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【発明の名称】 扉開閉装置
【発明者】 【氏名】杉井 英人

【氏名】浅野 毅

【要約】 【課題】固定部材に対する扉体の建て付けに手間取ることのない扉開閉装置を提供する。

【解決手段】同図(A)の取付定位置で、フックPが嵌合窓21cに係止され、フックQが嵌合窓21cに突入されている。しかるに、ドライバでフックPを押圧しながら取付プレート21を同図(B)の矢印方向に摺動させ、取付プレート21の端部Rをスリット24a内に差込みながら同図(C)のように取付プレート21を反転させる。反転して取付プレート21が第2ケース体20上を押圧すると、同図(D)のようにフックQが押圧力を受けて後退する一方、取付プレート21を矢印方向に摺動させていくと、同図(E)の取付定位置で、フックQは嵌合窓21cに係止され、他方の嵌合窓21cにはフックPが突入される。この摺動動作及び反転動作中、取付プレート21は、常に端部Rの突起が案内溝29に係合されており、第2ケース体20から離脱することはない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定部材に配設された第1係合部材と、扉体に配設された第2係合部材とを備えた扉開閉装置において、前記第1係合部材は、前記第2係合部材と係合する軸棒が突設され、該軸棒が互いに対向する態様で前記固定部材の上下位置にそれぞれ配設されることを特徴とする扉開閉装置。
【請求項2】 前記軸棒の上下動を不動にするための固定手段が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉装置。
【請求項3】 固定部材に配設された第1係合部材と、扉体に配設された第2係合部材とを備えた扉開閉装置において、前記第2係合部材は、第2ケース体及び該第2ケース体上の取付定位置に配設される第2取付プレートを備え、該取付プレートは、前記第2ケース体から離脱することなく転置動作して該第2ケース体の所定中心線に関し前記取付定位置と対称な位置に配設されることを特徴とする扉開閉装置。
【請求項4】 前記第2ケース体に、該第2ケース体上を摺動する前記第2取付プレートの摺動方向に案内溝が形成され、また、前記第2ケース体の所定中心線上に沿って所定幅のスリットが形成され、前記第2取付プレートの転置動作が、前記案内溝に係合しつつ摺動する摺動動作と、前記スリット位置で反転する反転動作とからなることを特徴とする請求項3に記載の扉開閉装置。
【請求項5】 前記スリットの両側に開口窓をそれぞれ設け、該開口窓からスプリングを介して一対のフックが突出され、該フックは、当該第2取付プレートからの押圧によって後退する一方、前記第2取付プレートの取付定位置で当該第2取付プレートの嵌合窓に係止されることを特徴とする請求項4に記載の扉開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具や建具等に設けられる扉体を開閉するための扉開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】扉開閉装置は、第1係合部材を固定部材に取り付け、また、第2係合部材を扉体に取り付けて設置される。このうち第2係合部材を扉体に取り付ける従来からの方法で、最新のものは、例えば特開平7−82947に開示されている。この最新の方法に係る装置は、出荷時の如何を問わず現場の状況に応じて、右開き扉又は左開き扉に仕立て上げることができるものである。図13に示すこの装置100によれば、扉体101の端面部に固着した、例えば上部取付金具(第2係合部材)102の左右方向の適宜な一方の挿入口、同図では挿入口102aを開放し、この挿入口102aから上部連動アーム(第2係合部材)103を挿入し、この連動アーム103を前後方向に調整しつつ、ネジ等で取付金具102に固定することで、現場の状況に応じて右開き扉又は左開き扉になるようにできる。即ち、この装置100は、取付金具102に左右方向に開口した挿入口102a及び102bを設けておき、これを右開き扉又は左開き扉にするかによって選択し、選択された挿入口102a又は102bに連動アーム103を挿入してネジ等で固定するという構成をなすものである。
