| 【発明の名称】 |
ドアの用心錠とこれに用いる押しボタン錠及びダイヤル錠 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥田 勝司
|
| 【要約】 |
【課題】屋外側からも施解錠できるようにして防犯機能を向上させた用心錠を可及的に安価に提供できるようにする。
【解決手段】先端部にロック体11を有するロック用紐材5と、このロック用紐材5のロック体11を着脱自在に連結可能な受け部材3と、を備えたドアの用心錠において、ロック用紐材5を半開きにしたドア2の隙間Eを介してロック体11を屋外側から受け部材3に着脱できる長さに設定する。また、ロック体11を受け部材3に対して抜け止めする施錠状態とこの抜け止めを解除する非施錠状態に切り換えることができる施錠装置13を当該受け部材3に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端部にロック体を有するロック用紐材と、このロック用紐材のロック体を着脱自在に連結可能な受け部材と、を備えたドアの用心錠において、前記ロック用紐材は半開きにしたドアの隙間を介して前記ロック体を屋外側から前記受け部材に着脱できる長さに設定され、前記ロック体を前記受け部材に対して抜け止めする施錠状態とこの抜け止めを解除する非施錠状態に切り換えることができる施錠装置が当該受け部材に設けられていることを特徴とするドアの用心錠。 【請求項2】 ドアの先端部の屋内側面又はドアフレームの屋内側面のうちのいずれか一方に取り付け可能でかつ先端部にロック体を有するロック用紐材と、そのうちの他方に取り付け可能でかつ前記ロック体を着脱自在に連結可能な受け部材と、を備えたドアの用心錠において、前記ロック用紐材は半開きにした前記ドアと前記ドアフレームとの間の隙間を介してそのロック体を屋外側から前記受け部材に着脱できる長さに設定され、前記ロック体を前記受け部材に対して抜け止めする施錠状態とこの抜け止めを解除する非施錠状態に切り換えることができる施錠装置が当該受け部材に設けられていることを特徴とするドアの用心錠。 【請求項3】 左右一対の引き戸のうち一方の引き戸の屋内側面に取り付け可能でかつ先端部にロック体を有するロック用紐材と、他方の引き戸の屋内側面に取り付け可能でかつ前記ロック体を着脱自在に連結可能な受け部材と、を備えたドアの用心錠において、前記ロック用紐材は半開きにした前記引き戸と他方の引き戸との間の隙間を介してそのロック体を屋外側から前記受け部材に着脱できる長さに設定され、前記ロック体を前記受け部材に対して抜け止めする施錠状態とこの抜け止めを解除する非施錠状態に切り換えることのできる施錠装置が当該受け部材に設けられていることを特徴とするドアの用心錠。 【請求項4】 施錠装置は、複数の押しボタンのうち解錠用の押しボタンを押動操作したときにロック体の抜け止めを解除することができる押しボタン錠よりなる請求項1,2又は3に記載のドアの用心錠。 【請求項5】 受け部材はロック体がスライド可能に連結される上下方向に延びたスライド孔を有する縦長のケーシングを備えており、押しボタン錠は上下方向の直線上に一列に並ぶように前記ケーシングに設けられた複数の押しボタンを備えている請求項4に記載のドアの用心錠。 【請求項6】 各押しボタンの突出端がドアの先端側に向けられている請求項4又は5に記載のドアの用心錠。 【請求項7】 施錠装置は、複数列のダイヤルを所定の番号に回動操作したときにロック体の抜け止めを解除することができるダイヤル錠よりなる請求項1,2又は3に記載のドアの用心錠。 【請求項8】 受け部材はロック体がスライド可能に連結される上下方向に延びたスライド孔を有する縦長のケーシングを備えており、ダイヤル錠は上下方向の軸心回りに縦向きに並ぶように前記ケーシングに設けられた複数列のダイヤルを備えている請求項7に記載のドアの用心錠。 【請求項9】 各ダイヤルの符号合わせ位置がドアの先端側に向けられている請求項7又は8に記載のドアの用心錠。 【請求項10】 ドアの先端部の屋内側面又はドアフレームの屋内側面に取り付けられるケーシングを備えており、押動操作可能な複数の押しボタンが前記ケーシングの表面側に設けられているドアの用心錠に使用する押しボタン錠において、前記各押しボタンの突出端がドアの先端側に向けられていることを特徴とするドアの用心錠に使用する押しボタン錠。 