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【発明の名称】 ロック装置
【発明者】 【氏名】渡部 智子

【氏名】澤谷 誠司

【要約】 【課題】フックと一体又は連動するスライド部材をホルダに組み付ける作業が簡単で、圧縮コイルバネの装着不良が起こりにくいロック装置を提供する。

【解決手段】ストライカに係合するフック14と一体又は連動するスライド部材10に、圧縮コイルバネ40の一端40aが係合する第1コイル端受部15aと、圧縮コイルバネ40の外径よりも低いストッパ壁61とを設ける。ホルダ20には、スライド部材10を組み付けたとき、圧縮コイルバネ40の他端40bが係合する第2コイル端受部62を設ける。圧縮コイルバネ40をスライド部材10の第1コイル端受部15aとストッパ壁61との間に仮保持させた状態で、スライド部材10をホルダ20に組み付けると、ホルダ20の第2コイル端受部62がストッパ壁61と圧縮コイルバネ40の他端40aとの間に挿入される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体に対して開閉動作する開閉部材を閉じた状態に維持するためのロック装置において、前記本体と前記開閉部材の一方に設けられたストライカと、前記本体と前記開閉部材の他方に設けられたフックとを備え、前記他方の部材には、前記フックと一体又は連動するスライド部材が、ホルダを介してスライド可能に装着されると共に、このホルダとスライド部材との間に介装された圧縮コイルバネによって、前記フックが前記ストライカに係合する方向に付勢されており、前記スライド部材を前記圧縮コイルバネに抗して押すことによって、前記ストライカと前記フックの係合が解除されるように構成されており、前記スライド部材には、前記圧縮コイルバネの一端が係合する第1コイル端受部が設けられ、前記ホルダには、前記圧縮コイルバネの他端が係合する第2コイル端受部が設けられ、かつ、前記スライド部材には、前記第2コイル端受部に係合して前記スライド部材の移動量を規制するストッパ壁が設けられており、前記ストッパ壁は、前記圧縮コイルバネの外径よりも低い高さを有し、前記第1コイル端受部と前記ストッパ壁との間に前記圧縮コイルバネを仮保持させた状態で、前記スライド部材を前記ホルダに組み付けると、前記ストッパ壁と前記圧縮コイルバネの他端との間に前記第2コイル端受部が挿入されるように構成したことを特徴とするロック装置。
【請求項2】 前記第2コイル端受部には、前記スライド部材を前記ホルダに組み付けるとき、前記ストッパ壁の内側に挿入されやすくすためのガイド面が形成されている請求項1記載のロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のグローブボックスの開閉ロック等に好適なロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のインストルメントパネルに設けられるグローブボックスは、例えばインストルメントパネル側に設けられた本体と、この本体に対して開閉動作する開閉部材とで構成され、本体と開閉部材との間には、開閉部材を閉じた状態に維持するためのロック装置が設けられている。
【0003】このロック装置は、本体に設けたストライカと、開閉部材に設けたフックとで構成され、フックは、開閉部材内でスライド可能に保持されると共に、圧縮コイルバネによってストライカに係合する方向に付勢されている。そして、フックを前記圧縮コイルバネに抗して移動させることにより、ストライカとの係合を解除できるようになっている。
【0004】図5には、従来のロック装置に用いられているフック取付けユニットの一例が示されている。図5において、10はスライド部材、20はホルダ、30はスライド部材10をホルダ20に保持させる押えカバー、40は一対の圧縮コイルバネである。
【0005】スライド部材10は、ロック解除操作の際に指で押圧するためのプッシュ面11と、図示しないストライカに係合するフック14とを有している。フック14は、スライド部材10の内側面中央部からほぼ垂直方向に突設されており、上面にテーパ面12が形成されて全体として楔形状をなし、テーパ面12の基部側は、図示しないストライカが係合する係合段部13をなしている。また、スライド部材10には、圧縮コイルバネ40の一端40aが係合する第1コイル端受部15が形成されている。
【0006】一方、ホルダ20は、前記スライド部材10を受け入れる収容部を有し、この収容部の周壁21の一辺が開放されて、前記スライド部材10を組み付けたとき、そのプッシュ面11が露出されるようになっている。また、周壁21の三辺には、図示しないグローブボックスの蓋体に装着するための取付けフランジ22が形成され、そこに取付け孔23が形成されている。
