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【発明の名称】 磁石式戸当り金具の床金具
【発明者】 【氏名】福井 亀之助

【要約】 【課題】扉金具に内装した永久磁石により、床金具の吸着片を吸着して、扉の運動を阻止するようにした、磁石式床金具の改良に関するものである。

【解決手段】磁石式戸当り金具の床金具において、本体6と係止体7とあて板19とより成り、本体のほぼ中央を、係止体の回動吸着片8の大きさ、および厚さだけ、凹陥させて受溝11となし、受溝の一側には、本体の下面に開口した通し溝16を設け、回動吸着片と固定片9とを、軸芯10により回動自在に軸着して成る係止体を、その軸筒を通し溝に入れ、その回動吸着片を受溝に、その固定片を受台14下面の挟み溝に入れたとき、受台に設けた取付孔15と、固定片に設けた取付孔とが、上下に一致するように、受溝の取付孔と、固定片の取付孔との位置を定め、本体の底面にあて板を固定したこと、を特徴とする、磁石式戸当り金具の床金具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建築における扉(Doors)に取り付ける戸当り金具(Door Stop)の内、扉に取り付けた扉金具に内装した永久磁石が、床に取り付けた床金具の回動吸着片を磁力により吸引挙上し、挙上された該回動吸着片が永久磁石に磁着保持されることにより、該回動吸着片が扉の運動を阻止して、扉をその位置に磁力保持するようにした、磁石式戸当り金具の床金具において、本体(6)と係止体(7)とあて板(19)とより成り、本体(6)のほぼ中央を、係止体(7)の回動吸着片(8)の大きさ、および厚さだけ、凹陥させて受溝(11)となし、受溝(11)の一側には、本体(6)の下面に開口した通し溝(16)を設け、回動吸着片(8)と固定片(9)とを、軸芯(10)により回動自在に軸着して成る係止体(7)を、その軸筒(17)(18)を通し溝(16)に入れ、その回動吸着片(8)を受溝(11)に、その固定片(9)を受台(14)下面の挟み溝(12)に入れたとき、受台(14)に設けた取付孔(15)と、固定片(9)に設けた取付孔(13)とが、上下に一致するように、受溝(11)の取付孔(15)と、固定片(9)の取付孔(13)と、の位置を定め、本体(6)の底面にあて板(19)を固定したこと、を特徴とする、磁石式戸当り金具の床金具。
【請求項2】係止体(7)の固定片(9)の軸筒(17)に近い羽根の部分を、上方に僅かに弯曲することにより、軸筒(17)(18)をあて板(19)の上面(24)より上方に持ち上げた、請求項1記載の磁石式戸当り金具の床金具。
【0001】
【発明の詳細な説明】【産業上の利用分野】本発明は、建築における、扉に取り付ける磁石式戸当り金具の、床金具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、永久磁石を用いて開いた扉をその位置に固定保持する金具には、【0003】■ 床に埋め込んだ永久磁石が、扉下部に固定された被吸着部(鉄板)に吸着されて、床より上方に突出するようにしたもの(特開平10−121817号公報)、【0004】■ 相互に吸着可能な磁性材料で造られた起立部と係合溝とを、夫々扉下枠と床とに埋没して、扉を開放したときに、起立部が立ち上がって係合溝と係合するようにしたもの(実開平3−31679号公報)、【0005】■ 床金具に回動挙上自由に軸着した磁性金属板を、扉下端に取り付けた永久磁石が挙上吸着することにより、扉を固定するようにしたもの(特許2983530号)
【0006】■ 永久磁石を保持した扉金物を、扉の下框(かまち)に彫り込んで、外部から見えなくしたもの(特許2990601号)、などがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記■の床金具の構造は、床に掘り込んで取り付けた吸着部は上下のみに運動し、扉に取り付けた被吸着部は水平のみに運動するので、吸着部の上下運動にこじれを生じることがあり、吸着部にこじれを生じ、扉の保持が完全でない、と言う欠点があった。
【0008】前記■の床金具の構造は、相互に吸着可能に造られた異形の永久磁石を用いているため、永久磁石の原価が極めて高くなるだけでなく、複雑な構造による故障が多い、という欠点があった。