【請求項11】 ドアの先端部の屋内側面又はドアフレームの屋内側面に取付けられるケーシングを備えており、回動操作可能な複数列のダイヤルが前記ケーシングの表面側に設けられているドアの用心錠に使用するダイヤル錠において、前記各ダイヤルの符号合わせ位置がドアの先端側に向けられていることを特徴とするドアの用心錠に使用するダイヤル錠。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、屋内外を仕切るドアを半開き位置において補助的にロックするための用心錠とこれに用いる押しボタン錠及びダイヤル錠に関する。 【0002】 【従来の技術】マンションや一戸建て住宅等の屋内外を仕切る玄関ドアには、当該ドアを半開き位置において補助的にロックするための用心錠が本施錠のための施錠装置に付加して設けられている。 【0003】そして、この種の用心錠として、ドアの先端部の屋内側面に取り付けた受け部材にドアフレーム側に取り付けたロック用紐材(チェーン)の先端部のロック体を着脱自在に連結するようにしたチェーンタイプの用心錠や、ドアの先端部の屋内側面に枢着された掛止アームをドアフレーム側に取り付けた掛止ピンにスライド自在に連結するようにしたアームタイプの用心錠が実用化されている。 【0004】ところで、特にマンションや文化住宅等の集合住宅においては、ゴミ捨てや買い物のために近所へ僅かな時間だけ出掛ける際に本施錠のための施錠装置をかけ忘れることが多く、この少しの時間だけ本施錠をかけ忘れたことが泥棒の侵入する大きな原因になっている。 【0005】しかしながら、従来のチェーンタイプの用心錠では、屋外側からはロック体を受け部材から取り外せないようにロック用紐材の長さが設定されているので、また、従来のアームタイプの用心錠では、掛止アームの掛止ピンに対する挿通部が当該アームの基端部に設けられているので、閉鎖状態にあるドアに対して屋内側からしか施解錠することができず、このため、居住者が屋内に居る場合のみにおいて補助的な防犯機能を果すことができるに過ぎない。 【0006】このように、従来の用心錠では、チェーンタイプ及びアームタイプのいずれの場合においても、それを屋外側からは施解錠することができず、居住者が少しの間だけ屋外に出掛ける場合の施錠機能を有していないので、上記のような少しの時間だけ本施錠をかけ忘れた場合の防犯対策としては何ら役に立っていないのが現状である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本願出願人は、上記アームタイプの用心錠に関して、屋内側だけでなく屋外側からも用心錠を施解錠できるようにして、防犯機能を向上させた用心錠を既に特許出願しており、このアームタイプの用心錠は、掛止アームと掛止ピンとの連結を掛止アームの先端側から行える挿通部を当該掛止アームに設け、この挿通部に挿通された前記掛止ピンを抜け止めする施錠状態とこの抜け止めを解除する非施錠状態に切り換えることのできる押しボタン錠等よりなる施錠装置を設けたものである(特願平10−378237号参照)。 【0008】しかるに、上記アームタイプの用心錠を製造するには、押しボタン錠等の施錠装置を掛止アームに連動連結するだけでなく、その掛止アームの先端側に掛止ピンの挿通部を形成し、しかも、その挿通部に挿通した掛止ピンを抜け止めするための掛止部材を掛止アームの内部に移動自在に設ける必要がある(特に、特願平10−378237号の図7参照)。 【0009】このため、かかるアームタイプの用心錠では、単に押しボタン錠等の施錠装置を付加するだけでは足りず、掛止アームそのものの構造を抜本的に変更せねばなら点で、製造コストがかなり高くつくという欠点がある。そこで、本発明の第一の課題は、屋外側からも施解錠できるようにして防犯機能を向上させた用心錠を可及的に安価に提供できるようにする点にある。 【0010】一方、屋内側に設置された用心錠を屋外側から解錠する場合、半開きにしたドアとドアフレームとの間の隙間から押しボタン錠等の施錠装置を操作する必要がある。このため、例えば、その操作部分(押しボタン錠の場合は押しボタン)が当該隙間から見て反対向きや横向きになっていると、屋外側のユーザーがその操作部分を目視し難くくなり、また、ドアの隙間に入れた指を当該操作部分にアクセスし難くなるので、当該隙間からの用心錠の解錠操作が行い難くなる。 【0011】そして、上記の課題は用心錠がチェーンタイプかアームタイプのいずれであるかに拘らず、屋外側からも施解錠できる用心錠の場合に共通する課題であると言える。