【0007】また、ホルダ20の中央部には、前記スライド部材10を組み付けたときフック14が挿入される開口部24が形成され、この開口部24の前面側には、フック14と協働して、振動時に図示しないストライカの外れを防止するための突縁部25が形成されている。
【0008】更に、ホルダ20内壁の前記開口部24の両側には、コ字状に突設されたリブからなるコイル受部26がそれぞれ形成されており、このコイル受部26の内端面には、先細テーパ状のピンからなる第2コイル端受部27が設けられている。第2コイル端受部27は、圧縮コイルバネ40の他端40bに挿入され、該他端40bを支持する役割をなす。
【0009】押えカバー30は、前記ホルダ20のフランジ22及び取付け孔23に重ね合わされるフランジ31及び取付け孔32を有し、両側壁には、ロック片33が延出され、このロック片33にロック孔34が形成されている。ロック孔34には、ホルダ20の両側壁に形成した爪28が係合し、それによって押えカバー30がホルダ20に固定され、それらの間に配置されたスライド部材10をスライド可能に保持するようになっている。
【0010】図6、7は、上記圧縮コイルバネ40の一方を支持する第1コイル端受部と第2コイル端受部とを通る部分で切った側断面図である。
【0011】このフック取付けユニットの組立に際しては、図6に示すように、圧縮コイルバネ40の他端40bを、ホルダ20のコイル受部26のテーパピンからなる第2コイル端受部27に保持させ、その状態でスライド部材10のフック14をホルダ20の開口部24に挿入する。
【0012】このとき、図7に示すように、圧縮コイルバネ40の一端40aをスライド部材10の第1コイル端受部15の壁に当接させ、第1コイル端受部15と第2コイル端受部27との間に、圧縮コイルバネ40を圧縮状態で挿入しつつスライド部材10を組み付けるようにしている。なお、スライド部材10を組み付けた後、押えカバー30を被せてスライド部材10が外れないようにする。
【0013】こうして得られるフック取付けユニットは、図示しない開閉部材に装着され、スライド部材10のプッシュ面11を押すことによって、スライド部材10を圧縮コイルバネ40に抗して移動させると、フック14がスライド部材10と一体に移動し、図示しないストライカとの係合が解除される。
【0014】図8には、従来のロック装置に用いられているフック取付けユニットの他の例が示されている。なお、図5と実質的に同じ部分には同符合を付して、その説明を省略することにする。
【0015】このフック取付けユニットでは、スライド部材10に設けた、圧縮コイルバネ40の一端40aを保持する第1コイル端受部15aが、ホルダ20に設けた第2コイル端受部27と同様なテーパピンからなる。
【0016】このフック取付けユニットの組立に際しては、圧縮コイルバネ40の他端40bをホルダ20のテーパピンからなる第2コイル端受部27に保持させた状態で、スライド部材10のフック14をホルダ20の開口部24に挿入しつつ、圧縮コイルバネ40の一端40aをスライド部材10の第1コイル端受部15aに保持させながら、スライド部材10をホルダ20に組み付けることにより、圧縮コイルバネ40を第1コイル端受部15aと第2コイル端受部27に保持させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図5〜7に示した従来のロック装置では、スライド部材10をホルダ20に組み付けるとき、圧縮コイルバネ40の一端40aが第1コイル端受部15の壁から反れてしまい、圧縮コイルバネ40が正常に装着されず、不良品となることがあった。
【0018】また、図8に示した従来のロック装置では、圧縮コイルバネ40の一端40aにスライド部材10のテーパピンからなる第1コイル端受部15aを挿入することにより、圧縮コイルバネ40の外れを防止することができるが、第1コイル端受部15aが圧縮コイルバネ40の一端40aに挿入されたどうかを確認しづらく、また、一旦挿入してもスライド部材10を組み付ける途中で外れてしまうこともあるため、上記従来例と同様に、圧縮コイルバネ40が正常に装着されず、不良品となることがあった。
【0019】更に、上記いずれの従来例も、圧縮コイルバネ40の一端40aをスライド部材10に保持させ、他端40bをホルダ20に保持させつつ、スライド部材10とホルダ20とを組み付けなければならないので、組み付け作業が難しくなり、作業性が悪くなると共に、組み付けミスも発生しやすいという問題点があった。
