トップ :: E 固定構造物 :: E05 錠;鍵;窓または戸の付属品;金庫




【発明の名称】 調整蝶番
【発明者】 【氏名】中本 祐昌

【氏名】迫 勝則

【氏名】久保 仁典

【要約】 【課題】

【解決手段】2枚のヒンジ板2、3の一方に結合用の挿入片4を回動可能に軸支し、該挿入片4を他方のヒンジ板3に設けた挿入孔6に差し込んで固定することにによって、該2枚のヒンジ板2、3を結合してなる、ドアと出入り口開口との隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片4に係合用凹部又は凸部20を設け、ヒンジ板3の挿入孔6内に設けた係合用凸部又は凹部に取り外し可能に係合するようにし、挿入片4が挿入孔6の左右方向から挿入可能したことを特徴とする調整蝶番。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片の片面又は両面に出没可能な係合用の凸片又は係合用凹部を設け、前記挿入片の係合用の凸片又は凹部に対応する挿入孔の内面に係合用の凹部又は出没可能な凸片を設け、該凸片と凹部で挿入片が挿入孔内に保持されるようにしたことを特徴とする調整蝶番。
【請求項2】 挿入孔が貫通孔で、左右の開口から挿入片を差し込むことができるようにしたことを特徴とする請求項1記載の調整蝶番。
【請求項3】 2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片に貫通孔を設け、該挿入片の貫通孔に対応する挿入孔の内面に出没可能な凸片を設け、該貫通孔と凸片とで挿入片が挿入孔内に保持されるようにしたことを特徴とする調整蝶番。
【請求項4】 挿入孔が貫通孔で、左右の開口から挿入片を差し込むことができるようにしたことを特徴とする請求項3記載の調整蝶番。
【請求項5】 2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片に係合用の凹部又は貫通孔を設け、他方のヒンジ板の側面に挿入孔に達する嵌合孔を設け、該嵌合孔に挿入片の前記係合用の凹部又は貫通孔に係合する凸片を出没可能に備えた固定部材を着脱自在に装着したことを特徴とする調整蝶番。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋や部屋等の出入り口等に設けられた開口にドアを取付けるのに用いられる蝶番(ヒンジ)であって、特にドアの取付けが容易でかつ取付位置の調整が可能な調整蝶番に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常の蝶番は、支持軸を中心にその軸に回動可能に軸支された2枚のヒンジ板からなり、一方のヒンジ板を出入り口等の開口の枠等(以下、開口枠体という)に取付け、他方のヒンジ板をドアに取付けて使用しているが、各ヒンジ板の取付け位置の多少のずれがドアの開閉に影響するため、ヒンジ板の取付けには熟練が要求されていた。また、取付け後にその他の事情によってドアの位置を微調整する必要が生じた場合、従来の蝶番ではネジ止めしていたヒンジ板をはずして付け直す必要があった。これらの問題を解決するために、二つのヒンジ板を分離して一方の支持軸付きヒンジ板を開口枠体に取付け、他方のヒンジ板をドアに取付けておき、一方のヒンジ板とは別に支持軸に軸着させた結合用挿入片を他方のヒンジ板に設けた該挿入片受け用の挿入孔に挿入して両ヒンジ板を結合させて蝶番として作用させる調整蝶番が提案されている。
【0003】本発明者らが先に提案した調整蝶番の一例を図14に示す(特願平11−4079号)。図は分解斜視図で、この蝶番1は結合用の挿入片4と支持軸5を有する一方のヒンジ板2と、該挿入片4を受け入れるための挿入孔6を有する他方のヒンジ板3とから大略形成されている。図中、10は挿入孔6の他方の開口に被せる蓋を示し、11はヒンジ板をドア又は枠体に固定するためのネジ孔を示す。また、挿入片4の上下側端に設けた凹部12は挿入孔6内に設けた突起と係合させるためのものである。