そこで、本発明の第二の課題は、屋内側に設置された用心錠を屋外側から解錠するに当たり、半開き状態のドアの隙間からの解錠操作を可及的に行い易くする点にある。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決するために本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明は、前記したチェーンタイプのドアの用心錠において、半開きにしたドアの隙間を介してロック体を屋外側から受け部材に着脱できる長さのロック用紐材を採用し、そのロック体を受け部材に対して抜け止めする施錠状態とこの抜け止めを解除する非施錠状態に切り換えることができる施錠装置を当該受け部材に設けたものである。 【0013】この用心錠によれば、ロック用紐材が上記した長さに設定されているので、半開きされたドアとドアフレームとの間の隙間(または半開きにしたドアと他方のドアとの間の隙間)を介してロック用紐材のロック体を屋外側から受け部材に連結することができる。その後、その隙間から施錠装置をロック操作して施錠状態にすることによりロック体が受け部材から抜け止めされ、これによって当該用心錠によってドアが屋外側から施錠されることになる。 【0014】他方、この施錠状態にある用心錠のロックを解除するには、屋外側からドアを半開きにした状態で、そのドアとドアフレームとの間の隙間(または半開きにしたドアと他方のドアとの間の隙間)から施錠装置を解錠操作して非施錠状態に戻し、ロック用紐材のロック体を受け部材から抜き出せばよい。このように、本発明によれば、屋内側からだけでなく屋外側からも用心錠を施解錠することができるので、当該用心錠を居住者が屋外に出掛ける場合のドアロックとしても使用することができる。 【0015】また、本発明に係るチェーンタイプの用心錠の場合、ロック体が着脱自在に連結される受け部材に押しボタン錠等の施錠装置を設けているので、ロック用紐材については、前記した長さに設定する必要があるものの、そのロック体の形状や内部構造を抜本的に変更する必要がない。このため、本発明に係るチェーンタイプの用心錠では、屋外側からの施錠機能を有しない通常のチェーンタイプの用心錠に対して、概ね押しボタン錠等の施錠装置を受け部材側に付加するだけで製造することができ、屋外側からの施錠機能を付加するのに掛止アームの抜本的な構造変更を余儀無くされる前述のアームタイプの用心錠に比べて、製造コストを大幅に低減することができる。 【0016】なお、本発明によれば、屋外側からは認識できない屋内側の用心錠を屋外側から施解錠できるので、本施錠とともに当該用心錠を屋外側から施錠しておけば、泥棒等の侵入者はドアの本施錠を解錠して屋内に侵入しようとしても、屋内側に設置された用心錠を更に解錠しない限り屋内に侵入することができない。このため、侵入者が屋内側に設置された用心錠による二重ロックに気付いた時点で屋内への侵入を諦める蓋然性が高くなり、この点で玄関ドアの防犯機能が向上するという利点もある。 【0017】なお、本発明の用心錠は、ドアフレームに枢着された回転自在な開き戸タイプのドアだけでなく、ドアフレームに対してスライド自在に嵌め込まれた引き戸タイプのドアにも使用することができる。また、本発明の用心錠に使用する施錠装置としては、キーを差し込んで解錠するキー式錠、複数列のダイヤルを所定の番号に回動操作したときにロック体の抜け止めを解除するダイヤル錠、または、複数の押しボタンのうち解錠用の押しボタンを押動操作したときにロック体の抜け止めを解除する押しボタン錠、その他の各種の施錠装置を採用することができる。 【0018】もっとも、本発明では、半開き状態のドアで形成される狭い隙間から施錠装置を解錠操作する必要があるので、キーの着脱を要するキー式錠ではその解錠操作が煩雑であるという欠点がある。従って、本発明の用心錠に使用する施錠装置としては、キーの着脱を必要としない前記ダイヤル錠や押しボタン錠を採用することが好ましい。 【0019】しかして、本発明は、より好ましい実施態様として、受け部材に設ける施錠装置として、複数の押しボタンのうち解錠用の押しボタンを押動操作したときにロック体の抜け止めを解除することができる押しボタン錠、または、複数列のダイヤルを所定の番号に回動操作したときにロック体の抜け止めを解除することができるダイヤル錠を採用することを推奨する。 