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【発明の名称】 折戸用ラッチ錠装置
【発明者】 【氏名】加藤 淳一

【氏名】酒井 博幸

【氏名】狩野 俊治

【要約】 【課題】ラッチヘッドの損傷を防止し、浴室床面を傷つけないラッチ錠装置の提供。

【解決手段】ラッチユニットLUと作動部材AMとで構成し、ラッチユニットは、折戸の左右の扉を結合する連結材5に固定される固定ケース11と、固定ケースに昇降自在に収容され、第1付勢部材16により上方に付勢されている可動体12と、可動体に昇降自在に備えられ、第2付勢部材17により下方に付勢されているラッチヘッド13とで構成し、作動部材は左右の扉の一方又は双方に取付け、折戸閉鎖時は作動部材がラッチユニットの可動体を固定ケースに対して第1付勢部材に抗して下方に移動させるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラッチユニットと作動部材とからなり、前記ラッチユニットは、折戸の左右の扉を相対的に回動自在に結合する連結材に固定される固定ケースと、前記固定ケースに昇降自在に収容され、第1付勢部材により常時上方に付勢されている可動体と、前記可動体に昇降自在に備えられ、第2付勢部材により常時下方に付勢されているラッチヘッドとから構成され、前記作動部材は、前記折戸の左右の扉の一方又は双方に取付けられ、前記折戸の閉鎖時は前記作動部材が前記ラッチユニットの可動体を前記固定ケースに対して前記第1付勢部材に抗して下方に移動させるようにしたことを特徴とする折戸用ラッチ錠装置。
【請求項2】 前記可動体に高さ調整可能に取付けられた調整ケース内にラッチヘッドを昇降自在に収容し、前記調整ケース内に収容された第2付勢部材により前記ラッチヘッドを常時下方に付勢していることを特徴とする請求項1に記載された折戸用ラッチ錠装置。
【請求項3】 ラッチユニットの可動体には山形テーパ部を設けるとともに作動部材には前記可動体の山形テーパ部の一つの斜面に対応するテーパ部を設け、前記折戸の閉鎖時は前記作動部材のテーパ部が前記可動体の山形テーパ部を押下して前記可動体を前記第1付勢部材に抗して下方に移動させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載された折戸用ラッチ錠装置。
【請求項4】 作動部材は、左右の扉の連結部側縦框に設けられていることを特徴とする請求項1,2,又は3に記載された折戸用ラッチ錠装置。
【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、浴室等の出入口に取付けられる折戸に備えられて、折戸を閉鎖状態に保持するラッチ錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浴室と脱衣室の間には、図1に示すような折戸が用いられることがある。この折戸は、左右の扉d1,d2を連結材5を介して折り畳み・展開可能に連結してなる折戸Dを出入口に取付けられる枠体F内に収容し、連結部hを浴室方向に押す時は、吊り元側縦框82 の上下端部に設けたスライドヒンジ102 を上枠1及び下枠2に形成してあるレールに沿って移動することにより折り畳み開放し、また、連結部を脱衣室方向に引くことにより前記スライドヒンジがレールに沿って反対方向に移動することにより展開閉鎖することができ、閉鎖状態に保持するためにラッチ錠装置Lが用いられている。
【0003】旧型のラッチ錠装置は、ラッチヘッドを単に下レールよりも下方に突出するように付勢したものであった。しかしながら、浴室床面と脱衣室床面と下レールとがほぼ同一面上に存在するように設計したバリアフリーとした場合は、折戸を開けた場合にラッチへッドの先端が床面に接触するおそれがあるため、ラッチヘッドが損傷したり、床面に傷が付くなどの問題があるため、折戸を閉鎖した時のみ、ラッチヘッドが下レールよりも下方に突出し、折戸を開け始めるとラッチヘッドが下レールよりも上方に後退されるようにして、ラッチヘッドの損傷を防止し、浴室床面を傷つけないようにした折戸用ラッチ錠装置が、例えば、特開平11−315659号公報に開示された。