【0003】また、この装置100によれば、扉体101の上部取付金具102に固定される上部連動アーム103の円筒体部には予め係合体104が突出される一方(図14(A))、固定枠体105には上部支持金具(第1係合部材)106が固着され、また、この支持金具106に上部支持アーム(第1係合部材)107が固着されており、この支持アーム107の円筒体部に係合体104が挿入される態様をなす。これに対し、扉体101の下部取付金具108には円筒体部が形成された下部連動アーム109が固着される一方(図14(B))、固定枠体105の下部支持金具110に固定された下部支持アーム111の円筒体部には予め係合体112が突出され(図14(C))、この係合体112が下部連動アーム109の円筒体部に挿入される態様をなしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従来装置にあっては、現場の状況に応じて、右開き扉又は左開き扉に仕立て上げることができるものであるが、少なくとも取付金具の右又は左方向の挿入口から連動アームを挿入してネジ等で固定する必要がある。更には、例えば右開き扉用として出荷されたものを、左開き扉用に転用する場合などでは、取付金具の、例えば右方向の挿入口から連動アームを一旦取り外し、再度、当該連動アームを当該取付金具の左方向の挿入口から挿入して取り付けなければならないという手間が加わる。また、固定枠体の、上部に配設される上部支持金具及び上部支持アームと下部に配設される下部支持金具及び下部支持アームとは構成が異なり、これに対応して、扉の上部及び下部に配設される部材も当然異なっている。しかも、これらの部材は互いに類似している。少なくとも現場において建て付けする際には、固定枠体のどの位置にどの部材を配設し、扉体のどの位置にどの部材を配設しなければならないか常に配慮する必要があり、上述した右開き扉か左開き扉かに関する手間に加えて、この種の建て付けに手間取るという不具合がある。
【0005】本発明の目的は、固定部材に対する扉体の建て付けに手間取ることのない扉開閉装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る扉開閉装置は、固定部材に配設された第1係合部材と、扉体に配設された第2係合部材とを備えたもので、第1係合部材は、第2係合部材と係合する軸棒が突設され、この軸棒が互いに対向する態様で固定部材の上下位置にそれぞれ配設されるようにしたものであり、これにより、固定部材の上部及び下部に配設される第1係合部材を共通にすることができ、当該部材の管理が容易になって、建て付けの際、上述した手間が省け、また、扉体を吊りこむ作業の際、突設された軸棒に扉体の第2係合部材をはめ込めばよく、当該作業が容易になり、結果的に建て付けの際の手間が省ける。当該第1係合部材は、扉体の方に配設されるようにしてもよいことはもちろんである。ところで、当該第1係合部材が固着された固定部材については、上下を逆さまにして使用することもが可能であり、右開き扉用にも左開き扉用にも対応させることができる。
【0007】また、本発明の請求項2に係る扉開閉装置は、上記軸棒の上下動を不動にするための固定手段を設けてなるものであり、当該軸棒を不動にすることにより、扉体の吊りこみ作業の際、当該軸棒に対し扉体の第2係合部材をはめ込み易く、この作業がスムーズに行え、また、当該軸棒が円筒体から脱落して、場合により扉体が固定部材から外れてしまうことを防止できる。上記固定手段は、軸棒を回してネジ止めするようにしたもの、或いは、軸棒を回してカム止めするようにしたものなど簡便なものが好ましい。
【0008】また、本発明の請求項3に係る扉開閉装置は、固定部材に配設された第1係合部材と、扉体に配設された第2係合部材とを備えたもので、第2係合部材が、第2ケース体及びこの第2ケース体上の取付定位置に配設される第2取付プレートを備え、この取付プレートが、第2ケース体から離脱することなく転置動作してこの第2ケース体の所定中心線に関し上記取付定位置と対称な位置に配設されるようにしたもので、取付プレートを第2ケース体から取り外すことなく転置させるだけで右開き扉又は左開き扉にワンタッチで、換言すれば、ネジの取り外し取り付け作業をせずに右開き扉又は左開き扉に仕立て上げることができ、建て付けに要する上述の手間が大幅に省ける。また、扉用の金具部品の共通化が図れ、部品管理の上でも極めて有効である。