【0020】そして、ロック体がスライド可能に連結される上下方向に延びたスライド孔を有する縦長のケーシングを備えた受け部材を採用する場合には、上下方向の直線上に一列に並ぶように同ケーシングに配置された複数の押しボタンを備えた押しボタン錠や、上下方向の軸心回りに縦向きに並ぶように同ケーシングに配列された複数列のダイヤルを備えたダイヤル錠を採用することが好ましい。その理由は、押しボタンやダイヤルを上下方向に延びるスライド孔と同じように上下方向に一列に並んで配置するようにすれば、受け部材を構成するケーシングの幅寸法の肥大化を最小限に抑えることができ、当該受け部材をよりコンパクト化することができるからである。 【0021】なお、上記の押しボタンとダイヤル錠のうち、押しボタン錠では、所定の押しボタンの押動操作だけで解錠できるのに対して、ダイヤル錠では、複数列のダイヤルを所定の番号に位置合わせする必要がある点で、前者の方が後者よりも解錠操作が比較的行い易いという利点がある。従って、解錠操作のし易さの点ではダイヤル錠よりも押しボタン錠を採用する方が好ましい。 【0022】一方、前記第二の課題を解決するために本発明は次の技術的手段を講じた。すなわち、本発明は、ドアの用心錠に使用する前記押しボタン錠において、各押しボタンの突出端がドアの先端側に向けられていることを特徴とする。この場合、半開き状態にあるドアの隙間から各押しボタンの突出端を確実に目視できるようになるので、ドアの隙間に入れた指をその押しボタンの突出端にアクセスし易くなり、当該隙間からの用心錠の解錠操作が行い易くなる。 【0023】また、本発明は、ドアの用心錠に使用する前記ダイヤル錠において、各ダイヤルの符号合わせ位置がドアの先端側に向けられていることを特徴とする。この場合、半開き状態にあるドアの隙間から各ダイヤルの符号合わせ位置を確実に目視できるようになるので、各ダイヤルを所定番号にセットし易くなり、当該隙間からの用心錠の解錠操作が行い易くなる。 【0024】なお、前記第二の課題を解決する本発明については、チェーンタイプだけでなくアームタイプの用心錠にも適用することができる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1〜図6は、本発明の第一実施形態に係るドアの用心錠1を示している。図1及び図2に示すように、この用心錠1は、屋内外を仕切る玄関ドア2を半開き位置において補助的にロックするためのもので、回動自在な開き戸よりなるドア2の先端部の屋内側面に取り付けられた施錠装置付きの受け部材3と、そのドア2を回動自在に支持するドアフレーム4に取り付けられたロック用紐材5と、を備えている。 【0026】受け部材3は、縦長の方形板状に形成された支持プレート6と、この支持プレート6の表面側に固定された縦長のケーシング7とを備えていて、支持プレート6の四隅をスクリュねじ8でドア2の屋内側面にねじ止めすることで、そのドア2の先端部に固定されている。本実施形態のケーシング7は、その幅方向一側を構成する第一ケース9と、その幅方向他側を構成する第二ケース10とに分割構成されている。 【0027】このうち、第一ケース9には、前記ロック用紐材5のロック体11が着脱自在にかつスライド可能に連結される上下方向に延びたスライド孔12が形成されており、第二ケース10には押しボタン錠13よりなる施錠装置が組み込まれている。なお、この第一及び第二ケース9,10は一体物の箱状部材で構成するようにしてもよい。 【0028】ロック用紐材5は、ほぼ長方形状に形成された取付プレート15と、この取付プレート15の中央部に連結されたチェーン本体16と、このチェーン本体16の先端に連結された前記ロック体11とを備えており、その取付プレート15を図外のスクリュねじでドアフレーム4の枠内面側にねじ止めすることにより、当該ドアフレーム4に吊り下げ状に固定されている。 【0029】図2に示すように、チェーン本体16は透明樹脂製の可撓性を有する保護筒体18で被覆されている。このロック用紐材5は、半開きにしたドア2の隙間E(図4参照)を介して、そのロック体11を屋外側から受け部材3に着脱できる長さに設定されていて、従って、通常の用心錠のロック用紐材5よりは若干長めに形成されている。 【0030】なお、ロック用紐材5の素材は、上記のようなチェーンだけでなく、金属製又は樹脂製のワイヤーやロープ等、種々の長尺紐材を採用することができる。