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【発明の名称】 車輌用ドアロック装置
【発明者】 【氏名】後工田 悟

【氏名】湯山 良夫

【要約】 【課題】耐久性を高めること、誤って手指などが挟まれてもその衝撃を緩和させること、組付けを容易にすることを目的とした車輌用ドアロック装置を提供すること。

【解決手段】ストライカを係止保持するフォ−クとクロ−レバ−とを装備させたフェンスブロック12をベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13とで形成した内空間に内装し、フォ−ク軸とクロ−レバ−軸の両端部をこれらプレ−ト11、13にカシメ止めした構成の車輌用ドアロック装置において、ベ−スプレ−ト11に設けた連結片部11d、11eを、フェンスブロック12に形成した貫通孔12d、12eに挿入し、カバ−プレ−ト13に設けた舌片部13d、13eを上記連結片部11d、11eの先端部に形成した連結孔27、28に嵌入する構成としてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドアを閉めることにより車体側のストライカを係止保持するフォ−クとクロ−レバ−とを装備せた合成樹脂材からなるフェンスブロックと、上記ストライカの進入溝を設けて上記フェンスブロックを内装させた金属材からなるベ−スプレ−トと、上記フェンスブロックを覆うように上記ベ−スプレ−トの開口側に設けた金属材のカバ−プレ−トとを備え、上記フォ−クとクロ−レバ−の支軸をベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとに軸支させた構成の車輌用ドアロック装置において、ストライカの進入溝側となるフェンスブロック部分に貫通孔を設け、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トの一方には、上記貫通孔に挿入させ、先端側をその貫通孔から突出させる連結片部を設けると共に、この連結片部の先端側に連結孔を形成し、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トの他方には、上記連結片部の連結孔に嵌入する舌片部を設けて構成したことを特徴とする車輌用ドアロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車輌用ドアロック装置、例えば、自動車のバックドアに装備するドアロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のバックドアに備えられているドアロック装置は、ドアを閉めることにより車体側のストライカがフォ−クに突き当ってこのフォ−クが回動し、また、フォ−クの逆転がクロ−レバ−により阻止されることから、ストライカがフォ−クによって係止保持され、ドアが閉状態でロックされる。
【0003】このようなドアロック装置は、フォ−クとクロ−レバ−とを装備するフェンスブロックが箱状のベ−スプレ−トに内装され、また、カバ−プレ−トがフェンスブロックを覆うようにしてベ−スプレ−トの開口側に設けられている。
【0004】なお、フォ−クとクロ−レバ−の支軸の両端部をベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとにカシメ止めし、各プレ−トとフェンスブロックとを一体的に固着してあり、また、このドアロック装置はベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとに連通させた取付け孔を設け、この取付け孔を通したボルトなどによってドアに取付ける構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したようなドアロック装置は、ドアを閉めたときに可成り強い衝撃力を受けるため、長年使用している間に、ベ−スプレ−トが変形したり、フェンスブロックが位置ずれしたりすることがある。
【0006】このようにベ−スプレ−トが変形し、また、フェンスブロックが位置ずれすると、フォ−クとクロ−レバ−の噛合がずれるため、ロック動作が不安定となり、ドアが確実にロックされないことがある。
【0007】この問題を解決するため、ベ−スプレ−トに幅広く形成した断面L形の係止部をカバ−プレ−トの細長孔に嵌入させるようにし、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとを補強させた構成のドアロック装置が提案されている。
【0008】しかしながら、このように構成したのでは、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トの係合部の構造が複雑となる他、製造金型も複雑となる。