【0004】この先行技術は、第1扉に固定される取付部材と、第1付勢部材により取付部材に対して常時上方に付勢されている可動体と、可動体の下端部に昇降自在に収容され、第2付勢部材により常時下方に付勢されているラッチヘッドと、可動体の下端部に取付けられ、一端部に上向きテーパ部を有する被作動部材とでラッチユニットを構成し、前記ラッチユニットの被作動部材の上向きテーパ部に対応する下向きテーパ部を有する作動部材を構成している。そして、ラッチヘッドを第1扉の戸先側縦框に取付け、作動部材を第2扉の戸先側縦框に、前記両テーパ部が折戸閉鎖時に対向して接触するように取付ける。これにより、折戸を閉鎖した時は、作動部材のテーパ部がラッチユニットの可動体の被作動部材のテーパ部を押下して可動体を下降させ、従って、それまで下レールよりも上方位置に存在したラッチヘッドが下レールよりも低い位置まで移動されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先行技術は、被作動部材が第1扉に、作動部材が第2扉にそれぞれ取付けられるため、折戸閉鎖時に両テーパ部が確実に接触して作用するためには、被作動部材及び作動部材がいずれも片持ち梁状に形成される必要がある。そして、折戸の閉鎖時に被作動部材は常に片側のみに作動部材から押圧力を受ける。そのため、長期使用の間に被作動部材及び作動部材が機械疲労により劣化し、破損する恐れがある。被作動部材及び作動部材を可及的に短いものを使用して劣化を軽減しようとする場合は、連結材の断面積をできるだけ小さくする必要が生じる。これは連結強度の低下に繋がる。また、被作動部材と作動部材のいずれか一方の取付け位置に誤差がある場合は、両テーパ部の共同作用が不可能になるため、折戸閉鎖時に施錠されない事態が発生する恐れがある。さらに、上記先行技術の場合は、第1扉の戸先側縦框と第2扉の戸先側縦框とにラッチユニット取付け用と作動部材取付け用の形状及び大きさが異なる加工を施す必要があるので、框材の加工及び管理が煩雑である。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、ラッチヘッドの損傷を防止し、浴室床面を傷つけないラッチ錠装置において、ラッチユニットの構造及び取付け対象並びに作動部材の取付け対象を改善することにより、ラッチ錠装置の取付け容易化、機械的劣化の軽減による寿命の伸長を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の折戸用ラッチ錠装置は、ラッチユニットと作動部材とからなり、前記ラッチユニットは、折戸の左右の扉を相対的に回動自在に結合する連結材に固定される固定ケースと、前記固定ケースに昇降自在に収容され、第1付勢部材により常時上方に付勢されている可動体と、前記可動体に昇降自在に備えられ、第2付勢部材により常時下方に付勢されているラッチヘッドとから構成され、前記作動部材は前記折戸の左右の扉の一方又は双方に取付けられ、前記折戸の閉鎖時は前記作動部材が前記ラッチユニットの可動体を前記固定ケースに対して前記第1付勢部材に抗して下方に移動させるようにしたことを特徴としている。上記構成により、折戸の開放状態においては、可動体が第1付勢部材により上方に移動されているため、ラッチヘッドは下レールよりも上方位置に保持されている。これに対して、折戸の閉鎖直前位置から閉鎖終了位置までの間に、作動部材が被作動部材である可動体を第1付勢部材に抗して下方に移動させるため、ラッチヘッドが下レールよりも下方に突出する。ラッチヘッドが下レールに接触したときは、第2付勢部材に抗して上昇し、下レールを越えると、第2付勢部材により下方に移動して下レールと係合し、折戸を閉鎖状態に保持する。
【0008】前記ラッチヘッドは、可動体に高さ調整可能に取付けられた調整ケース内に昇降自在に収容し、前記調整ケース内に収容された第2付勢部材により前記ラッチヘッドを常時下方に付勢するように取付けることが望ましい。上記構成により、調整ケースの可動体に対する取付高さを調整して、ラッチヘッドの浴室床面、下レール及び脱衣室床面からの高さを適切に設定することができる。
【0009】前記ラッチユニットの可動体には山形テーパ部を設けるとともに作動部材には前記可動体の山形テーパ部の一つの斜面に対応するテーパ部を設け、折戸の閉鎖時は前記作動部材のテーパ部が前記可動体の山形テーパ部を押下して前記可動体を第1付勢部材に抗して下方に移動させるようにすることが望ましい。上記構成により、折戸の閉鎖直前位置から閉鎖終了位置までの間に、作動部材のテーパ部が可動体の山形テーパ部を押下して可動体を第1付勢部材に抗して下方に移動させる。山形テーパ部を有するので、作動部材は第1扉及び第2扉の任意の一方又は双方に設けることができる。