図2に示すように、ロック体11は、ほぼ円柱状の摘み部19と、この摘み部19の先端に小径のネック部を介して同心状に連結された円板状の頭部20とを有するピン部材により構成されている。他方、前記第一ケース9の上下方向のスライド孔12は、ロック体11のネック部は通過できるが頭部20は通過できない幅に形成され、かつ、頭部20でも通過できるように拡幅された大径孔よりなる挿通部21を上端部に備えている。 【0031】従って、ロック体11の頭部20を挿通部21から挿通して下方に移動させると、そのロック体11のネック部がスライド孔12にスライド自在に嵌合して頭部20が第一ケース9のスライド孔12側の縁部に引っ掛かり、これによって当該ロック体11が第一ケース9(受け部材3)に対してスライド自在に連結されることになる。 【0032】図3に示すように、第一ケース9の内部には、ロック用紐材5のロック体11がスライド孔12の上方へ移動するのを阻止して受け部材3に対するロック状態を維持するためのロック部材22が設けられている。このロック部材22は、その先端部でスライド孔12を横切るように第一ケース9内の下部側に配置され、支点ピン23を介してその第一ケース9に回動自在に枢着されている。 【0033】ロック部材22の先端部には、その先端側に向かって下方に傾斜した第一ガイド縁24が形成され、ロック部材22の基端部には、その基端側に向かって上方に傾斜した第二ガイド縁25が形成されている。このロック部材22の上方には、その先端部が上方へ回動するのを規制するストッパー26が設けられ、ロック部材22の下方には、その先端部を上方へ付勢する付勢ばね27が設けられている。 【0034】このため、ロック体11をロック部材22の第一ガイド縁24に当接した状態から更に強制的に下方に押し下げると、ロック部材22が付勢ばね27に抗して回転してその先端部が下方に移動し、これによってロック体11をスライド孔12に沿ってロック部材22の下方に移動させることができる。他方、ロック部材22の先端部は上記ストッパー26によって上方へ回動しないようになっているので、ロック部材22の下方に移動したロック体11を逆に強制的に上方に移動させようとしても、ロック体11がロック部材22の先端部下縁に当たってスライド孔12の上方へ抜き出せなくなり、これによってロック体11の第一ケース9に対するロック状態が維持されることになる。 【0035】なお、このロック部材22によるロック状態を解除するには、後述する押しボタン錠13の所定の押しボタン29を押動操作して解除部材32を上方へ移動させればよい。このさい、図3に仮想線で示すように、解除部材32に連動連結されているスライダ31がロック部材22の第二ガイド縁25を上方に蹴ってロック部材22の先端部がスライド孔12から外れることになるので、ロック体11をロック部材22の上方に移動できるようになる。 【0036】図1〜図3に示すように、本実施形態の押しボタン錠13は受け部材3のケーシング7(第二ケース10)に組み込まれている。すなわち、この押しボタン錠13は、受け部材3の一部を構成する前記第二ケース10と、この第二ケース10の表面側に出退自在に設けられた複数の押しボタン29と、この各押しボタン29に対応して第二ケース10内に出退自在に設けられたタンブラ30と、第二ケース10の長手方向(上下方向)に沿って移動自在に設けられたスライダ31と、このスライダ31を解錠方向へ移動させるための解除部材32と、を備えている。 【0037】図2に示すように、前記各押しボタン29は、上下方向の一つの直線上に沿って一列に並んだ状態で等間隔おきに配置されている。また、解除部材32はその一列に並ぶ押しボタン29群の直下に配置されている。このため、第二ケース10の幅寸法をその長手方向寸法に比べて極めて小さくでき、これによって受け部材3に押しボタン錠13を組み込むこと伴う当該受け部材3の幅寸法の肥大化を最小限に抑えるようにしている。 【0038】図3に示すように、前記スライダ31は、すべてのタンブラ30に行き渡る長さを有する細長の板材よりなり、上下方向(第二ケース10の長手方向)に移動自在となるように第二ケース10の内部に摺動自在に収納されている。このスライダ31の下端は、前記解除部材32に連動連結されており、同スライダ31の上端には、当該スライダ31を常に下方に付勢するコイルばね等よりなる付勢部材33が連結されている。 