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【発明の名称】 戸当り
【発明者】 【氏名】八木 克巳

【氏名】八木 準人

【要約】 【課題】上下左右に揺動可能な磁石付きの戸当りにおいて、磁石がガタつくことなく、安定してドアを保持することができる戸当りを提供する。

【解決手段】(a)根元側端部がドア側に固着された本体1と、(b)該本体1の先端部に設けられた弾性体2と、(c)該弾性体2に設けられた磁石3とからなり、前記弾性体2の先端面に穴7が形成され、前記磁石3が、前記弾性体2の穴7の内部であって、前記先端面より奥に収容され、さらに前記磁石3が、前記弾性体2の穴7内部において、前記弾性体2の軸方向に沿って前後に移動し得るとともに上下左右に揺動し得るように設けられてなる戸当り。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)根元側端部がドア側に固着された本体と、(b)該本体の先端部に設けられた弾性体と、(c)該弾性体に設けられた磁石とからなり、前記弾性体の先端面に穴が形成され、前記磁石が、前記弾性体の穴の内部であって、前記先端面より奥に収容され、さらに前記磁石が、前記弾性体の穴内部において、前記弾性体の軸方向に沿って前後に移動し得るとともに上下左右に揺動し得るように設けられてなる戸当り。
【請求項2】 前記磁石が、磁石本体と、該磁石本体を挟持する一対の磁性板とからなる請求項1記載の戸当り。
【請求項3】 前記弾性体の穴の内奥面において、前記磁石を当該穴の奥の方向へ吸引させるための磁性板が設けられてなる請求項1または2記載の戸当り。
【請求項4】 前記一対の磁性板の後縁付近において、前記磁石本体より後方に突出する突出部が形成され、該突出部に長孔が形成され、該長孔にはピンが挿入され、該ピンの両端が前記弾性体に固着されてなる請求項3記載の戸当り。
【請求項5】 前記一対の磁性板の前縁付近において、当該一対の磁性板の間隔を狭くする方向にそれぞれ爪が突設されてなる請求項3または4記載の戸当り。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は戸当りに関する。さらに詳しくは上下左右に揺動可能な磁石付きの戸当りにおいて、磁石がガタつくことなく、安定してドアを保持することができる戸当りに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建物などのドアを開けた位置に保っておくために、図7〜8に示されるように、磁石を有する戸当りが用いられている。
【0003】図7において、41は戸当りであり、ドアAに固着される本体42と壁Bに固着される受体43とからなる。
【0004】本体42は、図8に示されるように、ほぼS字状に湾曲した板材であり、その先端部には2個のピン44が座金45を通して植設されている。46は2枚の保持板で、その基部には孔47が穿孔されており、その孔47に前記ピン44を通して、保持板46が本体42の先端に取り付けられる。そして、2枚の保持板46のあいだに磁石48が挟まれ、保持板46の外周に角筒状のカバー49(図7参照)をかぶせて、磁石48が離脱しないように保持されている。この保持板46と座金45とのあいだには若干の空間が設けられており、保持板46に挟まれた磁石48が本体42の先端で少し上下左右に揺動し得るようにしている。
【0005】本体42の後端には、ネジを通すための2個の孔52、53が穿孔されている。54は座板であって、前記孔52に嵌められた筒部55を有している。また、その先端は直角に折り曲げられ当接部57を形成している。
【0006】従来の戸当りでは、磁石48が本体42先端で揺動するように遊びをもっているので、本体42が受体43に対して正確に直角方向から接近しなくても、確実に吸着することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の戸当りは、磁石48が受体43直角方向からずれた角度で当接したときにわずかでもガタが生じれば、ドアの保持状態が不安定になる。その場合、洗濯機や自動車などから発生する振動、または風の影響でドアが振動するという問題がある。
【0008】本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、上下左右に揺動可能な磁石付きの戸当りにおいて、磁石がガタつくことなく、安定してドアを保持することができる戸当りを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の戸当りは、(a)根元側端部がドア側に固着された本体と、(b)該本体の先端部に設けられた弾性体と、(c)該弾性体に設けられた磁石とからなり、前記弾性体の先端面に穴が形成され、前記磁石が、前記弾性体の穴の内部であって、前記先端面より奥に収容され、さらに前記磁石が、前記弾性体の穴内部において、前記弾性体の軸方向に沿って前後に移動し得るとともに上下左右に揺動し得るように設けられてなることを特徴とする。