【0009】また、本発明の請求項4に係る扉開閉装置は、具体的には、第2ケース体に、この第2ケース体上を摺動する第2取付プレートの摺動方向に案内溝を形成し、また、第2ケース体の所定中心線上に沿って所定幅のスリットを形成して、第2取付プレートによる上記転置動作を、第2ケース体から離脱せずに案内溝に係合しつつ摺動する摺動動作と、スリット位置で反転する反転動作とで構成されるようにしたものである。また、本発明の請求項5に係る扉開閉装置は、スリットの両側に開口窓をそれぞれ設け、この開口窓からスプリングを介して一対のフックを突出させて、このフックが、当該第2取付プレートから押圧されることによって後退する一方、第2取付プレートの取付定位置では、スプリングの付勢力により開口窓から突出して当該第2取付プレートの嵌合窓に係止され、当該フックは外部から押圧されない限りに当該係止状態は維持される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例を図1〜11を参照して説明する。本実施の形態に係る扉開閉装置1は、前後方向、左右方向及び上下方向の調整が可能なことはもとより、建て付けに要する手間が大幅に省けるものである。本装置1の概略構成は、図1に示すように、固定部材2に配設される第1係合部材3と、扉体4に配設される第2係合部材5とを備え、更に、これらの部材3と部材5とを連結する軸棒6等の連結部材を備え、第1係合部材3と第2係合部材5とはこの連結部材を介して連設されているもので、係合部材3、5及び連結部材が協働することによって、扉体4を自在開閉させることができる。ところで、第1係合部材3及び第2係合部材5は、上述のように両者が一組になって固定部材2及び扉体4にそれぞれ配設され、且つ、これら二組が、固定部材2及び扉体4に所定間隔をあけてそれぞれ配設されるのであるが、固定部材2の上下に配設される係合部材3は同一であり、また、扉体4の上下に配設される係合部材5も同一であることに特徴の一つがある。
【0011】このような装置1の詳細構成を、ここでは固定部材2及び扉体4の下方位置に配設された第1係合部材3及び第2係合部材5、並びにこれらの部材3と部材5との連結部材等について図面を参照して説明する。図2は、本装置1のうち、上記下方位置に配設されるものの外観斜視図である。まず、本装置1の第1係合部材3について、図3〜6を参照して説明する。第1係合部材3は、第1ケース体7及び第1取付プレート8で構成され、かかる詳細構成は、図4に示されている。第1ケース体7は、上記固定部材2に設けられた凹部(図示せず)に嵌合され、当該ケース体7の両側に延出したフランジ部7aでビス等によって固着されている。一方、両フランジ部7aに挟まれた表面側には、下記に詳述する左右調整ネジ9を操作するための左右調整窓7b、この窓7bに隣接するところに下記に詳述するカム体10を操作するためのカム窓7c、この窓7cの略両側に固定ネジ11のための貫通孔7dがそれぞれ穿設されている。そして、これら左右調整窓7b、カム窓7c及び貫通孔7dに対応する底面側に、調整ネジ孔7e、カム係合孔7fとこの係合孔7fに連通する小孔7g(以上、図5,6を参照)、及びネジ孔(図示せず)がそれぞれ設けられている。また、この底面の一方端は立設されて、図5,6に示すような折曲部7hを形成し、この折曲部7hに直角に連設されて取付プレート8の挿入口を形成する扁平なU字形状のガイド部7jが突設されている。
【0012】第1取付プレート8は、上記カイド部7jを介してケース体7内に挿入される板面部8aと、この板面部8aの一方端に形成される円筒体部8bで構成されている。そして、板面部8aには、当該取付プレート8の挿入方向に半長円形状をなす切欠き8c、この切欠き8cに隣接してその長軸が上記挿入方向に垂直をなす長円形状の作動孔8d、及びこの作動孔8dの両側にその長軸が上記挿入方向に平行な、固定ネジ11のための長円形状の貫通孔8eがそれぞれ設けられている。尚、切欠き8cは、取付プレート8の前後移動に伴う左右調整ネジ9との干渉防止のために、また、貫通孔8eは、取付プレート8の前後移動に伴う固定ネジ11との干渉防止のために長円形状に形成されている。