【0039】また、図3に示すように、スライダ31の縁部には、各タンブラ30の幅方向一側縁に係脱して当該スライダ31の移動を規制又は許容する凹部34と凸部35が長手方向に連続して形成されていて、スライダ31の下部には、前記ロック部材22の第二ガイド縁25に当接するキック片36が固定されている。このため、後述のように解錠用の押しボタン29だけを押動操作することでスライダ31を移動可能にしてから解除部材32を上方へ移動させると、スライダ31のキック片36がロック部材22の第二ガイド縁25を上方へ回動させ、ロック部材22の先端部がスライド孔12から離脱するようになっている。 【0040】第二ケース10の内部には、クリア作動体37が前記スライダ31と同じ上下方向に移動自在となるように収納されている。このクリア作動体37は、各タンブラ30の幅方向他側縁に係合することにより、押しボタン29によって押動された当該タンブラ30をその押動操作された状態に保持しておくための位置決め片38を長手方向に所定間隔おきに有している。 【0041】このクリア作動体37の下端部には、最下位にあるクリアタンブラ39の押動操作によって当該作動体37を上方へ移動させるカム面40が形成されており、クリア作動体37の上端は、当該作動体37を下方へ付勢するコイルばね等よりなる付勢部材41が連結されている。各押しボタン29の表面には、上側から順に「1〜7」の番号とクリアを意味する「C」の文字が刻印又は着色されている。なお、押しボタン29の本数は図例の八本に限らず、複数であれば任意に設定することができる。 【0042】そして、本実施形態では、各押しボタン29が上下方向の一つの直線上に一列に並んでいるため、その本数を増大しても第二ケース10の上下寸法が大きくなるだけで、同ケース10を必要以上に太くする必要がなく、押しボタン29の本数に関係なくスリムな施錠機能付きの受け部材3が得られることになる。また、押しボタン29に対する番号表示の順序も任意であり、特に本実施形態のように押しボタン29が八個程度しかない場合には、上記「1〜7」の番号表示や「C」(クリア)といった機能表示を省略することもできる。 【0043】各押しボタン29のうち、番号「1〜7」の押しボタン29には、解錠用タンブラ30Aと非解錠用タンブラ30Bのうちのいずれか一方が対応している。また、記号「C」の押しボタン29には前記クリアタンブラ39が対応している。このうち、解錠用タンブラ30Aは、これを押動操作しない場合にはスライダ31の凸部35に対する係合が維持されるが、これを押動操作した場合には同凸部35に対する係合が解かれるものである。他方、非解錠用タンブラ30Bは、これを押動操作しない場合にはスライダ31の凸部35に対する係合が解かれているが、これを押動操作した場合には同凸部35に対して係合するものである。 【0044】このため、所定の解錠用タンブラ30Aに対応する押しボタン29(図例では1、3、5)だけを押動操作したときに限りスライダ31のスライドが許容されるが、それ以外の場合、すなわち、解錠用タンブラ30Aが押動操作されなかったり、非解錠用タンブラ30Bが押動操作されたりすると、いずれかのタンブラ30によりスライダ31のスライドが規制され、解除部材32を上方へ押し上げることができず施錠状態が維持される。 【0045】一方、各タンブラ30は、図外の戻しばねによって押動操作される前の元の位置に戻るように付勢されている。従って、最も下方に位置する記号「C」の押しボタン29(クリアボタン)を押動操作してクリアタンブラ39を押し込み、これによってクリア作動体37を上方へ移動させると、その位置決め片38が各タンブラ30から外れ、各タンブラ30が押動操作される前の元の位置に戻るようになっている。 【0046】このため、解錠番号を間違って番号「1〜7」の押しボタン29を押動操作したときは、クリアボタン「C」を押してから、番号「1〜7」の押しボタン29による解錠操作をもう一度始めからやり直せばよい。図2及び図4に示すように、本実施形態では、上記押しボタン錠13が組み込まれている第二ケース10は、ドア面と平行な正面壁43と、ドア面と直交する側面壁44と、これらの両壁43,44同士を一体に連結しかつドア面に対してほぼ45度だけ傾斜した傾斜壁45と、を備えている。 【0047】そして、各押しボタン29はその傾斜壁45から突出するように一列に配置されており、これによって各押しボタン29の突出端がドア2の先端側に向けられている。