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【発明の名称】 戸 車
【発明者】 【氏名】小沢 秋夫

【要約】 【課題】車輪のクリープ変形部分がレールに接触する時に生じるコトコト等の騒音を低減できるようにする。

【解決手段】戸車本体10に第1車輪11と第2車輪12を取付け、その第1車輪11の外径dを小さく、第2車輪12の外径dを大きくした戸車で、第1車輪11のクリープ変形部分17と第2車輪12のクリープ変形部分18がレールに同時に接触することがないので、コトコト等の騒音を低減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 戸車本体に、二つ以上の車輪を回転自在に取付け、前記車輪における少なくとも二つの車輪の外径を異ならせたことを特徴とする戸車。
【請求項2】 前記各車輪のレール接触面が同一高さである請求項1記載の戸車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引き戸や吊り戸などの戸に用いる戸車に関する。
【0002】
【従来の技術】引き戸の戸に用いる戸車としては、戸車本体に単一の車輪を回転自在に取付けたものが一般的である。引き戸の大型化や戸に装着したガラスの複層ガラス化に伴って戸重量が重くなり、前述した車輪が単一の戸車では、その車輪に掛る重量負担が大きいものであった。
【0003】このことを解消するために、特開平9−125801号公報に示すように戸車本体に外径が同一の一対の車輪を回転自在に取付けた戸車が提案されている。この戸車であれば、一つの車輪に掛る重量負担が半分に低減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】引き戸の戸は、夜間等閉じ位置に長時間保持されるのが一般的であり、戸車の車輪に戸重量が長時間連続して掛るので、車輪のレールに接触していた部分がクリープ変形する。このために、戸を走行する時に車輪のクリープ変形した部分がレールに接触した時にコトコト等の騒音が発生する。
【0005】図8に示すように、前述した従来の戸車のように、戸車本体20に外径dが同一の一対の車輪21を回転自在に取付けた戸車においては、戸の開閉走行によって一対の車輪21が図8(b)のように同一回転角度回転するので、車輪21が1回転する毎に一対の車輪21のクリープ変形部分21aが図8(c)に示すようにレール22に同時に接触する。なお、車輪21の外径とはレール22に接する部分の径である。このために、2つの車輪からコトコト等の騒音が生じるので、騒音が大きい。
【0006】そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした戸車を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、戸車本体に、二つ以上の車輪を回転自在に取付け、前記車輪における少なくとも二つの車輪の外径を異ならせたことを特徴とする戸車である。
【0008】第2の発明は、第1の発明において前記各車輪のレール接触面が同一高さである戸車である。
【0009】
【作 用】第1の発明によれば、各車輪のレール接触面が戸の自重によってクリープ変形した場合に、その戸車をレールに沿って走行する際に2つの車輪のクリープ変形部分がレールに同時に接触することがない。したがって、車輪のクリープ変形部分がレールに接触した時に生じるコトコト等の騒音が低減する。
【0010】第2の発明によれば、各車輪のレール接触面をレールに接続した時に戸車本体が斜めにならないので、戸を正しい姿勢として走行できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は引き戸の一種である引き違い戸の内観図であり、上枠1と下枠2と左右の縦枠3を枠組みした枠体4に、室内側の戸(障子戸)5と室外側の戸(障子戸)6が引き違いに装着されている。前記各戸5,6の下部、例えば下框7の左右両側部に戸車8がそれぞれ取付けてある。
【0012】前記戸車8は図2と図3に示すように、戸車本体10の凹陥部10a内に第1車輪11と第2車輪12を第1車軸13、第2車軸14で走行方向に間隔を置いて回転自在に取付けてある。前記第1車輪11の外径(レール接触面11aの径)dは第2車輪12の外径(レール接触面12aの径)dよりも小さい。第1車軸13は第2車軸14よりも外径の差(d−d)の半分だけ下方位置で、第1車輪11のレール接触面11aと第2車輪12のレール接触面12aは同一高さである。
【0013】前記戸車8は図4に示すように、下框7の凹部7a内に取付けられ、その第1車輪11のレール接触面11aと第2車輪12のレール接触面12aが下枠2の室内側下レール2a、室外側下レール2bに接触し、戸車本体10が斜めにならないので戸5,6は正しい姿勢で走行する。つまり、第1車輪11、第2車輪12の外周面は円孤状凹形状で、室内側下レール2a、室外側下レール2bの円孤状面に外れないように接触する。各戸5,6の下框7、図示しない上框、縦框のガラス取付凹部7aには複層ガラス15がグレージングチャンネル16を介して装着してある。
【0014】このようであるから、図1に示すように室内側の戸5が閉じ位置で長時間保持され、図5(a)に示すように第1車輪11、第2車輪12の室内側下レール2aに接触している部分がクリープ変形した状態から、室内側の戸5を開き側を走行すると第1車輪11と第2車輪12が回転するが、図5(b)に示すように外径dの小さな第1車輪11の回転角度が大きく、外径dの大きな第2車輪12の回転角度が小さく、図5(c)に示すように第1車輪11のクリープ変形部分17が室内側下レール2aに接触した時に第2車輪12のクリープ変形部分18は室内側下レール2aに接触しない。
【0015】したがって、第1車輪11のクリープ変形部分17と第2車輪12のクリープ変形部分18が室内側下レール2aに同時に接触しないので、コトコト等の騒音が低減する。なお、室外側の戸6の場合も同様である。
【0016】例えば、第1車輪11の外径dが37mm、第2車輪12の外径dが40mmとすると、この第1車輪11の外周長と第2車輪12の外周長の最小公倍数は、37×40×πで約3770である。このために、第1車輪11のクリープ変形部分17と第2車輪12のクリープ変形部分18が室内側下レール2aに同時に接触するには、戸車8が3770mm移動する必要がある。
【0017】図1に示す引き違い戸の全幅Lは大きくとも2600mmであり、戸5,6が移動する距離は1300mm程度であるので、第1車輪11のクリープ変形部分17と第2車輪12のクリープ変形部分18がレール2a,2bと同時に接触することはない。
【0018】つまり、第1車輪11と第2車輪12の外径の差は、第1車輪11の外周長と第2車輪12の外周長の最小公倍数が戸車最大移動距離よりも小さくなるように設定すれば良い。
【0019】戸車本体10に3つ以上の車輪を取付けても良い。例えば図6に示すように、戸車本体10に単一の第1車輪11と、一対の第2車輪12を取付ける。
【0020】図7に示すように、第1車輪11と第2車輪12を外周面が軸方向に平坦面形状とし、その外周面がレール接触面11a,12aとなるようにしても良い。この戸車は溝形状のレールに沿って走行する場合に好適である。
【0021】前述した各戸車は吊り戸の戸に用いることも可能である。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、各車輪のレール接触面が戸の自重によってクリープ変形した場合に、その戸車をレールに沿って走行する際に2つの車輪のクリープ変形部分がレールに同時に接触することがない。したがって、車輪のクリープ変形部分がレールに接触した時に生じるコトコト等の騒音が低減する。
【0023】請求項2に係る発明によれば、各車輪のレール接触面をレールに接続した時に戸車本体が斜めにならないので、戸を正しい姿勢として走行できる。
【出願人】 【識別番号】000006828
【氏名又は名称】ワイケイケイ株式会社
【出願日】 平成12年3月9日(2000.3.9)
【代理人】 【識別番号】100073818
【弁理士】
【氏名又は名称】浜本 忠 (外2名)
【公開番号】 特開2001−254561(P2001−254561A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−64872(P2000−64872)