【0010】テーパ部を有する作動部材は、左右の扉の連結部側縦框に設けられることが望ましい。上記構成により、折戸の閉鎖時に左右の扉の作動部材のテーパ部が可動体の山形テーパ部の両斜面を押下する。従って、可動体に平衡した力が加わるので、可動体は安定確実に移動し、機械疲労による劣化が防止される。万一、一方の作動部材の取付け位置に誤差が生じても、他方の作動部材が作用するので折戸の閉鎖状態が確実に保持される。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は折戸サッシの一例を脱衣室側から見た正面図、図2は同折戸サッシの横断面図、図3は折戸の要部及びラッチ錠装置の構成を示す分解斜視図、図4はラッチ錠装置の一つの構成要素であるラッチユニットの展開図、図5は可動体の展開図、図6は調整ケースの展開図、図7は固定ケースのカバー材の展開図、図8はカバー材と調整ビスカバーの断面図、図9はラッチユニットの連結材に対する取付け状態を示す斜視図、図10は作動部材の展開図、図11はラッチ錠装置の作用説明図、図12は同じく折戸閉鎖前の状態を説明する要部の正面図、図13は同横断面図、図14は同じく折戸閉鎖後の状態を説明する要部の正面図、図15は同横断面図である。
【0012】図1において、Fは浴室の出入口に固定される周知の折戸サッシの枠体であり、上枠1、下枠2及び左右の縦枠3,4を矩形に枠組みしてある。Dは前記枠体Fに建て込められた折戸であり、左右の扉d1,d2を連結材5によりその連結材を中心に回転して折り畳み又は展開自在に結合して構成されている。各扉d1,d2は、左右対称形に構成されており、上下の框と左右の縦框61 ,71 ;81 ,91 、62 ,72 ;82 ,92 を矩形に框組みし、中にガラス板その他のパネルが保持されている。また、折戸の吊り元側縦框、すなわち、左右両端部に存在する縦框81 ,82 の上下端部に取付けた固定ヒンジ101 ,スライドヒンジ102 をそれぞれ上枠1及び下枠2に形成してあるレールに嵌合させてある。
【0013】左右いずれか一方のヒンジ、例えば左側のヒンジ101 を横方向に摺動不能及び垂直軸回りに回転自在とし、他方のヒンジ例えば右側のヒンジ102 をレールに沿って転動自在又は摺動自在にすることにより、脱衣室側から折戸の中央部分、すなわち、連結材5による連結部分を浴室方向に押す(又は引く)と、ヒンジ102 がレールに沿ってヒンジ101 方向に移動して折戸Dが折畳まれて開放され、また、逆に開放されている折戸の縦框82 を縦枠4方向に移動した後、折戸の中央部分を脱衣室方向に押す(又は引く)と、ヒンジ102 がレールに沿って縦枠4方向に折畳まれていた折戸の各扉が縦框81 ,82 を中心に回転しながら折戸が展開し、閉鎖される。
【0014】折戸Dの両扉d1,d2の連結部分の上下端部又は少なくとも下端部に、折戸の閉鎖状態を保持するためのラッチ錠装置Lが取付けられている。折戸の上端部に取付けられるラッチ錠装置は、従来の構成を有するものであり、下端部に取付けられるラッチ装置は本発明によるものである。以下には、下端部に取付けられるラッチ錠装置についてのみ説明する。
【0015】本発明によるラッチ錠装置Lは、図3に示すように、連結材5に取付けられるラッチユニットLUと、各扉d1,d2の連結側縦框81 ,82 のいずれか一方又は双方に取付けられる作動部材AMとから構成されている。
【0016】ラッチユニットLUは、連結材5に固定される固定ケース11と、この固定ケース内に昇降自在に収容され、固定ケースに対して常時上方に付勢される可動体12と、可動体に昇降自在に備えられ、常時下方に付勢されるラッチヘッド13とを有する。好ましい実施例においては、可動体12に高さ調整可能に取付けられる調整ケース14を取り付け、その調整ケース内にラッチヘッド13を昇降自在に収容し、かつ、常時下方に付勢することが望ましい。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0017】固定ケース11は、浴室側から見た場合の背面側に棒状に形成された挿入部111を有し、その挿入部111の前部に後記可動体及び調整ケースを収容するための収容空間112aを形成するケース部112を有する。そして、固定ケース11を連結材5に取付けるための構造として、挿入部111の左右両側面の前端部近傍において凸縁111aが形成され、かつ、その凸縁とケース部112の背面との間に上下方向に連続する凹溝113が形成されている。また、挿入部111のケース部112よりも上側の上端部正面とケース部112の上端部正面にそれぞれ段付き孔114,115を有する。挿入部111の左右両側面には連結材5の背面側に形成されている連結部側縦框91 ,92 の軸部91 a,92 aを嵌合するための断面円弧状の溝部5aの外周面の一部に対応する円弧状の凹部111bを有し、その凹部の下部には、前記溝部5aの下方投影図形よりもやや幅広に形成された円弧状のストッパー部116が形成されている。また、ケース部112の左右両側壁112bの中間部に、前方に開放された矩形の切欠112cが形成されている。