また、第二ケース10の正面壁43と側面壁45には、各押しボタン29の番号又は記号に対応する符号表示46が施されている。このように、本実施形態では、各押しボタン29を傾斜壁45に設けることによってその突出端をドア2の先端側に向けてあるので、図4に示すように、半開き状態にあるドア2の隙間Eから各押しボタン29の突出端を確実に目視できるようになる。 【0048】このため、ドア2の隙間Eに入れた指を各押しボタン29の突出端にアクセスし易くなり、当該隙間Eからの用心錠1の解錠操作が行い易くなっている。なお、各押しボタン29を第二ケース10の側面壁44に設けることにしてもよく、また、第二ケース10を構成する各壁43〜45は湾曲状に形成することもできる。 【0049】次に、図1及び図4を参照しつつ、上記構成に係る押しボタン錠付き用心錠1の使用方法をその作用とともに説明する。まず、当該用心錠1を屋外側から施錠するには、図1及び図4に示すように、ドア2を屋外側から半開きにし、そのドア2とドアフレーム4との間の隙間Eに手を入れてロック用紐材5を屋外側に引き寄せ、この紐材5のロック体11を受け部材3の挿通部21に挿通する。 【0050】その後、ロック部材22を通過する下方位置まで同ロック体11をスライド孔12に沿って下降させると、ロック部材22がロック体11の上方移動を規制してロック11がスライド孔12から抜け止めされる。このようにして、ロック用紐材5が受け部材3の第一ケース9に連結され、当該用心錠1によってドア2がロックされることになる。 【0051】一方、使用者が屋外側から上記用心錠1のロックを解除するには、屋外側からドア2を開いて図4に示す半開き状態とし、この半開き状態のドア2とドアフレーム4との間の隙間Eから所定の解錠用ボタンだけを押動操作したあと解除部材32を上方へ移動させ、この状態でロック体11をスライド孔12に沿って上方へ移動させ、スライド孔12の上端側の挿通部21から抜き出せばよい。 【0052】以下、この場合の押しボタン錠13の解錠方法について説明する。まず、前記した押しボタン錠13において、例えば、解錠番号を「1」、「3」、「5」とする場合には、その番号に対応する押しボタン29に解錠用タンブラ30Aが装着され、それ以外の番号(2、4、6及び7)に対応する押しボタン29には非解錠用タンブラ30Bが装着されている。 【0053】この場合、所定の解錠番号(1、3、5)の押しボタン29だけを押動すると、すべてのタンブラ30A,30Bがスライダ31の凸部35と係合しなくなり、同スライダ31がスライド可能となる。そこで、解除部材32を上方へ移動させると、スライダ31に連結したキック片36がロック部材22をスライド孔12から外れるように回動させ、ロック体11をロック部材22の上方へ抜き出すことができる解錠状態となる。 【0054】他方、解錠番号を間違えて、解錠用タンブラ30Aが押動されなかったり非解錠用タンブラ30Bが押動されたりすると、いずれかのタンブラ30A,30Bがスライダ31の凸部35と係合してそのスライド移動が規制され、この場合、解除部材32を上方へ移動させることができない。このため、ロック部材22によるロック体11の抜け止め状態(図3の実線状態)がそのまま維持され、当該用心錠1による施錠が維持されることになる。なお、かかる用心錠1及び押しボタン錠13の一連の施錠又は解錠操作は、屋内側から行う場合においても上記と同様の手順で行うことができる。 【0055】図5は、これまで説明したきた前記用心錠1の取り付け位置を逆にした変形例を示している。すなわち、この変形例では、ロック用紐材5がドア2の先端部の屋内側面に取り付けられ、押しボタン錠付きの受け部材3がドアフレーム4の枠内側に取り付けれている。このように、本発明は、受け部材3をドア2に取り付けた前記実施態様に限定されるものではない。 【0056】もっとも、図1の実施態様のように押しボタン錠付きの受け部材2をドア2に取り付けた場合には、施錠装置(この場合は押しボタン錠13)が屋外側に開かれたドア2とともに手前に移動するので、半開き状態のドア2の隙間Eからの解錠操作が行いやすくなるという利点がある。従って、受け部材3をドア2に取り付け、ロック用紐材5をドアフレーム4に取り付ける方が好ましい。 【0057】図6は、これまで説明してきたドアの用心錠1を引き戸よりなるドア2に採用した変形例を示している。