【0004】この蝶番の形成は、一方のヒンジ板2を開口枠体に取付け、他方のヒンジ板3をドアに取付けたのち、挿入片4を他方のヒンジ板3の挿入孔6に挿入し、ヒンジ板3に設けられたネジ孔9にネジ7を挿入し挿入片4を固定して両ヒンジ板2、3を結合する。この例の場合では、挿入片4の厚さ及び幅に対して挿入孔6は少し大きめに形成されていて、挿入孔6に挿入された挿入片4は、固定用ネジ7が挿入片4に設けた切欠き8を通って挿入孔6内に配置した図示しないナット等によって挿入孔6内に挟持される。挿入片4の挿入孔6内への挿入深さbは切欠き8によって調整し、挿入片4の厚さ方向cの調整はネジ7によって調整する。そして、挿入片4の上下方向aの移動は支持軸5によって行う。挿入片4の厚さ方向cの位置を調整固定することによって、ドアを閉めた時のドアの左右方向の側端面と開口枠体の枠内側面との隙間を調整し、挿入片4の挿入深さ方向cを調整することによってドアの厚さ方向の位置を調整し、挿入片4を上下方向aに移動させることによって、ドアの位置を上下できるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように調整蝶番では、あらかじめ両ヒンジ板を開口枠体とドアに固定しておき、その後挿入片を挿入して固定するものであるため、調整固定するまでドアを作業者が保持していなければならない。そのため、ドアを保持する人と調整固定する人の2人で作業するか、又はドア吊り込み装置などを使用する必要があった。本発明者らは、先に挿入片を挿入孔内に挿入したとき、容易に仮固定される調整蝶番として図14のものを提案した。その後さらに研究した結果、本発明を完成するに至った。したがって、本発明は容易にドアを仮固定できる蝶番を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の調整蝶番における第1の発明は、2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片の片面又は両面に出没可能な係合用の凸片又は係合用凹部を設け、前記挿入片の係合用の凸片又は凹部に対応する挿入孔の内面に係合用の凹部又は出没可能な凸片を設け、該凸片と凹部で挿入片が挿入孔内に保持されるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】本発明のもう一つの調整蝶番は、挿入片に貫通孔を設け、該挿入片の貫通孔に対応する挿入孔の内面に出没可能な係合用凸片を設け、該貫通孔と凸片とで挿入片が挿入孔内に保持されるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】本発明は、上記において挿入片を差し込むための挿入孔は一方向にのみ開口を有する長方形の孔でもよいが、ドアの厚さ方向の両端に開口を有する貫通孔として、いずれの開口からも挿入片を挿入できるようにするとよい。このように、ヒンジ板の幅方向の左右両側から挿入孔に挿入片を挿入できるようにした場合、挿入片に設ける係合用の凹部又は凸片の位置によって、挿入孔内に設ける凸片又は凹部は左からの挿入用と右からの挿入用と別々に設ける必要がある。係合用凸片は、挿入片の差し込み時に挿入片内又は挿入孔の内壁面内に没入し、対応する係合凹部内に突出するように構成する。挿入片を挿入孔から引き出すときは、他方のヒンジ板の側面に設けた挿入孔に達するピン孔にピンを挿入して凸片を押し下げて凹部との係合を解除する。
【0009】更にもう一つの本発明は、2枚のヒンジ板の一方に結合用の挿入片を回動可能に軸支し、該挿入片を他方のヒンジ板に設けた挿入孔に差し込んで固定することによって、該2枚のヒンジ板を結合してなる、出入り口開口とドアとの間の隙間を調整可能とした蝶番において、挿入片に係合用の凹部又は貫通孔を設け、他方のヒンジ板の側面に挿入孔に達する嵌合孔を設け、該嵌合孔に挿入片の前記係合用の凹部又は貫通孔に係合する凸片を出没可能に備えた固定部材を着脱自在に装着したことを特徴とする調整蝶番である。挿入孔が左右両方向から挿入片を差し込めるようにした場合には、上記嵌合孔を左用と右用の2箇所設け、使用しない側の嵌合孔も覆われるように固定部材を大きく構成してもよい。