【0018】可動体12は、上部の横板121とその横板の前端部から下方に延びる縦板122とを有し、縦板122の前面上部に山形テーパ部123が突設されている。横板121の平面形状は、固定ケース11のケース部112の収容空間112a及びその収容空間と連続して挿入部111内に形成されている凹部111cの横断面形状とほぼ等しく形成されている。従って、可動体12は、横板121び縦板122を固定ケース11のケース部112の収容空間112a及び挿入部111の凹部111cに挿入して、また、山形テーパ部123の両端部を固定ケース11のケース部112の切欠112cの左右両側壁112bと同面の状態で、固定ケース11に対して昇降自在に嵌合されている。また、可動体12は、山形テーパ部123の底面と固定ケースのケース部112の収容空間112aの底部112dとの間に装着されたコイルバネ等の第1付勢部材16により常時上方に付勢されている。
【0019】山形テーパ部123の中央には背面まで貫通する段付き縦長孔124が形成されている。そして、可動体12の縦板122の背面側に調整ケース14が固定されている。調整ケース14は、上部に結合部141を下部に収容部142を一体に有し、収容部142は下方に開口する収容空間143を有している。その収容空間内にラッチヘッド13が昇降自在に収容され、収容空間143の底部とラッチヘッド13の間に装着されたコイルバネ等の第2付勢部材17によりラッチヘッド13が常時下方に付勢されている。下方に付勢されているラッチヘッドの下端部を調整ケース14に対して所定の位置に停止するため、一例として、ラッチヘッド13の両側面に弾性を有する突起131(図3参照)を突設するとともに、調製ケース14の両側面に長孔144を形成して、ラッチヘッド13を調整ケースの収容空間143に挿入する時は、突起131をラッチヘッド内に押し込み、突起131が長孔144に合致する位置まで挿入された時に、突起131が弾性復元して長孔144の底辺に係止されるようにしてある。
【0020】また、調整ケース14は、結合部141に前後方向に貫通する孔145と、左右方向に貫通し、かつ、孔145と交差するナット挿入孔146とを有し、そのナット挿入孔にナット18(図11参照)を押入して、孔145と交差する位置に止めてある。そして、可動体12の長孔124に挿入した調整ビス19を調整ケース14の孔145に挿入し、かつ、ナット18にねじ込むことにより、調整ケース14を可動体12に引き寄せて固定してある。調整ビス19を緩め、そのビスの可動体12の長孔124の長軸方向位置を調整して再び締めつけることにより、ラッチヘッド13の下端部の位置を調整することができるようになっている。
【0021】カバー材15は、固定ケース11のケース部112の前面を被覆遮閉するためのものであり、ケース部112の前面形状とほぼ同一形状に形成され、上端部に背面に突出するねじ受け用筒部151が設けられている。この筒部151を固定ケース11のケース部112に設けてある段付き孔115にその前面側から挿入し、同じ段付き孔の背面側からビス20(図11参照)を筒部151までねじ込んで、カバー材15が固定ケース11に固定されるようになっている。
【0022】また、カバー材15には、その正面から背面に貫通し、可動体12の長孔124とほぼ同一形状の長孔152が長孔124と対向する位置に設けられ、その長孔152にビスカバー153が着脱自在に装着されている。長孔152の上辺に凹部(又は切欠)152aが設けてあり、その凹部152aに爪先を挿入してビスカバー153を引き出し、開放された長孔152にドライバー等の工具を挿入して調整ビス19の着脱又は弛緩を行うことができる。