【0020】したがって、本発明の目的は、フックと一体又は連動するスライド部材をホルダに組み付ける際の作業が簡単で、その際に圧縮コイルバネの装着不良が起こりにくくしたロック装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の第1は、本体に対して開閉動作する開閉部材を閉じた状態に維持するためのロック装置において、前記本体と前記開閉部材の一方に設けられたストライカと、前記本体と前記開閉部材の他方に設けられたフックとを備え、前記他方の部材には、前記フックと一体又は連動するスライド部材が、ホルダを介してスライド可能に装着されると共に、このホルダとスライド部材との間に介装された圧縮コイルバネによって、前記フックが前記ストライカに係合する方向に付勢されており、前記スライド部材を前記圧縮コイルバネに抗して押すことによって、前記ストライカと前記フックの係合が解除されるように構成されており、前記スライド部材には、前記圧縮コイルバネの一端が係合する第1コイル端受部が設けられ、前記ホルダには、前記圧縮コイルバネの他端が係合する第2コイル端受部が設けられ、かつ、前記スライド部材には、前記第2コイル端受部に係合して前記スライド部材の移動量を規制するストッパ壁が設けられており、前記ストッパ壁は、前記圧縮コイルバネの外径よりも低い高さを有し、前記第1コイル端受部と前記ストッパ壁との間に前記圧縮コイルバネを仮保持させた状態で、前記スライド部材を前記ホルダに組み付けると、前記ストッパ壁と前記圧縮コイルバネの他端との間に前記第2コイル端受部が挿入されるように構成したことを特徴とするロック装置を提供するものである。
【0022】上記第1の発明によれば、スライド部材をホルダに組み付ける際、圧縮コイルバネをスライド部材の第1コイル端受部とストッパ壁との間に仮保持させておけばよいので、圧縮コイルバネの一端をスライド部材に保持させ、他端をホルダに保持させつつ、スライド部材とホルダとを組み付けるという複雑な作業を行う必要がなくなる。また、ストッパ壁は、圧縮コイルバネの外径よりも低い高さを有しているので、上記仮保持状態において、圧縮コイルバネの端面の一部がストッパ壁から突出した状態となり、スライド部材とホルダとを組み付ける際に、圧縮コイルバネの端面の上記ストッパ壁から突出した部分を、第2コイル端受部に当接させて少し圧縮させることにより、ホルダの第2コイル端受部を圧縮コイルバネの他端とストッパ壁との間に容易に挿入することができる。
【0023】本発明の第2は、前記第1の発明において、前記第2コイル端受部には、前記スライド部材を前記ホルダに組み付けるとき、前記ストッパ壁の内側に挿入されやすくすためのガイド面が形成されているロック装置を提供するものである。
【0024】上記第2の発明によれば、ホルダの第2コイル端受部にストッパ壁の内側に挿入されやすくすためのガイド面を形成しておくことにより、スライド部材をホルダに押し込みながら組み付けるだけで、第2コイル端受部を圧縮コイルバネの他端とストッパ壁との間に滑り込ませることができ、組み付け作業をより容易にすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1〜4には、本発明によるロック装置の一実施形態が示されている。図1は本発明によるロック装置が適用されるグローボックス全体を示す斜視図、図2は同ロック装置のフック取付けユニットを示す分解斜視図、図3は同フック取付けユニットを組み付ける状態を示す側断面図、図4は同フック取付けユニットを組み付けた状態を示す側断面図である。なお、図3、4は、圧縮コイルバネの一方を支持する第1コイル端受部と第2コイル端受部とを通る部分で切った側断面図である。
【0026】図1に示すように、本発明によるロック装置は、例えば自動車のグローブボックス50に適用される。このグローブボックス50は、インストルメントパネル51の上面に形成された収容部(本発明における本体に該当)52と、この収容部52に対して開閉可能に取付けられた蓋体(本発明における開閉部材に該当)53とを備えている。収容部52の開口縁部には、上記蓋体53に取付けられるフックが係合するストライカ54が取付けられている。フックは、図1におけるフック取付けユニット60として予め組み立てられ、このユニット60を蓋体53に設けた収容部55に設置し、ネジ56で固定するようになっている。
【0027】フック取付けユニット60は、図2に示すように、スライド部材10と、ホルダ20と、押えカバー30とで構成されている。スライド部材10はフック14を有し、ホルダ20は上記フック14が挿入される開口部24を有している。押えカバー30は、ホルダ20との間にスライド部材10を挟持するように、ホルダ20に嵌合固定され、スライド部材10をスライド可能に保持する。これらの基本的な構成は、図5、8に示した従来例と同じなので、実質的に同一部分には同符合を付して、重複する部分の説明は省略することにする。
【0028】本発明においては、スライド部材10に、圧縮コイルバネ40の一端40aを保持する第1コイル端受部15aと、圧縮コイルバネ40の他端40bを仮保持するストッパ壁61とが設けられている。第1コイル端受部15aは、図8に示した従来例と同様に、テーパピンで構成されており、圧縮コイルバネ40の一端40aに挿入されてその端部を保持する。なお、第1コイル端受部を図5に示したような単なる壁で構成してもよい。ストッパ壁61は、圧縮コイルバネ40の外径よりも低い高さで形成された壁部からなり、圧縮コイルバネ40を仮保持させたときに、圧縮コイルバネ40の端面の一部が該ストッパ壁61から突出するようになっている。