【0009】また、このように構成されたドアロック装置は、ドアから露出する部分が金属部となるために、ドアを閉めたとき、誤って手指などが挟まれると、大怪我をしてしまう恐れがある。
【0010】本発明は上記した実情にかんがみ、ベ−スプレ−トの変形とフェンスブロックの位置ずれを防ぎ、また、ドアから露出する部分を合成樹脂材のフェンスブロック部分によって覆い、人体に当ってもその衝撃が緩和されるようにした車輌用ドアロック装置を提案することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明では、ドアを閉めることにより車体側のストライカを係止保持するフォ−クとクロ−レバ−とを装備せた合成樹脂材からなるフェンスブロックと、上記ストライカの進入溝を設けて上記フェンスブロックを内装させた金属材からなるベ−スプレ−トと、上記フェンスブロックを覆うように上記ベ−スプレ−トの開口側に設けた金属材のカバ−プレ−トとを備え、上記フォ−クとクロ−レバ−の支軸をベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとに軸支させた構成の車輌用ドアロック装置において、ストライカの進入溝側となるフェンスブロック部分に貫通孔を設け、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トの一方には、上記貫通孔に挿入させ、先端側をその貫通孔から突出させる連結片部を設けると共に、この連結片部の先端側に連結孔を形成し、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トの他方には、上記連結片部の連結孔に嵌入する舌片部を設けて構成したことを特徴とする車輌用ドアロック装置を提案する。
【0012】
【作用】この発明のドアロック装置は、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トの一方に設けた連結片部をフェンスブロックの貫通孔に挿入し、それらの他方に設けた舌片部をその連結片部の連結孔に嵌入させてこれらベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとを連結している。
【0013】この結果、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トがフォ−クとクロ−レバ−の支軸によって連結される他に、上記した連結片部と舌片部によって連結されるために、これらベ−スプレ−トとカバ−プレ−トとが強固な構造となり、ベ−スプレ−トの変形やフェンスブロックの位置ずれが生じないドアロック装置となる。
【0014】また、連結片部が合成樹脂材のフェンスブロックの貫通孔に挿入されているため、ドアから露出する部分がフェンスブロック部分となり、人体に当った場合の衝撃が合成樹脂材の弾性によって緩和される。
【0015】さらに、ベ−スプレ−トとカバ−プレ−トは、フォ−クとクロ−レバ−の支軸の他に、連結片部と舌片部とによって組付けの相互の位置決めを行なうことができるので、組み付けに便利なドアロック装置となる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態について図面に沿って説明する。図1は自動車のバックドアに備えるドアロック装置の側面図、図2は同ドアロック装置の底面図、図3は図1上のA−A線拡大断面図である。
【0017】これらの図面において、10はラッチ機構部で、ベ−スプレ−ト11と、フェンスブロック12と、カバ−プレ−ト13とによって構成してある。そして、フェンスブロック12には図4に示すように、車体側のストライカ14を係止するフォ−ク15と、フォ−ク15の逆回動を係止するクロ−レバ−16とが備えてある。
【0018】フェンスブロック12はほぼ箱状に形成したベ−スプレ−ト11に内装し、また、このフェンスブロック12はベ−スプレ−ト11の開口側に設けたカバ−プレ−ト13によって覆うようにしてある。
【0019】ベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13は、これら各プレ−トにフェンスブロック12を貫通させたフォ−ク軸17とクロ−レバ−軸18との各軸両端部をカシメ止めすることで一体的に結合させてある。
【0020】また、ベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13は左右に張り出した取付板部11a、13aを設け、これら取付板部11a、13aに設けた取付孔11b、13bよりボルトを差し入れドアに取付けるようになっている。