【0009】前記■の床金具の構造は、磁性係合部材を本体に軸着するために、本体に細くて長い支軸孔(軸芯孔)を穿孔しなければならず、従って穿孔作業の困難さは製造原価を上げる原因となるだけでなく、軸芯の強度が弱く、ために故障が多発する原因となつていた。
【0010】前記■の床金具の構造は、基体と裏蓋との間に可動片を回動可能にゆるく挟持した構造であるため、挟持部を円盤の1側に偏して設ける必要があり、その結果、金具を床に取り付けるには、その公報の第15図および同じく第22図に示されているように、偏芯した2段の円形の掘込溝を掘らなくてはならず、取り付けに格段の手間を要する、と言う欠点があつた。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記のような従来の床金具の欠点を補って、構造が簡単で取付が容易、かつ頑丈な薄型の床金具を安価に供給するため、次のような手段を講じた。
【0012】床金具の本体のほぼ中央を、係止体の回動吸着片の大きさ、および厚さ、だけ凹陥させて受台となし、受台の一側には、本体の下面に開口した通し溝を設け、吸着片と固定片とを回動自在に軸着して成る係止体を、その吸着片を受台に置き、その固定片を、通し溝を通して本体の下面に置いたとき、本体の受台に設けた取付孔と、固定片に設けた取付孔とが、上下に一致するように、夫々の取付孔の位置関係を定め、本体の底面には、あて板を取り付けて係止体の固定片が移動または脱落しないようにした。
【0013】また、係止体の固定片の、固定軸筒に近い部分を軽く弯曲して曲げ起こし部を設けることにより、軸筒を固定片の下面より少しく上方に持ち上げ、回動軸筒とあて板とが接触しないようにした。
【0014】
【実施例】図について、本発明の1実施例を説明すると、(1)は扉、(2)は床、(3)は扉金具、(4)は床金具、である。扉金具(3)は扉(1)の開き側の下端に取り付けられる金物で、その内部に永久磁石(5)を内蔵している。この永久磁石(5)は、磁力線の到達距離の長い磁石、例えばアルニコ磁石、ネオジウム磁石などを使用することが望ましい。
【0015】床金具(4)は、薄い円盤状に造られた本体(6)と、本体(6)の中央に嵌めこまれた係止体(7)とより成つている。
【0016】係止体(7)は回動吸着片(8)と固定片(9)とを、軸芯(10)により、回動自在に蝶番結合した構造で、床金具(4)を組み立てた状態では、回動吸着片(8)は、本体(6)の上面中央の受溝(11)に収納されて、回動吸着片(8)の上面が本体(6)の上面と同一平面になつている。
【0017】また、固定片(9)は、本体(6)の下面の挟み溝(12)にはめ込まれて、固定片(9)の下面は本体(6)の下面と同一平面になつている。即ち、回動吸着片(8)と固定片(9)との間に本体(6)を挟持した形になつている。
【0018】なお、このように床金具(4)を組み立てた状態において、固定片(9)の取付孔(13)と、受台(14)の取付孔(15)とが上下に正しく一致するように、それぞれの孔位置を定てある。
【0019】また、組み立てに際しては、係止体(7)の回動吸着片(8)または固定片(9)のいずれかを、本体(6)の下面または上面より通し溝(16)を通して挿入し、軸筒(17)(18)を通し溝(16)内に保持しながら回動吸着片(8)と固定片(9)との間に本体(6)を挟持し、固定片(9)の取付孔(13)を受台(14)の取付孔(15)に一致させ、【0020】固定片(9)が移動しないように、あて板(19)を本体(6)の下面に取り付けて、組み立てを終わる。
【0021】このように組み立てると、回動吸着片(8)は軸芯(10)を中心として自由に蝶番回動して起立または倒伏可能であり、倒伏したときには回動吸着片(8)の上面は本体(6)の上面と同一平面となつておりり、また、固定片(9)の取付孔(13)は本体(6)の受台(14)の取付孔(15)と重なつており、さらに、固定片(9)の下面(20)は本体(6)の下面と同一平面になつていて、固定片(9)はその位置を移動することはない。