【0013】ところで、上記左右調整ネジ9は、調整ネジ孔7eに螺合するネジ部と切欠き8cに嵌入するフランジ9aと径大部9bとからなる頭部とを備えており、図5に示すように、左右調整ネジ9を進退させると、取付プレート8は、折曲部7hを支点として回動するので、円筒体部8bが左右方向(同図(B)の矢印方向)に移動し、固定部材2に対する扉体4の左右方向の調整が可能となる。また、上記カム体10は、カム係合孔7fに係合するカム本体と、小孔7gに挿入されてその軸端がカシメられている下軸と、作動孔8dを転動する上軸とを備えるとともに、上軸が、カム本体に偏心して設けられている。したがって、図6に示すように、上軸を回転させると、カム本体がカム係合孔7fで回転係合する一方、上軸が作動孔8dを転動するため、上軸から取付プレート8に作用する力のうち前後方向(同図(B)の矢印方向)の分力により、取付プレート8がケース体7のガイド部7jに案内されて前後方向に移動し、固定部材2に対する扉体4の前後方向の調整が可能となる。尚、両調整は互いに独立して行えることは言うまでもない。
【0014】図4に戻って、円筒体部8bには、その内部に軸棒6等の連結部材が配設されている。即ち、円筒体部8bの一方の開口縁にはブッシュ12が圧入され、また、その他方の開口縁にはその内部に雌ネジが螺刻されたブッシュ13が圧入されている。そして、その頭部6aが円筒体部8bの開口縁に当接する一方、その軸部6bが両ブッシュ12,13を貫通して円筒体部8bの開口縁から突出する上記軸棒6が配設され、この軸棒6には、その略中央に嵌着されたEリング14を一方の座とし、また、ブッシュ13の端面を他方の座とするスプリング15が取り付けられており、このスプリング15によって当該軸棒6は、上記突出方向に付勢されている。ところで、この軸棒6の頭部6a直下(近傍)の軸部6cに雄ネジ(固定手段)が螺刻されており、この雄ネジが上述したブッシュ13の雌ネジ(固定手段)と螺合するようになっており、第1係合部材3と第2係合部材5と連設する際、突出した軸棒6の軸部6bを、扉体4の第2係合部材5、具体的には当該部材5の、後述する取付プレート21の円筒体21bに挿入させた後、軸棒6を回してネジ止めするようにしている。このような軸棒6を不動にする構成により、扉体4の吊りこみ作業の際、当該軸棒6に対し扉体4の第2係合部材5の円筒体21bをはめ込み易く、この作業がスムーズに行え、当該軸棒6が円筒体8b等から脱落して、場合により扉体4が固定部材2から外れてしまうことを防止できる。
【0015】次に、本装置1の第2係合部材5について、図7及び8を参照して説明する。第2係合部材5において、本発明の特徴の一つである転置動作が行われる。第2係合部材5は、第2ケース体20及び第2取付プレート21で構成されている。このうち第2ケース体20は、小判状の箱体をなす裏蓋22と、この裏蓋22の上にピン23によって取り付けられる矩形平板の扉ベース24と、この扉ベース24の両端上部にそれぞれネジ25で固着される略矩形状の表蓋26で構成されている。そして、裏蓋22の底面には、一対のフック27aが設けられた作動体27であって、これらフック27aのそれぞれがスプリング28を介して進退可能なものが配設されている。また、扉ベース(第2ケース体)24の中心線(所定中心線)上に沿って所定幅のスリット24aが形成され、このスリット24aの両側に開口窓24bがそれぞれ設けられ、この開口窓24aからフック27aが突出する態様をなしている。更にまた、表蓋26には、扉ベース24と対向する面側に突片26aが所定間隔を隔ててそれぞれ設けられており、この突片26aと扉ベース24面とで案内溝29が形成されるようになっている。尚、扉ベース24の貫通孔24c及び表蓋26の貫通孔26bは、これらを扉体4に固着するためのネジ(図示せず)の挿入孔である。また、カバー40は、建て付け完了後にケース体20に装着されるもので、このカバー40は、板面部40a及びこの板面部40aの一方端に設けられた突設部40bからなり、更に、板面部40aの他端近傍に一対の突起41が突設されている。
【0016】また、第2取付プレート21は、扉ベース24上で転置動作をなす板面部21aと、この板面部21aの一方端に形成された円筒体21bとで構成され、板面部21aを含み、且つ、円筒体21bの中心軸を含む平面が扉ベース24と平行となるように構成されている。上記板面部21aには、その略中央に矩形状の嵌合窓21cが、また、円筒体21bと反対側の端部に矩形状の切欠き21dが設けられ、これら嵌合窓21cや切欠き21dに、上記フック27aが突入する態様をなすとともに、取付プレート21の取付定位置で、嵌合窓21cに突入したフック27aは、当該嵌合窓21cに係止され、このフック27aに対する外部からの押圧力が作用しない限り当該係止状態が維持される。