【0021】なお、ベ−スプレ−ト11とフェンスブロック12にはストライカ14を進入させるための進入溝19が形成してあり、また、公知のようにフォ−ク15には時計方向(図4)のばね勢力が、クロ−レバ−16には反時計方向(図4)のばね勢力が各々与えてある。
【0022】一方、カバ−プレ−ト13は先端側の折曲面部をラッチ機構部10のカバ−として、その他の部分をラッチ機構部10の後方に張り出した板体部13cとして形成してある。
【0023】そして、この板体部13cには図1に示す如く、オ−プンレバ−20とベルクランクレバ−21とが回動自在に軸支してある。オ−プンレバ−20はアウタハンドルロッド22を連結した旋回レバ−23と同軸となっており、アウタハンドルの操作にしたがって動作する。
【0024】また、このオ−プンレバ−20には長孔を形成し、リンクレバ−24の先端側に設けた連動ピンをその長孔に突入させてある。つまり、オ−プンレバ−20が旋回すると、リンクレバ−24の先端部が連動ピンを介して連動されて横移動(図1では紙面に対して直角方向)する。
【0025】リンクレバ−24はその基部が上記したベルクランクレバ−21の第1腕に回動自在に軸着してあり、ベルクランクレバ−21の回動にしたがって上方(図1)に移動する。すなわち、リンクレバ−24は、ベルクランクレバ−21の回動にしたがってその先端部がクロ−レバ−16の押動領域に対して進退(図1において上下方向)し、ドアをロックし、また、アンロックする構成となっている。
【0026】また、このベルクランクレバ−21は、その第2腕にキ−シリンダロッド25が連結してあり、キ−シリンダの施錠によってリンクレバ−24を後退(図1において上方向移動)させ、その解錠によってリンクレバ−24を進出(図1において下降移動)させるように回動する。
【0027】なお、ベルクランクレバ−21は電動アクチュエ−タ26に連動され、この電動アクチュエ−タ26をロック動作させると、リンクレバ−24を後退させ、アンロック動作させると、リンクレバ−24を進出させるように回動する。
【0028】具体的には、キ−シリンダを解錠し、または、電動アクチュエ−タ26をアンロック動作させてリンクレバ−24を進出移動させた状態では、リンクレバ−24の先端部によってクロ−レバ−16の押動が可能になる。
【0029】つまり、この状態でアウタハンドルを操作すると、リンクレバ−24がオ−プンレバ−20に連動されてクロ−レバ−16の押動部16aを押動するように横移動し、クロ−レバ−16の係止を解除させる。したがって、アウタハンドルの操作によってクロ−レバ−16がフォ−ク15の係止を解放するため、ドアの開閉が自在となる。
【0030】また、キ−シリンダを施錠し、または、電動アクチュエ−タ26をロック動作させてリンクレバ−24を後退させた状態では、リンクレバ−24の先端部がクロ−レバ−16の押動領域から退離する。
【0031】したがって、アウタハンドルを操作すると、オ−プンレバ−20に連動するリンクレバ−24がクロ−レバ−16を連動せず、空振り動作となる。この結果、ドアを閉めてストライカ14をフォ−ク15により係止させれば、クロ−レバ−16がフォ−ク15の係止を持続するため、ドアロックの状態となる。
【0032】他方、本実施形態のドアロック装置は、ベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13との結合を強固にするための連結機構が設けてある。この連結機構は、図5に詳細に示した通り、ベ−スプレ−ト11に一体形成した連結片部11d、11eと、フェンスブロック12に設けた貫通孔12d、12eと、カバ−プレ−ト13に一体形成した舌片部13d、13eとより構成してある。
【0033】ベ−スプレ−ト11は図5より分かる如く、左右側の壁面11f、11gと、後側の壁面11hと、その前側に設けた2つの連結片部11d、11eとでほぼ箱状に形成してある。
【0034】そして、連結片部11d、11eはストライカの進入溝19の両側位置に直立させた細長の小板部で、それらの先端部にはスリット状の連結孔27、28が形成してある。
【0035】フェンスブロック12の貫通孔12d、12eは、ストライカの進入溝19の両側位置に小幅の2つの孔部として形成し、上記した連結片部11d、11eの挿入が可能になっている。なお、この貫通孔12d、12eに連結片部11d、11eを挿入させたとき、連結孔27、28が貫通孔12d、12eよりはみ出るようにしてある。
【0036】カバ−プレ−ト13の舌片部13d、13eは、上記した連結片部11d、11eの間隔に合せてプレ−ト先端に突出形成してある。この2つの舌片部13d、13eは、上記連結片部11d、11eを貫通孔12d、12eに挿入した後に、貫通孔12d、12eよりはみ出した連結孔27、28に嵌入する。