【0010】前記磁石が、磁石本体と、該磁石本体を挟持する一対の磁性板とからなるのが好ましい。
【0011】前記弾性体の穴の内奥面において、前記磁石を当該穴の奥の方向へ吸引させるための磁性板が設けられてなるのが好ましい。
【0012】前記一対の磁性板の後縁付近において、前記磁石本体より後方に突出する突出部が形成され、該突出部に長孔が形成され、該長孔にはピンが挿入され、該ピンの両端が前記弾性体に固着されてなるのが好ましい。
【0013】前記一対の磁性板の前縁付近において、当該一対の磁性板の間隔を狭くする方向にそれぞれ爪が突設されてなるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明の戸当りをさらに詳細に説明する。図1は本発明の戸当りの一実施の形態を示す戸当りをドアに取り付けた状態を示す概略説明図、図2は図1の戸当りの分解斜視説明図、図3は図1の戸当り内部の磁石の前後方向の移動を示す弾性体付近の拡大断面図、図4は図1の戸当り内部の磁石の上下左右方向の揺動を示す磁石の斜視説明図、図5は本発明の戸当りの他の実施の形態を示す戸当りをドアに取り付けた状態を示す概略説明図および図6は図5の戸当りの分解斜視説明図である。
【0015】図1〜2に示される戸当りは、根元側端部1aがドアAに固着された本体1と、本体1の先端部1bに設けられた弾性体2と、弾性体2に設けられた磁石3と、壁Bに固着された磁性体からなる受体4とから構成されている。
【0016】本体1は、金属製円筒で作製され、根元側端部1a近傍の内壁面にめねじ部1cが形成され、該めねじ部1cに台座5の周壁に形成されたおねじ部5aが螺合されている。台座5には、ドアAに仮止めするための針部5bおよび木ネジ15を挿入するための貫通孔5cが形成されている。また、先端部1b近傍の側面には、一対の貫通孔1dが穿設され、この一対の貫通孔1dには弾性体2を係止するためのピン6の両端が嵌合されている。
【0017】弾性体2は、先端面2aに磁石3を収容するための略矩形断面を呈する穴7が形成されている。弾性体2における本体1に差し込まれる脚部2bには前記ピン6が挿入される貫通孔2cが形成されている。また、弾性体2の頭部2dの側面には穴7に通じる一対の貫通孔2eには、磁石3を係止するためのピン8の両端が嵌合されている。穴7の断面形状は、略矩形に限定されるものではなく、たとえば円形や多角形であってもよい。
【0018】磁石3は、外形の大きさが弾性体2の穴7の大きさより若干小さいものが用いられる。それにより、磁石3は、弾性体2の穴7の内部であって先端面2aより奥に位置するように収容され、弾性体2の軸方向に沿って前後に移動(図3参照)し得るとともに上下左右に揺動(図4参照)し得るように設けられている。
【0019】図1に示されるように、ドアAを全開したとき、図3(b)に示されるように、弾性体2が受体4に衝突し、それと同時または少し遅れて磁石3が受体4に吸着する。このとき、受体4は常に磁石3だけでなく、磁性体2に接触しているが、一方、弾性体2も常に受体4に接触しているので、受体4と磁石3とのあいだのガタは弾性体2によって吸収される。その結果、ドアAを安定して全開状態に保持することができ、ドアAが外力を受けて振動するなどの不具合がなくなる。
【0020】図2に示される本実施の形態の磁石3は、磁石本体9と、該磁石本体9を挟持する一対の磁性板10とからなり、磁性板10の前面10aに前記受体4が吸着できるようになっている。磁石本体9が磁性板10を介して吸着することにより、磁石本体9を受体4に衝突して破損することを防ぎ、しかも磁力線を前面10aから集中して放射させることにより、受体4に対する吸着力を強くすることができる。
【0021】また、本実施の形態では、図2に示されるように、弾性体2の穴7の内奥面において、磁石3を穴7の奥の方向へ吸引させるための磁性板11がネジや接着剤などによって固着されている。磁性板11の材質および大きさは、磁石3によって磁性板11を吸着する力が受体4を吸着する力より若干小さくなるように設定される。そのため、図1に示されるドアAが受体4から離れているときには、図3(a)に示されるように磁石3は磁性板11に吸引されて穴7の奥に引っ込んで保護されている。一方、ドアAが受体4に近づいたとき、図3(b)に示されるように、磁石3は受体4に引き寄せられて弾性体2の先端面2aまで移動したのち受体4に吸着することができる。したがって、受体4は、まず弾性体2の先端面2aに当接し、これとほぼ同時に磁石3に吸着するので、ドアAを保持する際に発生する音を大きく低減させることができる。