この場合のドア2は、互いに引き違い状となるようにドアフレーム4にスライド自在に嵌め込めれた左右一対の引き戸2L,2R(一枚の引き戸でもよい。)を備え、図例では左側の引き戸2Lのみが可動状態にあり、右側の引き戸2Rはドアフレーム4に対して常時固定されているものとする。 【0058】そして、可動側の引き戸2Lの先端部の屋内側面に押しボタン錠付きの受け部材3が取り付けられ、ドアフレーム4の屋内側面にロック用紐材5が取り付けられている。この場合の用心錠1を屋外側から施錠するには、図6(b)に示すように、引き戸2Lを少しだけ開いた状態にし、その隙間Eからロック用紐材5の先端部を受け部材3に連結してロックすればよい。 【0059】また、この用心錠1を屋外側から解錠するには、屋外側から引き戸2Lを少しだけ開いた状態にし、その隙間Eから押しボタン錠13を解錠操作して前記ロック部材22をアンロック状態に戻し、ロック用紐材5を受け部材3から離脱させればよい。なお、図示していないが、押しボタン錠付きの受け部材3を固定側のドアフレーム4に取り付け、ロック用紐材5を可動側の引き戸2Lに取り付けるようにしてもよい。 【0060】また、左右一対の引き戸2L,2Rの縁同士が互いに突き合わされている場合には、一方の引き戸2L又は2Rに受け部材3を取り付け、他方の引き戸2R又は2Lにロック用紐材5を取り付けるようにしてもよい。なお、この場合には、ロック用紐材5は、半開きにした引き戸2Lと他方の引き戸2Rとの間の隙間を介してそのロック体11を屋外側から受け部材3に着脱できる長さに設定すればよい。 【0061】図7は、本発明の第二実施形態に係るドアの用心錠1の受け部材3を示しており、この場合、前記押しボタン錠13の代わりにダイヤル錠48を採用している点で第一実施形態と異なる。すなわち、この場合の受け部材3の施錠装置は、複数列のダイヤル49を所定の番号に回動操作したときにロック体11の抜け止めを解除することができるダイヤル錠48よりなる。 【0062】また、本実施形態のダイヤル錠48では、三列(それ以上でもよい。)のダイヤル49が上下方向の軸心回りに縦向きに並ぶように配列されている。このため、本実施形態においても、受け部材3を構成する第二ケース10の幅寸法の肥大化を最小限に抑えることができ、当該受け部材3を可及的にコンパクト化することができる。 【0063】更に、本実施形態のダイヤル錠48では、各ダイヤル49の符号合わせをするための位置表示50が第二ケース10の前記傾斜壁45に設定されており、これによってその位置表示50をドア2の先端側に向けて、半開き状態にあるドア2の隙間Eからその位置表示50を確実に目視できるようにしている。このため、本実施形態においても、各ダイヤル49を所定番号にセットし易く、ドア2の隙間Eにおける用心錠1の解錠操作が行い易くなっている。 【0064】なお、上記の位置表示50は、傾斜壁45ではなく側面壁44に設定することにしてもよい。また、図7に示すダイヤル錠48は、ロック体11を抜け止めする前記ロック部材22と、ダイヤル49の符号が一致したときに限りスライドが許容されてロック部材による抜け止めを解除するスライダ31と、このスライダ31に連動連結された解除部材32を有しており、この点で前記押しボタン錠13とほぼ同様の施錠機構を採用している。 【0065】 【発明の効果】本発明によれば、ロック用紐材の構造を抜本的に変更しなくても屋外側からの施錠機能を付加できるので、屋外側からも施解錠できるようにして防犯機能を向上させた用心錠を低コストで得ることができる。また、本発明によれば、施錠装置における解錠操作に関係する部分(押しボタンの突出端やダイヤルの符号合わせ位置)をドアの先端側に向けるようにしたので、半開き状態のドアの隙間からの解錠操作を簡便にすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000140306 【氏名又は名称】株式会社奥田製作所
|
| 【出願日】 |
平成11年12月27日(1999.12.27) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−182414(P2001−182414A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月6日(2001.7.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−377196 |
|