【0023】図示の実施例では、カバー材15の下端部背面側に係止爪154が設けてあり、そのカバー材15を固定ケース11に取付ける際に、固定ケースの底部112dに係止爪154を係止する。また、第1付勢部材16による可動体12の上方移動の上限を規定するため、カバー材15の背面上部に上昇される可動体12の一例として山形テーパ部の上端部に当たってこれを停止する突起156が突設されている。また、157はカバー材の背面下部に突設された突起であり、第1付勢部材16が屈曲せずに伸縮するように案内するためのものである。
【0024】しかし、可動体12を固定ケース11に対して上方に付勢するための第1付勢部材16の取付け位置及び取付け構造は図示の例に限定されない。
【0025】上記のように、ラッチヘッド13を昇降自在に備えた調整ケース14を可動体12の所定位置に固着し、その可動体12を固定ケース11に対して昇降自在に、かつ、上方に付勢して備えてなるラッチユニットLUは、図4に例示された外観を有する。
【0026】上記構成のラッチユニットLUを連結材5に取付けるため、図3に示すように、連結材5の浴室側の壁の下端部に前記ラッチユニットLUの固定ケース11のケース部112の正面形状とほぼ同一の矩形状切欠5bが形成され、かつ、その切欠の上方に固定ケース11の上端部の孔114に対応する孔5cが形成されている。そして、連結材5にラッチユニットLUを取付けるには、ラッチユニットLUを連結材5の切欠5bの左右両側端縁と固定ケース11の両嵌合溝113がそれぞれ共通の線上に存在するように位置決めし、固定ケース11の挿入部111が連結材5の下方から中に進入して嵌合密着するように移動して、切欠5bの両側端縁を固定ケース11の嵌合溝113に嵌合させ、ケース部112の上端面を切欠5bの上端縁に停止させ、かつ、ストッパー116を連結材5の溝部5aの下端面に当接させた状態で、孔5cからビス21を挿入し、固定ケース11の挿入部111の上端部の孔114にねじ込むことにより、堅固に固定される。図11の22は、要望によりビス21を被覆するために後付けされたカバーであり、連結材5の正面にビス23で取付けてあるベース部と表面のカバー部とからなっている。
【0027】本発明のラッチ錠装置のもう一つの構成要素である作動部材AMは、図3及び図10に示すように扉d1,d2の連結部側縦框91 ,92 の下端面に当接されて、一例として縦框91 ,92 の軸部91 a,92 aにねじ込まれるビス24により固定される固定部25と、その固定部の上面から起立し、下向き傾斜面を有するテーパ部26とを有する。固定部25は縦框91 ,92 の軸部91 a,92aに対応するリング部27を有し、そのリング部にビス24を貫通し、軸部91a,92 aにねじ込むようになっている。28は作動部材AMに一体に形成されたストッパであり、作動部材AMが縦框91 ,92 に取付けられた際は、その縦框の浴室側面から突出して、折戸Dが全開された時(すなわち、折畳まれた時)は浴室内壁面に当たって、縦框91 ,92 の浴室内壁面への激突を防止するものである。図10の29は水密性を確保するためのフィンであり、一端部は各扉の下框に装着されている同様のフィンの一端部に連続する。
【0028】上記作動部材AMを縦框91 ,92 に取付けるため、各縦框の下端部の互いに対向する面に切欠9bが形成されている。そして、作動部材AMのテーパ部26を切欠9bにその下方から嵌合挿入し、かつ、切欠9bから他方の縦框方向に突出させた状態で、上述のように、固定部25を縦框91 ,92 の下端面に当接し、ビス24をリング部27に貫通し、さらに縦框の軸部91 a,92 aにねじ込むことにより取付けられている。
【0029】続いて、上記構成による作用を説明すると、折戸Dの非閉鎖状態では、図12及び図13に示すように、ラッチユニットLUの可動体12の山形テーパ部123には作動部材AMのテーパ部26から押下力を受けていないので、図11(a)及び図12に示すように、第1付勢部材16により可動体12が上方に移動され、従って、ラッチヘッド13は下枠2に設けてある下レール2aよりも上方に保持されている。さらに、ラッチヘッド13はラッチユニットLUの下端面に対して、最大3mm上方に移動できるように、調整ビス19及び調整ケース14を介して調整可能である。
【0030】次に、折戸Dの閉鎖状態では、閉鎖終了直前に作動部材AMのテーパ部26がラッチユニットLUの可動体12の山形テーパ部123に当接して完全閉鎖位置に移動するに連れてこれを第1付勢部材16に抗して下方に押下する。そのため、ラッチヘッド13が下レール2aよりも下方に移動されるが、ラッチヘッド13は第2付勢部材17により弾力的に下方に付勢されているので、下レール2aに接触した時に一時的に上方に後退するため、ラッチヘッド13は下レール2aを越えることができ、図11(b)、図14及び図15に示すように、折戸が完全閉鎖位置まで移動されたときは、第2付勢部材17によりラッチヘッド13が再び下方に付勢されて下レール2aよりも下方に突出されて、これに係合するため、折戸は閉鎖状態を保持される。