この蝶番の場合、他方のヒンジ板から固定部材をはずすだけで挿入片の係合は解除できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、挿入孔をドアの厚さ方向に貫通孔として左右に開口を有する形としたときは、必要ならば、他方の開口を適当な蓋で閉止するか又は挿入片の先端が他方の開口に達するようにしてもよく、また更にヒンジ板の側面に現れるネジ孔を覆うためのヒンジ板側面用の化粧カバー若しくは固定部材と共に開口用の蓋を一体的に形成してもよい。化粧カバーは、調整用ネジ部が容易に現れるように着脱可能なカバーとする。
【0011】挿入片を挿入孔内に保持するための凸片と凹部は、通常、挿入片に係合用凹部を設け、挿入孔に凸片(ロックピン)を設けるが、この逆としてもよい、凸片はバネ等で付勢されて突出しており、挿入片の圧入時に隠退し凹部と一致したとき凹部内に突出して挿入片を抜け落ちないように保持する。凸片は、通常、一旦凹部に嵌入したのちは外れないようにするが、他方のヒンジ板の側面に設けたピン孔からピン等を差し込むことによって凸片を凹部から抜き出せるようにしてもよい。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図面にしたがって説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでない。
【0013】図1は、本発明の一実施例を示す斜視図で、係合用凸片として半円筒状体20を設けた例である。本例では他方のヒンジ板3の挿入孔6に相当する部分3aの片側を他の部分より厚くし、凸片の係合する凹部の形成を容易にしたものの例である。図2(A)は、図1に示した凸片20を挿入片4の両面に設け、挿入孔6の内壁面6aに係合用凹部30a、30bを設けた例である。挿入片4を図面の左側から挿入したとき凸片20は凹部30aと係合し、右側より挿入したとき凹部30bと係合するようになっている。図2(B)は挿入片4を挿入した状態の断面模式図で、図2(A)とは逆に挿入孔6内に凸片20を設け、挿入片4に係合凹部30を設けた例を示す。
【0014】図3は凸片として半球体21を設けた例で、この半球状の係合凸片21はバネ40で挿入片4の表面又は挿入孔の内壁面6aに突出するように設けられる。凸片と係合用凹部は図2の場合と同様に用いられる。図4は挿入片4に係合用凸片として板バネ状の凸片22を設けた例である。この板バネ状の凸片22は一端がネジ14で挿入片4に止められ、他端は自由な状態となっていて、図4(A)に示すようにヒンジ板3の側面に設けられたピン孔15からピン16を挿入して加圧すると板バネ状体22は平板状となり、挿入孔6内壁に設けた係合用凹部32からはずれるように構成されている。図4(B)はピン16で板バネ状凸片22を押したとき、その先端が挿入片4に設けた孔4aに落ち込み容易に変形するようにした例である。
【0015】図5は挿入片4に係合用凸片23が入る挿通孔4aを設けた例である。係合用凸片23が挿通孔4aにより充分に入るため挿入片が外れることがなく、強固な結合が得られる。図6ないし図8は係合用凸片の各例を示す。図6は、ヒンジ板3の側面に挿入孔6に達する孔17を設け、この孔17に金属片を折り曲げて作製した係合用凸片24を装着した例である。孔17の近くに設けた窪み18によって凸片24を引き上げると挿入片との係合が解除される。図7は係合用凸片25をバネ40で付勢して挿入孔内壁面に出没可能とした例である。図8はヒンジ板3の挿入孔内壁又は挿入片の一部を隆起させて係合凸片26とした例である。
【0016】図9は、図5に示すように係合用凸片23が挿入片4に設けた挿通孔4a内に嵌挿されている場合に係合状態を解除する方法の一例を示す模式図である。ヒンジ板3の側面に開けられたピン孔15からピン16を挿入して凸片23を挿入孔の内壁内に押し込み、このような状態で挿入片4を抜くと図9(B)に示すように凸片23の先端が挿入片4の面に当たり外れるようになる。この場合、ピン孔15は挿入片4を引き抜く方向にやや長孔としておくか、又は挿入片4の孔4aよりも大きくしておくことが必要である。