また、この板面部21aの上記端部には、上記切欠き21dの両側には突起21eがそれぞれ設けられる一方、板面部21aの長手方向の両端部に上記突起21eに連接する態様で矩形状の切欠き21fが設けられ、上記突起21eに対し、常に上記案内溝29に係合する構成が採られている。したがって、取付プレート21は、第2ケース体20から離脱せずに案内溝29に係合しつつ転置動作することになる。しかも、フック27aが嵌合窓21cに係止されときには、突起21eの側面50と案内溝29の内側面51、及び切欠き21fの側面52と案内溝29の外側面53は、それぞれ僅かな隙間しか持たせていないので第2取付プレート21が前後方向にがたつくことは無い。ところで、円筒体21bが形成された近傍の板面部21aには、一対の小孔21hが穿設されており、この小孔21hに上記突起41が嵌入されるようになっている。
【0017】第2取付プレート21の円筒体21bに配設される連結部材の態様について、図9を参照して説明する。円筒体21bの、上記円筒体8b側の開口縁廻りに、軸受け30の凹部30aが緩挿され、円筒体21bが軸受け30を介して円筒体8bに連設する構成が採られ、この円筒体部8bの開口縁から突出した上記軸棒6の軸部が軸受け30内に挿入される態様をなす。尚、軸受け30の切欠き30bは、板面部21aとの干渉防止のためのものである。また、円筒体21bの、上記開口縁から略中央に至る長手方向に切欠き21gが設けられており、これに上下調整ナット31の突設部31aが挿入され、上下調整ナット31は、突設部31aが切欠き21gの端部に当接したところで円筒体21b内に固着される。そして、この調整ナット31に螺合する上下調整ネジ32が上記開口縁の反対側の開口縁から挿入され、この開口縁にキャップ33が配設される。
【0018】したがって、固定部材2に対する扉体4の上下方向(図9の矢印方向)の調整を行う場合には、キャップ33を取り外して上下調整ネジ32を適宜方向に回転させると、上下調整ナット31を介して円筒体21bが上下に移動する。これにより、固定部材2に対する扉体4の上下方向の調整が可能となる。尚、軸受け30の、上下調整ナット31に対向する面側には軸受けプレート(図示せず)が配設されており、このプレートに上下調整ネジ32が当接して当該調整ネジ32のこの方向への移動が阻止されている。
【0019】ところで、円筒体部21bに配設される上記連結部材を、扉体4の上方位置に配設された第2係合部材5の第2取付プレート21にも配設して、いずれからでも上下方向の調整することができるようにしてもよい。
【0020】次に、本装置1を用いた建て付けのうち、固定部材2の第1係合部材3と扉体4の第2係合部材5との連設のしかたを図10を参照して説明する。また、本装置1による転置動作、即ち、第2取付プレート21が、第2ケース体20から離脱せずに案内溝28に係合しつつ摺動する摺動動作と、スリット24aの位置で反転する反転動作とからなる動作を図11を参照して説明する。第1係合部材3と第2係合部材5との連設のしかたは、図10に示すような、突設された第1係合部材3の軸棒6が互いに対向する態様で、詳細には軸棒6の軸部6bが向かい合う態様で固定部材2の上下位置にそれぞれ配設されている場合には、まず、固定部材2の下部位置に配設された第1係合部材3及び第2係合部材5について、その第1係合部材3の軸棒6を回転させて当該軸棒6をブッシュ13に螺着させ、それから、固定部材2に対し扉体4を傾斜させて、上記軸棒6に第2係合部材5の第2取付プレート21をはめ込み、しかる後、上部位置に配設された第1係合部材3及び第2係合部材5について、その第1係合部材3の軸棒6を引っ張り上げ、取付プレート8に第2係合部材5の第2取付プレート21を連設させてから軸棒6に対する引張力を解除する。すると、引張力が解除された軸棒6は、第2取付プレート21内に挿入されて連設が完了する。しかるに、本装置1では、上述のように、軸棒6を回転させて当該軸棒6をブッシュ13に螺着させる処置をしており、これにより、当該軸棒6が第1取付プレート8などから脱落して、場合により扉体が固定部材から外れてしまう恐れをなくしている。当該処置は上方位置の軸棒6についてもなされるのが好ましい。