【0029】また、ホルダ20内壁の前記開口部24の両側には、コ字状に突設されたリブからなるコイル受部26がそれぞれ形成されており、このコイル受部26の内端面は、組み付け状態で圧縮コイルバネ40の他端40bが係合する第2コイル端受部62をなしている。特に図3、4に示すように、この第2コイル端受部62の外面は、該受部62の壁厚が先端方向に向けて次第に薄くなるように曲面状又はテーパ状に形成されてガイド面62aをなしており、スライド部材10を組み付けるときに、その先端縁がストッパ壁61と圧縮コイルバネ40の他端40bとの間に挿入されやすくなっている。
【0030】なお、この実施形態の場合、スライド部材10には、フック14の係合段部13に対向して、所定間隔をおいてテーパ状の突起63が形成されている。この突起63は、スライド部材10のプッシュ面11を押してロックを解除するとき、ストライカ54が上記突起63のテーパー面に沿ってガイドされ、フック14の係合段部13から抜け出る方向に誘導されると共に、開閉部材が開方向へ移動されるようにするものである。すなわち、上記突起63を設けることにより、プッシュ面11を押したときにストライカ54がフック14の係合段部13から確実に開放されるので、フック14が圧縮コイルバネ40のバネ力で元の位置に戻ってストライカ54に再び係合してしまうのを防止することができる。
【0031】上記構成からなる本発明のロック装置によれば、フック取付けユニット60の組立に際し、圧縮コイルバネ40を予めスライド部材10の第1コイル端受部15aと、ストッパ壁61との間に仮保持させることができる。その結果、圧縮コイルバネ40の一端40aをスライド部材10に保持させ、他端40bをホルダ20に保持させながら組み付ける従来の装置に比べて、組立作業を飛躍的に簡単にかつ誤りなく行うことが可能となる。
【0032】そして、圧縮コイルバネ40を仮保持させたスライド部材10を、図3に示すように、ホルダ20に向けて組み付けるように押し込むと、圧縮コイルバネ40の他端40bのストッパ壁61から突出する端面が、第2コイル端受部62の内側面に入り、ストッパ壁61の内側角部が第2コイル端受部62のガイド面62aに当接して、第2コイル端受部62がストッパ壁61と圧縮コイルバネ40の他端40bとの間に進入する。
【0033】その結果、図4に示すように、圧縮コイルバネ40の一端40aは、スライド部材10の第1コイル端受部15aに保持され、他端40bは、ホルダ20の第2コイル端受部62に係合して、スライド部材10は常時図4中の右方向にバネ付勢される。また、スライド部材10のストッパ壁61は、ホルダ20の第2コイル端受部62の外側に当接して、スライド部材10の移動量を規制する。
【0034】このフック取付けユニット60を図1の蓋体53の収容部55に設置し、ネジ56で固定し、蓋体53を閉めると、フック14のテーパ面12にストライカ54が当たり、スライド部材10が圧縮コイルバネ40に抗してスライドし、ストライカ54がフック14の係合段部13に係合して、蓋体53がロックされる。この状態で、スライド部材10のプッシュ面11を指で押圧すると、スライド部材10が圧縮コイルバネ40に抗して移動し、ストライカ54との係合が外れて蓋体53が開く。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、スライド部材をホルダに組み付ける際、圧縮コイルバネをスライド部材の第1コイル端受部とストッパ壁との間に仮保持させておけばよいので、従来装置のように、圧縮コイルバネの一端をスライド部材に保持させ、他端をホルダに保持させつつ、スライド部材とホルダとを組み付けるという複雑な作業を行う必要がなくなり、組立作業性が飛躍的によくなる。また、ストッパ壁は、圧縮コイルバネの外径よりも低い高さを有しているので、上記仮保持状態において、圧縮コイルバネの端面の一部がストッパ壁から突出した状態となり、スライド部材とホルダとを組み付ける際に、圧縮コイルバネの端面の上記ストッパ壁から突出した部分を、第2コイル端受部に当接させて少し圧縮させることにより、ホルダの第2コイル端受部を圧縮コイルバネの他端とストッパ壁との間に容易に挿入することができる。
【出願人】 【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
【出願日】 平成12年3月1日(2000.3.1)
【代理人】 【識別番号】100086689
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 茂
【公開番号】 特開2001−248354(P2001−248354A)
【公開日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【出願番号】 特願2000−56350(P2000−56350)