【0017】図10は、他方のヒンジ板3内に挿入された挿入片4の先端部をヒンジ板3の厚さ方向に移動させて固定することによって、挿入片4側のヒンジ板2に取り付けられたドアの位置を調整するための調整ネジを示す。図10は調整ネジであるネジA、B、Cの関係を示す分解斜視図で、ナット状の締付けネジAとネジA内に螺着されるネジ軸部B1 を有するネジBと、ネジA、B内を貫通して両ネジを保持する保持部C1 とヒンジ板7に螺着するネジ部C2 とからなる調整用ネジCとからなる。調整用ネジCの先端部C1 はカシメるなどしてネジA、Bが抜け出ないようにするとよく、またこの先端部C1 にはドライバー又はレンチ用の嵌合溝を設ける。図11は、挿入片4の固定位置を調整する手段を説明するための断面図である。図に示すようにヒンジ板3に設けられた挿入孔6に挿入された挿入片4は、挟持用ネジA、Bによって挟持され、調整用ネジCによってその位置が調整される。
【0018】図11は、挿入片4を固定した状態を示す断面図で、まずネジAとBの間に挿入した挿入片4をネジAを廻してネジBとで挟む。ネジAは、ネジAの頭部に設けたレンチ嵌合部A1 にレンチaを挿入して回転させる。このとき、ネジBは空回りしないように保持部C1 とネジ部C2 との間の段部でネジCと係合するようにするか又は挿入片等と係合して空回りしないようにするとよい。ネジA、Bで挿入片4を挟持したのち、ネジAの頭部からネジC用のドライバー又はレンチcを挿入してネジCを回転させて挿入片4の位置を調整固定する。本発明の場合、ドアの端面と開口枠体との隙間の調整は、図11に示すように、ヒンジ板3の挿入孔6の入口に沿って設けた突条3aを支点として調整ネジの進退と逆方向に挿入片4の支持軸側を移動させることによって行うこともできる。支点を設けずに単に調整ネジのみで行うこともできる。
【0019】図12及び図13は、ヒンジ板3に固定部材50を装着して挿入片4を固定する例である。図12に示すように基板51に係合用凸片53を出没可能に備えた嵌合筒52と嵌合突起54を設けたものを固定部材50とし、この固定部材50を図13に示すようにヒンジ板3に設けられた挿入孔6に達する嵌合孔に嵌合筒52と嵌合突起54を嵌め込んで装着する。これによって、嵌合筒52の係合用凸片53が挿入孔6内に突出した状態となり、挿入孔6内に挿入片4が押し込まれたとき、嵌合筒52内に係合用凸片53は押し込まれるが挿入片4の挿通孔4aの位置で孔4a内に突出して、挿入片4をヒンジ板3に係合する。挿入片の係合を解除するときは、固定部材50をヒンジ板3から取り外すだけでよい。挿入片を逆の方向から挿入するときは、固定部材の嵌合筒52を挿入片の挿入方向にあわせてヒンジ板3に装着すればよい。なお、この固定部材の嵌合筒に設ける凸片は、上記各図で示したものであってもよく、また、挿入片4には孔4aの代わりに係合用凹部としても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明は、結合用の挿入片を挿入孔に差し込んだとき、挿入片は凸片と係合用凹部又は孔とによってワンタッチで結合されるため、開口枠体へのドアの仮り装着が容易にできる。挿入片と挿入孔との係合も容易に解除できるため、作業も容易で、ドアの取り付け位置を左開き、右開きのいずれにも容易に変更できる。本発明の調整蝶番は、上記の構成とすることによって、左開き用、右開き用と蝶番を区別して製造する必要がないため、製造工程が簡略化できると共に、製品管理、販売管理の面でも多くの作業を省略できるなど種々の利点を有する。
【出願人】 【識別番号】000145437
【氏名又は名称】株式会社住建産業
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−182419(P2001−182419A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−374978