【0022】なお、係止体(7)の固定片(9)の基部、すなわち固定軸筒(17)に近い部分、を弯曲または曲折して、図3に示したように、曲げ起こし部(21)を作ると、回動軸筒(18)を固定片(9)の下面(20)より少しく上方に持ち上げることができるので、回動吸着片(8)が回動する場合に、回動軸筒(18)の表面があて板(19)に接触することがないので、回動吸着片(8)は極めて円滑に回動することができる。
【0023】
【実施例】本発明の床金具(4)は、その基本的な構造を変えることなく、回動吸着片(8)の厚さ、固定片(9)の厚さおよび軸芯(10)の太さ、を変化させることにより、金具(4)の床上への突出寸法が極めて小さい「掘込型の床金具」とすることも出来るし、また、厚さの薄い「面付型の床金具」とすることも出来る。いずれの場合にも、歩行および掃除の邪魔にならない、いわゆる『バリアフリー』効果がある。
【0024】(イ) 第1実施例(掘込型の床金具として実施した場合):図には、本体(6)の外周辺に、高さの低い掛止斜面(22)を設け、本体(6)の大部分を床(2)に掘込取付とした、掘込型金具の1例を示した。回動吸着片(8)の厚さを2ミリ、軸芯(10)の直径を3ミリ、軸芯(10)の持ち上げ高さを1ミリ、あて板(19)の厚さを0.2ミリ、とすれば、全体の高さは8.2ミリとなり、掛止斜面(22)の高さ2ミリを差し引いて、掘込の深さは6.2ミリとなる。即ち、所定の位置に、深さ6.2ミリの円形の取付溝を唯一個穿孔することにより、床上突出の高さが僅かに2ミリの床金具が得られる。
(ロ) 第2実施例(面付型の床金具として実施した場合)(図示せず):回動吸着片(8)の厚さを1.5ミリ、軸芯(10)の直径を1.5ミリ、軸芯(10)の持ち上げ高さを1ミリ、あて板(19)の厚さを0.2ミリ、とすれば、全体の高さは4.7ミリとなるので、高さが4.7ミリで、周辺を傾斜面とした薄い円盤状の床金具が得られ、掘込溝を作ることなしに、床に直接螺着して使用することができる。
【0025】なお、あて板(19)の材料には、硬くて薄い金属板、硬質プラスチック板、硬質紙などを用いるのが適当で、あて板(19)を取り付けるには、粘着または接着が望ましく、高さが増すのを避けるため、螺子止め、釘止めなどを避けるのが望ましい。。
【0026】
【発明の効果】本発明の磁石式戸当り金具の床金具は、図面および上記説明のように構成されているので、次のような効果がある。
【0027】(イ) 床金具(4)は、掘込型の床金具としても、面付型の床金具としても、いずれの場合にも、図に示した基本構造のままで、回動吸着片(8)と固定片(9)との板厚さ、および軸芯(10)の直径、を適当に選ぶことにより、自由に設計することができる。また、掘込型、面付型のいずれの型に造っても、床面上の突出寸法が小さいので、歩行や掃除の邪魔にならない。いわゆる『バリアフリー金物』である。
【0028】(ロ) 床金具(4)を取付けた状態では、取付ねじ(23)は回動吸着片(8)の下に隠されて、外部からは見えないので、外観がよい。
【0029】(ハ) 係止体(7)の回動吸着片(8)を、固定片(9)に蝶番軸着し、かつ、固定片(9)を本体(6)の受台(14)とともに床(2)に螺着した構造であるので、■ 本体(6)に、細くて長い軸芯孔を穿孔する苦労がなく、その手間を省けるだけでなく、より太い軸芯(10)を使用できるので、頑丈で、耐久力が大きい。
■ 固定片(9)は、あて板(19)を介して、床(2)に螺着固定されるので、係止体(7)の固定が堅固で、回動吸着片(8)が扉金具(3)の永久磁石(5)に衝突停止する際の衝撃に、よく耐えることができる。
【0030】(ニ) 係止体(7)の固定片(9)の軸筒(17)に近い部分を、上方に僅かに弯曲して、軸筒(17)を底面のあて板(19)から離して保持するようにしたので、回動吸着片(8)の回動が常に円滑で、故障がなく、長期の使用に耐える。
【出願人】 【識別番号】000238865
【氏名又は名称】福井 亀之助
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−254560(P2001−254560A)
【公開日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【出願番号】 特願2000−115924(P2000−115924)