【0031】なお、閉鎖されている折戸を開ける時は、浴室方向に移動されるラッチヘッド13が下レール2aから受ける力により第2付勢部材17に抗して上方に移動されて、下レール2aとの係合を解かれる。また、図13に示すように、各扉d1,d2の連結部側縦框91 ,92 が連結材5から離間されて、作動部材AMのテーパ部26がラッチユニットLUの可動体12の山形テーパ部123を解放するため、可動体12が第1付勢部材16により上方に移動されるので、下レール2aを乗り越えたラッチヘッド13はその後、第2付勢部材17により再び下方に移動されても、図11(a)に示すように浴室床30よりも上方に維持される。従って、折戸が開放される時に、ラッチヘッド13が浴室床30を傷付けたり、ラッチヘッド自身が損傷したりすることがない。
【0032】上記の実施例のように、作動部材AMを左右の扉d1,d2に設けた場合は、折戸閉鎖時に山形テーパ部123の両傾斜面に両作動部材AMのテーパ部26から押下力を受けるので、可動体12は安定して確実に下方移動をする。従って、片側のみに力を受ける場合のような機械的疲労による劣化や破損が防止され、作動部材AMも可動体12から受ける負荷が分散されるので、同様に劣化や破損が防止される。さらに、両扉の連結部側框91 ,92 に同一形状の切欠9bを形成するだけであるので、加工及び部材管理が容易である。
【0033】しかし、本願発明は、作動部材AMを左右の扉のいずれか一方に取付ける形態で実施することもできる。しかも、いずれの場合も、同一のラッチユニットを共通に用いることができる。そして、ラッチユニットLUを連結材5に取付けるようにしたので、作動部材AMを一方又は双方の扉に取付けるいずれの場合かを問うこと無く、連結材5に対する加工を行うことができる。従って、ラッチ錠装置の取付けが簡単である。
【0034】
【発明の効果】上述のように、請求項1の発明においては、固定ケースと、その固定ケースに昇降自在に収容され、第1付勢部材により常時上方に付勢されている可動体と、前記可動体に昇降自在に備えられ、第2付勢部材により常時下方に付勢されているラッチヘッドとから構成されるラッチユニットが、折戸を構成する左右の扉を相対的に回動自在に結合する連結材に取付けられ、作動部材が前記左右の扉の一方又は双方に取付けられ、折戸閉鎖時は作動部材がラッチユニットの可動体を固定ケースに対して第1付勢部材に抗して下方に移動させるように構成したので、主たる効果として、ラッチヘッドの損傷が防止されるとともに、浴室床面を傷つけないラッチ錠装置を得ることができる。また、派生的効果として、作動部材を左右の扉の一方又は双方のいずれに取付ける場合も、連結材に対して同一の加工を行なってラッチユニットを取付け、左右の扉に対して作動部材を取付けるために同様の加工を行なえば良いので、ラッチ錠装置の取付けを簡単に行うことができる。
【0035】請求項2の発明によれば、ラッチヘッドの浴室床面、下レール及び脱衣室床面からの高さを適切に設定することができる。
【0036】また、請求項3及び4の発明によれば、ラッチユニットの可動体が山形テーパ部を有し、作動部材はその山形テーパ部のいずれかの傾斜面を押圧するテーパ部を有するので、作動部材を折戸を構成する左右の扉の一方又は双方に取付けた形態で実施することができ、双方の扉に取付けた場合は、折戸閉鎖時に可動体の山形テーパ部の両斜面に作動部材のテーパ部から押下力が作用するため、可動体の下方移動が安定かつ確実に行われるばかりでなく、可動体の機械的疲労による劣化が軽減され、寿命が伸長される。
【出願人】 【識別番号】000191065
【氏名又は名称】新日軽株式会社
【識別番号】598145945
【氏名又は名称】ミユキ化成株式会社
【出願日】 平成12年5月26日(2000.5.26)
【代理人】 【識別番号】100079201
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 光正
【公開番号】 特開2001−336332(P2001−336332A)
【公開日】 平成13年12月7日(2001.12.7)
【出願番号】 特願2000−156086(P2000−156086)