【0037】その他、図5に示したベ−スプレ−ト11の小円孔29、30とカバ−プレ−ト13の小円孔31、32は、フォ−ク軸17とクロ−レバ−軸18の軸着孔であり、フェンスブロック12の小円孔33、34はそれらの軸17、18の軸挿孔である。
【0038】なお、フェンスブロック12に設けた角孔部35にはスイッチ36を組み込むようになっており、また、このように組み込んだスイッチ36にカバ−プレ−ト13に設けた支持片部13fを圧接させ抜け止めするようにしてある。
【0039】上記スイッチ36は図4に示したように、その動作子36aをフォ−ク15の回動領域に突出させ、フォ−ク15の回動に連動させてON、OFFさせるスイッチである。
【0040】つまり、ドアが閉められ、図4に示すように、フォ−ク15がストライカ14を係止するように回動すると、動作子36aがフォ−ク15によって押動されてスイッチ動作し、スイッチ36がドア閉信号を出力する。
【0041】また、この逆にドアが開けられると、フォ−ク15がストライカ14の係止を解放するようにばね勢力で戻り回動するから、動作子36aが復動し、スイッチ36がドア開信号を出力する。
【0042】上記のように構成したドアロック装置は、フォ−ク15、クロ−レバ−16、スイッチ36などを装備させたフェンスブロック12をベ−スプレ−ト11に内装させるときに、連結片部11d、11eを貫通孔12d、12eに挿入する。
【0043】その後、カバ−プレ−ト13を被せるが、この場合、貫通孔12d、12eよりはみ出た連結片部11d、11eの連結孔27、28に舌片部13d、13eを差し入れる。
【0044】続いて、フォ−ク軸17とクロ−レバ−軸18との各軸の両端部をベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13とにカシメ止めし、これら2つのプレ−ト11、13を一体的に固着する。
【0045】このように固着したベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13は、フォ−ク軸17とクロ−レバ−軸18のカシメ止めの他に、連結片部11d、11e、貫通孔12d、12e、舌片部13d、13eによって構成した連結機構によって補強されることから、ベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13の相互の連結が極めて強固となる。
【0046】この結果、長年使用に耐えるドアロック装置となる。また、このドアロック装置は、ベ−スプレ−ト11の連結片部11d、11eがフェンスブロック12の貫通孔12d、12eに挿入されているので、金属材のベ−スプレ−ト11はドアから露出せず、フェンスブロック12の前部分12a、12bが露出する。
【0047】したがって、ドアを閉めるときに、ドアロック装置が位置するドア部分と車体との間に手指などを誤って挟んでしまった場合、合成樹脂材からなるフェンスブロック12の前部分12a、12bの弾力によってその衝撃力が緩和される。
【0048】また、このドアロック装置は、ベ−スプレ−ト11とカバ−プレ−ト13の組付けに当って、フォ−ク軸17とクロ−レバ−軸18による位置合せの他に、連結片部11d、11eの連結孔27、28に舌片部13d、13eを嵌入させることで位置合せすることができるので、ラッチ機構部10の組付け作業が容易となる。
【0049】以上、一実施形態について説明したが、ベ−スプレ−ト11に舌片部13d、13eを、カバ−プレ−ト13に連結片部11d、11eを設ける構成とすることができる。なお、本発明は自動車のバックドアに備えるドアロック装置に限らず、車輌の各ドアに備えるドアロック装置として実施することができる。
【0050】
【発明の効果】上記した通り、本発明によれば、耐久性に優れ、組付けに便利なドアロック装置となる。
【0051】また、ベ−スプレ−トなどの金属部分が合成樹脂材のフェンスブロック前部分によって覆われるため、手指などが誤って挟まれた場合でも、その衝撃力が緩和される。したがって、このような場合でも大事になることを防止できるドアロック装置となる。
【出願人】 【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100076196
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 寛治
【公開番号】 特開2001−349118(P2001−349118A)
【公開日】 平成13年12月21日(2001.12.21)
【出願番号】 特願2000−173817(P2000−173817)