軸方向に変位させる撓み部(撓み部10b)とを有する軸部材(ばね丁番軸10)とを具備する。
【0028】上記した1.〜4.の特徴を機器あるいはカメラに適用した場合には以下のようになる。
【0029】(機器)
1.機器の丁番装置は、軸方向に変位可能な撓み部分を有する丁番軸を有する。
【0030】2.機器の丁番装置は、第一の軸穴部と、これと相対回動する第二の軸穴部と、上記二つの軸穴部に嵌合する軸部と、この軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材と、を具備する。
【0031】3.機器の丁番装置は、上記機器に固定された軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第一の組み合わせ穴部と、上記機器に固定された軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第二の組み合わせ穴部と、上記二つの組み合わせ穴部のそれぞれに嵌合する一対の直線軸部と、この一対の直線軸部を連絡し、この一対の直線軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材と、を具備する。
【0032】(カメラ)
1.カメラの丁番装置は、軸方向に変位可能な撓み部分を有する丁番軸を有する。
【0033】2.カメラの丁番装置は、第一の軸穴部と、これと相対回動する第二の軸穴部と、上記二つの軸穴部に嵌合する軸部と、この軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材と、を具備する。
【0034】3.カメラの丁番装置は、上記カメラに固定された軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第一の組み合わせ穴部と、上記カメラに固定された軸穴部と、これと相対回動する軸穴部とからなる第二の組み合わせ穴部と、上記二つの組み合わせ穴部のそれぞれに嵌合する一対の直線軸部と、この一対の直線軸部を連絡し、この一対の直線軸部をその軸方向に変位させる撓み部とを有する軸部材と、具備する。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、別部材を用いることなしに簡単な構造で丁番軸を容易に分解、組み立て可能な丁番装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−311347(P2001−311347A)
【公開日】 平成13年11月9日(2001.11.9)
【出願番号】 特願2000−131458(P2000−131458)