【0022】本実施の形態の磁石3は、図2〜4に示されるように、一対の磁性板10の後縁付近において、磁石本体9より後方に突出する突出部12が形成され、突出部12には弾性体2の軸方向に沿って長孔13が形成されている。長孔13には、弾性体2に両端固定された前記ピン8が挿入されている。したがって、磁石3は、図3〜4に示されるように、長孔13に沿ってスムーズに前後移動できるとともにピン8まわりにスムーズに上下左右に揺動できるようになっている。なお、長孔に代えて丸孔を採用することもできる。
【0023】また、本実施の形態の磁石3は、図2に示されるように、一対の磁性板10の前縁付近において、一対の磁性板10の間隔を狭くする方向にそれぞれ爪14が設けられているため、磁石本体9が一対の磁性板10の前面10aより前に突出することがなく、確実に磁石本体9を受体4から離間させることができる。
【0024】また、本発明の戸当りの他の実施の形態として、さらに構成が簡単になるように、図5〜6に示されるように、本体21として、ほぼS字状に湾曲した板材を採用してもよい。以下、さらに詳細に説明する。
【0025】図5〜6に示される戸当り21は、根元側端部がドアAに固着された本体22と、本体22の先端部に設けられた弾性体23と、弾性体23に設けられた磁石25と、壁Bに固着された磁性体からなる受体24とから構成されている。
【0026】本体22は、ほぼS字状に湾曲した金属製板材からなり、先端部近傍には、貫通孔22aが穿設され、この貫通孔22aには弾性体23を係止するためのピン32が挿入されている。
【0027】さらに、本体22の後端には、ネジを通すための2個の孔22b、22cが穿設されている。33は座板であって、前記孔22bに嵌められる筒部33aと、前記孔22cに対応する位置に形成された長孔33bを有している。また、その先端は直角に折り曲げられ、、当接部33cを形成している。この本体22は、座板33の当接部33cを前記ドアAの角部に当てて、筒部33aに本体22の孔22bを差し込み、本体22の取付角度を調整したうえで、孔22b、22cにネジを挿通して、ドアAに固定される。
【0028】弾性体23は、先端面23cに磁石25を収容するための略矩形断面を呈する穴30が形成されている。弾性体23における本体22に差し込まれる後端23dには、前記本体22の外形の大きさとほぼ同じ大きさの穴23eが形成されている。また、弾性体23の上下面には、貫通孔23a、23bが穿設されている。貫通孔23aには、磁石25を係止するためのピン31が嵌合され、貫通孔23bには、本体22を係止するためのピン32が嵌合される。
【0029】磁石25は、外形の大きさが弾性体23の穴30の大きさより若干小さいものが用いられる。それにより、磁石25は、弾性体23の穴30の内部であって先端面23cより奥に位置するように収容され、弾性体23の軸方向に沿って前後に移動し得るとともに上下左右に揺動し得るように設けられている。したがって、前記図1〜2の戸当りと同様に、ドアAを安定して全開状態に保持することができ、ドアAが外力を受けて振動するなどの不具合がなくなる。
【0030】また、図6に示される磁石25は、磁石本体26と、該磁石本体26を上下から挟持する一対の磁性板27とからなる。これら一対の磁性板27の後縁付近において、磁石本体26より後方に突出する突出部28が形成され、突出部28には前記ピン31の直径よりも若干大きい貫通孔29が形成されている。
【0031】以上の実施の形態では、壁Bに磁性体からなる受体4、24が固着された例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、壁Bそのものが磁性体であったり、壁の代わりに磁性体からなる棚などに戸当りを当接させるなどの場合には受体を省略してもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、上下左右に揺動可能な磁石付きの戸当りにおいて、磁石がガタつくことなく、安定してドアを保持することができる。したがって、ドアを全開に固定したときに外力を受けて振動するなどの不具合が解消される。
【出願人】 【識別番号】000153867
【氏名又は名称】株式会社八木
【出願日】 平成12年3月27日(2000.3.27)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
【公開番号】 特開2001−271546(P2001−271546A)
【公開日】 平成13年10月5日(2001.10.5)
【出願番号】 特願2000−86949(P2000−86949)