【0021】本装置1による転置動作は、図11に示す摺動動作及び反転動作を含む一連の動作によって達成される。かかる動作によって、例えば出荷時に、同図(A)に示す第2係合部材5のもの(第2取付プレート21が左側に配設されているもの)、又は扉体(図示せず)に同図(A)に示す第2係合部材5が配設されたものが現場に送付されて来たが、実際には同図(E)に示すもの(第2取付プレート21が右側に配設されているもの)でなければならなかったような場合、ワンタッチで、取付プレート21の、同図(A)の取付定位置から同図(E)の取付定位置に変更でき、この変更に手間取ることがない結果として固定部材2に対する扉体4の建て付けに手間取らなくなる。同図(A)の状態では、両フック27a(説明の都合上、同図の左側のフックをP、右側のフックをQとする)は、この取付定位置で、嵌合窓21cに係止されている。しかるに、例えばドライバのような工具でフックPを押圧しながら取付プレート21を同図(B)のように第2ケース体20上で同図中の矢印方向に摺動させる。そして、取付プレート21の、その突起21cが設けられた端部(同図中のRで示す)をスリット24a内に差込みながら同図(C)のように取付プレート21を反転させる。反転して取付プレート21が第2ケース体20上を押圧すると、同図(D)のようにフックQが当該押圧力を受けて後退する。この後、同図(D)の位置にある取付プレート21を同図(E)の取付定位置にすべく、第2ケース体20上で同図(D)に示す矢印方向に摺動させていくと、同図(E)の取付定位置において、フックQは嵌合窓21cに突入される。この時、他方の嵌合窓21cにはフックPが係止される。そして、上述した左右、前後及び上下方向の調整をした後、カバー40の一方端に設けられた突設部40aを扉ベース24と表蓋26とで形成される隙間に嵌挿させるとともに、円筒体21bの小孔21hにカバー40の突起41を嵌入させ(図7や図8を参照)、カバー40を両表蓋26の間に配設して当該建て付けが完了する。ところで、取付プレート21は、摺動動作及び反転動作を含む一連の動作中、常に端部Rの突起21eが案内溝29に係合しており、したがって、第2ケース体20から離脱することはない。尚、同図(A)における取付プレート21の位置と同図(E)における取付プレート21の位置とは、扉ベース24の中心線に関し対称の位置関係にあることは上述の通りである。
【0022】ここで、図10の代わりに図12のような態様をなす扉開閉装置50もあり、この装置50での第1係合部材3と第2係合部材5との連設のしかたについて説明を加えておく。図12の装置50は、突設された第1係合部材3の軸棒6の頭部6aが向かい合う態様をなすもので、この装置50の場合には、固定部材2の上部に配設された第1係合部材3及び第2係合部材5について、その第1係合部材3の軸棒6を回転させて当該軸棒6をブッシュ13に螺着させ、それから、固定部材2に対し扉体4を傾斜させて、上記軸棒6に第2係合部材5の第2取付プレート21をはめ込み、しかる後、下部位置に配設された第1係合部材3及び第2係合部材5について、その第1係合部材3の軸棒6を引っ張り上げ、取付プレート8に第2係合部材5の第2取付プレート21を連設させてから軸棒6に対する引張力を解除すと、軸棒6が第2取付プレート21内に挿入され、連設が完了する。この装置50においても、上述のように、軸棒6を回転させて当該軸棒6をブッシュ13に螺着させる処置をしており、これにより、当該軸棒6が第1取付プレート8などから脱落して、場合により扉体が固定部材から外れてしまう恐れをなくしている。
【0023】ところで、第1係合部材3と第2係合部材5との連設のしかたについて、図10や図12のような態様をなす装置1や装置50を説明したが、第1係合部材3が扉体4の方に配設されて、図10や図12に相当する態様をなすようにすることも可能であり、この場合においても図10や図12の態様に準ずる手順で連設させることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の扉開閉装置によれば、固定部材に対する扉体の建て付けに手間取ることがない。
【出願人】 【識別番号】000137959
【氏名又は名称】株式会社ムラコシ精工
【出願日】 平成11年12月28日(1999.12.28)
【代理人】 【識別番号】100104857
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 幸雄
【公開番号】 特開2001−182417(P2001−182417A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−371992